ダンクソフトの“さきがけ文化”を体験するインターンシップ


▎コロナ禍でもフランスからテレワークで5週間の学生インターン 

左上から時計回りに、インターン生のルカ、ダンクソフト 代表取締役 星野、ダンクソフトのウムト、ダンクソフト 取締役 板林

左上から時計回りに、インターン生のルカ、ダンクソフト 代表取締役 星野、ダンクソフトのウムト、ダンクソフト 取締役 板林

この夏、フランスの大学院生をインターンとして受け入れました。フランスのエクス=マルセイユ大学のビジネス法研究所で修士に在籍する学生で、名前をルカといいます。コロナ禍のなか、5週間にわたるテレワークでのインターンでした。ルカからの最終レポートを引用しながら、紹介します。 

 

いつか日本で仕事をするためには、法律以外のスキルを身につけたほうがいいと考えました。そこで、夏休みを活かして、日本のIT企業でインターンをすることにしました。ダンクソフトのことは、日本政府が発表した「高度外国人材活躍企業50社(※)」のリストに掲載されていたことで知りました。もちろん、COVIDの問題から、日本に移住することは不可能ですが、すべてのことを遠隔地でスムーズに行うことができました。 

  ※「高度外国人材活躍企業50社」(経産省)

コロナ禍で中小企業の採用やインターン受け入れが難しくなっています。しかし、ダンクソフトの場合、整ったテレワーク環境があります。テレワークでも社員がプロジェクトを遂行し、学びあうことに慣れていますから、インターンシップも可能です。期間終了後、日英仏3ヶ国語での充実したレポートが届きました。彼にとって良質なインターン経験となったことは私達にも嬉しいことです。 

 

インターンシップのプログラムは非常によく構成されていました。市場調査からテスト、HTMLの開発まで、さまざまな仕事に挑戦しました。日本のデータ・コンプライアンスやウェブ・デザインについての説明も受けました。私の国では、インターンとしてこのような配慮を受けることは結構稀なことなので、嬉しい驚きがありました。私は日本で働くことに自信が持てるようになりましたし、ダンクソフトで働くこと以外に、この2ヶ月間をより良く過ごすことはできなかったと確信しています。 

ITではなく法律を専門とするヨーロッパの若者と一緒に働く経験は、受け入れ側である私達にとっても新鮮でした。やはり価値観や文化の違う人が入ると、視点が変わって面白いですね。ダイバーシティ(多様性)の価値や重要性もより深いレベルで認識できましたし、スタッフにとっても非常に有意義な体験でした。  

 

▎海外からエンジニアがインターンを経て入社 

 ルカのインターンシップをホストとして受け入れていたのは、ダンクソフトに在籍するトルコ人スタッフのウムトです。じつはこのウムト自身が、ダンクソフトが最初に受け入れた第1号のインターンでした。 

ダンクソフトに在籍するトルコ人スタッフのウムト

ダンクソフトに在籍するトルコ人スタッフのウムト

ダンクソフトでは、80年代から海外エンジニアと活発に交流していましたが、インターンシップというスキームで学生を受け入れたのは、このときが初めてのこと。面接は当時主流だったskypeで行いました。その後、2011年3月に東日本大震災が起こり、来られないかと懸念しましたが、こういう時だからこそ日本のために貢献したいと、6月ごろに2名の大学生が来日しました。ご存じの方も多いと思いますが、明治時代、和歌山沖でトルコ船が遭難した際、現地の日本人が乗組員を献身的に救助したという話があります。彼らはそれを忘れていないのですね。 

 

当時ウムトはトルコの大学で学ぶ学生で、来日後はサテライト・オフィスの実証実験に役立つツールを開発するなど、才能を発揮しました。その後トルコに戻り大学を卒業後、再び来日してダンクソフトに就職しました。現在はエンジニアとしてバリバリ活躍しています。 

 

▎マイクロソフト社とのニート支援プログラム 

その頃から、ダンクソフトでは、さまざまな形でインターンや研修生を受け入れてきました。  

就労支援プロジェクトに参加したのテレワークインターン達

就労支援プロジェクトに参加したのテレワークインターン達

2014年には、マイクロソフト社および若者支援のNPO法人育て上げネットと連携し、若年無業者(いわゆるニート)の就労支援プロジェクトを実施しました。プログラミングの学習からインターンまで、すべてオンラインで行いました。  

この取り組みは、その後も数年にわたって継続しました。その結果、今は退職しましたが、2名の若者がダンクソフトに就職しています。 

 

総務省のテレワーク実験も兼ねた北海道での合宿研修、全国規模でのオンライン研修など、さまざまな取り組みを重ねていき、「通わなくてもオンラインでインターンができる」という手応えは、2014年時点で確かなものになりました。他より動きがかなり早いと思います。 

 

ひとくちにニートと言われる若年無業者ですが、それぞれの長所や個性が活かせる、働きやすい環境があるのです。オンライン、テレワークという働き方には、彼らを含め、人間の可能性を引き出すポテンシャルが確実にあります。 

 

▼テレワークインターン修了式の様子 

https://www.dunksoft.com/news/news/20180327.html

  

▎経産省若手官僚が驚いたダンクソフトの先進性 

 経済産業省官僚のインターンを受け入れたこともあります。若手官僚に「先進性のある企業で就労体験をさせたい」ということで、当時、「中小企業IT経営力大賞」、「テレワーク先駆者百選」、「東京ライフ・ワーク・バランス認定企業」、「ダイバーシティ経営企業100選」等、さまざまな賞を受賞していたダンクソフトに白羽の矢が立ったのだそうです。  

ダンクソフトのサテライトオフィス

ダンクソフトのサテライトオフィス

研修期間は約2週間。出社して仕事をしたり、地域で展開していたサテライト・オフィスに出張したり、テレワークの実際を経験したり。離れて仕事をしているテレワークや、ファックスもコピー機もないペーパーレス・オフィスを体験して、「こんな働き方があるのか」と、ずいぶんカルチャー・ショックを受けていました。 

 

昨年、ワシントンDCに留学中の際に、向こうからダンクソフトのオンライン・コミュニティに参加したりもしてくれました。こうした経験を生かして、あっと驚くような面白いことを実現してくれるでしょう。楽しみにしています。 

 

▼ダンクソフトの受賞歴等 

https://www.dunksoft.com/award 

  

▎徳島の学生がテレワークでインターン  

阿南工業高等専門学校のインターン生

阿南工業高等専門学校のインターン生

近年は、徳島県阿南市の阿南工業高等専門学校(阿南高専)から毎年インターンの受け入れをしています。徳島サテライト・オフィスの竹内祐介(開発チーム マネージャー)が講師として授業を担当しているご縁もあり、継続的な関係を築いています。 

 

最初の年は、実際に東京にやって来て就労体験をする、ごく一般的なインターンでした。その後、サテライト・オフィスとテレワークを併用したスタイルになり、現在はコロナ禍でほぼテレワークのみとなっています。 

 

毎年ブラッシュアップを重ね、遠隔形式でもきわめて充実したインターン経験ができる確信ができました。社会に出る前の学生、特に地方在住の若者が、テレワークの可能性を実感する。その経験は、大都市圏に住んでいない彼らの将来の可能性を大きく広げてくれます。ひいては日本の未来をよりよくするためにも、一人でも多くの若者たちにそうした体験を提供していきたいものです。 

 

▼阿南高専 インターン生の声 

https://www.dunksoft.com/message/2020-11 

  

▎受け入れ側にとっても、さまざまなプラス効果 

 インターンの受け入れは面倒だと躊躇する中小企業は多いかもしれません。しかし、こうしたインターンの受け入れは、ダンクソフトにとっても、プラスとなっています。 

 

外国人、若年無業者(ニート)、官僚、学生(非首都圏在住)。さまざまな属性の人が来ることで、異質な考え方に出会うことができます。社内だけで閉じているとどうしても考え方が似てきます。彼らの参加によって、スタッフの視点が変わり、発想が刺激されます。「開かれた対話」を通して意外なアイデアを受け入れる素地が、ますます整っていきます。 

 

採用にもよい影響があります。阿南高専のインターン経験者も、2名が卒業後ダンクソフトに入社。お互いをよく知ったうえでの良質な採用につながっています。また、新しい人たちを受け入れること自体に慣れ、関わり方も上達していきます。たとえば、新しく入ったスタッフへのカリキュラムが洗練されました。また、新しく入ったスタッフに次の人の受入をホストしてもらうことで、さらによいコ・ラーニング(共同学習)の循環が生まれています。 

 

▼スタッフ全員がバージョンアップしていく 

https://www.dunksoft.com/message/2021-07 

  

▎ダンクソフトに“留学”? 

 「ダンクソフトの働き方やオフィスを見たい、知りたい」という視察のニーズは多いです。大企業から公共機関、NPOまで、さまざまなところから来られます。 

 

「イノベーションの場」である、ダンクソフトの神田オフィス

「イノベーションの場」である、ダンクソフトの神田オフィス

ダンクソフトは、「インターネットにあらゆるものをのせていく」ことで、新しい働き方をいちはやく実践してきました。ペーパーレス、テレワークといった、インターネット時代のオフィスのあり方と働き方。それを見たいとおっしゃるのですね。コロナ以前から多かったですが、現在は「スマートオフィス構想」を実践する拠点として、さらに注目いただいているようです。これからテレワークやペーパーレスを考えている企業や団体は、当社の神田オフィスに、ぜひ視察にいらしていただきたいと思っています。 

 

ただ、やはり外側から見るだけではわからないことが多々あります。インターンとして実際に体験し、実感をもって知ることは、「ダンクソフトの“さきがけ文化”に触れる」絶好の機会として、刺激的な学びとなるでしょう。そういう意味では、ダンクソフトでのインターン経験は、異文化体験、留学に似ているかもしれません。デジタルを上手に取り入れて、温かくてクリエイティブな先進的ワークスタイルを実現しています。 

 

▼スマートオフィス構想を実践する新拠点 

https://www.dunksoft.com/news/2021/3/8 

  

▎異文化と協働する「スマートオフィス構想」 

 今後ダンクソフトがめざすさらなる未来、「スマートオフィス構想」は、こうした経験の受け皿になる場でもあります。インターネットにあらゆるものをのせていくことで、国内外を問わず人々が結びついていく。関係の網の目を広げていける。ダイバーシティと開かれた対話による未来志向の協働の場、イノベーションの場です。 

 

ダンクソフトは、企業、団体、学生のインターンを歓迎します。また、ダンクソフトのデジタル文化を短期的に体験していただけるプログラムも考えていく予定です。 

 

▼スマートオフィス構想とは 

https://www.dunksoft.com/message/2021-04

価値創造は「驚き」からはじまる─東京2020大会のボランティア現場から─ 


▎ボランティア現場から見た東京2020大会 

9月5日、代々木のオリンピックスタジアムでパラリンピック閉会式が行われ、東京2020大会が閉会しました。コロナ禍が続くなか、人類史上初めての無観客開催という挑戦でした。  

実は私は、安全に気を付けながらもオリ・パラの大会ボランティアをしていました。おかげで、多くの驚くべきシーンや瞬間に立ち会う機会を得ました。 

 今回のコラムでは、ボランティアという“中の人”として実感した「驚きの体験」を中心にお話します。今回のオリ・パラで見聞し感じたこと、そこから見えてきた人間とデジタルの協働、そしてダンクソフトの未来について、考えたことをお話ししていきます。 

開催を巡ってはさまざまな意見や議論もありました。ですが、アスリートが人類の可能性を超えていく姿はやはり純粋に素晴らしい。私はあらためてそのことに感動しました。また、テクノロジーの進化がはっきりと可視化された大会でもありました。 

 

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▎はじまりは2002年の日韓ワールドカップ 

 世界規模で行われるスポーツ大会のボランティアをするのは、これが2度目になります。初めてボランティアを経験したのが、2002年のFIFAワールドカップ日韓大会の時。有意義な体験でした。そうした経緯があったので、今回もこれは経験しておきたいと考え、応募しました。 

今回のポジションは、幕張メッセ(千葉市)フェンシング会場でのメディア・サポートでした。自宅から往復2時間、日によっては朝5時起きで出かけ、帰宅は夜10時を回ることも。しかも持ち場の一部は40度を超える屋外という厳しいコンディションでした。 

結論として、やはりやってよかったです。素晴らしい体験でした。チャレンジすることで得難い「驚き」が得られました。「驚き」には「発見」があります。新しい世界との出会いがあります。クリエイティブな可能性の入口となります。 

▎日本フェンシング初の金メダル、その歴史的瞬間に立ち会う 

忘れられない場面のひとつは、日本フェンシング初の金メダル、男子エペ団体優勝の瞬間に立ち会えたことです。なんといっても、私の持ち場である会場での出来事です。空気の変化を肌で感じていました。 

一瞬で流れが変わったのは、準々決勝で日本がフランスに勝った瞬間でした。世界ランキング8位の日本が、4連覇を狙う世界ランキング1位のフランスを下したのですから、大ニュースです。 

一気に注目が集まったため、即時対応で殺到するメディアの受け入れ体勢を整え、決勝が始まるまで対応におおわらわでした。そして、日本優勝、国歌斉唱、記者会見。優勝した日本チーム自身が驚いたかもしれません。この先のパリ大会での活躍がさらに楽しみです。これほどの瞬間に立ち会えたことは、忘れられない経験となりました。 

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▎デジタルを駆使した大会運営とメディア・センター 

 デジタルの進化と浸透ぶりにも驚きました。今回、ボランティア・チーム運営の連絡や情報共有に使っていたのは、ビジネス・チャット・ツールです。進んでいますね。メディア・センターはもちろんインターネット完備で、メディア・クルーは皆パソコンを持ち込んでいました。 

 19年前、2002年の日韓ワールドカップでは、まだ複合機がメディア・センターに並び、手書き原稿をFAXで送っている人がいました。この20年の変化を思うと、技術の進歩は圧倒的です。 

また、映像は4Kでめざましくきれいになりました。一方で、現状では通信速度がまだ追いついていないため、生放送映像に一瞬の遅れが生じます。今の技術段階はそういう時代なのだと、これは現場にいたからこそ気づいたことでした。 

▎ボランティア・チームは「コ・ラーニング」だった 

 ボランティア・チームの動きに「コ・ラーニング」を感じたことも印象深いことでした。異例づくしの大会で、人も不足がち。誰かが教えるマニュアル通りにやればいい、という状況ではありませんでした。 

そんな中、「楽しもう」と多くのボランティアが言っていました。そして、楽しみながら、言われなくても自分で考えて動いていく。現場・状況に応じて柔軟な判断ができていく。少なくとも、私のチームでは、対話を通して互いに学びあいながら遂行する、コ・ラーニングの現場が生まれていることが見て取れました。  

▎13歳の金メダリストに見た新しい価値観と可能性 

 ボランティアとして関わってはいませんが、スケートボード、スポーツ・クライミング(ボルダリング)の選手達に見られる価値観の新しさにも、目を見張りました。他の選手を「敵」とみなして競うことをしません。一緒に目標に向かい、さらなる可能性に挑戦していく「仲間」として応援しあっているようです。 

 だからこそ、次のレベルにチャレンジしていける。皆で飛躍し全体のレベルをあげていけるんですね。史上最年少の金メダリストとなったスケートボード女子ストリートの西矢椛選手は13歳。新しい技を出せる瞬間を、純粋に仲間と楽しんでいるように見えます。その結果、世界1位となりました。オリ・パラが見せる、これからの人類の可能性を象徴する、驚きの出来事でした。   

▎パラリンピック記録が世界新を更新する 

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最後に強調したいのが、パラリンピックへの大きな期待です。一部では有名な話ですが、義肢の進化はめざましい。走り幅跳びでは義足ジャンパーがオリンピック超えの記録を出すと期待されています。

今回のパラリンピックでは、ドイツのマルクス・レーム選手が8メートル18を飛びました。8月のオリンピック優勝記録(8メートル41)には届かなかったものの、わずか23センチの差まできています。 

 道具やトレーニング方法が変わって飛躍していく。これは、パラリンピックに限りません。肉眼での判定が難しい場合のビデオ判定は、テニスやサッカーをはじめ、各種スポーツ競技で使われるようになりました。さまざまなテクノロジーが媒介することで、できることが広がっていくのです。 

▎オリ・パラがひとつになるとき 

 スポーツ以外でもそうです。将棋やチェスは、AIが人間に勝つ段階に入りました。そうすると、今度はそのAIを相手に人間が学ぶことで、次の次元の棋士が生まれる。そのような方向に、学び方が変わったわけです。人間が機械に敗北したのではなく、人間と機械との協働が、これまでより一段高い所で起こり、人類の成長につながっていく流れだと私は思います。 

 ダンクソフトが扱う「デジタル・テクノロジー」も、これに通じるものがあります。人間の可能性を引き出す媒介となるものと捉えています。 

 今大会でも、性の多様性についての話題がありました。過去3倍の182人がLGBTQであることを公表しました。またパラリンピックの理念は、常に多様性に挑戦してきました。将来、オリンピック・パラリンピックが現在の「男と女」「健常者と障害者」という分け方をしなくなる日も、遠くないのではないでしょうか。 

▎人類は、人類の可能性を超えていく

東京2020大会でのこうした驚くべき体験を振り返って思うのです。たとえばウサイン・ボルト選手の世界新記録更新を人々が喜べるのは、そこに人類の可能性を見ているからです。陸上だけでなく、これまでの記録を超えていく人が、皆から称賛される。そういう世界です。私達ダンクソフトも、そこに挑戦していきたいと思います。 

40周年に向かう今年、皆さんにもっと「驚き」を提供していきたいと考えています。対話を通して、楽しみながら、ともに高め合う「コ・ラーニング」の時代へ。デジタルで広がる可能性をさらに進化させ、期待をより上回る新しい価値をご一緒に創出する存在でありたいと考えています。 

 

「コ・ラーニング」という考えで仕事をすれば、仕事はもっと楽しくなる


 ▎コ・ラーニング:「仕事を楽しく」進めるカギ

 

ダンクソフト 代表取締役 星野晃一郎

ダンクソフト 代表取締役 星野晃一郎

星野 前回7月に、新年度のはじまりとして、「コ・ラーニング元年」のお話をしました。

 今回はその続きで、「コ・ラーニングという考え方で仕事をすれば、仕事はもっと楽しくなる」という話をしたいと思っています。

今日は、当社の新たなプロジェクトに取り組んでいる板林淳哉と一緒です。さまざまな現場で起きる、実際のエピソードを交えながら進めていきましょう。

ダンクソフト 取締役 板林淳哉

ダンクソフト 取締役 板林淳哉

板林 今日は、ダンクソフトが大事にする「コ・ラーニング」や「対話の文化」が、プロジェクト現場での「楽しさ」につながっていることを、少しでもお伝えできたらと思っています。

 

▎コミュニティの活性化には、ARサービス「WeARee!(ウィアリー!)」

 

板林 早速ですが、まず、ある現場でのエピソードからお話したいと思います。新製品開発のプロジェクトです。

 

ダンクソフトは、2020年11月に、ARサービス「WeARee! (ウィアリー!)」をリリースしました。これはコミュニティづくりを促進することができるツールです。簡単な操作で、ARコンテンツをインターネットにのせることができます。そしてウェブページを作成し、参加者と交流することができるというものです。

機能的なメリットとしては、GPSの位置情報を紐付けるのはもちろん、3Dモデルが使えること、手頃な価格帯、専用アプリ不要の使いやすさなどがあります。

 

手軽で使いやすいツールなので、これまでデジタルに馴染みの薄かった人にこそ楽しんでいただけると嬉しいです。誰にでも使ってもらえるツールを目指しています。

 

星野 そうそう、そこは常々ダンクソフトでも考えていることですよね。この神田オフィスにあるダイアログ・スペースにまつわる情報を WeARee! にのせたいですね。お客様やスタッフがバーチャルで訪れて、見学をして、楽しくコミュニケーションができるようにしたいなと。先日は北海道からも WeARee! への引き合いがありましたね。

ダンクソフト神田本社内のダイアログ・スペース

ダンクソフト神田本社内のダイアログ・スペース

 板林 参加者同士で継続的にコミュニケーションがとれる状態をWeARee!でつくれることもポイントですね。これからはビジネスにせよ、コミュニティの活性化にせよ、一方向ではなくて、コミュニケーションがカギですからね。

 

参考記事:WeARee! 導入事例:上野動物園で実施した実証プロジェクト

▎美術館 × WeARee! のアート・プロジェクト

 

板林 今、このWeARee! を使ったユニークな取り組みが、現在進行形で進んでいます。まちなかのパブリック・アートを対象として、屋外オープン・スペースで鑑賞イベントを開催しようというものです。

東京都美術館と東京藝術大学が「とびらプロジェクト」というソーシャル・デザイン・プロジェクトを実施しており、「とびラー」と呼ばれるアート・コミュニケータたちが活躍しています。広く一般から集まったメンバーの方々で、3年の任期後も有志でさまざまな活動を続けています。この活動は、その「とびラー」OB・OGチームとの協働プロジェクトなんです。

 

星野 当初は美術館での館内イベントを考えていたんですよね?

 

板林 そうなんです。ですが、撮影条件や現場のオペレーションなどを具体化しながら話し合うなかで、まちなかのパブリック・アートを対象として屋外でやってはどうかという、アイディアが思いがけず浮上しました。

 

いろいろ考えていくと、その方が、制約が少なく、参加者が楽しめて、WeARee!の機能もフル活用できるね、と。主催者の「かなえたいこと」を聞くことで、私たちダンクソフトのメンバーにも新たなアイディアがわきました。最新の技術やツールをどう使えるか、何ができるか、もっと面白い可能性はないか。相互の対話の中から、どんどんよりよい意見が出てきました。

▎「コ・ラーニング」が新たなアイディアを生む

 

星野 双方のプロジェクト・メンバーのあいだで思いがけない見方が生まれたというのは、対話の効果ですね。

 

板林 はい、まさに対話を重ねて、お互いにイメージや理想を出し合うことで生まれる相乗効果でした。誰かがアイディアを出すと、別のメンバーから「それならば」とさらなる発想が飛び出してきます。その繰り返しでした。結果、当初は誰も想像もしていなかったグッド・アイディアが生まれたのです。

 

星野 いいですね。そのプロセスは、まさに「コ・ラーニング」が起こっていますね。

 

板林 WeARee!の開発チームには、トルコ人のメンバーも参加しています。多様性のあるチーム・メンバーから、いろいろな見方が入ることも、プロセスを楽しくしていると思います。

 

星野  結果として“誰も予期していなかったこと”が起こっているのが、大事なポイントですね。予定したことを予定していた通りにやることは誰でもできるし、案外簡単です。そうではなく、予定調和ではなくて、予期していなかった成果・効果が生まれるコミュニケーション・プロセスは、ダンクソフトならではですね。

 

お客様との関係が、発注・受注の関係ではなく、お客様・サービス提供者という立場を超えて、パートナーとして「一緒になって取り組む姿勢」がプロセスを楽しくしますね。これが「コ・ラーニング」のはじまりです。どちらかが相手の上に立とうとすると、この関係は生まれません。

 

目線を合わせて、一緒になって考えることができるから、お客様が求めていたことがよく見えてきますし。多様な人たちがお互いに対話するなかで、新しい発見がありますから、おのずとイノベーションが生まれやすい。お客様も、何が課題で、そのためにデジタルで何ができるのかを、よくご自分で理解できるようになっていただけます。

  

▎コミュニティが活性化すれば、日々の業務連絡さえ楽しくなる

 

星野 日頃の職場でのちょっとしたやりとりも同様ですね。対話の文化があれば、コミュニケーションにストレスが少なく、事務的なコミュニケーションにさえ楽しさが生まれたりもします。

 

板林 それでいうと、最近のダンクソフトでは、スタッフが日々の仕事を報告する「日報」が割に面白いんです。一般的な、形式的な日報とは印象がずいぶん違います。たとえば「今日のBGM」を書き添える人がいたり、毎回なぜかラーメン店情報をつけていたり。高専(高等専門学校)を卒業したばかりの新入社員が入ったことによる新しい風も感じています。

 

星野 徳島の山本君ですね。彼の日報は、ちょっとしたショート・コントになっている気がしますよ。先日のは、チョコボールの“当たり”が出た小話でしたね。話にオチがあるのは関西文化圏だからかな?(笑)

 

板林 なるほど(笑)。読んでいて楽しい空気が出てきたのは確かですよね。だからでしょうか、思わず反応を返す人もいますし。

 

星野 ただの事務連絡に見えて、実はちょっとした雑談も交えた会話のいとぐちになっている。ささやかに思えるかもしれませんが、コミュニティの活性化にとって、情報共有の仕方ににぎわいがあることは、とても大切なことですね。業務連絡といいながら、ゆるやかなコミュニケーションが生まれ、人間関係を確実に豊かにしてくれていますよ。

  

▎「ダンクソフトと仕事をすると楽しい」:その意味

 

星野 お客様から「ダンクソフトと仕事をすると楽しい」という褒め言葉をいただくことがよくあります。ビジネスやプロジェクトが、対話重視、コ・ラーニング重視の現場になりつつあるからだと考えています。こうした「仕事の楽しさ」は、単にオモシロ・オカシイということではありませんね。むしろ一方向ではない楽しさや、一緒に学び続ける楽しさ、また、見たことのないものに向かう楽しさや、ともに変化・成長する楽しさなのでしょう。

 

板林 そう思います。そのためにも、社外のお客様にとってもコミュニケーションしやすいパートナーになれているなら嬉しいです。

 

ケニーズ・ファミリー・ビレッジ / オートキャンプ場  川口泰斗氏

ケニーズ・ファミリー・ビレッジ / オートキャンプ場 川口泰斗氏

以前、ウェブのリニューアルで大きな成果を出されたケニーズファミリービレッジさんから、「同じ船に乗ったクルーのよう、仲間のようだ」といっていただきました。

 星野 あのプロジェクトもよかったね。大きな相談事ではなくても、スタッフに気軽に連絡してきてくださるお客様がいるとも聞いています。大事なお知り合いや関連企業をご紹介いただくことも多くなってきました。技術面だけでなく、ダンクソフトのヒューマンな部分も、徐々に信頼いただけるようになってきたからではないか、と考えています。

 

イノベーションは、地道な取りくみの果てにしか生まれません。日々の小さな改良の積み重ねが、やがてある時大きな変化を生み出します。もちろん、大変なことはありますが、一緒に課題を設定し、大変さを乗り越えるのも、また楽しいこと。

 

ただし、対話型、コミュニケーション型であることが条件ですね。ダンクソフトとプロジェクトをご一緒した方たちは、そのあたりを実感して、「仕事の楽しさ」を感じていらっしゃるのだろうと思います。これからも、皆さんとさらに楽しくプロジェクトを進めて、世の中をもっと便利に、よりよくしていきたいものですね。「コ・ラーニング」という考え方で仕事をすれば、仕事はもっと楽しくなると、強調したいです。

 

「コ・ラーニング」で人が育ち、ビジネスも追い風に ~39期目を迎えて


▎もう「教える」時代ではない

 

ダンクソフトは7月から新年度に入りました。40周年という節目に向けて、ダンクソフトは、この新年度を「コ・ラーニング元年」と位置づけます。

 

「コ・ラーニング(Co-learning)」とは、共に学びあう、共同学習のこと。対話と協働を重視するダンクソフトがここ数年目指してきた姿であり、チャレンジと実践を重ねてきたことでもあります。

 

もう「教える」時代ではありません。知識のある人がない人に一方的に教える教育から、共同学習へ。今年度は、この「コ・ラーニング」をより一層重視し、社内外に広げていく年にしていきます。

▎スタッフ全員がバージョンアップしていく

                                                                                   

現在のダンクソフトは、全体としていい流れにあり、おかげさまでビジネスも好調に推移しています。

 

2021年4月に行われたオンライン入社式。徳島と全国をつないで実施。

2021年4月に行われたオンライン入社式。徳島と全国をつないで実施。

とりわけよいのは「人」です。この半年で4人の経験者を採用しました。4人とも素晴らしい人ばかりで、大いに期待しています。また、5年ぶりに新卒採用を行い、今年4月に1名、来年4月に2名がメンバーに加わります。新卒スタッフは、ダンクソフトがオフィスをもつ徳島での採用です。かねてから連携してプロジェクトを実施してきた阿南工業高等専門学校の卒業生たちです。テクノロジーに強い人たちです。都会に出てくるのではなく、地元にいながらにして、もっとクリエイティブに才能をいかした働き方ができるよう、これまで提唱してきました。これが、今年、実現しました。

新スタッフが加わることで、既存スタッフを含め、ダンクソフト全体の意識が高まり、成長します。よく言われる、「人を育てることで、教える側が育つ」というようなことではありません。

 

最初に触れたとおり、これからは、もう「教える」時代ではなくて、共に学びあう「コ・ラーニング」の時代です。新スタッフの存在は、既存スタッフに刺激を与え、私たちに新しい学びをもたらしてくれます。それによって、私たちはこれまでつちかった知識や考え方を、さらにバージョンアップしていくことができるのです。

 

もちろん、実践の場で学びあうことで、新しく入ったスタッフにとっても、ダンクソフトが新たな発見と成長の機会になることは、言うまでもありません。

▎「対話の風土」ができてきた

 

社内の対話文化もいよいよ醸成されてきました。ダンクソフトでは、2年前から、私と社内スタッフとの「対話の時間」を設けています。年2〜3回のペースで、チームごとに、定期的にグループ対話を重ねてきました。

 

もっとも、最初は「対話」と言えるようなものにはなりませんでした。十数人のチームなのに参加者が1人しかいなかったこともありました。業務面談かヒアリングのようなものと誤解されたのかもしれません。「対話」というもの自体になじみが少なかったのでしょうね。

 

それが今では、それぞれが自分の声で、自分の考えを言えるようになってきました。たいていのメンバーは、もう当てられなくても自発的に発言します。人と異なる考えでも口にします。チームを超えたコミュニケーションも生まれています。

 

「コ・ラーニング」にとって大切な「対話の風土」が、社内にできてきたのです。とても素晴らしい、誇らしいことだと嬉しく思っています。

 

数年来、星野とスタッフたちとの対話を意識的に増やしてきたダンクソフト。

数年来、星野とスタッフたちとの対話を意識的に増やしてきたダンクソフト。

▎多様性こそがパワーになる

 

こうした「コ・ラーニング」の環境は、メンバーが多様であればあるほどよいものです。住む地域、年齢、性別、国籍、考え方や趣味や生活スタイル……。もちろん働き方もそうです。いろんな人がいることで、相乗効果が高まります。そして、対話的に学びあうことで、イノベーションが起こってきます。

 

ダンクソフトにはトルコ人スタッフが働いています。また、現在、フランス在住の学生をインターン生として受け入れています。言葉も文化も風土も異なる人がいることはやはりよいですね。日本の中にばかりいるとどうしても視野が狭くなりますが、異なる文化を知ることで、仕事にフィードバックがかかります。

 

他にも、ダンクソフトで長く働いている人、新しく入った人。都市に住む人、地方に住む人。50代、60代もいれば、新卒採用の若者もいる。多様なメンバーが関わることで、互いに学びあい、より高め合うことができるのです。その結果、さまざまな新結合がおこり、イノベーション、つまり、新たな「はじまり」が生まれるのだと考えています。 

▎「コ・ラーニング」がビジネスの追い風に

 

社内で対話が浸透するにつれ、お客様との関係も、さらに良好になってきました。受注する・発注するだけの間柄を超えた、対話関係を築いて、一緒に次を創れるお客様がいらっしゃるのは、ありがたいことです。

 

現在ダンクソフトのビジネスが良好なのも、このようにしてお客様との対話関係が育ち、現場でも「コ・ラーニング」がすでに生まれ始めていることと無関係ではないでしょう。むしろ大きな一因として、プラス効果をもたらしていると見ています。 

▎効率化で生まれたリソースで、コミュニケーションに注力

 

ダンクソフトは、今年度も引き続き「デジタル・デバイドの解消」、そして 「コミュニティの活性化」 を、色々な方々との連携・協働で実現していきたいと考えています。さまざまなサービスや製品を、そのためのツールとして活かしていきます。

 

しくみは小さく、シンプルにして、まず効率化します。そして、余った時間やリソースで、コミュニケーションに注力する。未来への準備は、できるだけ早くするべきです。今はまさにその好機なのです。

 

たとえば、新しいお客様を取り入れたければ、窓口はインターネットやアプリの中にあるべきです。電車や車にのってわざわざ窓口に行かなくても、インターネット上に窓口があれば、シンプルにコミュニケーションがはじめられます。

 

情報を囲い込んで複層化させるよりも、クラウドにのせ、お客さんも含めた外に開いていく必要があります。基本の情報基盤もシームレスにインターネット上にあることは、BCP対策にも有効です。

 

「インターネットにあらゆるものをのせていく」ことがビジネスを加速させる、これがこれからの時代です。 

 ▎しくみは小さく、シンプルに

 

なぜ今、好機なのか? シンプル化が必要なのか? それは、ITのとらえ方そのものが変わるタイミングに来ているからです。サービスが変わっていく時だからです。

 

ダンクソフトのお客様の中にも、シンプルで使いやすいシステムを導入して、デジタル・デバイドの解消に成功されたケースが多々あります。

 

たとえばNPO法人 大田・花とみどりのまちづくり様は、クラウド型のシステムを導入し、手書きとエクセルが混在する煩雑な情報管理を卒業していこうとされています。

 

また、石垣はなまる学童クラブ様では、子育て経験のあるダンクソフトのスタッフが、その知見を生かして、学童保育運営のさまざまなアプリをクラウド型システムで構築しました。タブレットやスマホだけで使える、現場に即した情報環境を実現し、快適にお使いいただいています。

石垣はなまる学童くらぶから定期的によせられるKintone通信。

石垣はなまる学童くらぶから定期的によせられるKintone通信

 ▎知らないうちに「デジタル・デバイド」になっている基幹システム

 

また、今の時代、組織内にある身動きのとれない古い基幹システムが、逆にデジタル・デバイドになってしまっているケースもあります。導入当時の技術と環境では良かったインフラも、今となっては、刷新が必要になっています。

 

最近は、こうした基幹システムの見直し・刷新のご相談が多くありますが、これも次の動きをいち早くつくるためには、企業・団体にとって急務です。 

▎対話と学びあいがコミュニティを活性化する

 

できるだけシンプルに、簡便に、効率的に「デジタル・デバイドの解消」をしていきましょう。そして より注力すべき「コミュニティの活性化」に向けたしくみづくり、対話、運用にこそ、リソースをつかっていきましょう。

 

ビジネスはやはり「人」です。企業の枠にしばられず、お客様、その先にいるお客様、ノンユーザーも含めて、多様なメンバーが出会い、実践の場で対話を通して互いに学びあう「コ・ラーニング」が、ますます重要になっていきます。今年度も、皆様とともに停滞を打ち破り、次を拓く「はじまり」をつくっていきたいと考えています。 


経営者対談:ともにちからを合わせ、デジタルで人々を幸せに

今回のコラムでは、リコージャパン 代表取締役である坂主智弘さんをゲストにおむかえし、コロナ禍を経て見えてきたこれからのビジネスについて、「デジタル」がもたらす未来について、対話しました。

 

リコージャパン株式会社 代表取締役 社長執行役員 CEO 坂主智弘

株式会社ダンクソフト 代表取締役 星野晃一郎



 ▎「この人だ!」と直感した

 

坂主 星野さんと出会ったのは、2016年でしたね。一般社団法人マーチング委員会(※)のイベント「マーチングEXPO2016」で、星野さんの講演をお聞きしたことがきっかけです。講演テーマは「IT企業が田舎でまちおこし」。星野さんは、講師として、神山をはじめITを活用した地域創生の事例を紹介されました。

 

そのお話がとても興味深く、「この人だ!」と直感したのです。自分の知りたいことがここにある、こんな人はそういない、このチャンスを逃してはいけない、という印象でした。そこで、講演後すぐにご挨拶に行きました。

 

星野 この日の会場は、神奈川県海老名市にある「リコーフューチャーハウス」でした。海老名はリコーさんの最大の研究開発拠点。そこに新たにつくられたビジネス共創のコミュニケーション・スペースでした。その施設のことや、リコーさんの地方創生の取り組みなどについてお話ししましたね。

 

※マーチング委員会:日本のまちなみをイラストで伝え、地域の魅力を再発信する団体。

左:株式会社ダンクソフト 代表取締役 星野晃一郎 右:リコージャパン株式会社 代表取締役 社長執行役員 CEO 坂主智弘さん

左:株式会社ダンクソフト 代表取締役 星野晃一郎
右:リコージャパン株式会社 代表取締役 社長執行役員 CEO 坂主智弘さん

▎徳島県視察ツアーで見た「これからの働き方」の衝撃

 

坂主 その後すぐに、当時は日本橋にあったダンクソフトさんのオフィスにお邪魔して。翌2017年3月には、徳島県神山町を訪ねるサテライト・オフィス視察ツアーにも参加しました。

 

星野 懐かしいですね。ダンクソフトでは、「徳島サテライト・オフィス視察ツアー」を毎年実施してきました。2011年に始まり、コロナ以前は、毎年2回ほど開催していました。

 

坂主 なかでも、大自然の中でノート・パソコンを開いて仕事をしている。そんな情景に「こんな働き方があるのか」と衝撃を受けました。

坂主さんが衝撃を受けたという情景

坂主さんが衝撃を受けたという情景

星野 坂主さんご自身が、お一人で参加されていましたね。あの時も、首都圏をはじめ全国から多様なメンバーが集った視察でした。

 

坂主 そうですね、視察先はもちろん、参加者も刺激的な方ばかりで、懇親会も有意義でした。その後のつながりも生きています。以来、星野さんとは、さまざまなところでご一緒してきました。あとはパエリアでしょうか(笑)。

 

星野 ははは。二人とも食いしん坊ですから(笑)。コロナ禍の前は、会えばおいしいものをご一緒していましたね。

  

▎コロナ禍をへて見えてきた未来──リコージャパンの場合

 

坂主 コロナ禍をへて、大きく変わったことが2つあります。まずは、「働く場所を選ばない働き方」が、すでに実態のなかにあることです。4年前に神山を視察した頃を思うと、今ようやく、時代が追いついてきたなと感じます。

 

次に、コミュニケーションのあり方です。私たちリコージャパンは複合機をはじめとする事務機器の製造・販売・保守を行う会社です。訪問サポートの比重は高く、何があっても「まずは足を運ぶ」という考えが主流でした。

 

「リコーさん最近来ないから、他社に変えちゃったよ」というようなことも少なくない業界です。フェイス・トゥ・フェイスでないと取り合わないという傾向は、とくに地方において、強かったのです。

 

ところが、コロナ禍以降、リモートの商談がすっかり浸透しました。以前は商談によっては商品担当者がリアルに同行していましたが、今はお客様担当者だけが現場に行き、商品担当者は現地へ行かずにオンライン参加が可能です。お客様にタブレット1枚を見せて「連れてきました」と言える世界になりました。

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▎「もう戻れない」──どこにいても働ける時代へ

 

星野 飛躍的な変化ですね。

 

坂主 今回のこの変化は、「ジャンプした」という印象をもっています。一部展開にとどまっていたものが、もう使わざるをえない状況になり、ためらいの小川を飛び越えたと言いますか。

 

リコージャパンは、2011年の東日本大震災を契機に働き方改革を進め、リモート・ワークを推進してきました。2019年には、総務省のテレワーク先駆者百選に選ばれ、賞もいただきました。その時点で、ノート・パソコンとWi-Fiルーターは、たしかに支給していました。ですが、実際の使用頻度や使用率は、必ずしも高くはなかったのです。今回、それが一気にジャンプしました。もう戻らないでしょう。

 

星野 このコロナ禍で、テレワークに切り替えるたくさんの社員の方に「テレワーク検定」を活用いただきました。現在のテレワーク状況はいかがですか?

 

坂主 私のいる本社は、約430席の事業所です。増減はありますが、おおよそ約70〜100人が出社しています。全体の4分の1弱です。

 

今回のことで、作業場所としてのオフィスは必要なかったと、よくわかりました。変わらずリアルに集まることが必要なのは、会議や意思決定、コミュニケーションの場面です。

 

▎コロナがもたらした変化──ダンクソフトの場合

 

星野 ダンクソフトの場合、社内のことより、周りの変化が大きかったです。とくに、出向先クライアントの方針ですね。これまで出向先の意向や環境が理由となってテレワークが難しかったクライアントも、今回は対応せざるをえない状況でした。

 

ダンクソフトは、2008年からテレワークを導入しています。震災後の2011年には、徳島にサテライト・オフィスを開設。リモートで働くことが普通な環境が、比較的、早くからありました。コロナ禍では、2020年3月25日の都知事による自粛宣言の翌日から、出向スタッフを含め、全員が在宅テレワークを始めました。そのまま1年以上が経過し、今も徹底したテレワークで円滑に仕事を続けています。

 

坂主 ほとんどのビジネス・パーソンが、一度はリモート・ワークを実際に体験した。このことの意味は大きいですね。

 

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星野 そうですね。アタマで知っているのと、実際に「やったことがある」のとでは、次元が違いますから。コロナ禍で、まったくのアナログ運営をしていたフラメンコ・スクールがデジタル化に挑戦して、リコーさんの360度カメラ「THETA(シータ)」を取り入れた実験なども行いましたね。そういう意味でも、先程おっしゃった「時代が追いついてきた」という印象は、私もまったく同じ感覚を、周りから受けています。まさに「ジャンプ」ですね。たった1年でこれだけ変わるんだと感慨深いです。

▎「真のデジタル化」へ──リコージャパン「Empowering Digital Workplaces」の挑戦

 

坂主 しかし、ビジネスの現場では、仕事のワークフローがリモート・ワークに対応してないケースが少なくありません。発注書がオフィスにFAXで届く、書類にハンコが必要、などです。デジタル・サービスを使うために紙や人の介在が、どうしてもまだあるのです。

 

リコージャパンはドキュメントに関わってきた会社です。もともとの出発点もそこにありました。しかし、もうデジタルの時代です。リモート・ワークの障害となるドキュメントの課題を改善し、本当の意味でのデジタル化を推進していきたいと考えています。

 

そこで、リコージャパンでは、複合機などのハードウェアとクラウドをつなげ、そこにAIを導入。「人にやさしいデジタルを全国の仕事場に」と掲げて、「Empowering Digital Workplaces」の展開を進めています。( 参考情報:リコージャパンのサステナビリティ トップ・メッセージ

 

ここでいうデジタル化は、情報がパソコンで表示できる状態を意味しているのではありません。FAXで届いた書類の数値や文字が、または録音データが自動的に認識され、コンピュータで処理できるようになっていることを「デジタル化」と呼んでいます。

 

FAXで届いた注文書を手入力するとか、音源をテープ起こしするといった、人に負荷のかかる単純作業は、機械にやってもらいます。知的労働のなかでも「力仕事」にあたるものです。それによって、人にしかできない、より創造的な仕事に集中できる環境をつくります。

  

▎ユーザーを交えた対話の場をつくる

 

星野 30年前から比べると、OCR(紙面に書かれた文字を認識する技術)の認識率は大きく高まりました。さらに、AIと出会ったことで、一気に化けましたね。オリンピック・パラリンピックの影響もあり、翻訳も飛躍的に進みました。

 

リコージャパンさんはこうした最新技術を使って新しいサービスを展開されているわけですが、そのプラットフォーム上で、パートナー企業とともにコミュニティをつくろうとされていますね。

 

私は、ここにとても期待しています。また、そのコミュニティに製品を実際に利用しているユーザーも入ると、さらに加速するのではないでしょうか。

 

坂主 なるほど、ユーザーも。たしかに、それはいいですね。いいヒントをいただきました。

 

星野 さらにいえば、ノンユーザー(nonuser)も入るとなおよいですね。多様性の中のチームができて、活発な対話の場を生み出すことが大切だと思います。

  

▎ダンクソフトの「SmartOffice構想」が描く未来

 

星野 ダンクソフトでは、「インターネットに“あらゆるもの”をのせていく」を合言葉に、「SmartOffice構想」を推進しています。「SmartOffice構想」は、場所を選ばずに、一人ひとりが、よりクリエイティビティを発揮できる働き方の未来です。

 

そこでは、いろんな人やグループが柔軟なつながりを持つ。対話し、連携し、協働して、社会課題の解決や新たな価値創造があちこちで生まれる。「SmartOffice構想」は、このような連携・協働が多方向で広がっていく未来をめざしています。

 

▎エンプロイー・ハピネスのために

 

星野 デジタル社会で大事なのは、やはり「人」ですね。とくに次の2つがこれからのキイワードだと考えています。ひとつは「ポリバレント」。一人ひとりが多様な役割を持ちあわせ、柔軟に動ける人のことです。もうひとつは「インターミディエイター」です。「あいだ」を結び、地域やビジネスを活性化し、それまでにない価値を生みだす役割です。

 

坂主 私はかねがね「エンプロイー・サティスファクション(働く人の満足度)」でなく「エンプロイー・ハピネス(働く人の幸福度)」でなければならないと考えてきました。一緒に働く時間が、その人の人生にとって幸せなものであってほしい。満足でなくハッピーでなければと。そのように考えています。

  

星野 ダンクソフトも、『「 Digital Re-Creation 」で人々を幸せに!』を、掲げています。重なりますね。

 

また、「楽」を大事にしています。仕事を楽に楽しくし、効率化して捻出した時間で一人ひとりが充実した人生を楽しむことを大切にしています。そうでないと、クリエイティブな発想も生まれにくいでしょう。遊び心や面白い発想が新たな価値創造に欠かせないのは言うまでもありませんしね。

 

▎最後に残る「人にしかできない仕事」とは?

 

坂主 リコーは2036年に創業100年を迎えます。その時どんな会社になっていたいかというと、働くことに喜びを感じる。人間が人間らしい仕事をして喜びを感じる。そんな環境づくりのお手伝いをできる会社になっていたいと考えています。

 

ただ、言葉ではそう言えるのですが、じゃあ実際に「人にしかできない仕事」「人間らしい仕事」って何? となると、どういう仕事なのでしょうね。自動化が進むと、労働の対価にお金をもらうという働き方がなくなってしまうかもしれません。そのとき、人間は何ができるのか。「人間ができること」が問い直されているのではないでしょうか。

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星野 効率化や生産性向上の先に、どんな未来を見たいのか、ですね。

 

坂主 人間にしかできない仕事。その多くは社会課題と直結しているでしょう。私たちリコージャパンは、本業でもって社会課題の解決をしていきたい。社会課題の解決とは、つまり、その先にある新たな価値創造も意味します。社会課題の解決と価値創造はもともと同軸だと考えていますので。

 

星野 ダンクソフトは、デジタルで効率化の先にある未来を応援し、人と場をリ・クリエーション(再創造)したいと考えています。人にしかできない仕事は、「リ・クリエーション」。いかにクリエイティビティを高めるかにかかっているのではないでしょうか。

 

▎ 「参加とつながり」から生まれる次のビジネス

 

坂主 ところで、星野さん、ワーケーションをどう見ていますか?

 

星野 大きな可能性があると思いますよ。技術的には、すでにできて当たり前です。私自身も、そう呼ばれはじめる以前から、国内だけでなく、ブラジルでのワールドカップや、ウィンブルドンで観戦をしながら海外でもワーケーションしてきています。ただ、単に「休暇を楽しみ、仕事もする」という使い方ではもったいないと思います。そうではなく、行った先で、地域や人につながらないと意味がありません。地元の人と出会ったり、社会課題の解決や新たな価値創造につながる活動に参加したりしてこそ、ワーケーションの可能性も生かせるというものです。

 

坂主 まさにそうですね。「つなぐ」ことは大事です。つなぐだけで変わるものもある。最近、自治体等からワーケーションのニーズを聞くことが増えました。しかし、課題を感じてもいました。単なる休暇ではもったいない。そこですね。その地域の課題解決につながっていてこそ、価値がありますね。

 

星野 ワーケーションは、IターンやBCPのトライアルとしても有効でしょうね。都市と地域を結ぶという意味でも、人と人、人と地域を結ぶという意味でも。また、事業継承の可能性も広がります。一次産業の飛躍も後押しできるでしょう。

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坂主 最終的に、人が何に幸福や喜びを感じるかといえば、やはり「人と人のつながり」だと思います。チームの連帯を感じたときの喜びはかえがたいものです。そういう意味では、人と人のつながりをつくることが、喜びにも、新しいビジネスにもなっていくと言えるでしょう。

 

星野 そうですね、インターミディエイターの考え方が、まさにそのものでしょう。分断されているところに結び目を作っていく役割です。あいだを丁寧に結ぶ存在がなければ、都市と地方のように本来異質なものが再結合されることは難しい。新しいタイプの媒介者がいなければ新結合はありえず、企業にも地域にも社会にも、イノベーションは起こらないままです。特にポスト・コロナ社会、デジタル社会といった多様性が重視される社会では重要になりますね。

  

▎「自然・機械・人間の協働」で、新たな価値創造へ

 

坂主 デジタル化を活用した農業や一次産業の新たな価値創造は、我々も大いに注目しているところです。ユーザーとダイレクトにつながって、一緒に価値創造ができる時代になりました。

 

星野 坂主さんも話されていたとおり、5G網の拡充により、今後、自然の中へも、インターネットが急速に拡張していきます。私は少し前から「自然と機械と人間の協働」に注目しているのですが、これがますます重要になっていくのは間違いありません。

 

それをビジネスにしていく上で求められるのが、感性でしょう。豊かな感受性。クリエイティビティです。あまり言われませんが、クリエイティビティがもっとも求められるのは経営者でしょうね。新しいものをつくっていくしかありませんし。

 

坂主 「つくっていく」ってわくわくしますね。フリー・ハンドで生み出し、つくりこんでいく。楽しいですよね、やっぱり。

 

星野 そのためには時間と刺激が必要ですね。経営者こそワーケーションをするといいかもしれません。

 

坂主 ははは、たしかに。私もワーケーションしようかな(笑)。

 

星野 いいですね(笑)。リコージャパンさんの若手スタッフの皆さんとお話したときに、これは未来への可能性だと感じました。ぜひ彼らともワーケーションをご一緒に!本日はありがとうございました。

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理想的で機能するテレワーク環境づくり:発想転換のポイント


▎河野大臣に脱FAXを直接提言 

 

河野太郎 行政改革担当大臣と、ダンクソフト代表 星野晃一郎

河野太郎 行政改革担当大臣と、ダンクソフト代表 星野晃一郎

「霞が関でFAX廃止へ。テレワークの阻害要因。」──河野太郎 行政改革担当大臣が「脱FAX」の方針を表明したことが報じられました。4月13日の記者会見でのことです。

 

実は、これに先立つ3月9日、私から河野大臣に質問をする機会がありました。「そろそろFAXやめませんか?」と、ずばり申し上げたのでした。

一般社団法人東京ニュービジネス協議会(NBC)のオンライン・イベントに、河野大臣をゲストとしてお呼びしていたのです。その中で私は、Internet Society研究部会長として質問を担当しました。河野大臣は、2015年にもダンクソフトの神山オフィスに視察に来られたことがあり、私はその折にもお話ししていたので、6年ぶりにお会いしたことになります。 

 

3月のイベントは、「ビジネス・シーンでのFAXは廃止できるのか?」を検証する連続企画の第1回でした。主な話題は、日本企業の「脱FAX」が進まない現状。それがいかにビジネスやテレワークの阻害要因になっているか。また海外では、FAXはすでに過去のもので博物館レベルだという状況と、いまだに日本では現役で日常的に使われているガラパゴス現象。これに海外の人がいかに驚くか、などでした。 

 

私が「脱FAX」を河野大臣へ直接提言した約1ヶ月後、河野大臣による記者会見での発言を聞きました。FAXを廃止し、テレワークしやすい状況をつくるために、いよいよ霞が関が動き出したと、感慨深く受け止めました。 

 

▎スタッフを在宅にするだけで、他は変えない「形だけのテレワーク」になっていないか? 

 

コロナ禍が続くなか、この1年、テレワークの推進が叫ばれてきました。4月27日には、NTTが従業員の出社比率を3割から2割に下げるなど、企業の在宅勤務が拡大していると、日経新聞が報じています。

 

ですが、「形だけのテレワーク」になっていないでしょうか? オフィスに、まだFAXが置いてある企業も多いでしょう。在宅勤務のために書類やデータを手で持ち帰って仕事をしているようでは、アナログ時代の“持ち帰り仕事”とまったく変わりません。人を在宅にするだけでなく、オフィスやデータの在り方をしっかり見直さないと、残念ながら「形だけのテレワーク」になります。

▎継続的なテレワークができる理想的なビジネス環境をつくる 

 

徳島市、高知市、阿南市、藤沢市からオンラインで集うスタッフた ち。各自の働く場所が「スマートオフィス」になっている

徳島市、高知市、阿南市、藤沢市からオンラインで集うスタッフた ち。各自の働く場所が「スマートオフィス」になっている

スマートオフィス時代のテレワークでは、仕事に必要な情報は、インターネット上にあります。オフィスのキャビネットに保管しているわけではありません。出社してであれ、在宅であれ、同じように必要な情報にアクセスできる環境が整えば、理想的なテレワーク環境に近づきます。つまり、。これが、「テレワーク」のメリットを最大限に享受できるビジネス環境といえます。

 

ただ、日本企業の現状は、情報のデジタル化も、テレワーク環境も、まだまだ未整備と言わざるをえません。とにかく人を在宅にさせただけのテレワークに留まっていませんか。テレワークは、もっと便利で、快適で、大きな可能性を秘めています。

 

河野大臣の発言を聞くと、国はオフィスの「脱アナログ」に踏み切ろうとしているようです。昨年の「脱ハンコ」に続く、今回の「脱FAX」。ビジネスにおける脱アナログのスピードは加速度的に上がり、今後はさらにあっという間に進みます。「そうは言っても、現場ではFAXがまだまだ現役。廃止は難しいだろう」と、旧態依然の現状にあぐらをかいていると、気づけば自社だけが時代に取り残されていた、ということになりかねません。時代と対話しましょう。オフィスの「脱アナログ」化に向けて、今すぐ動きたいものです。

▎ダンクソフトが手放した&ほぼ使わない9つのもの 

 

では、脱アナログ化されたスマートオフィスとは、具体的にはどんなオフィスなのでしょうか。スマートオフィスでの働き方は、どのようなものになるのでしょうか。3月に移転したダンクソフトの新・神田オフィスをモデルケースとしてご紹介します。違いがよくわかるのが、「スマートオフィス構想」の実現を提唱するダンクソフトが「手放したもの」と、それぞれの廃止年です。

 

【ないもの:手放した時期】

・モノクロ・カラー複合コピー機: 1990年代後半

・個人デスクの袖机(引き出し): 2007年

・ファクシミリ(FAX): 2010年

・プリンター: 2021年

 

【ほぼない/使わないもの】

・書類キャビネット: 2021年4月現在、ハンギング・フォルダーで契約書200-300枚のみストック

・電話: 2021年(電話機は所有しているが、回線につながずしまってある)

・名刺: 2020年。ダンクソフト「バザール・バザール」上で電子名刺が持てるように。

・文房具: 個人では持たない。1 箇所にまとめ、全員で共有。

・印鑑: 契約・申請等のため、一応ある程度

 

いまやオフィスに保管してある文書はハンギング・フォルダー2つ だけ。

いまやオフィスに保管してある文書はハンギング・フォルダー2つ だけ。

1990年代から、紙を減らし、アナログ情報をデジタル化していくことには取り組んでいました。個人デスクの袖机をなくしたのも、オフィスの紙を減らす取り組みの具体策です。これはスタッフからの発案でした。しまう場所があるから、ついしまってしまう。ならば、収納場所を最低限に減らしてしまえばよい、という逆転の発想です。これが大成功で、オフィスのペーパーレスが加速。現在は、書類保管場所は、ハンギング・フォルダー2つ分のみになりました。

 

オフィス移転のたびに、いわばスリム化と、さらなるデジタル化を重ねてきたわけですが、今年3月のオフィス移転では、とうとうプリンターを手放しました。もしどうしても必要があれば、コンビニ出力で対応します。逆に言えば、それでまかなえるくらい、諸々の申請を含め、もうビジネスに紙はほとんど不要になってきているのです。 

 

プリンターを置かないオフィスのため、プライバシーマーク申請書類をコンビニエンスストアで PDF 印刷。「紙を要求しない世の中になればいいだけなのです が」(星野談)

プリンターを置かないオフィスのため、プライバシーマーク申請書類をコンビニエンスストアで PDF 印刷。「紙を要求しない世の中になればいいだけなのです が」(星野談)

ちなみに、3月の移転後初の大量印刷案件は、4月19日、約60枚にのぼるプライバシーマーク更新のための提出書類でした。ダンクソフトにとって、約60枚は“大量”です。インターネット時代に不可欠な制度がいまだに電子化されていないというのも皮肉なものですが、これに限らず、早く紙を要求しない世の中になってほしいものです。  

▎「データの持ち方」がカギを握る 

 

次は、いろいろ断捨離をしてきたダンクソフトにも、まだ「あるもの」という視点から、スマートオフィスのあり方を考えてみましょう。デジタル化、スマートオフィス化のために、新たに必要になるものもあります。

 

【あるもの】

・スキャナー

・カメラ、スピーカー

・ダブルモニター

・クラウド・サービス

 

スキャナーは情報を電子化するため。カメラとスピーカーは、オンライン通話やウェブ会議等、離れた場所にいる人たちと自在にコミュニケーションするため。ダブルモニターは、作業時にモニターを 2 枚使うことを言います。1 枚は参照画面と、1 枚は作業画面。大画面なら、1 画面を左右で使い分けることもできます。

 

ここまでが、仕事を効率化して余暇時間を生み出すためのツールです。加えて、より重要な、情報インフラとも言えるのが、最後に挙げたクラウド・サービスです。ダンクソフトで導入・活用しているのは、「未来かんり」、「日報かんり」。これらは自社製品です。そして、Microsoft 「Teams」、「Office 365」、「kintone」、「Backlog」(プロジェクト管理)、デザイナー用のアドビ等。これらは、場所を選ばずどこでもクリエイティブに働けるためのツール群です。

 

在宅勤務も、遠隔拠点でも、まったくストレスなく、どこにいても同じように働けるように、オフィスの在り方やデータの持ち方を再点検して、発想転換してみましょう。そうすることで、スタッフ同士のみならず、多様な社外メンバーとの協働プロジェクトが進むようになるでしょう。20年にわたってインターネット時代のオフィス環境を追求してきたダンクソフトのメソッドをすべて共有し、皆さんと一緒に「スマートオフィス構想」を加速させていきたいと考えています。あらゆる情報をインターネットにのせ、データの持ち方やあり方を進化させれば、スマートオフィス化に大きく前進できます。

「イノベーションの場」として2021年3月に生まれ変わったのダンクソフトの神田オフィス

「イノベーションの場」として2021年3月に生まれ変わったのダンクソフトの神田オフィス

 

自然×人×デジタルが協働する未来へ

自然×人×デジタルが協働する未来へ

▎時代がダンクソフトに急接近してきた

  ダンクソフトでは、3月からオフィス内に「ダイアログ・スペース」を新設しました。ここをデジタル拠点として、去る3月7日~14日に、8日間にわたるオンライン・イベント「森林と市民を結ぶ全国の集い」が開催されました。東日本大震災から10年、コロナ禍のいま、森林と市民を結ぶあらたなかたちを模索しようと、企画されたものでした。

 振りかえれば、震災当時のダンクソフトは創業28年を迎えたころで、テレワークを実装する「これからの働き方」を実証実験しているところでした。

 はじまりは2008年、当時、私たちは伊豆高原でサテライト・オフィスの実験を試みました。豊かな大自然のなかで、環境についても学びながら、首都圏の仕事をテレワークで行うことができるリモートワーク拠点をつくろうとしたのです。今でいうワーケーション、避暑地などで休暇をとりながら働くスタイルです。ただ、当時の伊豆高原はまだ通信環境が脆弱で、実用レベルには達しませんでした。その後2010年に、育休明けスタッフが社内第1号のテレワーカーとして自宅から仕事をはじめ、これがテレワークの先鞭となりました。

 ▶テレワーク ──2008年から始まった取り組み
  
https://www.dunksoft.com/message/2019/8/1/-2008

 震災があったのは、その1年後です。首都圏への一極集中によるリスクを痛感しました。震災後、BCP(事業継続計画)の観点からも代替地を求め、ダンクソフトは徳島県神山町に本格的なサテライト・オフィスを設けます。伊豆高原では得られなかった、地元とダンクソフトを結ぶインターミディエイターの存在にも、大いに助けられました。

 このとき、川の中でパソコンを使って仕事をしている映像がNHKの「ニュースウオッチ9(ナイン)」で紹介されました。これが大きな話題となりました。

川の中でパソコンを使って仕事をしている様子は、当時社会に驚きとなった

川の中でパソコンを使って仕事をしている様子は、当時社会に驚きとなった

 インターネット環境さえ充分整っていれば、森や川や海辺といった大自然のなかで、都会とも世界とも直結したビジネスができる。いま私たちが「スマートオフィス構想」のなかで提案している「インターネットにあらゆるものをのせていく」という未来の働き方は、その頃すでに始まっていました。

 以来10年、デジタル・テクノロジーはめざましい進展を遂げました。ポスト・コロナ時代の今、この10年でダンクソフトが一歩一歩進めてきたことが、一挙に時代の潮流になってきました。時代がダンクソフトに急接近してきた。そのように感じています。

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5Gが切り拓く新たなインターネット社会 

 劇的な展開を呼びこんだのは、通信環境の驚異的な進化、やはり何と言っても、これが大きいです。ダイヤルアップからADSLを経て光ファイバーの時代になり、最大通信速度は、1980年からの30年で約10万倍になったと言われます。 

 そしてここにきて到来したのが、「5Gの時代」です。第5世代移動通信システム(5G)の通信速度は、現在使われている第4世代(4G)の実に100倍以上も高速です。この5G通信網で、離島や山間部をふくむ日本全域を覆う計画があります。総務省では大型予算を組んで、5Gインフラ整備を急ピッチで進めています。

 5G構想のすごいところは、これまで取り残されがちだった離島・半島・山間部・僻地・地方こそ網羅し、文字通り日本中をカバーしようとしている点です。今後は、人間が住んでいない地域にも、インターネットが行き渡ります。人間・自然・機械(デジタル)が協働する時代が、情報インフラの面で、いよいよ本格始動するのです。 

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人間・自然・機械が協働する「未来」はすでに到来している

  人間・自然・機械(デジタル)が協働する未来は、じつはすでに始まっています。それを、ダイアログ・スペースをデジタル拠点として行った「森林と市民を結ぶ全国の集い」でも、実感しました。

 スマートオフィス構想を実践する新拠点
  https://www.dunksoft.com/message/2021-03

 ▶第25回 森林と市民を結ぶ全国の集い2021
  https://www.moridukuri.jp/forumnews/tsudoi2021.html 

  NPO法人「森づくりフォーラム」が長年、年に 1 度開催してきた集いです。が、2020年はコロナ禍で開催できず、今年はオンライン開催となったため、ダンクソフトとして初めて実行委員として参加しました。

  今年は震災から10年目にあたります。コロナ禍ということで、宮城、福島、岩手の東北3拠点のほか、東京・栃木・群馬などの各拠点をオンラインでつなぎました。スピーカーも全国各地、そしてドイツからもメンバーが集いました。海外もふくめて、のべ800人が参加する大きなイベントとなりました。

リコーの360度カメラTHETA(シータ)を使った自然体験デモ(サシバの里自然学校 遠藤 隼 氏)

  今回、25年にわたる開催史のなかで、初めてのオンライン開催となりました。くわえて、デジタルの可能性が分科会のテーマとして初めて着目されたことは、ひとつのニュースでした。このエポック・メイキングな場に、デジタルとオンラインの担い手として、ダンクソフトが協働力を発揮できたことを嬉しく思います。

 実際に開催してみて、神田オフィス内に新設したダイアログ・スペースの価値を、皆さんに体感していただくことができました。通信が安定していること、音が良いこと。オンライン・オフラインを超えた場づくりに必要なデジタル環境が整っていること。だからこそ、対話に注力でき、コミュニケーションがより活性化するのです。

 遠隔拠点の機材アドバイスや良質なスピーカーの貸し出しも行いました。複数拠点を網の目状につなぎつつ、安定したコミュニケーション・ネットワークの実現によって、ストレスなく、各メンバーがすぐそばに集っているかのように、参加いただけたようです。

ダンクソフトのオフィス内にある「ダイアログ・スペース」がデジタル拠点となって、オンライン・オフラインを問わず、参加者間での対話が深まるイベントとなった

ダンクソフトのオフィス内にある「ダイアログ・スペース」がデジタル拠点となって、オンライン・オフラインを問わず、参加者間での対話が深まるイベントとなった

▎「協働」と「コ・ラーニング」がこれからの価値観 

 自然 × デジタルの可能性についても、大きな手応えがありました。森づくりの担い手や後継者の人材不足、高齢化、専門性の高さ、都会との距離、ビジネスの創出といったトピックが話し合われました。これらの課題に対して、デジタルを取り入れるからこそ解決できることがたくさんあります。 

 たとえば、ドローンで森を俯瞰する、集まったデータで森を見える化する、荒れた森林をロボットで維持・管理する、熱センサーで木の健康状態を判断する……などなど、環境保全としても、ビジネスとしても、実にこれからの可能性にあふれています。自然との貴重な個別体験があって、それを互いから学び合えるような、これからにふさわしい学びの場の提供も可能です。深い森、遠い森に行かなくても、あるいは行けない方でも、オンライン配信による新たな学習機会を創出できます。自然との関りを、より多くの人々に広げることになります。

 じつは、2017年に徳島県神山町で開かれた世界構想プログラム「物語の結び目会議」で、ダンクソフトの未来構想を描きました。その時にダンクソフトの竹内が描いた未来像が、まさにこうしたデジタルで森とともに生きる・暮らすというものでした。当時はまだ技術が追いついていませんでしたが、5G通信網で日本全国が覆われようとしている今、これはもう、間もなく到来する現実だと言えるでしょう。

 ポスト・コロナ社会の新しい価値観のもと、競争ではなく「協働」の概念が、今後ますます大事になります。本社という一か所に人間を集約するのではなく、人や拠点が多中心に、分散型で、地域を超えて、網の目状につながる。人と人はもちろん、人と自然、人と技術、自然と技術もまた協働の場を必要としています。

 ダンクソフトはその実践者であり、モデルケースでもあります。私たちがデジタルに長けたインターミディエイターとして、人と技術、人と自然、技術と自然のあいだを丁寧に媒介していって、さまざまな協働作業をうながす役割は大きいと考えています。

 異なる価値観どうしが出遭ったり、会話・対話が生まれやすい場をホストできたり、新しいエクスペリエンスの提供・向上に寄与できたり、共に学び合うコ・ラーニング(Co-learning/共同学習)の環境が生まれる一助になっていれば、とても嬉しいことです。

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一極集中を超えていく

2021年4月1日より、徳島オフィスに、地元・阿南工業高等専門学校の卒業生・山本さん(左前)が、新卒社員として入社しました。デジタルを活かせば、地元の地域社会に残りたい若い世代が、地元でやりたい仕事につくことができます。

2021年4月1日より、徳島オフィスに、地元・阿南工業高等専門学校の卒業生・山本さん(左前)が、新卒社員として入社しました。

デジタルを活かせば、地元の地域社会に残りたい若い世代が、地元でやりたい仕事につくことができます。

 この10年、デジタル・テクノロジーはめざましい進展を遂げてきました。これからは、もっとデジタルを活かすことで、都市部への一極集中から、各地に分散的に広がていく時代です。

いつも話していますが、昨今、生まれ育った地域に残りたい若者たちが増えています。すでに授業はオンラインで受けられるようになりました。仕事も同じです。テレワークなら、どこにいても都会の仕事ができます。場所に縛られず働くことができるので、住みたい場所に住み、地元の地域社会に残ることができます。

 これは高齢化問題の解消にもつながっています。地域に若い世代が残ることで、高齢者と若い人たちが地域で協働することができます。森づくりの場合も、環境保全に関わる人を増やせるし、若い参加者が森に入って行って、それを高齢の匠たちが遠隔でアドバイスするということもできるようになります。高齢化をネガティブにばかりとらえるのではなく、可能性に着目すれば、新たなビジネスの仕方も、社会的関わりも生まれていくでしょう。

 このように、日本各地に分散拠点、すなわち「スマートオフィス」が増え、お互いに連携し、社会的協働の機会が増えていくほど、日本は地域からそうとうに変わっていきます。技術力と協働力をいかして、日本は世界に先駆けて新しい姿をみせるときです。より明るい未来に向けて、日本が世界を変えていく。これが、「スマートオフィス構想」を通じて実現できる未来像です。

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 ▶ご参考:総務省 令和3年 予算
 テレワークや遠隔教育、遠隔医療を支える情報通信基盤の整備: 219.5億円
 Beyond5Gや5Gの高度化等の実現のカギを握る先端技術の研究開発:507.6億円
 詳細はこちら 
https://www.soumu.go.jp/main_content/000742163.pdf 

スマートオフィス構想を実践する新拠点

▎オフィスの再定義が必要だ 

 

ポスト・コロナ社会において、オフィスの役割は大きく変化します。ここ1年で、オフィスを手放す選択をとった企業も多いようですが、ダンクソフトは違います。 

オフィスを残し、この場を、単なる「業務遂行の場」ではなく、「イノベーションの場」として再定義しました。 

 

この新・神田オフィスですが、3月1日に、フロア移転しました。同じビルの10階(最上階)にあります。7階にいたときより、ずっと見晴らしがよくなり、全面の窓から神田の街なみが一望できます。 

「イノベーションの場」として生まれ変わったダンクソフトのオフィス

「イノベーションの場」として生まれ変わったダンクソフトのオフィス

 しかし、こうしたロケーション以上に、このオフィスの特徴は、「インターネットにあらゆるものをのせていく」ことにあります。後で述べるように、ここは本当にモノが少ないオフィスです。つまりここは「スマートオフィス構想」のショーケースであり、同時に、この構想をさらに加速し、全国各地に展開していく場として位置づけています。 

ダイアログ・スペース

ダイアログ・スペース

オンラインとオフラインをあわせた、良質なハイブリッド型イベントやダイアログが行える空間を、オフィス内に新設しました。テレワーク、クラウド、ウェブ、デジタル・コミュニケーションの組み合わせで、スタッフと、お客様と、地域と、世界と、より連携を拡げ、もっと協働していくために、世の中に先駆けた、新たな試みをしていきたいと思っています。 

 

もう一点。「イノベーションの場」としての新・神田オフィスは、2つの方向での役割を持っています。 

ひとつは、テレワークが加速するなかでも、スタッフが安心・安全に集うことのできる、働きやすい「みんなのオフィス」であること。 

カフェ・スペース

カフェ・スペース

もうひとつは、人とビジネスと地域をつなぐ役割です。ここは、当社のスタッフ以外の人たちも参加しながら、ネット上であれ近隣社会であれ、コミュニティを活性化していく重要な結節点でもあるのです。 

▎議論ではなく、対話を重視。そのための音響と通信環境 

 

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重要なのは、質の高い、より豊かな「対話」を生みだすことのできるオフィスかどうかです。議論ではありません。それでは勝ち負けを意識したやりとりになってしまいます。そうではなく、多様な人々が集い、関わり、対話を重ねることで、次に向けた新しいアイディアやプロジェクトを生みだす時です。インターネットで日本各地とも世界各地ともつながり、そのたびに新しいビジネスが広がっていきます。 

 

今回、そのために必要な設備を、無駄なくしっかり備えました。音響と通信環境、つまり「音場」によって、オンラインとオフライン両方からの参加者同士で対話をする際のクオリティに違いがでます。 

 

貸出可能な、高品質の会議用マイク 

貸出可能な、高品質の会議用マイク 

そこで、高品質のマイクと厳選したスピーカーを導入し、超高速インターネットを引いています。オンライン上の個別対話やグループ対話で、もっとも大きなストレスになるのが、じつは音響・音声の悪さです。声が途切れたり、ニュアンスが聞き取りにくかったりすると、対話の質やリズムに影響します。みなさん映像を過度に気にしがちですが、大切なのは音響や音声といった「音場」のほうなのです。これらの音響セットは2セット用意しており、貸し出しも可能です。 

 

また、4K時代をふまえ、4K対応パネルも約10台。カメラは、4K相当が出る秀逸なウェブカメラを採用しました。通信回線は、セキュリティ面を考え、2つの回線を引き、分けて使っています。ひとつは、クライアント業務専用の回線で、もうひとつは、外部からダイアログに参加する方々に使っていただけるものになります。 

 

オープンで、フレキシブル。それでいながらハイリー・セキュアード(highly secured)な、守るところは守るオフィスです。  

▎Digital、Diversity、Dialogueの相乗で、新たな価値を創造する 

 

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こうした優れたデジタル環境に包まれた、新設の「ダイアログ・スペース」で、さまざまな活動を進めていく予定です。たとえば、オンライン・イベントの主催や、コミュニティ・ラジオのスタジオにもなりますし、もちろん、日々の会議やビジネス・カンファレンス、シンポジウムなども、ストレスなくできる環境が整っています。 

 

貸出可能なスピーカー、M’s system

貸出可能なスピーカー、M’s system

今回、特徴的なスピーカーを採用しました。演奏家や作曲家も好んで使っていて、ラグジュアリー・ホテルなどでも多く取り入れられているものです。音質がナチュラルで、リアリティ溢れるサウンドが特徴です。 

 

深みがあって、柔らかく豊かな音色が空間に広がり、からだ全体を包み込みます。音楽を聴くと、とてもリアルなライブ感があります。オンライン会議の音も、このスピーカーを通すと、気持ち良く響いて、長時間聞いていても疲れないんです。 

 

昨年、約10時間のオンライン・フォーラムを、このスピーカーで実施してみました。オンライン参加した方から、長時間で疲れるのではないかと心配したが、自然な音で聞きやすく、他の参加者が近くにいるように感じて、ストレスなく過ごせたと好評価をもらいました。 

 

新オフィスは天井が高いので、音が広がって圧巻です。いい音が、オンラインからの参加者にも響きます。参加する場所を問わず、隣にいるようなライブ感で対話ができる音場になっています。 

▎「スマートオフィス構想」のモデルとしての新拠点 

 

ダンクソフト代表 星野のデジタル名刺

ダンクソフト代表 星野のデジタル名刺

今回のフロア移転では、オフィスのペーパレス化もさらに徹底し、モノを減らしました。今回、ついにプリンター(複合機)をなくしたのです。もともと、FAX、電話、書類保管庫、袖机等は、ダンクソフトのオフィス内にはありません。以前から、文房具も個々で持つのをやめ、オフィス全体で共有できるコーナーをつくってセンタリングしました。モノが減るほど、オフィスの引っ越しも身軽になります。印鑑、名刺も早くなくしたいところです。ちなみに、私はもう紙の名刺を持つことは辞めました。直接会えなくても誰もがアクセスできるよう、デジタル名刺にしています。 

 

スマートオフィスの醍醐味は、「インターネットにあらゆるものをのせている」状態であることです。情報は紙ベースではなく、インターネット上にありますから、どこにいても同じ環境でアクセスできます。ですから仕事も、work from home (WFH)に限らず、どこにいてもできるわけです。 

 

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そうなると、オフィスに出社することの意味が変わります。今までは、作業・業務を遂行するために通勤していました。しかしこれからは、積極的なコミュニケーションや対話のために、出社することになるでしょう。そこから生まれる気づきや発見が、つまり新鮮な認識の変化が、スタッフ一人ひとりのクリエイティビティを刺激します。新・神田オフィスは、安全に配慮しつつ、人が気持ちよく滞在できる環境です。社内メンバーは必要に応じて出社し、ダンクソフトが社内外のメンバーと日々創りだしている新しいビジネス・シーンに触れることもできます。 

 

こうしたデジタル・メディアに支えられた対話の場を、どう有効に活用していくか。カギは「多様性の中の対話」です。この可能性を、みなさんともっともっと広げていきたいと思っています。お客様たち、その先のお客様たち、社内メンバーたち、地域の方々、遠く離れていても同じ未来を見ている方々など、さまざまなみなさんと一緒に、クリエイティブな未来を、ここから切りひらいていきたいと考えています。 

 

 


★ダンクソフト 「ダイアログ・スペース」 仕様・設備 

【通信環境】 

・NURO光 約 1 Gbpsの超高速 

・Bフレッツ セキュリティ重視(600-700Mbps) 

・有線で屋上まで敷衍可 

【音響・音声】 

・高品質 会議用マイク 5台 :貸出可能 

・スピーカー(M’s system) :貸出可能 

【モニター】 

・55インチ 4K 有機LED大モニター 

・30インチ弱 高解像度 PCモニター 12台 

【カメラ】 

・ウェブカメラ(4K相当)Microsoftライフカム 3台

 

●ダイアログ・スペースのご利用・同環境の導入支援について、いつでもご相談ください。 

事例:テレワークで実現したNPOの働き方改革と拡がる可能性

お客様:特定非営利活動法人 樹木・環境ネットワーク協会様

介護のために仕事を辞めることになるかもしれない――職員からの相談をきっかけに、樹木・環境ネットワーク協会はテレワーク体制を導入した。導入直後に新型コロナウイルス感染症が拡大。しかし、いくつかの事業は休止や縮小を余儀なくされたものの、基本的な業務は継続することができた。テレワーク導入時に直面した課題、そして広がった可能性について、お話を伺った。

 

■事務所に縛られず、フィールドでの活動を増やしたい

フィールドでの活動風景

フィールドでの活動風景

 樹木・環境ネットワーク協会は、森や里山の保全活動と、そのための人材育成を主軸に置くNPOだ。「聚フィールド」と呼ばれる山林や里山、公共緑地を全国13カ所で管理する他、植物や生態系の知識を持つ人材を育てる検定制度「グリーンセイバー」も設立当初から運営している。検定に合格した人々が中心となってフィールドの保全活動を行っているのが特徴だ。

自分たちが保全してきたフィールドだから、自分たちしか手をつけられない……と閉鎖的になるのではなく、「もっと広くいろいろな方にかかわってもらうことで、自然との付き合い方や自然への関心を高める普及啓発活動を大切にしています」と語るのは、事務局長を務める後藤洋一氏だ。人と自然の関係がもっと近しいものとなり、「人と自然が調和する持続可能な社会」を目指すというのは、同協会の理念でもある。 

特定非営利活動法人 樹木・環境ネットワーク協会 理事・事務局長 後藤洋一 氏

特定非営利活動法人 樹木・環境ネットワーク協会 理事・事務局長 後藤洋一 氏

だからこそ、後藤氏は8~9年前に同協会にかかわるようになってすぐに、「事務所に縛られて行動が制限されてしまうことなく、もっと自由な働き方ができないだろうか」と考えるようになった。そうすれば、もっとフィールドでの活動を増やすことができるからだ。

 



■介護と仕事の両立を模索 

2018年春、後藤氏は「事務所に来るのが難しくなるかもしれない」と広報担当の石崎庸子氏から相談を受けた。両親の介護が必要になり、事務所に来るシフトを組みにくくなるかもしれないというのだ。実家は自宅から近いが、事務所から電車で1時間ほどかかってしまう。急用が発生しても、すぐに駆け付けることが難しい。これから状況がどのように変わっていくかが分からないため、仕事を続けられなくなるのではと不安を抱えていた。

実は後藤氏もかつて、実家の介護や通院を手伝いながら、仕事と両立させることの難しさを痛感した時期があった。そこで石崎氏の相談に背中を押され、「テレワーク」という働き方を選択肢に加えるべく動き出した。

ダンクソフト星野との打ち合わせの様子

ダンクソフト星野との打ち合わせの様子

テレワークについて、ダンクソフトの代表取締役 星野晃一郎に相談したところ、テレワークの助成金があることを知った。8月から情報収集を開始し、申請準備を10月から進めて12月に取得。その後に機器やシステムの導入を完了し、翌年2月には最終報告書を提出するというハードスケジュールを決行した。ダンクソフトには、申請書類の書き方や導入後のフォローまでを相談した。

 後藤氏と星野は、以前からNPOのためのクラウド勉強会を毎月共催してきた間柄だ。だがダンクソフトに支援を頼んだ理由は、他にもあった。「相見積もりを取るために来てもらった他社の方が、とても営業的だったのです。その点、星野さんはフレンドリーで、気さくにいろいろ話すことができました」

またダンクソフト自身がサテライト・オフィスやテレワークに取り組んできた実績や、さまざまなNPOとの協働経験が豊富なことも安心だった。「地域活動に積極的に取り組むダンクソフトは、NPOに対する理解が深いと感じました」

 

■わずかな準備期間で情報収集から導入まで

 テレワークの本格導入を始める前から、同協会では共有サーバーとメールを基盤に運営していた。皆で共有するデータは必ずサーバーに入れておき、メンバーは誰でも見られるようにしていた。この共有サーバーに外からアクセスできるよう、今回から安全性の高いネットワーク接続が可能な「VPN」を設定した。

左:自宅のテレワーク環境  右:オフィスのテレワーク環境

左:自宅のテレワーク環境  右:オフィスのテレワーク環境

 そして、テレワーク中はマイクロソフトのグループウェア「Teams」を常時接続することとした。画面には作業中のソフトウェアとTeamsが表示されるため、作業効率を上げるためのサブモニターも購入。会議用スピーカーやWebカメラも用意した。これらの機器は自宅でも必要になるが、個人負担で購入しなくても済むよう、協会から貸与することとした。

苦労したのは、助成金ごとに助成対象が異なることだ。例えば最初に申請した助成金では、サブモニターやWebカメラは助成対象だが、パソコン自体は対象外。業務を行いながらTeamsを常時接続すると、古いパソコンには負荷が大きいため、後に別の助成金を申請して購入することとなった。

ダンクソフト企画チーム大川慶一が、ダンクソフトでのテレワーク勤務体験談をお話しました

ダンクソフト企画チーム大川慶一が、ダンクソフトでのテレワーク勤務体験談をお話しました

12月半ばに助成金を取得してから、星野によるセミナーと体験会が実施された。スケジュールを組んでみると、セミナーを年内に始めておかなければ、2月の報告書提出には間に合わない。1回目のセミナーは年内最終営業日に、2回目と3回目は1月中に行った。東京事務所6名のうち、テレワークの対象となる4名が参加した。

 

「なんとなく理解しているつもりだったことを、きちんと体系立てて説明していただきました」と石崎氏は振り返る。「具体的に何をどのように進めていくか。その前段階として、世の中の流れや、テレワークの基本的な考え方を、この機会にひととおり教えていただけて、ありがたかったです」

 

■緊急事態宣言に間に合った、テレワークへの移行

 助成金のスケジュールの関係で、テレワーク環境を急ピッチで整えた直後に、新型コロナウイルスの感染が国内で拡大した。そのおかげで、3月末に第1回目の非常事態宣言が発令された頃には、事務所の作業の9割近くをテレワークに切り替えることができた。

だが、対外的な窓口である事務所を完全に閉めることはできないし、郵便物の受け取りや発送作業など、事務所での作業はゼロにはならない。「テレワークには合わず、休業状態になった仕事もありました」と後藤氏は打ち明ける。「それでも、基本的な業務は稼働していますし、テレワークに対するハードルはだいぶ下がったと感じています」 

スタッフとオンライン会議中の後藤氏

スタッフとオンライン会議中の後藤氏

これまでも共有サーバーを使っていたとはいえ、新しいツールに慣れるまでは若干の混乱が生じた。Teams内には、さまざまなプロジェクトごとのチャネルを設けているため、いつどこで話された内容だったのか混乱することもあった。Teamsを見られない環境にいる人には、メールで情報共有をすることもある。「Teams内に保存するのか、メールで送るのか、共有サーバーに置くのか。情報をきちんと一括して残しておくことが、慣れるまでは難しかった」と石崎氏は語る。

 Teamsを使って、常時接続の会議が毎日開かれているので、顔を見ながら話せる場がある。これにより、離れていても事務所にいる時と同じように、一緒に働いている感覚が得られる。それでも「もっと他愛のない雑談ができる場を作れないか」と石崎氏は考えている。「雑談が減って、何かが目に見えて滞っているということはありません。でも事務所では雑談をきっかけに何かが生まれたり、仕事がうまくまわっていくための種みたいなものが、もっとあったように思うのです。次は、テレワークの中でも、うまく雑談かできる工夫をしてみたいですね」

  

■介護しながらも働けることが、団体の価値を高める

特定非営利活動法人 樹木・環境ネットワーク協会 広報 石崎庸子 氏

特定非営利活動法人 樹木・環境ネットワーク協会 広報 石崎庸子 氏

 石崎氏には、気がかりなことがもうひとつあるという。出勤回数を大幅に減らし、基本的には在宅で勤務していることで、他のスタッフの負担が増えているのではないか、という点だ。「私は主に広報関連の仕事をしていますが、事務局に行けば電話応対や、発送の仕事が忙しいようならば手伝うこともできます。でも行かないと、自分の担当業務のみになってしまうので、申し訳ない気持ちになります」

この心配に対し、星野は「そこはお互いさまであって、これから介護は誰もが避けられないこと。石崎さんがそういう事情を抱えながらも働けるということ自体が、周りの人にとって、よい事例になっていると思います」と語る。

「今までは、そういう個人的な事情を隠すのが日本の企業文化でした。介護は結構大変なことなのに、自分だけで背負ってしまい、結果的に会社を辞めてしまっていました」。だが介護される側の人数が増え、公の部分だけでは支えられなくなり、民間の力で支えていく時代に変わってきているのだという。

「負担を組織としてシェアできるというのは、価値が高いこと。同じような課題を抱えた人にアドバイスできるということの価値は、今後高まっていくのではないでしょうか。お互いを尊重して、それぞれが助け合って、無理のないやり方で進めていくことの方が、成果が出やすいと思います」

  

■テレワーク環境整備の、その先に見える未来

テレワークのスピード導入と、その後の試行錯誤が功を奏し、2020年10月には、総務省の令和2年度「テレワーク先駆者百選」(注1)に選ばれた。「おめでとうございますという声はありますけど、今のところはまだ大きな反響はないですね」と笑う後藤氏だが、企業連携を推進する団体としては百選に選ばれたことが、企業との信頼づくり、新しい連携先企業との関係づくりにも通じるだろうと期待する。

また、「テレワークの導入に積極的に取り組んでいるNPOは、まだ多くありません。働き方を模索している団体に、何らかの刺激になれればと思います」と、NPO界全体のデジタル化推進に目を向ける。実際に、受賞をきっかけに、テレワーク環境の整え方や助成金の使い方について、さまざまなアドバイスを求められる機会が増えたという。

今回のテレワーク導入によって変わったのは、働き方だけではない。2020年12月には、大規模なオンライン・イベントも実現した。運営サポートとして携わっていた後藤氏は、事務局に「星野さんにアドバイスをしてもらってはどうか」と紹介。オンライン配信の機材や段取りのアドバイスだけでなく、シンポジウム会場としてダンクソフトのダイアログ・スペース(注2)を活用した。

「テレワークを導入して終わりではもったいない。さらに、オンライン・イベントを一緒に実施したり、セキュリティについて学びを重ねたりすることで、“Co-learning(コ・ラーニング/共同学習)”の関係を続けていくことが大事だと考えています。ダイアログ・スペースが、こうしたCo-learningの一助となれば」と、星野は今後の展望を語る。

 

「森林と市民を結ぶ全国の集い2021」

「森林と市民を結ぶ全国の集い2021」

3月には、1週間におよぶ『森林と市民を結ぶ全国の集い2021』も開催を予定している。第25回目となるシンポジウムだが、今年はオンラインでの配信となる。東日本大震災から10年という節目でもあり、オンラインでの自然体験やグリーンリカバリーといったタイムリーな話題も議論される。ダンクソフトのダイアログ・スペースの他、東北3県からも配信するということで、初めて尽くしの準備は佳境に入っている。

「今までリアルに実施してきたイベントがオンライン化していく中で、さまざまなアドバイスをいただいたり、イベント会場を借りることも今後増えていくのではないでしょうか。テレワーク導入を超えて、ダンクソフトさんと継続的に協働して、何か企画していきたいですね」。後藤氏は、テレワーク導入の経験から、この先の可能性に大きな期待を寄せる。後藤氏をモデルに、森林や自然に関わるNPO団体が、デジタル・テクノロジーを活かして、さらに躍進する未来が待ち遠しい。


 注1)総務省が平成27年度から、テレワークの導入・活用を進めている企業や団体を「テレワーク先駆者」とし、その中から十分な実績を持つ企業等を「テレワーク先駆者百選」として公表している。

 

注2)ダイアログ・スペースは、ダンクソフトの神田オフィス内に設けられた場。全社員がテレワークに移行し、誰も出社しなくなったオフィスの一部を活用しており、オンラインとオフラインのハイブリッド型のイベントを良質な環境で開催できる。


 ■ 導入テクノロジー

テレワーク導入支援テレワーク検定

  

■特定非営利活動法人 樹木・環境ネットワーク協会とは

森づくりを通して環境を考える任意団体として1995年に設立され、1998年よりNPO法人として活動をスタート。各地で森づくりや里山再生に取り組みながら、グリーンセイバー資格検定制度を運営するなど、「森を守る・人を育てる・森と人を繋ぐ」をテーマに、活動の幅を広げている。

https://shu.or.jp/

 

ポスト・コロナ社会で“次を創るテレワーク”を

▎テレワークを、次を創るために活かすには

 

今月は改めて「テレワーク」についてお話しします。

これからの社会インフラは「インターネット」です。年頭所感でもそこを強調しました。ビジネスも、働き方も、暮らし方も、根本的に変わりました。

インターネットに“あらゆるもの”をのせていく」流れは、ますます加速していきます。再度、緊急事態が宣言され、再びテレワークが注目されています。ですが、非常時だけでなく、今後はつねに、テレワークを前提とした、よりクリエイティブな働き方がデフォルトになっていきます。

今月はテレワークの課題をまとめました。この1年、ダンクソフトで実践して見えてきた実際の話です。テレワークの効果や見落とされがちなこと、そして、ダンクソフトならではの“次を創る”ためのテレワーク導入支援について。

 テレワークのさらなる活用のために、このコラムを参考にしていただければと思います。 

▎ポスト・コロナ社会をみすえた環境整備

 

2020年3月25日、東京都知事が自粛宣言を出しました。その日のうちに、ダンクソフトでは、全社テレワーク化を即断します。翌日から、出向スタッフも出向先に行くことなく、全員が在宅でのテレワークに切り替えました。それから約1年。この期間の本社オフィスへの出社人数は、のべ10人未満です。それくらい徹底してテレワークで円滑に仕事を続けています。

●参考情報:

2020年8月に一度、その時点でのリアルタイム情報をお届けしました。

 https://www.dunksoft.com/message/2020-08

 

その後、ポスト・コロナ社会をみすえて、さらに環境整備を続けています。たとえば、テレワーク環境向上のため、スタッフが日々使用する一部のPCを刷新し、ストレスなく在宅ワークできるように整備しました。また、神田オフィスを、ポスト・コロナ時代の「イノベーション装置」として再定義し、オフィスの一部をリデザインしています。さらに、次の需要創造に向けて、新スタッフの募集もはじめています。

▎改めて、テレワークの効能

ダンクソフトはもともと2008年からテレワークを推進してはいました。それを、昨年は約半数のスタッフがオフィスに出社して仕事をしている状態から、全社完全テレワーク化しました。

スタッフは、この1年、通勤による時間的・精神的・体力的消耗から解放されています。子育て中の方は特に、家族のそばにいられる安心感が得られるようです。生まれた余裕は、それぞれスキルアップや家族との時間にあてることができています。この結果、実際、徹底して全社的なテレワークを実践してみると、チームの集中力、生産性はやはり上がっています。

また、クライアントへの波及効果も大きなものでした。ダンクソフトが「テレワーク先駆企業」(中央区ワーク・ライフ・バランス推進企業(2009年)、テレワーク推進賞 優秀賞(2014年)、テレワーク先駆者百選(2016年)、テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰(輝くテレワーク賞)(2016年)、平成29年度東京ライフ・ワーク・バランス認定企業 (2017年))として提唱しつづけてきたワーク・スタイルが、いまや、皆さんの現実となりました。今までは、そうはいっても在宅勤務なんて、と思われていた方もいらっしゃいました。が、この1年で、やはり大事なことだったと認識していただいたようです。ダンクソフトと関わりをもつ企業や団体が、その価値に気づき、デジタル化へのシフトがはじまっています。 

▎1年の経験から、見えてきた課題

全社的なテレワークを進めていく中で、いくつかの課題も見えてきました。

自分のペースで仕事ができる環境は集中力を高めます。ただ当初は、逆に集中しすぎて、息抜きがうまくできないという問題が生じました。やがて慣れてくると、自分なりのペースができ、皆、息抜きのしかたもうまくなっているようです。休憩時間に好きなピアノを弾いて過ごしているスタッフもいます。

また、通勤をはじめとする運動量や生活パターンが変わるため、太ったり痩せたりした人もありました。体型・体力・健康の維持にも自律的な工夫が必要です。

実験的に、2020年12月には、スタッフが林野庁事業に参加しました。森林の中で働くことをモニターするツアーでした。ストレス軽減のために自然に触れ、自然の中でデジタルを活かして仕事をする機会も、これから重視されていくでしょう。 

ここにきて、状況を見ながらですが、輪番制でオフィスに通って仕事をすることを望む声が出ています。通勤時間をうまく有効活用していたスタッフや、家庭の事情でオフィスにいるほうが集中できるスタッフからの声です。ポスト・コロナ社会のオフィスの使い方を、スタッフとともに、さらに検討する時期に来ています。 

スタッフが参加した林野庁事業「森林×SDGs ポスト・コロナ時代のNew Standard探求モニターツアー」。森林の中でテレワークする機会も増えていくでしょう。

スタッフが参加した林野庁事業「森林×SDGs ポスト・コロナ時代のNew Standard探求モニターツアー」。森林の中でテレワークする機会も増えていくでしょう。

▎テレワーク中の「雑談」をどう起こすか

全員がテレワークという状態でうまくいくかどうかは、やはり「コミュニケーション」にかかっています。目的と場面に応じたツールの選択と使い方が大事です。

たとえば、ダンクソフトでは、こんなケースがありました。

全員テレワークになって「雑談」がしづらくなっていたのですが、「あった方がいい」「多少の雑談もしたい」と感じる人が出てきました。「雑談・会話・対話」のことです。この3つのモードを適宜切り替えながら、あらゆるプロジェクトは展開し、新しい発想やイノベーションの芽が生まれます。ですから、テレワーク中に雑談の機会をどうつくるかは、プロジェクトを活性化する上で大事なテーマです。

ちょっとした雑談の場になっています「日報かんり」

ちょっとした雑談の場になっています「日報かんり」

私たちの場合、意外なところから雑談が生まれています。日々の業務内容を集約し、共有するために使用している「日報かんり」というソフトがあるのですが、その報告欄が、ちょっとした雑談の場になっているのです。“かんり”と言いながら、その日のBGMを必ず記載する人、サッカーの話題を欠かさない人、ブームの鬼滅トークで盛りあがる面々。中には「昼食を簡易にしすぎて栄養不足」とこぼした人がいて、他のメンバーからアドバイスが届いたこともありました。「日報かんり」に書きこんだ内容が自動でMicrosoft Teamsへ共有されるので、いいねや、絵文字を付けたり、チャット欄は日々にぎわっています。

 ●参考情報:

在宅勤務をサポートする日報かんり

http://service.dunksoft.com/nippoukanri/

 

こうしてみるとツールの力のように見えますが、実はもうひとつ大事なのは、メンバー間の「互恵的関係」(助けあう関係)を日ごろから培っておくことです。どんなよいシステムも、効果を発揮するには、前提として社内にソーシャル・キャピタルが醸成されている必要があることを、改めて実感しています。

 

▎日本の会社は、オフィシャルとプライベートを分けすぎている

メンバー間の「互恵的関係」をつくるには、あるていど情報をオープンにしておくことが不可欠です。そこが、日本の会社風土の中で大きく欠けていると思う点です。多くの場合、会社はオフィシャルな場であり続けているので、実は会社では建前で過ごしている人が多いと思います。

そこがダンクソフトは違っていて、ある程度の情報をそれぞれがオープンにしている。建前ではない風土があります。そうしておかないと、子育てや介護をしながらのメンバーもいるため、チームで連携・協働がしづらくなります。必要に応じてプライベートの状況を提示することは、「おたがいさま」の助けあいのためにも欠かせません。この10年でその風土がじわじわとできてきました。

他社の状況を見ていると、個々人の事情を共有するところまで、まだできていなかったり、抵抗があったりするようです。でも、これから在宅勤務をうまく続けようとするなら、オフィシャルとプライベートという考え方ではなくなっていきます。もっとブレンドされて、交ざりあっていくでしょう。

今は、夜でも休日でも、スマホに刻々とビジネスの話が飛び込んでくる時代です。また、逆に、日中の業務中に、子供の用事で少し抜ける分を、夜にカバーすることもあるでしょう。昭和・平成時代の働き方には、もう戻らない。これからは業務時間とプライベートと呼ばれる領域を切り離しすぎないことが必要です。

▎Zoom会議ができただけで終わらずに、その先のテレワークへ

テレワーク化のための助成金制度も多くなっています。ただ難点は、範囲が限定的で、大事な部分が抜け落ちている場合が多いことです。本来、E-learning、セキュリティ対策、BCP(事業継続計画)、ペーパレスによる環境配慮などを合わせて考えることで、テレワークの真価が発揮されます。これらが含められない助成金があることは、大変残念なことです。

テレワークをはじめることで、デジタル・デバイド(情報格差)を、まずは解消できます。ただ、Zoomでオンライン会議ができるだけにとどまるなら、まだまだです。デジタルをもっと活用していくために、情報をインターネット上にのせていきましょう。そして、社内であれ、お客様との関係であれ、地域であれ、コミュニティを活性化していくことに、目を向けたいものです。こうすることで、自社の次なる展開が生まれていきます。

ダンクソフトは、クライアントの状況に応じたテレワーク導入をお手伝いしています。助成金の申請にあわせた短期間での支援実績もあります。アドバイザーとしてご支援したある団体では、1ヶ月半で導入から報告書の完成までをスピード実施。見事、令和2年度の総務省「テレワーク先駆者百選」に選定されました。

“次を創るテレワーク”の輪を、引き続き広げていきたいと思っています。


●いつでもご相談ください。

テレワークの円滑な導入・定着・さらなる展開に向けて、丁寧にサポートしていきます。

 

参考情報:

・テレワーク検定 https://www.wnw-academy.com/ 

・テレワーク導入支援 https://www.dunksoft.com/129573523721 

・日報かんり http://service.dunksoft.com/nippoukanri/ 

2021年 年頭所感


新年あけましておめでとうございます。

2021 年の年頭にあたり、ご挨拶申し上げます。


▎2021年、「インターネットに“あらゆるもの”をのせていく」

 2021年は、コロナ後の社会を創る時です。

 そして、コロナ後のビジネスを創るときです。

 そのカギは、「インターネットに“あらゆるもの”をのせていく」ことだと考えています。

 この流れは加速するでしょうし、加速させていきます。

 インターネットが、これからの社会インフラです。そこにようやく気づいた人も、あらためて気づいた人もいたと思います。ともあれ、ビジネスも、働き方も、暮らし方も、根本的に変わりました。

▎需要創造のパートナーへ

 コロナ禍は、各分野で需要の蒸発を生みました。ならば他方で、需要を創造しなくてはなりません。ひとつ、私たちのクライアントの話をご紹介します。長年の付きあいのある方々です。

 昨年、スマートフォンで完結できる資産運用サービスがはじまりました。数百円、数千円という少額で株式投資ができ、書類郵送は不要。取引はスマホアプリのみで行います。若者向けを想定していたのですが、少額、手軽、操作がわかりやすい……といった長所が支持されて、それまで株式投資に縁のなかったさまざまな方たちが使いはじめています。

 このように対面での窓口業務を減らし、オンラインで手続きできるようにすることで、需要の裾野が広がりました。「インターネットに“あらゆるもの”をのせていく」ことで、単に効率化することを超えて、新たな需要創造につなげていくご支援を、2021年も加速していきます。

▎“3つのD”――コロナ後における地域とビジネスのカギ

  デジタル化のはじまりは、対話のはじまりです。ウェブは本来双方向の場で、一方的なメッセージを押しつける場ではないからです。きれいにお化粧された情報だけ出していても始まりません。多様な相手に応じた質の高いコミュニケーション、つまり「対話する関係」を、いかにウェブ上で実現するかが問われる時代なのです。要するに、「デジタル」「ダイバーシティ(多様性)」「ダイアログ(対話)」。この“3つのD”が、これからの地域社会を創り、これからのビジネスを創っていきます。

▎効率化を超えて

 それから、ふたこと目には、デジタルで「効率化したい」という声も依然として多いですね。これは、一種の“効率化マニア”です。たしかに、デジタルを上手に使えるようになると、生産性や効率性は上がります。ですが、デジタルの効果は、それにとどまりません。

 デジタル化によって対話が生まれ、互いの関係が豊かになることが、デジタルがもたらす大事な効果です。デジタルは、なんとなく冷たい、非人間的というイメージが一部にありますが、まったく逆なのです。

 デジタルをうまく活かしてデジタル・デバイド(情報格差)を解消する。そして、効率性や生産性向上の実現とともに、連携と協働があちこちで進んで、人間のポテンシャルがもっと引きだされる。この過程で、ソーシャル・キャピタルが醸成されていくと、地域とビジネスも活性化していきます。ダンクソフトは、デジタルで効率化の先にある未来を応援し、人と場をリ・クリエーション(再創造)していきたいと思います。

▎「ポリバレントなひと」と「あいだを結ぶひと」

 デジタル社会で大事なのは、やはり「人間」です。とくに次の2つが、これからの人を語るキイワードです。

 ひとつは「ポリバレント」。一人ひとりが多様な役割を持ちあわせ、状況や場面におうじて柔軟に動ける人のことです。私の担当や専門はこれだから、そちらのことは知りません、という態度とは真逆です。

 もうひとつは「インターミディエイター」です。社会や関係の分断が進むなか、「あいだ」を結び、地域やビジネスを活性化していく役割です。この2つを兼ね備えていたら、なおいいですね。今後、ますます必要とされていく動きですから。

▎「イノベーション装置」として、オフィスを再定義

 さて、ダンクソフトの東京オフィスは、2019年に移転した新オフィスです。場所は神田の駅前で、大きな窓から光がよく入る、快適な新築ビルです。だれも出社しなくなった後、オンライン化が進むポスト・コロナ社会をみすえて、オフィスの一部を改装しました。

  そこは、高速・高品質のインターネット環境と音響がある、コミュニティ・スペースです。多様な人々がここに集って、出会い、対話が始まることでイノベーションが起こりつづける「イノベーション装置」としてのオフィスと再定義しました。

 冒頭にも触れたように、ダンクソフトでは2020年3月から全スタッフがリモート・ワークを継続しています。スタッフ同士あるいはお客様と会いたい気持ちが増してきて、最近では、恋しいよね、という会話も聞かれます。人は集うことで次の時代を創ってきた、と言います。2021年以降、社内外のたくさんの方々と、次を創るプロジェクトを起こしていくためにも、「集う価値」を重視しようと思っています。もちろん安全には十分に配慮しながらです。ここでは、オンラインとオフラインのハイブリッド型の集いやイベントができるので、もっと面白いことが起こる場になるだろうと期待しています。

▎ウェブ会議の質は「音」で決まる 

 そのための環境も整えました。安定した接続ができる有線の高速インターネット回線。高性能の集音マイク。そして、最大の特徴は、場の息遣いまで伝わる波動スピーカーです。空気全体を震わせることで、サントリーホール全体を心地よい音で満たすことができるというもので、世界的ミュージシャンやホテルに選ばれています。 

 オンライン・イベントやウェブ会議では、コミュニケーションの質を左右するカギは、実は「音の質」にあります。音声がクリアでなかったり、途切れがちだったりすると、ストレスが大きく、参加していて疲れますし、内容もなかなか入ってきません。質の高いインターネット・コミュニケーションをつくるうえで、「いい音づくり」が、とても大事なのです。ダンクソフトの神田オフィスがホストになればクオリティが保てるということは、配信スタジオとして大きな可能性をもっていると思います。

 すでに先日、パイロット・ケースにあたるフォーラムを行いました。上々の手応えがありました。この先行事例を実績として、2021年は、このオフィスを、人々が出会える場、イノベーションが起こる場として、皆さんと一緒に育てていきます。

▎2021年は「自然×デジタル」が飛躍する

 2021年の大きな変化として、インターネットでつながる先が、どんどん自然の中へと拡張していくでしょう。コロナ禍の動きを見ても、森、山、海といった自然界に、以前に増して人が足を運ぶようになっているようです。そこで、自然のなかに、どうデジタルをもっていくか。映像品質、通信速度などのインフラが豊かに整ったいま、もしかしたらインターネットから届く情報による体験が、アナログの、いわゆる現地での体験を越える可能性も出てきたわけです。私は少し前から「自然と機械と人間の協働」に注目しているのですが、この動きがこれからますます進むのは間違いありません。

 都市部への一極集中を軽減する意味でも、すでに人が動き始めています。BCP(事業継続計画)やリスク回避の観点からも、分散・拡散の流れが見られます。人が動けば、新しい情報も動きます。ダンクソフトでは、昨年から森林再生の取り組みや、新たな森林価値の創造に向けたプロジェクトに関わり始めました。ポスト・コロナ社会では、インターネットやデジタルの舞台は、大都市や都会から、日本全国のさまざまな地域、そして自然の中へと、さらに加速しつつ広がっていきます。

▎「SmartOffice構想」で、ともに未来へ 

 ビジネスは市場で完結しません。地域へ、自然へと広がっています。こうした複雑化し、多様化する社会の動きをみすえて、ダンクソフトはかねてから「SmartOffice構想」を推進しています。

 「インターネットに“あらゆるもの”をのせていく」を合言葉に、いろんな人やグループが柔軟なつながりを持つ。対話し、連携し、協働して、生活課題の解決や新たな価値創造が進んでいく。このような連携・協働の広がりをめざすのが「SmartOffice構想」です。

 全国各地、自分のいるところがオフィスになりますから、この動きはやがて、“脱一極集中の社会”へとつながっていきます。

 ところで、そこでは全員が「一丸となる」のではなく、それぞれが異なるキャラクターやポテンシャルを発揮しています。ダンクソフトのスタッフたちは、日ごろから一丸となることはありません。それぞれに自律し、連携して動いていくことが大事です。もう「選択と集中」の時代ではありません。「自律・分散・協調」から、イノベーションも生まれていくことになります。協働意識の中から、生活コミュニティを形成し、一人ひとりが豊かさを実感できる未来をつくっていきましょう。

 

株式会社ダンクソフト

代表取締役 星野 晃一郎

対話と協働から、その先の未来をつくる ー 需要創造を担う仲間を募集します

もくじ

  • ダンクソフトが考える「需要創造」とは?

  • そのポジションが必要になる背景は?

  • どんな方が向いている?

  • 必要なスキル、条件は?

  • ダンクソフトが思い描く未来イメージとは?

  • ポジションに求める人物像は?


 現在、ダンクソフトでは、プロジェクトの拡大・増加にともない、新たな仲間を募集しています。今月は「需要創造の担い手」の募集について、代表取締役 星野晃一郎と取締役 板林淳哉がくわしくお話しします。


ー需要創造の担い手を募集するとのことですが、ダンクソフトが考える「需要創造」とは?

 星野 ひとことで言うと、対話の中から新たな価値を生みだしていくこと。もう少し言えば、外に出ていき、デジタルとインターネットを活用し、対話によって多様なかたたちと協働して、新たな価値を創造していくことと考えています。

シンプルに言えば、「デジタルで ‘はじまり’ をつくる」。それをビジネスにしていく、ともいえます。

コラムに関するオンライン会議の様子 上:株式会社ダンクソフト  代表取締役 星野晃一郎、下:株式会社ダンクソフト  取締役  板林淳哉

コラムに関するオンライン会議の様子 

上:株式会社ダンクソフト 代表取締役 星野晃一郎、下:株式会社ダンクソフト 取締役 板林淳哉

ーそのポジションが必要になる背景は?

 星野 創業当初、ダンクソフトはシステム開発の受注会社でした。10年が経つ頃から自社製品の開発をするようになります。そして90年代の終わりに、インターネットが登場してウェブ・デザインの仕事が増え、21世紀は圧倒的にウェブ・デザインが多くなりました。ところが、2011年の東日本大震災以降、地方・地域とのつながりができ、デジタルを使ったコミュニティづくりに関わるようになりました。とくにこの10年ほどは、今までまったくやっていなかったことにもチャレンジして、少しずつビジネスにすることを続けてきています。

板林 そうですね。震災をきっかけに、徳島や萩や北海道など日本各地にご縁をいただいて、地域の中で拠点づくり、場づくり、サテライト・オフィスの立ち上げなど、コミュニティの活性化をお手伝いするようになりました。それまではいわゆるシステム開発の会社でしたから、本当に手探りの、まったく新しいチャレンジでしたね。

星野 今回募集したいのは、こうしたこれからの需要創造を一緒に担える仲間です。

板林 従来のビジネスでは、発注する側、受注する側という関係が多く見られます。発注する側が一方的に要望を言い、受注する側がそれに応えるものです。そうではなく、受発注の関係を超えていくというか。クライアントと対話する。そして協働作業のプロセスをとおして、ともに新しい価値を生んでいく。そうした対話と協働による価値創造・需要創造を一緒にやっていけるかたを迎えたいと考えています。

地域でのサテライト・オフィス実証実験の様子

地域でのサテライト・オフィス実証実験の様子

 星野 今後、日本各地の地域コミュニティがますます重要になっていくでしょう。といっても、これは地方に限ったことではなく、都市部でも課題を抱えているとみています。そこでカギを握るのが、デジタル・テクノロジーの力です。「インターネットにあらゆるものをのせていく」ことで、より豊かな未来が描けるようになっていくでしょう。最近は森づくりなど、自然環境問題に関わる人たちとの関係も増えています。インターネットが行き渡って、森のような自然と都会をインターネットでつなげるようになってきました。都会に人が集中しなくても仕事を続けていけるのです。たとえば、コロナ禍で環境汚染が抑えられ、インドで見えなかったヒマラヤ山脈が見えるなど、人間の移動が減ることで自然環境がよくなる現象もみられました。このまま、一極集中が解消されて、うまく分散と協調が進めば、自然環境問題も改善に向かうかもしれません。

板林 そうした新しい動きが増えていくことも見越して、さまざまなプロジェクトを一緒に担っていただける新メンバーを、中長期的に募集していく計画です。

ー「需要創造」担当には、どんなかたが向いていますか?

星野 まず欠かせないのは、「コミュニケーション力」です。私たちの仕事の基本は、クライアントの困りごとを丁寧に掘りさげて、デジタル・テクノロジーで解決していくところにあります。何に本当に困っているのか、自分でもわかっておられないことも多いわけです。とにかく「相手」に関心があることが大事ですね。

板林 モノを売ることを優先する発想や、数字を追いかけるような営業・セールスといった従来型のビジネスの考え方は、ダンクソフトには合わないと思っています。数字やエクセルの表がゴールになってしまうと、「人の顔」が見えなくなってしまいますので。数字が優先されると、クライアントと協働の関係にもなりにくかったり、対話が大事だという価値観が共有しにくかったりと、ミスマッチが多くなるんです。

星野 ダンクソフトという会社は、キャラクターの集合体のようなところがあるので、数値ゴールで誰かが誰かを統制しようと思っても、うまくいかないんですよ(笑)。ですからここでも、数値よりも、関わる「人」を重視できることは大事ですね。

板林 その意味で、効率化や最先端といったことではなく、「カスタマー・インティマシー」を高めていくことが、ダンクソフトの根底にありますね。お客様との親密度をどれだけ高められるか、またお客様がその先のお客様と関係を親密にできるデジタルを、大事にしています。

ー必要なスキル、条件などはありますか?

星野 配属ありきでは考えていません。プログラミングなり、ウェブ・デザインなり、その人のできること、得意なこと、したいことから入っていってもらう形になるでしょう。

板林 そうですね。ただ、やはり基本的に「デジタルが好き」であってほしいですね。デジタル関連の経験者や、IT関連のプロジェクト・マネジメント経験者も歓迎です。また、以前の星野さんの話にも出ているとおり、どんどん新しく出てくるテクノロジーを「学び続ける好奇心」がある人。社内の技術者とも地域の人ともコミュニケーションができて、それぞれの人の力を引き出せる。そんなかただとうれしいです。

星野 まさに「インターミディエイター」ということですね。多様な人々やものたちのあいだを結んで、次の展開をつくれるかた。

板林 はい。僕らが関心のあるのは「人」なので、人に興味があって、未来が語れる人であってほしいですね。ダンクソフトとお客さんの1対1だけでなく、周囲も含めて関係づくりをしていくようなところがありますので。

星野 あとは、ポリバレントであることは、ダンクソフトのスタッフとしては大事にしています。そして、変わりゆく状況にも臨機応変に対応できて、フレキシブルに考えたり動けたりできること。ただ、これは、このポジションにかかわらず、ダンクソフトの全員に共通する資質といえるでしょう。 

ポリバレントとは?

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 ーダンクソフトが思い描く未来イメージとは?

星野 先ほど触れたとおり、今後は都市部への一極集中が解消されていく流れになると思っています。その結果、地域社会もネット・コミュニティもますます重要になっていくでしょう。協働意識の中からコミュニティが形成され、協働が広がる中で、お互いの価値が交換されて、新たな価値創造があちらこちらで推進される。私たちが現在進めている「SmartOffice構想」の先にある未来のイメージです。

SmartOffice構想とは? 

板林 もう競争ばかりしている時代ではありません。競争すると、つい横ばかりを見てしまいがちです。その結果、同質化が進みます。こうした競争の限界を補いながら、これからの生活や地域社会、そして新たなビジネスのあり方を探ることが、私たちの仕事にとっても、より重要になっていくと考えています。競争至上主義という発想を超えて、連携・協働の新しいあり方を探るなかで、新たな価値が生まれ、需要も創造されていくのだと思っています。

星野 今はちょうど時代の節目。ここでパラダイム・シフトが加速してほしいところです。つまり、デジタルを活用するのはもちろん、対話と協働から未来をつくっていくことですね。

板林 実際、ダンクソフトがプロジェクトでご一緒する人は、自分たちの目前の利益や売上最優先というより、プロジェクトの関係者や社会課題を見すえながら、対話と協働ができている人たちが多い印象がありますね。

星野 かつてのCSRや、今のSDGsのブームもそうですが、株主資本主義や右肩上がりでないといけないという幻想を捨てないと、自然環境にもいいわけがないのはわかりきったことです。では、どうするのかと突きつけられているのが今なのではないでしょうか。 

ーこのポジションに求める人物像は?

星野 僕らはやはり未来が見たいし、つくりたい。そして「未来」はつくれるものです。とくにこの10年は、その手応えを実感してきました。コミュニティでの連携や相互作用の中から共感と納得が広がって、新たな価値が生み出されていく経験を何度もしました。

板林 失敗も楽しめるくらいのマインドがあれば、嵐も新型コロナも一緒に乗り越えていけそうです。とはいえ、それを糧にしてビジネスにしていく意識も大切です。まだ見ぬところに向かっていくので、凝り固まった頭だとダメだとは思いますが、あとはもう、どんな人をお迎えできるかが楽しみなだけですね。

 星野 今後も、今までやっていないことへのチャレンジが続きます。よくわからないものを面白がって楽しめる、そんな挑戦を共にできるフレキシブルな仲間を待っています。 

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【プロジェクトの拡大・増加にともない、新たに複数名の仲間をお迎えします】

1.     企業ウェブサイトの運用サポート 

2.     ウェブ・デザイナー 

3.     プログラマー 

4.     需要創造 担当         など 

  • 雇用形態: 正社員(3ヶ⽉の試⽤期間があります)

※ 詳しくはお問い合わせください。 https://www.dunksoft.com/request





新時代をつくりだすポリバレントなプログラマー

 もくじ

[代表メッセージ]

株式会社ダンクソフト 代表取締役 星野晃一郎

 ■「はじまり」をつくり続けるダンクソフトの40年

 ■ 向かいたい未来像に向けて、プログラムを書く

[ダンクソフトで働くプログラマーの声]

株式会社ダンクソフト 開発チーム マネージャー 竹内祐介

 ■ プログラミングを中心に、両側に広がるグラデーションを幅広く担う

 ■ “一人十色”のポリバレントなプログラマーとして活躍できる

 ■「テレワーク」という新しい働き方をつくってきた

 ■ こんなプログラマーに来てほしい2つのこと  

[インターン生の声]

 阿南工業高等専門学校 創造技術システム工学専攻 電気電子情報コース 1年 港 左匡 さん

 ■ テレワークの最先端をいく理想の環境

 

[最後に:代表メッセージ]

 ■ このポジションに求める人物像


現在、ダンクソフトでは、プロジェクトの拡大・増加にともない、新たな仲間を募集しています。今月はプログラマー募集について、仕事内容と働く環境を詳しくお話ししていきます。


[代表メッセージ]

株式会社ダンクソフト 代表取締役 星野晃一郎

■「はじまり」をつくり続けるダンクソフトの40年

 ダンクソフトは、まもなく40周年。1983年の設立から38期目を迎えています。社名に「ソフト」とついてはいますが、仕事はソフトウェア開発だけではありません。ウェブ関係から、ネットワークやセキュリティなどインフラに近いものまで、またAIやARのようなものまで、幅広くさまざまなサービスを提供している会社です。今は、ポスト・コロナ社会での「インターネットにあらゆるものをのせていく」ことの重要性を、みなさんと対話しながら、提案しています。

 ですが、もともとはプログラムが主な事業だった歴史があります。創業当初は、制御系システムのプログラムを多く手がけていました。まだOSも自分たちで書いていた時代もありました。その後、OSとしてはWindows、データベースとしてはMicrosoft Access、ネットワークOSとしてはNetWareなどを組み合わせて業務システムをつくったのが、今の流れのはじまりです。ダンクソフトは、日本でAccessやNetWareをつかってシステムをつくった最初の会社のひとつです。出たばかりのAccess を、わざわざロサンゼルスまで買いにいって、英語版でプログラム開発をスタートしたこともよく覚えています。ですから、ダンクソフトの「はじまりをつくる」というのは、その頃から変わらない姿勢なんです。

 ◆1992年、「義理かんり FOR ACCESS」リリース

 https://www.dunksoft.com/message/2019/12/2 



■ 向かいたい未来像に向けて、プログラムを書く

 私自身もプログラムを書いてきましたし、どんどん出てくる新しいものを勉強しながら、今でもやっています。やっぱり「つくる」って楽しいですし、プログラミングはおもしろい技術ですよね。ある意味、ひとつの世界を自分の手で生みだして動かすわけで、できたときの喜びは大きいものです。

 うまく仕上がってクライアントに喜んでいただけることは本当に嬉しく、プログラマーにとって大きなやりがいを感じる瞬間です。それと、ダンクソフトの場合、こんな未来に向かいたい、こんな世の中になっていけばもっと楽しい、という未来のイメージを描いて、テクノロジーの観点から提案していくのが特徴です。単にプログラムを作っているというより、クライアントと一緒に未来を創るようなイメージで仕事をしています。

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[ダンクソフトで働くプログラマーの声]

株式会社ダンクソフト 開発チーム マネージャー 竹内祐介

■ プログラミングを中心に、両側に広がるグラデーションを幅広く担う

 ダンクソフトのプログラマーの仕事は、非常に多岐にわたります。プログラマーだからといって、プログラミングだけしているわけではありません。製品開発をコアとしつつ、前段となる企画段階から、ヒアリング、提案、それに開発後のサポート、更新、アップデートまで、業務内容はとても幅広いです。どまんなかは製品開発として、クライアントとのコミュニケーションやサポートといった“両サイド”もプログラマーが担っているわけです。ですから、クライアントと対話を重ね、サポートもし、企画からご提案していきます。開発領域を中心にグラデーションを描くように広がりのある業務全般に携わることができるのが、ダンクソフトのプログラマーの特徴と言えるでしょう。

 他社へのシステム提供も、自社サービスの開発も、両方あります。少数メンバーでやっていることもあって、どの製品も誰でも全員ができるような情報共有をしています。チーム全員がさまざまな役割を果たし、チームですべての仕事をしている、という考え方ですね。

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■ “一人十色”のポリバレントなプログラマーとして活躍できる

 前職の会社は分業化されていて、プログラマーはプログラミング業務に徹するのが方針でした。外に出ないので名刺もほとんど必要なく、前職では10年働いて10枚しか使いませんでした。それが2012年にダンクソフトに入って、最初の1年で100枚以上を使い切っていました。会社の方針が違うと、同じ職種でも働き方が大きく変わることがよくわかるエピソードだと思います。

 また、仕事内容は社外にも広がり、地元企業でのセミナー講師や、学校で授業まで担当するようになりました。私は3年前から、徳島県阿南市にある阿南工業高等専門学校(阿南高専)で、OSやプログラムの授業を担当しています。

 ダンクソフトは、このように、1人が複数のポジションや役割を担うことができる、“一人十色”の「ポリバレント」であることを重視しています。自分の可能性を広げ、新しい学びに挑戦したい人にぴったりの環境だと思います。

 ◆ポリバレント人材は「一人十色」

https://www.dunksoft.com/message/2019/06/03

 

■ 「テレワーク」という新しい働き方をつくってきた 

 働き方の大きな特徴として、場所にとらわれないことがあります。私自身も現在は、徳島で仕事をしていますし、開発チームのメンバーは、徳島、東京、高知など、それぞれの居住地にいて、仕事はテレワークで行っています。 

 ダンクソフト徳島オフィスの開設と私の入社が同時で、2012年。じつは私自身は、星野に直談判したことがきっかけで、徳島オフィスを創設していただいた経緯があります。今でこそ「テレワーク」という働き方も浸透してきましたが、私たちは、日本ではまだテレワークという概念すら確かでなかった頃から、「ITを使う職種であるプログラマーの仕事は、離れていてもできるはず」「それを当たり前としてやっていきたい」と考えて、挑戦してきました。「こうすれば離れて働ける」「やれるんだ」ということを示すために多少の苦難は自分たちで乗り越えてきた、そんなメンバーが今のダンクソフト開発チームのプログラマーと言えます。

 ◆ 徳島オフィスの誕生 ~ 都会と地方の新たな「結び目」~

  https://www.intermediator.jp/post/yusuke-takeuchi-01

■ こんなプログラマーに来てほしい2つのこと

 チームに新たに迎える仲間として、「こんな人に来てほしい」と思うことが2つあります。ひとつは、プログラミングが好きな人に来てほしいと思っています。私は今もプログラミングが大好きです。プログラムってすごくかっこいいし、没頭できる時間なんですね。だからやっぱりプログラミングが好きな人に来てほしいです。そして、ものづくりを楽しめる人に来ていただきたいです。

 一方で、とはいえ、プログラミングはあくまで道具であるとも考えています。

だから、ふたつめとして、ものをつくるだけでなく、「価値をつくる」ことを楽しめる人だといいなと思います。クライアントから、あるご要望があったとして、よくよく話を聞いてみれば、実はプログラミングが必要ない場合だってあります。プログラミング以外の手段でお困りごとが解決されてもいいと私は思っています。とにかくクライアントと私たちのあいだで、「新たな価値」が生まれることに喜びを感じられるような人と一緒に仕事がしたいと思います。

 

[インターン生の声]

阿南工業高等専門学校 創造技術システム工学専攻 電気電子情報コース 1年 港 左匡 さん

■ テレワークの最先端をいく理想の環境

 10月中旬からインターン生として、ダンクソフト徳島オフィスで4週間のインターンをしています。阿南高専の本科情報コースを卒業し、現在は専攻科の1年です。本科4年生のときに竹内さんの授業を受けたことをきっかけに、ダンクソフトを知り、インターンを希望しました。旅をするのが好きなので、将来は、場所に縛られずにどこででも働けるような働き方で、プログラマーとして活躍していきたいと思っています。ダンクソフトはテレワークが本当に進んでいて、ここはテレワークの最先端だと感動しました。こんな働き方を知れて、とてもよかったです。人生の選択肢が広がりました。インターンもテレワークで実施しており、月曜だけ徳島オフィスに出向き、火曜から金曜までは自宅からのテレワークです。 

 今ちょうど、あるクライアントのシステム更新の時期にあたるということで、大きなプロジェクトの一端に関わらせていただいています。これまで授業で扱っていたのとは桁違いに大規模なコードを目の当たりにして、とても貴重な経験をしています。1万行を超える、質の高いコードを初めて見ました。また、竹内さんの説明を聞いて、よくデザインされたプログラムなら、10年20年経ってもじゅうぶん通用することもわかりました。そんなプログラムが書けるってすごいなと憧れますし、ぼくもプログラミングの技術を磨いて、優秀なプログラマーを目指したいと思います。

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[最後に:代表メッセージ]

■ このポジションに求める人物像

 プログラミングの世界は時代がとても速くて、言語もどんどん変わるし、私が経験しているだけでもパラダイム・シフトが何回もあるわけです。OSはMS-DOSからWindowsになり、言語もベーシックからオブジェクト志向にかわっていって。一方で、プログラミングがわからないスタッフやお客様とも話ができないといけないし、インターネットやインフラやセキュリティの知識も必要になってきます。 

 知っておかないといけない範囲がそもそも広く、しかも、どんどん新しい技術が出てきます。新しいことを学びつづけなければなりませんから、そこに好奇心をもって向かっていける人、共に学び合っていける「Co-Learning」の仲間になれる人を迎えられるといいなと思います。

 それから、やはり「ポリバレント」を重視したいですね。人間は多面体なので、いろいろやった方が、いろんなところに埋もれている得意なところが見えてきます。それによって、人がより豊かになっていくんですね。

 そして、「あいだ」を意識すること。縦割りの中に埋没するのではなく、組織内外で切れ切れになっているものの「あいだ」に立つ視点がとても重要だと考えています。クライアントと私たちのあいだ、さらにクライアントのビジネスのさらに先にいるお客様をイメージする。そして、いろいろな人、モノ、地域などの「あいだ」に立って、デジタルを活かして、新しいはじまりをつくっていく。ダンクソフトという会社もですし、またそこで働く一人ひとりも、それぞれがインターミディエイターとして「あいだ」に立ってもらえたらと思います。

 そのためにも、「共感できる力」が大事だと考えます。プログラムのスキルはもちろん、仲間に対しても、クライアントに対しても、エンパシー(共感)をもって、困りごとをデジタルで超えていく。居住地や勤務場所はどこでもかまいません。今回登場した竹内は、転職を機に、「どうせなら新しい働き方をつくる側になる方がおもしろい」と思って、ダンクに飛び込んだそうです。しくみや制度が先にあるのではなく、やりたい人、動きだした人がいて、そこに新しいしくみや価値が生まれていく。ダンクソフトらしいエピソードです。社内外のさまざまな人と連携して、チームで一緒にやっていける仲間として、新たなメンバーを募りたいと考えています。

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【プロジェクトの拡大・増加にともない、新たに複数名の仲間をお迎えします】

  • 募集職種: 

  1. 企業ウェブサイトの運用サポート 

  2. ウェブ・デザイナー 

  3. プログラマー 

  4. 需要創造 担当 など 

  • 雇用形態: 正社員(3ヶ⽉の試⽤期間があります)

※ 詳しくはお問い合わせください。 https://www.dunksoft.com/request

 

事例:さまざまな部署との対話を重ね、進化し続けるウェブサイト改善プロジェクト

お客様:国際機関日本アセアンセンター 様

 注目が高まるASEAN地域の情報を提供して、経済や人々の交流を促進する日本アセアンセンター。膨大な情報を整理し、幅広い層の人々にとって情報を見つけやすいサイトの在り方を模索し続けている。

左から国際機関日本アセアンセンター事務総長室広報担当官の宮内智子氏、園屋恵美子氏

左から国際機関日本アセアンセンター事務総長室広報担当官の宮内智子氏、園屋恵美子氏

■ 多様な人々に向けた、情報量が膨大なサイト

 国際機関日本アセアンセンター(東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センター)は1981年、当時のASEAN加盟国政府と日本政府が設立した国際機関だ。貿易、投資、観光、そして人物交流の促進を目指しており、小学生向けのイベントからビジネス関係者に向けたセミナーまで、幅広いステイクホルダーへ事業を展開している。

「さまざまな層の方々へ、ASEANの情報を提供することを、とても大切にしています」と語るのは、広報の宮内智子氏だ。事業が多岐にわたるためウェブサイトの情報量が膨大で、訪れた人たちが接点を見出しやすい発信の仕方を模索していた。長い間使ってきたウェブサイトは、部署ごとに明確に分けて情報を掲載していた。ただ、「お客さまが探している貿易の情報が、当センターでは投資に分類されているなど、線引きが分かりにくく、すれ違いが生じていました」と振り返る。情報が多い上、検索サイトでは上位に表示されない構造になっており、使い勝手が悪いことも課題だった。

 当時は情報更新を各部署に任せていたが、これが運用上の課題となっていた。サイト制作ツールの知識を持たない人が担当すると、作業に時間がかかり効率が悪い。担当が変わると、引継ぎにも時間がかかる。一方で、詳しい担当者がいる部署では独自の改変を加え、統一感が崩れていくケースも見られた。運用が難しいと、日本語と英語の両ページの管理が非常に手間取り、英語版の更新が滞ってしまうこともあった。

 また、2018年に大幅な組織改編があり、縦割り型から横のつながりを強化した体制へと変わった。部署をまたいだ「センターワイド事業」が増え、ウェブ表現も、センターとしての統一感を持たせた見せ方へと変える必要があった。

 そこで2016年度に、ウェブサイトを大幅にリニューアルすることになった。担当したのは、以前から何度か修正作業などに携わったことがあったダンクソフトだ。「私たちの活動内容をよく理解した上で、仕組みや見せ方などを提案してくれる、貴重なパートナー」というのが、宮内氏の評価だ。

第74回ASEAN投資調整委員会(於:マレーシア)

第74回ASEAN投資調整委員会(於:マレーシア)

■ 部署間で異なる要望に応えた、1回目のリニューアル

 リニューアルに際してダンクソフトがまず実施したのは、センター各部署へのていねいなヒアリングだった。組織の外部にいるダンクソフトだからこそ、情報の断捨離や全体の交通整理がしやすいという側面がある。だが多忙なメンバーを集めての開催はスケジュール調整が難しく、完了までには実に約4カ月を要した。今年7月から参画したという広報の園屋恵美子氏も、ヒアリングの様子を聞いて「各部署の要望を直接聞いて形にしてくれる制作会社って、なかなかいないですよね」と驚く。

 「ヒアリングを重ねるうちに、部署ごとに要望が異なることが改めて浮き彫りになりました」とダンクソフトの大村美紗は語る。例えば、セミナーを多く実施する部署では、セミナーの案内に特化して、なるべく多くの件数を表示させたいと考えていた。一方で別部署では、事業についての情報を中心に出したいと望んでいた。「重要視しているのは、どこにゴールを持っていきたいかという点。部署ごとの思いがそれぞれあるので、なぜそのように考えているのか、お話を伺ってから提案するようにしています」(大村)

 また、外部の視点が入ることで、見る人の立場で分かりやすいサイトになっているか意識しやすくなった、と宮内氏は話す。「日本アセアンセンターの内部でよく使う用語も、外部から見ると堅苦しく感じられるのではないか、もっと分かりやすい別の言い方に変えた方が良いのではないかと、私たちのことをよく理解した上で見てくださっていますね」

日ASEAN女性起業家リンケージプログラム(AJWELP)(於:ブルネイ)

日ASEAN女性起業家リンケージプログラム(AJWELP)(於:ブルネイ)

■ 分かりやすさと統一感に力点を置いた、2回目のリニューアル

 各部署の要望を反映したサイトにリニューアルしたものの、「実際に運用が始まると、また新しい課題も出てきて、もう一度整理したくなりました」と宮内氏は振り返る。特定の活動目的に分類できない横断的な事業が今後増えてくることも想定された。

 そこで、リニューアル後に出てきた新たな課題の解決を目指し、2018年度にはトップページを中心にサイトの手直しを実施した。このときに重視したのは、センター全体で活動内容を整理し、統一感のある見せ方へと改善することだ。

 以前は部署ごとに更新していた新着情報は、事業部ごとのアイコンを付けてトップページに集約し、時系列に並べて見せるように変更した。トップページには常に最新情報が表示されるため、サイト訪問者にとって見やすくなり、部署ごとの更新頻度のばらつきも目立たなくなったという。トップページや、事業部ごとのページのレイアウトを変え、コンテンツ更新は広報がゲートキーパー(門番)となって目を配るよう運用方法を改めるなど、サイト全体に統一感を持たせる工夫を凝らした。

マレーシア企業と日本企業を対象にビジネスミーティング(於:マレーシア)

マレーシア企業と日本企業を対象にビジネスミーティング(於:マレーシア)

■ 信頼できるパートナーと共に、激変の時代を乗り切る

 2度のリニューアルを経たアセアンセンターのサイトだが、さらに改善したいポイントが出てきていると、宮内氏は考える。これまでは膨大な情報を抽出しやすいようロジカルに整理することに力点を置いてきた。今後は事業部横断型の事業の見せ方を工夫し、お客さまにとってセンターとの接点が分かりやすいようSEO対策にも力を入れていきたいという。

 特に注力したいと宮内氏が語るのは、日本アセアンセンターのブランド・イメージの構築だ。センター設立当時と比べると、情報の入手が容易な時代となり、ASEAN地域の専門家の数も増えた。そういう中で、日本アセアンセンターならではの特長を出していくことの重要性を宮内氏は感じている。日本とタイ、日本とカンボジアといった2国間の枠組みで情報発信している機関は他にもあるが、「ASEANという地域全体を対象として情報提供しているのは、日本アセアンセンターしかない。価値ある独自コンテンツをもっと強化していきたいですね」と展望を語る。

 また、昨今は人々がオンライン上にいる時間が長くなった。日本アセアンセンター独自のコンテンツ、特にオンライン・コンテンツの充実を検討しているという園屋氏は「今の時代に合った進め方をしていかないと、置いていかれてしまう。存在感を出すために、独自性を積極的に出していかなくては」と危機感を募らせる。

 さらに、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって、事業形態も変化を余儀なくされた。事務所に併設された多目的ホールに人を集めていたセミナーはオンラインで開催しているが、対面でのプログラムや、ASEAN各国に赴いてのワークショップは開催できていない。観光事業もプロモーション活動を思うように実施できない状況だ。

 一方、オンラインでセミナーを実施するようになった今は、さまざまな数字の把握が可能となり、効果的にデジタル・テクノロジーを活用したコミュニケーションを展開できる体制が整いつつある。園屋氏はダンクソフトに対し、「ウェブサイトのトレンドは何か、どのような見せ方が可能なのか、オンライン上で何ができるのかなど、今後もプロの視点でいろいろご提案いただけると大変ありがたいです」と、変化の激しい時代を共に乗り切るパートナーとして期待を寄せている。

 幸いなことに、日本アセアンセンターの広報とダンクソフトの間には、日ごろから思いついたことをチャットですぐ相談できる信頼関係が築かれている。「WEBサイト関連でわからないことがあると、すぐチャットで話しかけてしまう」と宮内氏は笑うが、肩ひじを張らないやり取りの中で「こんなことをしてみたい」と目的を伝えると、それが高い精度で実現していくのだという。

 注目度が高まるASEAN諸国の情報が集まる日本アセアンセンターと、デジタル・テクノロジーによる関係づくりを得意とするダンクソフトの協働は、今後ますます密度の濃いものとなりそうだ。ウェブサイトを、多様なステイクホルダーとの対話が、さらに促進される場となるよう、取り組んでいきたい。

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観光従事者を対象とした研修(於:ミャンマー)

 

■ 導入テクノロジー

 Webデザイン、運用コンサルティング、システム開発 

 https://www.dunksoft.com/web-t

  

国際機関日本アセアンセンターとは

 日本アセアンセンターは、ASEAN加盟国政府と日本国政府との協定によって1981年に設立された国際機関です。日本とASEAN諸国間の「貿易」「投資」「観光」という3分野における経済促進と、「人物交流」の促進を主な目的として活動しています。

 ASEAN諸国から日本への輸出の促進、日本とASEAN諸国間の直接投資、観光及び人物交流を促進するため、日本の関係各省並びにASEAN諸国の貿易・投資・観光促進機関や駐日大使館と密接な連携を保ちながら、日本・ASEAN双方のニーズを踏まえ、貿易・投資・観光促進のためのテーマ別セミナーやワークショップの開催、産業分野毎のASEAN各国高官と日本人投資家との政策対話、人的交流プログラム、各種情報提供など多岐にわたる事業を実施しています。

https://www.asean.or.jp/ja/

ポテンシャルを引きだす職場、その秘訣とは

 もくじ

■ ダンクソフトが大切にしていること

■「リ・クリエイター」たちが、新たな「はじまり」をつくる

■ ウェブ・チームで活躍する仲間を募集します

■ 全スタッフがテレワークでも、「チーム」で助けあう

■「ポリバレント」であることが、一人ひとりのポテンシャルを引きだす

  

■ ダンクソフトが大切にしていること

 ポスト・コロナ社会のはじまりとなった2020年。日本はもちろん、世界中が一斉に、目に見える形で変わりつつあります。移動に制限がうまれ、リアルに人と人とが会うことが難しくなりました。この状況は、まだしばらくは続くと言われています。大きな転換点になりました。

 その中で、インターネットやデジタル・テクノロジーの可能性を感じた方も多いでしょう。これから、「インターネットにあらゆるものをのせていく」ことが、もっともっと重要になってきます。その先に、ビジネスの未来も、地域の未来も、一人ひとりの未来も、つくっていくものだと確信しています。

 株式会社ダンクソフトは、デジタルで新しい未来の「はじまり」をつくることに取りくんでいる企業です。1983年の設立から38期目を迎え、まもなく40歳。これまでも、さまざまな「はじまり」をつくってきました。ウェブ・チーム、開発チーム、企画チームという3つのチームがあり、それらのどれもが、インターネットを活かして、ビジネスをよりよくし、人びとを幸せにするためのプロジェクトを行っています。

 そして、いま、ダンクソフトでは、さらに新しい「はじまり」を一緒につくっていく仲間を募りたいと考えています。

■「リ・クリエイター」たちが、新たな「はじまり」をつくる

「We are Re-Creators. はじまりをつくる」

 私たちは、ここ数年、この言葉をかかげて、プロジェクトを実施してきました。ダンクソフトのスタッフは、みな “Re-Creator(リ・クリエイター)” です。

 それは、変化に対して前向きである人。  好奇心が旺盛な人。  ダンクソフトが実践している画期的な働き方や未来志向の試みを、一緒におもしろがれる人。  よりクリエイティブな働き方を自分で実践していきたい人。  いろんなことに挑戦したい人。  目線を合わせて、対話できる人。  そして、時代の転換期を迎えたいま、さまざまな人やモノの “あいだ” を結んで次の展開をおこすことに長けた人。 

 要するに、混迷や停滞を打ち破って、再び新たな動きや変化をつくりだせる人、それを「リ・クリエイター」(Re-creator)と呼んでいるのです。

 ダンクソフトでは、こうした特長を兼ねそろえた「リ・クリエイター」(Re-creator)たちを、新たな「はじまり」をつくる担い手として、期待し、頼りにしています。

◆「リ・クリエイター」とは? (実例あり)https://www.dunksoft.com/message/2020-07

■ ウェブ・チームで活躍する仲間を募集します

 まず今回は、ウェブ・チームの話をしようと思います。ダンクソフトでは、企画から制作・メンテナンスやアドバイスまでの包括的なウェブ・コミュニケーション支援を行っていて、ウェブ・チームが担当しています。今回、ウェブを通じたコミュニケーション・デザインができる方や、ウェブのコーディング、フロントのスクリプトがかける方、また、サイト運営ができる方を歓迎します。

 クライアントのコーポレート・サイトやキャンペーン・サイト、ランディング・ページをつくるなど、情報の価値を何倍にも魅力的に表現するような、クリエイティブなご提案を続けてきました。さらに、クライアントが、その先にいるお客様とよりよい関係をつくり、コミュニティが醸成され、新たなビジネス機会への架け橋となるような、ウェブ・コミュニケーションを提案しています。大手企業をご支援する25年以上も続いているプロジェクトもあれば、家族や仲間が集うキャンプ場のウェブ・コミュニケーション、そして、これからのコミュニティ形成のためのウェブ開発など、様々なプロジェクトが並行して走っています。

◆ウェブ・チームはどんな仕事をしている? https://www.dunksoft.com/message/casestory-kfv

■ 全スタッフがテレワークでも、「チーム」で助けあう

 こうした様々なプロジェクトをチームで推進していくわけですが、3月に東京都知事から緊急事態宣言が発表された翌日から、ダンクソフトでは全員が在宅テレワークでの勤務をしています。オフィスに出社するように戻している企業もあるようですが、私たちは、当面は現在のテレワーク環境を続けます。スタッフ一人ひとりの生命を守ることが、いま一番大事なことだと考えているからです。 

 それに、ダンクソフトでは、12年前の2008年からテレワークの実証実験を重ねてきました。失敗もいろいろありましたが、今では、コロナ禍で全員在宅ワークになっても、プロジェクト推進は何の支障もないと言っていいほど、とてもスムーズに行われています。今回、クラアント先に常駐していたスタッフも、在宅ワークに切りかえて、プロジェクトを継続しています。オンサイトだったスタッフのひとりは、今回はじめてテレワークを経験して、ダンクソフトが先進企業だったことを改めて実感したと、感想を聞かせてくれました。

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 このウェブ・チームには、もともと100%テレワークのメンバーもいます。徳島在住で、2017年にテレワークを前提にメンバーに加わり、ウェブ・チームの一人として活躍しています。 

◆テレワーク ─2008年から始まった取り組み

 https://www.dunksoft.com/message/2019/8/1/-2008

◆インターネットに あらゆるものを のせていく ─テレワーク実際編 https://www.dunksoft.com/message/2020-08

 来春には、徳島県阿南市にある阿南工専を卒業する学生が新卒で入社予定です。新卒でありながら、徳島からのテレワークです。新しい未来の「はじまり」をつくる会社として、こうしたデジタル・ネイティブ世代に選ばれているのは、とても嬉しいことです。

 全員が在宅ワークという状況が長期化すると、お互いに意識を払えるかどうかが、より大事になってきます。チーム・メンバーからのアウトプットを待つだけじゃなくて、隣にいない、離れた相手をケアして声をかけられるか。お互い様の気持ちで、助け合えるかどうか。結果的に、そういうことが、効率化やクオリティ向上につながって、スタッフがクリエイティビティを発揮できる時間や領域が増えていきます。

◆働き方改革とは──「クリエイティブ・ワークチーム」というビジョンhttps://www.dunksoft.com/message/creativeworkteam

■「ポリバレント」であることが、一人ひとりのポテンシャルを引きだす

 インターネットをフルに活かした柔軟な働き方は、ダンクソフトではコロナ前から通常に行われていたことでした。これができているのは、「チーム」としてメンバーどうしが有機的に動ける環境があるからです。チャット・ツールなども駆使して、チームでのコミュニケーションをあつくしています。また、お互いに仕事を学びあえる「Co-learning(コ・ラーニング/共同学習)」のしくみも大切にしています。

 ダンクソフトで大事にしていることのひとつに、「ポリバレント」ということがあります。これは、状況や場面に応じて、いろんな役割ができる人のことを言います。メンバーが一人ひとりポリバレントになっていくことで、何かあったときには誰かが代わりをでき、休みも取りやすい状態になっています。異なるタイプの仕事に挑戦するなかで、思いもかけなかった能力が発揮されることもあります。ポリバレントであろうとすることは、人のポテンシャルを引き出すことでもあるのです。

 加えて、定期的にチームごとに対話の時間をもち、社長である私もそこに入ります。よいことも、不安や懸念も、自分の言葉で直接私に提案してもらい、みんなが考えていることを共有します。私も、包み隠さず率直に考えをお話するようにしています。社長とスタッフというより、お互い、「人と人」としてコミュニケーションする関係を、居心地よく感じるからです。かねてから、もっと会社はコミュニティに近づいたほうがいいというイメージを持っています。

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◆コミュニティの活性化とソーシャル・キャピタルhttps://www.dunksoft.com/message/2019/10/7/-

 世間には出る杭が打たれる場所も多いようですが、ダンクソフトは、その逆です。言いたいことが言える会社で、言えば実現する。もちろん、未来志向で建設的な事であれば、ということですが(笑)。言った人から楽しくなる会社です。「いま何ができるか」はもちろん大切ですが、新しいことをつねに学び続けること、学びなおすことに意欲的な人に出会いたいと願っています。その方にまだ眠っている能力を、ダンクソフトで引き出せるかもしれません。

◆ポリバレント人材は「一人十色」https://www.dunksoft.com/message/2019/06/03


【プロジェクトの拡大・増加にともない、新たに複数名の仲間をお迎えします】

  • 募集職種: 

  1. 企業ウェブサイトの運用サポート 

  2. ウェブ・デザイナー 

  3. プログラマー 

  4. 需要創造 担当 など 

  • 雇用形態: 正社員(3ヶ⽉の試⽤期間があります)

※ 詳しくはお問い合わせください。 https://www.dunksoft.com/request

 

インターネットに あらゆるものを のせていく─ セキュリティ&プライバシー 編

もくじ

■ 知らないうちに、誰かに自分の情報を利用されている

■ 経営者たちが安心してビジネスの話ができる場が必要だ

■ なぜ、アプリにしないのか?

■ インターネット本来の「オープン」、かつ「安全」を兼ね備える

■ ポスト・コロナ社会は、名刺交換もオンラインで

■ 一人十色の時代です


■ 知らないうちに、誰かに自分の情報を利用されている

 今回は、「インターネットにあらゆるものをのせていく」うえで欠かせない、セキュリティとプライバシーについてです。

インターネットは便利です。ぜひ、インターネットにあらゆるものをのせていくことで、ビジネスを展開していただきたいと思います。ですが、一方で、自分の情報が人のビジネスに都合よく利用されるリスクが常にあります。

「フィルターバブル」ということを聞いたことがありますか。たとえば、検索エンジンやSNSは、ユーザーの検索履歴や行動パタンなどを学習して、その人の好みの情報ばかりが、作為的に表示されるようにできています。結果、自分の興味・関心のある知りたい情報だけに囲まれます。

  この状態を、「フィルターバブル」といいます。泡の中に閉じ込められたような、狭い世界。インターネット事業者のルールで情報がコントロールされている状態です。ここでは、知らないうちに自分の情報が誰かに利用されていることもあります。たとえば、特に無料のツールでは、広告のターゲットとなったり、解析の対象になったりしています。

  データが使われているということについては、いろいろニュースでも取り上げられています。2016年の米大統領選では、フェイスブックで、5000万人の個人情報が選挙のために不正利用されていた疑惑が報道されました。最近では、オンライン会議ツールのZoom(ズーム)の脆弱性問題や、動画配信アプリ TikTok(ティック・トック)で、個人情報リスクが指摘され、トランプ米大統領が利用禁止を表明したニュースが世界を騒がせたりもしています。

■ 経営者たちが、安心してビジネスの話ができる場が必要だ 

そこで、ダンクソフトは、インターネット上の安心・安全な交流の場をめざして、2015年に「ダンクソフト・バザールバザール」を開発しました。人をつなぎ、対話と創発がうまれる場をつくるクラウド・サービスです。

 もともとは、私が理事をつとめる東京ニュービジネス協議会のために開発したものです。 インターネット上で、会に参加する経営者たちが、安心してビジネスの話をしたいとき、フェイスブックやDropbox、Google Driveでは、やはり困るわけです。企業と企業が出会う場は機密情報のかたまりですから、それを守る必要があります。

 

日本全国にいる参加企業の経営者たちが、インターネット上でも会員交流と相互連携をはかろうと、「ダンクソフト・バザールバザール」が誕生しました。組織をまたいだマッチングも行えます。事務局の業務を効率化する機能が備えてありますから、バザールを導入後、団体運営の効率化やコスト削減にも、劇的に寄与する効果が証明されました。これを、同じように会員組織を運営する多くの方のためのクラウド・サービスにし、広く使っていただこうと、製品化しました。  

東京ニュービジネス協議会で行われるイベントの様子。こうした集まりや出会いを、インターネット上でできるようにしようと「バザールバザール」を開発

東京ニュービジネス協議会で行われるイベントの様子。こうした集まりや出会いを、インターネット上でできるようにしようと「バザールバザール」を開発

 ■ なぜ、アプリにしないのか?

 「ダンクソフト・バザールバザール」は、ブラウザさえあれば簡単に閲覧できるコミュニケーション・ツールです。この他の製品・サービスもそうなのですが、ダンクソフトは、製品・サービスをアプリのかたちでは開発していません。

 本来、インターネットは、もっとオープンだし、フラットで、フェアな世界であるはずです。しかし、今のインターネットは実際にはフェアではありません。そのひとつに、アプリケーション・ソフトの存在があります。

 たとえば、スマホのアプリを開発してリリースしようとすると、AppleやGoogleが運営するアプリストアの認証が必要です。売り上げの30%が手数料となることが規約で定められています。しかも認証基準は明確でなく、認証されない理由が知らされなかったり、それまで認証されていたものが突然排除されたりもします。プラットフォーマーが自分たちに不利なアプリは認証しないという方針は明らかでしょう。今年8月には、アプリ外での直接課金システムを導入した人気ゲームが、AppleとGoogleによってアプリストアから削除されるという出来事があり、業界を騒がせました。

 GAFA*が圧倒的な力をもちすぎ、インターネットばかりか、社会を自分たちが行きたい方に引っ張っていこうとしている今の状況です。これを、インターネットの本来であるオープンでフラットでフェアな社会に引き戻してこないと、危なっかしいという思いが強くあります。  (*GAFA = Google、Amazon、Facebook、Appleの頭文字をとった4社を現す造語) 

 ダンクソフトがブラウザで使えるものを開発するのは、もっとオープンで、フラットでフェアな社会でコミュニティを育てたいからです。一部の強者が弱者を搾取しつづける構造への、アンチテーゼでもあります。

 それに、使う方にとっても、スマホの中に、アプリがいくつも増えていくのは面倒なことです。ブラウザさえあれば、さっと使えるものの方が、使う方にとっても負担が少なくはじめていただけるので、便利で、ユーザー・フレンドリーです。

■ インターネット本来の「オープン」、かつ「安全」を兼ね備える 

 実際には、使用する環境は、オープンでありつつ、セキュリティとプライバシーが守られていなければなりません。そうでないと、安心してビジネスや連携・提携の話をしたり、個人情報を扱ったりなどできません。

 ブラウザで誰でも簡単に閲覧できる環境で、事業者に搾取されることなく、かつ安心・安全が確保されている。その中で、多方向の対話と関係づくりができるプラットフォームをつくる。これが「ダンクソフト・バザールバザール」の基本的な考え方です。 

 しくみはとてもシンプルです。会で開催されるイベント情報が集まった“イベント一覧”、会員の名前と所属がわかる“会員一覧”、「マッチング」と呼ばれる“コミュニケーション・ボード(掲示板)”などの機能があります。マッチングは、いろんな人が出会う場づくり、「市づくり」をしたいという意図でつけた名前です。「バザール」には、信頼できるメンバーたちが集まります。その中で、多様な人々による新しい出会いも生まれます。今では、さまざまな会員組織やコンソーシアム型のイニシアチブにご利用いただいています。

 「バザール」で起こる対話や関係づくりを見ていると、出会いや連携が生まれるには、「さまざまな人やモノの“あいだ”を結び、次の展開をうみだす」というインターミディエイターの役割が重要だと痛感します。上手に使っておられる会では、人と人を結ぶことに長けた方がいて、上手に合いの手のコメントを入れたりしながら場をつくり、対話を進め、メンバーどうしの関係づくりを深めています。 

ダンクソフト・バザールバザールのトップページ

ダンクソフト・バザールバザールのトップページ

掲示板機能のサンプル。各団体では、さまざまな会話が行われている。

掲示板機能のサンプル。各団体では、さまざまな会話が行われている。

■ ポスト・コロナ社会は、名刺交換もオンラインで

 ポスト・コロナ社会においては、インターネットの役割がますます大事になってきます。インターネットが、すべての重要なインフラです。

 たとえば、感染症対策のため、これまで出会いの場となっていたようなオフラインの会合や対面セミナー、イベントは、開催が難しくなりました。生身で人と出会うことが気軽にしづらくなった今、インターネット上で、いかに安心・安全を確保して、出会いの場がつくれるかは、課題です。

  バザールバザールは、このタイミングで、新しい機能を備えました。「プロフィール」の表現を、もっと豊かにしていただけるようにしました。この「プロフィール」のポイントは、多様なプロフィールを、自在にインターネットにのせられる点にあります。

 紙の名刺は、1枚あたりの情報量が少ないうえに、何枚も持たないといけません。そもそもフィジカルに対面しないと名刺交換が成立しません。今回の改良は、非対面でお互いのプロフィールを知ることができる、いわばオンライン名刺交換によって交流を促進できる、というものです。

新しく備わったプロフィール画面(プロフィール・タイプ)

新しく備わったプロフィール画面(プロフィール・タイプ)

■ 一人十色の時代です

 私もそうですが、経営者はさまざまな組織でいろんな役職をもつことが多いものです。たとえば私の場合、ダンクソフトの代表取締役のほか、総務省地域情報化アドバイザー、日本パエリア協会理事、中央エフエム社外取締役・パーソナリティーなど、いくつもの役割をもっています。情報をインターネットにのせておけば、名刺を何枚も持ち歩く必要もなく、気軽にメールやチャットでリンクを送りさえすればいい。インターネット上で、新たな出会いの機会につながりますし、お互いを深く知るきっかけにもなります。そのためのツールがほしいという私のような経営者の要望にも応えてくれるのが、この新機能です。

 役割ごとに、プロフィール写真、2000字までのテキスト、画像情報などが登録でき、表示デザインも選べます。名刺らしさのある名刺型デザインもあれば、文章重視のプロフィール型もあります。複数の会に属している場合、会ごとにプロフィールを設定できるので、見せたい自分を自在に選択できます。そうしたカラフルで多様な情報からこそ、思いがけない連携や協働が生まれたりする経験は、皆さんにもきっと少なからずあるのではないでしょうか。

 ポスト・コロナのこれからは、オンラインで出会い、オンラインで会話や対話を始め、関係を築いていく時代です。また、一人がいくつもの役割を持つ、一人十色の時代です。ポスト・コロナ社会では、名刺もペーパーレスです。名刺をインターネットにのせ、交流をうながすこの新たな機能は、場所、空間、距離の制約がありません。移動にかかる時間やコストが不要になるインターネット社会のメリットを最大限に生かし、いろんな人と柔軟なつながり、ビジネス連携を生み出していただきたいと思います。

 もちろん、セキュリティとプライバシーには気を使っています。プロフィール公開を団体内にとどめることもできるし、広くインターネット上で公開も可能です。ウェブサイトを持たない会社・団体や個人の方にとっては、自分のウェブページを持つ感覚で、使っていただけます。

 こうしたツールを補助にすれば、単なるテレワークに留まらず、インターネットを上手に利用して、クリエイティブに仕事ができるビジネス環境をつくることができます。日本中あるいは世界と連携・協働していく「スマートオフィス構想」を実現していくうえでも欠かせない情報インフラとなるでしょう。オンライン上の空間である「ダンクソフト・バザールバザール」は、ポスト・コロナ社会でも、さらに重要な役割を果たすだろうと考えています。

◆ あわせて読みたい関連コラム

 → インターネットに あらゆるものを のせていく −「スマートオフィス構想」編 

 → 「カスタマー・インティマシー(顧客親密性)」を高めるデジタル

 → 事例:テレワークが創出した瀬戸内市の新たな“魅力と雇用”

 → 働き方改革とは──「クリエイティブ・ワークチーム」というビジョン

インターネットに あらゆるものを のせていく ─ テレワーク実際編

もくじ

■ 全スタッフによるテレワーク開始から4ヶ月

■ ダンクソフトが実践するテレワークの実際

■ 入社当初はあまりの先進性に衝撃の連続

■ 現場で感じるテレワークのデメリットとは?

■ テレワークから「スマートオフィス」へ

 

[参加者]

代表取締役 星野 晃一郎

ウェブチーム 野田 周子 (クライアント企業に出向)

ウェブチーム 谷原 理恵



■ 全スタッフによるテレワーク開始から4ヶ月 

──今回のコラムでは、ダンクソフトがいま経験している「テレワークの実際」を、ダンクソフトのメンバー2名も交えてご紹介します。いい話ばかりではなく、過去の失敗や課題にも触れながら、テレワークの過去・現在・近未来を考えていきます。まずは、星野さん、ダンクソフトの現在のテレワーク状況について聞かせてください。

星野 最近では、3月26日から、新型コロナウィルス感染症対策として、ダンクソフトでは全社テレワーク体制となりました。東京都知事が自粛宣言を出した翌日です。オフィスに人が集まらなくなって、そろそろ4ヶ月。仕事はまったく問題なく進み、現在も引きつづき全員テレワークでプロジェクト進めています。


──ダンクソフトにとっても、これだけ大規模な全社テレワークは初めての経験ですか?

星野 そうですね。ダンクソフトでは、2008年からテレワークの取り組みを始め、すでにテレワークは当たり前の働き方となっていました。ただ、東京・神田や徳島のサテライト・オフィスをはじめ、やはり「オフィス」という物理的空間があり、多くのメンバーは出社して仕事をしていました。それが今回、新型コロナウィルス感染症対策として、全員が完全にテレワークとなりました。これだけ長期にわたって全員がテレワークで仕事を続けるのは、ダンクソフトにとっても初めての経験です。

 

──ウェブチームの谷原さん、コロナ以前の働き方についてお聞かせください。

谷原 コロナ以前は、基本は神田オフィスに電車通勤というワークスタイルでした。テレワークは必要に応じて、頻度は月に数回程度。子どもの体調が悪いときなどに在宅ワークをしていました。神奈川県在住で、小学生と幼児の子ども2人を育てながら働いています。


スクリーンショット 2020-08-03 9.16.11.png

──同じくウェブチームの野田さんはいかがですか。

野田 私はお客様先に出向していますので、コロナ以前は、都心にあるクライアント企業のオフィスに常駐していました。その企業様では、社員のテレワークを導入していなかったかったため、出向のスタッフについては在宅ワークも前例がなく、毎日出勤していました。紙の印刷物が多いオフィスで、連絡手段は主にメール・電話と、口頭でのやり取りでした。


星野 ダンクソフトが全社テレワークに切り替えたのは、3月26日からです。3月25日に東京都知事が、不要不急の外出自粛と在宅勤務を要請しました。ダンクソフトでは、移動を避けるための「全員在宅勤務」を、その日の夜にSNSで外部の関係者や一般の皆さんにも伝え、翌26日から完全テレワーク体制に入りました。

 

■ ダンクソフトが実践するテレワークの実際

──実際やってみてどうでしたか? 不都合や不便はありませんでしたか?

谷原 ありませんでした。実はそれ以前に、試験的にチーム全員が在宅ワークをするテレワーク実験をしていました。いわば避難訓練のようなものですね。そういった経験をして準備が整っていたこともあり、物理的にも精神的にも、ハードルを感じることなく切り替えることができました。


──試験導入を実施されていたのですね。

星野 そうですね。もともとはBCP対策の一環として、社内で実証実験的にテレワークを実施したもので、まさに避難訓練です。2015年1月8日に初開催しました。2015年の1月8日でした。全国17か所から、20名が参加しました。それから全社で何度か実施しています。直近が2020年3月でした。

2015年1月8日に行った初の実証実験の様子 (Skype for Businessで撮影)

2015年1月8日に行った初の実証実験の様子 (Skype for Businessで撮影)

──オンサイト勤務の野田さんも、同じタイミングでテレワークに?

 野田 そうです。前日にダンクソフト本社に必要なものを取りに行って、パソコンをさっと設定してもらえて、翌日から在宅ワークになりました。さっきも話したように、私の出向先はそれまでまったくテレワークをしていません。それが、この緊急事態に対応して実現できたことには感動しました。もともと東京オリンピックの準備のため、在宅やテレワークを導入しなくてはいけないという意識は高くなっていました。デスクトップ・パソコンからノート・パソコンへの切り替えなど、準備が進んでいた成果とも言えると思います。

──実際どんなふうにテレワークをしているのですか? 離れた場所にいるメンバーとのコミュニケーションはどのように?

 谷原 会社から支給されているパソコンを使っています。主なコミュニケーション・ツールとしては、Microsoft Teams(グループ・チャット・ソフトウェア)とBacklog(プロジェクト・マネジメント・ツール)にログインして、仕事を始めます。メンバーとは、常にインターネットでつながっているので、やりとりの気軽さやスピード感はその場にいるのと変わりません。主にはチャットで、詳細説明が必要な場合や認識の確認、デザインを見てもらうときなどは、状況に応じてオンライン通話もします。

星野 こうしたコミュニケーション・ツールは、今回はじめて導入したわけではなく、以前から社内で日常的に使っているものです。あわせて、日報と予定表の連動を「日報かんり」で、経理関連手続きの効率化などを「未来かんり」というツールで行います。

「あらゆるものをインターネットにのせていく」ことで、社内では、事務や雑務に要する時間を大幅に減らせます。同時に、どこにいても仕事ができる環境も整っていました。

野田 私は入社して、1か月弱でオンサイトとしてクライアント先に常駐になったので、ダンクソフトの働き方自体、未体験でした。もちろん、テレワークも未体験でした。今回、初めてグループ・チャットなどでのコミュニケーションを実際にやってみて、コロナ在宅1日目にして「これならいける」と、快適さに驚きました。

自粛要請期間中のニュースで、日本でテレワークができている企業がたった「5%」だと聞きました。ダンクソフトは、その5%に入っているのだなと、身をもって実感で。これだけ進んだ環境があり、それに日頃から馴染んでいたから、「明日から在宅で」と言われても、全員が翌日から何の支障もなく、一斉テレワークができているんだと。あまりに自然すぎて衝撃でした。

ウェブチーム 野田 周子 (クライアント企業に出向)

ウェブチーム 野田 周子 (クライアント企業に出向)

■ 入社当初はあまりの先進性に衝撃の連続 

谷原 実はウェブチームは、メンバーの1人である久米さん(※)が徳島在住で、普段から完全に離れたところで一緒に仕事をしています。ビデオカメラに向かって入社挨拶をしたのは初めてで、驚きました(笑)。 ですから、グループ・チャットもオンライン通話も、もともと日常的に使っていました。そのようにして「離れて一緒に働く」経験をしていたことも大きかったと思います。

──久米さんは、以前このコラムでも登場いただいています。お二人にとっては先輩にあたるわけですね。

野田 はい。谷原さんも私も2019年1月の同じタイミングでダンクソフトに入社しました。入ってまず驚いたのが、いま話題に上がった久米さんの働き方、つまり、「チームメンバーの1人が徳島の自宅からテレワーク」という進んだ環境です。私は将来やってくるだろう介護のことも考え、いずれこういう時代がくると思ってダンクソフトに入社しました。実際に中に入って体験すると、やはり外で想像しているだけではわからない、驚きの先進性でした。

──谷原さんも驚きましたか?

 谷原 はい、もう本当にびっくりしました。そんなに離れていてほんとに一緒に仕事ができるの? と。でもやってみればなんの問題もなくて、新しい働き方を目の当たりにして、「こんな働き方があるんだ」から「できるんだな」へと、変わっていきました。今ではすっかり普通の、そして理想の環境と捉えています。

 

──他にはどんなことに先進性を感じましたか?

野田 いろいろあります。ダンクソフトに入った当初はとにかく衝撃の連続でした。テレワークの他に、やはり、「ペーパーレス」の徹底ぶりですね。ペーパーレスといっても「紙を少なくしているんだろうな」くらいにしか思っていなかったのですが、プリンターで印刷している姿を全くといっていいほど見ないのです。本当に全然紙を使っていなくて・・・それでも仕事ができるんだということを知りました。

 

──やはり紙がいいと感じる場面はありませんでしたか?

野田 あえて言えば、それまで出力紙にメモ書きをする習慣があったことくらいですが、それもデータ上に打ち込んで記録するという方法に変わっていきました。ツールに応じた方法を選ぶということですね。結果、検索性も高まり、やはりメリットしかありませんでした。

■ 現場で感じるテレワークのデメリットとは?

 ──テレワークで感じるデメリットを教えてください。

 谷原 デメリットですか。それが本当になくて。ほぼメリットしか感じていないのです。よかったと感じるのは、まず、やはり子どものことですね。子どもが小さいので、具合が悪くて幼稚園に預けられないときなどは、家で少し様子を見ながら仕事をしたり、昼休みに家のことができたりして助かります。

 

野田 私も、デメリットが見つからないですね。今までは、ずっと外で働いている母親でしたが、帰ってきたときに私が家にいると、子どもは安心していますし、うれしいようですね。あえて言うなら、運動不足になることくらいでしょうか(笑)。

 

谷原 以前は、常に気持ちが焦っているところがありました。子どものお迎えに間に合うかな、とか、電車が遅れたら間に合わないな、とか。いつも走っていました。慣れるまでは気持ちも、体力にも余裕がなくて、ずっと何かに追われている感覚でした。それが、テレワークをして、柔軟な働き方ができることで、余裕が生まれました。そのおかげで、仕事にも気持ち的に余裕がもてて、家族にも余裕をもって接することができるように思います。

──いい話すぎます (笑)。あえてデメリットを挙げるとすると?

谷原 うーん、むずかしい……(笑)。あえて言えば、パソコンや通信機器の調子が悪いと自分で対処しなきゃいけないですが、対応方法がわからないと慌てます。あと、周りの気配や空気を「察する」ということが難しいくらいでしょうか。顔が見えないぶん、相手の忙しさやあせり具合を、察しきれないところがあります。でもそれも、本人にたずねて解決しようと思っていて、やはり私は恩恵を受けている実感しかないですね。

──野田さんはいかがでしょう。不便を感じる場面はありませんか?

野田 私の場合は、できればクライアント企業様も同じような環境になるといいな、と思います。ダンクソフト社内と同じように、効率よく成果もあがるテレワークができるのが理想です。まずはチャットが使えるようになればと思います。今はメールと電話なので、コミュニケーション・ツールが変われば、かなり仕事のスピードもあがると思います。

──ダンクソフトとクライアント先、両者の環境ギャップが大きそうですね。

 野田 そうですね。紙資料の量が断然違いますし。ただ、これは自分ひとりで始められることではないので、やはり会社でこうした先進的な仕組みを整えていただけると、働く人間はより快適に、クリエイティブに働けるようになりますね。みんながそれをできるようになると、もっと仕事が速く進んで、早く終わるようにもなるでしょう。多くの大企業や官公庁こそ、仕事をオンライン化して、もっと連携しやすくしてもらえればと思います。

星野 それぞれの企業の業態に応じてご事情あってのことではあるのですが、それでもコロナを経て、少しずつ進んできたと思います。今回、スタッフたちが実際にやってみられた経験は大きいと思います。ぜひこれを機に、ダンクソフトだけでなく、まわりのみなさんもテレワークを取り入れて、柔軟でクリエイティブな働き方と、これができる情報環境の整備が進むといいですね。

そのためにも、まず、「インターネットにあらゆるものをのせていく」ことです。優秀な方たちが、さらに優秀になって、仕事ができるようになりますので。  

どうしても残ってしまう押印や郵送のため、ひとり出社し、星野が対応する。全員テレワークのため、スタッフは不在。

どうしても残ってしまう押印や郵送のため、ひとり出社し、星野が対応する。全員テレワークのため、スタッフは不在。

 

■ テレワークから「スマートオフィス」へ

──ダンクソフトでは、テレワークの取り組みは2008年にスタート。12年の間には失敗もあったと聞いています。どう克服してこられたのでしょうか。

星野 最近新しくできる会社は、最初から、ペーパーレス・アドレスフリーを前提に仕組みを構築しているところも多いです。ですが、ダンクソフトは設立が1983年。当時は、会社がそのようにはつくられていませんでした。だから最初は本当に紙だらけでしたし。寝袋で床に寝ているエンジニアもいましたし。コンピュータやインターネット回線の性能も、今のように快適ではなかったです。

それが、スタッフが就業規則を自分たち自身でつくったりするなかで、徐々に環境整備も進み、あらゆるものがインターネットにのるようになっていきました。ペーパーレスもキャッシュレスもクラウド化も、スタッフ自身が働きやすさを考えて、自ら実現してきたところも大きいです。素晴らしいスタッフたちだなあと感謝です。

──スタッフの皆さんの協力も、失敗の克服や、それを次に展開するためには、重要ですね。 

星野 冒頭で話したとおり、3月末に全社一斉テレワークになって4ヶ月になりますが、社内業務はまったく支障がありません。支障がないどころか、この状況になってから、スタッフの仕事ぶりは明らかに上がっています。“避難訓練”こそしてきましたが、いきなりこんな非常事態に直面して、全員がパニックになってもおかしくない状況でした。それが、パニックに陥らないばかりか、これまで以上の力を発揮して、いい仕事ができて、スピードも上がっています。自画自賛のようで恐縮ですが、素晴らしいスタッフたちだと誇らしいかぎりです。

──ダンクソフト内のテレワークがそれほどにうまくいっている要因は、どこにあるのでしょうか。 

星野 メンバーのマインドが、「オープンである」 ということが重要だと考えています。それぞれの状況がわかると、お互い助け合えますし、補完しあうことができます。また、助け合おう、補完しあおうという気持ちを皆がもち、積極的に関与しようとする、とてもいい循環が成立しています。

──テレワークの今後、近未来のビジョンを聞かせてください。 

星野 ポスト・コロナ社会のビジネスは、「インターネットにあらゆるものをのせていく」ことで飛躍していきます。テレワークに欠かせないペーパーレス、キャッシュレス、コミュニケーション・ツールの活用も、すべて、この「インターネットにあらゆるものをのせていく」の一環です。これにより、仕事はよりクリエイティブに、活躍の場はより広がり、ビジネスの可能性は劇的に高まります。

──社内環境を整えることで、よりよい働き方ができるわけですね。

 星野 そうですね。そして、1社だけがこうしたテレワーク環境を整えるのではなく、関係する企業や組織や個人が、皆それぞれテレワークできるようになり、さらに社内外のさまざまなアクターが連携・協働できる環境になっていけば、さらなる需要や展開がうまれていきます。これがダンクソフトの考える、これからのテレワーク、すなわち「スマートオフィス構想」です。

──最後に、野田さん、谷原さん、テレワークで余裕がうまれることで、新たにできるようになったことがあればお聞かせください。

 野田 子どもが受験期ということもあり、家族の時間を大切にしています。じっくり話を聞いたりと、子どもと向き合うことができています。今が大事なときなので、とてもありがたいですね。

谷原 私は前からやりたかった勉強を始めました。新しいプログラミング言語がわかると、忙しくしているメンバーをサポートもできるかなと。あとグラフィックのデザインをもう少し突き詰めたいなと思っています。

──ダンクソフトが、テレワークから「スマートオフィス」へ、という構想をお持ちであること。そして、いま実際にテレワークによる余力がクリエイティビティを生んでいることが、よくわかるお話ですね。今日はありがとうございました。

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インターネットに あらゆるものを のせていく −「リ・クリエイター」編

もくじ

■「スマートオフィス構想」の“担い手”はどんな人?

■ これからの価値創造を担う「クリエイティブ・クラス」とは

■ こんな人が、「リ・クリエイター」として活躍する

■ どうすれば、「リ・クリエイター」と出会えるのか

■ 生産性というメガネで見ていると見えないこと

■「スマートオフィス構想」の“担い手”はどんな人?

 ポスト・コロナ社会で、ビジネスの可能性を劇的に広げる秘訣があります。

 それは、「インターネットにあらゆるものをのせていく」ことです。

 インターネットによって、場所や時間の制約がなくなり、居場所は自由に、仕事はクリエイティブに、人びとの活躍の場は世界へと広がります。1社だけがテレワーク環境を整えるだけでは、もったいない。テレワークできるようにした先に、社内外のさまざまなアクターと連携・協働して、次の需要や展開をつくっていくのが、「スマートオフィス構想」です。この「スマートオフィス構想」が、これからの難しい課題解決や価値創造を、可能にしていきます。12年前からテレワークを実証実験してきたダンクソフトが、いま、積極的に提案している方向です。

◆「スマートオフィス構想」とは? 

https://www.dunksoft.com/message/2020-06

 では、「スマートオフィス構想」のもとで、人はどんなふうに才能をのばしていけるのか。どんな担い手が「スマートオフィス構想」のもとで共に活躍し、アイディアを形にし、働き方やビジネスの進化を加速させていくのか。新たなはじまりをつくっていくキー・パーソンとは、どんな人たちなのでしょうか。

 今回は、「スマートオフィス構想」の“担い手”について、話をしたいと思います。

■これからの価値創造を担う「クリエイティブ・クラス」とは

 「クリエイティブ・クラス」という考え方をご存知ですか。アメリカの社会学者リチャード・フロリダが提唱した概念です。情報社会で活躍する、創造的な課題解決と価値創造を担う人を総称するものです。著書には、なるほどと感じるところも多く、ダンクソフトが大切にする「人」の見方とも重なります。

 ダンクソフトは、これから大事なのは、「リ・クリエイター」(Re-creator)だと考えてきました。

 クリエイティブ・クラスと共通する特徴として、「自分の頭で考え、判断ができる」、「自律的に時間設計ができる」、「趣味や遊び心を仕事に活かせる」、「新しい価値観やライフスタイルを創りだす」、そして「未来を創る推進力になる」などがあります。くわえて、「さまざまな人やモノの“あいだ”を結び、次の展開をうみだす」というインターミディエイターの役割をあわせもつ人が、「リ・クリエイター」として活躍していきます。

 たとえば、自分で考えて判断する力や、自律的に時間設計する力は、テレワークでも欠かせない能力です。身近なところでいえば、今回、コロナのことで急に在宅テレワークが必要になった方もいるでしょう。そのなかには、突然自宅で仕事をすることになり、時間設計にとまどった人も多かったのではないでしょうか。私はかねがね「時間は人生のために」と言っていますが、人間にとって時間はとても貴重なリソースです。自分の大切なリソースである時間を、何にどう使うかに意識的になることは、リ・クリエイターとして必須です。

 また、遊び心や面白い発想は、これからの価値創造に欠かせません。いままでは、それは趣味でしょうと言われて、職場では表立って語ってこなかったことが、むしろ新たなビジネスのきっかけを拓くことも多くなるでしょう。

■こんな人が、「リ・クリエイター」として活躍する

 こうした特徴のいくつかを満たす人が、これからの課題解決や新たな価値創造を進めていく担い手になります。かならずしも一人で全部を満たす必要はなく、いくつかを満たしていれば充分です。すべてを満たすような人がいれば、もうスーパー・リ・クリエイターですね。

 実際、ダンクソフトで活躍しているほとんどのメンバーは、これらの特徴をいくつかあわせ持っています。

 たとえば、何度かコラムに登場している開発チームの竹内祐介も、そのひとりです。彼は、まだサテライトオフィスの実証実験が始まったばかりの頃に、「実証実験で成功しているのだから、遠隔地に常駐する社員がいてもいいのではないか」と、私に直談判しに来たのです(笑)。わざわざそのために徳島から東京へ2泊3日で訪ねてきたのは、自律的に時間設計ができ、自分で意思決定できるからこそ可能だったと思います。その結果として、彼が起点となって、ダンクソフト徳島オフィスが誕生することになりました。

 また、同じく徳島・阿南市の久米まつり。在宅で育児をしながら仕事をしており、2019年8月のテレワークについてのダイアログにも登場しています。子育てを大事にしたいこともあって、当時はアルバイトとして働いていましたが、今は社員としてテレワークで活躍しています。実は、去年ダイアログの時点で、「子どもがもう少し大きくなって、時間の融通がきくようになったら、将来的には社員になりたい」と話していました。まさにそのとおりになったわけで、彼女もやはり上記の特徴を複数あわせ持っています。

 2人の事例で共通して言えるのは、ともすれば制約や制限とも思える条件を逆にいかして、課題解決から新たな価値を創造していることです。竹内はふるさとに住み続けたかったし、やりたい仕事もあきらめなかった。久米は子育てを優先しつつ、キャリアも志向した。どちらも強い意志と柔軟な発想が、新しい価値観やライフスタイルを創りだし、未来を創る推進力になったのです。経営者は、こうしたこれからの芽を見逃さないようにしなければなりません。

■どうすれば、「リ・クリエイター」と出会えるのか

 大事なのは、「誰もがリ・クリエイターになれる」ということです。気づいていないだけだったり、本来のポテンシャルを眠らせていたりするだけで、誰もが、リ・クリエイターの資質を開花させていくことができます。

 では、どうやってリ・クリエイターや、リ・クリエイターの卵を見出すのか。実は、これについては、ダンクソフトならではの知見があります。

 それは、ダンクソフトのフィロソフィーや想いを、さまざまなメディアでコミュニケーションすることです。物語を語り続けると、わたしたちが思い描いている方たちが自然と集まり、結果として、リ・クリエイターたちに出会えます。

 たとえば、それまで縁もゆかりもなかった地域で活動をはじめる場合、まずその地で、とにかく多様なコミュニケーションを図ります。現地の方々に知っていただくために、説明会、セミナー、交流会やワークショップ、地域ラジオ等のコミュニティー・メディア、SNSをつかった地域限定投稿など。また、首都圏など都市部の方へは、首都圏でのセミナー、現地視察ツアー、ウェブでのリアルタイム・レポートなど。そして地域と首都圏を結ぶ仕組みも用意します。現地視察ツアー、両者をオンラインでつないでのセミナーやイベント、写真を多用した報告書、ウェブでのレポートなど。セミナーは開催場所や対象者によって内容を変えて、何度も開催します。また、視察ツアーをコーディネイトすることで、ダンクソフト自身も地元地域との関係が深まり、人を良く知るきっかけにもなります。

 こうした一連の活動についても、「あらゆるものをインターネットにのせていく」ことを、積極的にしています。インターネットにのせることで、複合的なコミュニケーションが実現し、地域や企業に眠る意外なポテンシャルを秘めた人たちとの関わりが生まれます。そうした人は、ちょっとしたきっかけでリ・クリエイターとして目覚め、いきいきと輝きはじめます。そのきっかけづくりが、はじまりをつくることになります。

 思いがけない人や組織からアプローチがきて、どうしてそんな人が…? と思ったら、もう何年も前にセミナーに参加してくださっていたという事例は数え切れません。先述の竹内もダンクソフトを知ったきっかけは、ダンクソフトの活動を知る地元の先輩からでしたし、久米はもともと私たちが地域で開催した講座への参加者でした。最近では、昨年、阿南市長になられた表原立磨市長がダンクソフトをよくご存知で、聞けば、ごく初期に徳島で開催した催しにお越しになっていたということでした。

■“生産性というメガネ”で見ていると見えないこと 

 新たな価値創造は、効率化の延長線上にはありません。まったく違う見方ができる人や遊び心から生まれます。“生産性というメガネ”だけで見ていると、見えないことがあります。たとえばですが、竹内や久米のケースのような、未来に向けた動きを見落としてしまいます。

 ポスト・コロナ社会は、首都圏一極集中から、多様な場所への分散が進むでしょう。AIの進歩も止まりません。そのような状況下ですから、AIができることはAIにまかせ、うまく協働して、人間だからできること、楽しめることに、よりいっそう注力していくべきです。

 この20年で劇的に進化したテクノロジーを、今こそフル活用するときです。時間・空間をこえてコミュニケーションを取ることが可能になりました。オープンソース化が進んで、いろんなアイディアが使えるようになり、枠を越えた動きが活発になっています。さらにスピードを上げて、変われるチャンスがきています。あとは、そこに意識が向くか、向かないか。気づいた人は、すでに動き始めています。

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インターネットに あらゆるものを のせていく −「スマートオフィス構想」編


 

■ポスト・コロナ社会という大変革の真っただ中で 

 ポスト・コロナ社会のビジネスは、「インターネットにあらゆるものをのせていく」かどうかが、時代のカギを握ります。今こそ、あらゆるビジネスをインターネットにのせていく好機です。多くの方が、テレワークの大切さに気がついたと思います。

 ポスト・コロナ社会では、インターネットがすべての重要なインフラになります。場所、空間、距離の制約がなくなり、移動にかかる時間とコストも不要になります。ビジネスも一人ひとりの生活も、行動のデフォルトはオンラインになり、フィジカルな移動は必要最小限に抑えられていくでしょう。今後、人類が感染症と共存していくうえで、公衆衛生や移動の考え方が、根本から書き換えられるからです。

 ビジネスも学びも、どこにいるかは問題でなくなります。情報の地域格差がなくなり、より平等になります。日本国内だけに限らず、世界全体の変化です。ケンブリッジ大学やハーバード大学がいち早くコースをオンライン化したように、世界中が開かれていきます。今、私たちは、社会が一気に変革する真っただ中にいるのです。

 

■今いる場所が 「スマートオフィス」になっていく

 そのようなポスト・コロナ社会では、ダンクソフトが提言する「スマートオフィス構想」は、さらに重要な位置づけを占め、ますます真価を発揮していくでしょう。

 最近では、ビジネスの担い手はさまざまです。企業も、NPOも、自治体も、個人も、ビジネスの担い手になっています。それぞれに合ったスタイルで、インターネットをうまく活用しながらビジネスを推進することが、これからますます重要です。

  「スマートオフィス」とは、「あらゆるものをインターネットにのせていくオフィス」のことで、それぞれのスタイルで、インターネットを上手に利用して、クリエイティブに仕事ができるビジネス環境のこと。テレワーク、クラウド、ウェブ、デジタル・コミュニケーションを組み合わせれば、いろんな人と柔軟なつながりが持て、ビジネス連携が広がる新しいビジネスのあり方を可能にします。そして、スマートオフィスどうしが、日本中あるいは世界とも連携・協働していくと、単体では叶わなかったような社会課題の解決や新たな価値創造ができていきます。そのような連携・協働の広がりを目指すのが「スマートオフィス構想」です。ただ1社がテレワーク化しただけにとどまっては、もったいない。その先があるからです。

 情報がデジタル化され、インターネットでさまざまな人や拠点とコミュニケーションができ、働き方も企業経営も、よりクリエイティブに。場所は問いません。フィジカルなオフィスは、あってもなくてもかまいません。インターネットにつながっていて、必要な情報や人や場にアクセスすることができれば、在宅でも移動しながらでもかまわない。今いる場所がスマートオフィスになっていくとイメージしてください。

 大事なのは、「あらゆるものをインターネットにのせていく」ことです。情報にアクセスでき、人とつながっていることです。そうすれば、スマートに、ビジネスの成果をあげていくことができます。

■新たな時代の物語を生きる

 これまでとこれからでは、社会の前提がまったく違うものになるでしょう。同じ現象でも、違うメガネで見れば意味が変わるように、世の中の課題や可能性を読みかえていかなければならないと思っています。 

 たとえば、これまでは都市と地方の間にはフィジカルな境界や格差がありました。ビジネスの中心は東京などの大都市圏にあり、中心部から遠く離れていることや、移動に時間がかかることはデメリットと考えられてきました。地方や地域の人口が都会へ流出し、地方の人材不足や高齢化が課題となってきました。一方、都市部は都市部で、人の多さや流動性の高さからコミュニティがなくなり、人と人のつながりが希薄だという課題を抱えています。また、日本全国で地域を問わず、多くの中小企業経営者を悩ませている課題として、事業継承、後継者問題が深刻です。

 これらの課題は、これまでは、地方の課題、都市部の課題、中小企業の課題と、別々のカテゴリーで語られてきましたが、これからは、新たなメガネで読み直す必要があります。そして、ポスト・コロナ社会をベースに考えると、「スマートオフィス構想」の切り口から、一気に解決することができるのです。

 まず、「インターネットにあらゆるビジネスをのせていく」ことで、いろんな人とつながって、場所を問わず仕事ができるビジネス環境をもつことができます。これにより、場所、空間、距離の制約がなくなりますから、地方が抱えていた物理的距離というデメリットはなくなります。都会にいても、地域にいても、多様なつながりをもち、距離を超えて複数のコミュニティに属することも可能になります。また、場所にしばられない企業経営によって、事業継承の可能性は大きく広がります。たとえば、離れた土地にいる孫がふるさとの企業を継いで、離れた場所にいながらテレワークで経営を継続していくこともできるからです。

 どうでしょう。「スマートオフィス」の発想によって、これまで難題だとされてきた社会課題が解決され、むしろ新たな価値創造の可能性が広がる。わくわくする未来が見えてくるのではないでしょうか。

 私の親や私くらいの世代までは、「働く」といえば都市部にある企業に就職することだという神話がありました。でも、もうそんな時代ではありません。少し前まで想像もできなかった未来のなかに、すでに私たちは突入しています。ポスト・コロナ社会という、新しい時代の物語を生きているのです。

■スピード感をもって今すぐ始める 

 ポスト・コロナ社会に、あらゆるビジネスをインターネットにのせて進化させていくうえで、大切なことがいくつかあります。

 まず、変革の時代は「スピード」が大事です。いち早くインターネット上にビジネスを展開したいものです。今後の働き方やビジネスの進化を加速させていくためにも、この先の社会を早くイメージして、早く動き出した人から結果を手にしていきます。

 場所が関係なくなり、世界中がマーケットになります。それぞれのビジネスがもつ独自の魅力は大きな可能性となるでしょう。先行者利益は大きく、よりよいものをよりよい形で展開できれば、ビジネスは劇的に進化します。

 だからこそ、経営者のマインドセットを新しくすることが大事になります。やはり経営者がスピードに乗っていけなければ、その企業は時代に取り残されてしまいますから。

■相互信頼とつながりが、きわめて大切になる時代

 そして、この先、きわめて大切なのが「相互信頼」です。こういう時代こそ、信頼できる人どうしが結ばれるべきです。インターネットは、場所の壁も、時間の壁も、言葉の壁も超えていきます。残るのは、意識の壁、つまりマインドセットだけです。連帯・連携できる人がどれだけいるかで速さも広がりも決まります。信頼できる人どうしがつながれば、スピードも加速度的に上がります。空間でつながっているより、未来のイメージを共有できているかどうかで、ビジネスの推進に違いがでます。

 「スマートオフィス構想」がつくりたいのは、人々の思いがつながり合う「ふるさとの未来」です。ここでいう「ふるさと」は、生まれ育った故郷や地域とはかぎりません。縁あって関わりをもち、思いを寄せるコミュニティがあれば、そこもひとつの「ふるさと」です。ですから、一人でいくつもの「ふるさと」をもつことだってありえます。

 従来、地方創生や地域活性化というと、特定の場所に発想が固定され、地元に大企業を誘致するという考えになりがちでした。そうではなく、ポスト・コロナ社会では、「あらゆるビジネスをインターネットにのせていく」こと、それによって日本全国のあらゆるビジネスをデジタル・リクリエーションしていきたい。そうすれば、地域にこそ息づくユニークな企業やサービスやプロダクトを、世界に展開していけます。そのためのテレワークであり、ウェブでの情報公開であり、多様なプレイヤーとの連携なのです。改めて強調したいと思います。

■ふるさとの未来をつくる「スマートオフィス構想」

 「スマートオフィス構想」は、あらゆる場所に可能性をひらきます。テレワーク、クラウド、ウェブ、デジタル・コミュニケーションを組み合わせれば、地方であれ都心であれ、若い人、女性、シニアなど、多様なアクターが活躍する場がつくれます。そこに新しいビジネスが生まれ、社会課題の解決と価値創造をもたらし、住みたい場所で暮らしながら、楽しく働くことができる。相互信頼のつながりに支えられているからこそできるライフスタイルであり、これがスマートオフィス構想がつくりたい「ふるさとの未来」の姿です。ダンクソフトが長年関わっている徳島県阿南市での阿南工業高等専門学校(阿南高専)との連携プロジェクトは、その先行モデルとなる好事例と言えるでしょう。いまも進行中です。

 ソーシャル・キャピタルを豊かにはぐくみ、多様なメンバーがインターネット上で「スマートオフィス構想」を展開していくには、「あいだ」を結ぶインターミディエイターがますます重要になってきます。連携・協働しながら社会課題の解決や価値創造をしていくうえで、欠かせないこれからの役割です。ダンクソフトは、デジタルを媒介に、インターミディエイターの役割を果たしながら、みなさんと連携して、日本全体をカラフルにしていきたいですね。

  


事例:苦手意識のあったデジタルに、挑戦してみようと思わせてくれた協働プロジェクト

お客様:一般社団法人 遊心(ゆうしん)様

一般社団法人 遊心  代表理事 峯岸由美子氏

一般社団法人 遊心 代表理事 峯岸由美子氏

自然体験プログラムをより深いものにするため、リアルな現場とデジタルを融合させ、仕組みを変えていきたい。イベント後も、参加者と関係を継続していきたい。でもデジタルは苦手――そう考えていた遊心(ゆうしん)が、ダンクソフトとの協働を経て、大きく前進している。AR(拡張現実)を用いた動物園学習プログラムの成果・効果、参加者との関係づくりへの期待、広がるデジタルへの関心など、お話を伺った。

■もやもやした想いを抱えて奮闘した30年

遊心は、都会で子育てをする家庭が、身近な自然に触れて親しむプログラムを展開する団体だ。年間のプログラム参加者は3000人以上 に上る。自然や家族、仲間を大切に思う気持ちを育てる活動を展開している。公園での自然遊びや生き物講座、動物園や博物館とのタイアップ・イベントなど、0歳から大人までが夢中になれるプログラムを提供してきた。

2010年の設立当初から大切にしているのは、「しなやかに自律する人を育てる」という理念だと、代表理事の峯岸由美子氏は語る。「自然の中でのさまざまな体験を通じて、一人ひとりが自分の価値観や哲学のような“心の芯”みたいなものを持ってほしい。そして自分たちの力で見聞きして考えて、行動を起こせるような人になってほしいと願い、活動してきました」

 遊心が提供するのは、ただ子どもだけが自然体験を楽しんで終わるプログラムではない。参加することで、親子関係がよりよくなることを心掛けて、プログラムを設計している。「私たちは自然体験の経験が豊富なので、子どもたちは喜ぶし、それは自分たちにとっても面白いのですが、親御さんが置いてきぼりになってしまう。すると、親御さんが私たちに子どもを預けて遠巻きに眺めるようになり、子どもや自然環境の変化を見ないままイベントが終わってしまいがちです。これでは親子関係の改善につながらないので、それは避けたいんですね」と、峯岸氏は課題を語る。 

また、遊心のイベントは0歳から参加できるものもあり、幼い子どもを連れた家族の参加が多い。それゆえ「1時間半~2時間くらいが限度」と、イベントの時間を長くとれないことが悩みだった。

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「その場で体験したことを持ち帰って、もう一歩気づきを深めることができれば、帰宅後に親御さんたち自身が子どもたちとよりよく関わっていくことができる。でも、なかなかそこに至らずに終了してしまうのです」。その場限りの楽しいイベント体験で終わってしまっていないか、本当に伝えたかった部分を伝えきれていないのではないか、「子育ては大変だけど楽しい」という醍醐味を親御さんたちに感じてもらえただろうかと、ずっと悩んでいたという。

 イベント終了後もフォローできる仕掛けを探して、ファンクラブを立ち上げたり、フェイスブック上でやりとりを続けたりなど、試行錯誤してきた。ただ、イベントには一度に70名ほどが参加することもあるため、きめ細かなフォローをすればするほど、スタッフも疲弊していくことがネックとなり、イベント後のフォローがなかなかできない状況だった。

 遊心を設立する20年ほど前から、峯岸氏は自然体験活動の運営・指導、指導員養成事業に携わってきた。そのころも、講座に参加した幼稚園教諭や保育士などが「良い学びを得ました」と感想を述べていたが、職場に戻ったときにそれを実践できているのかは不明だった。「意義の無いこととは思わなかったけれど、消耗戦のような感じがしていた」と振り返る。

「30年ほど事業に携わってきましたが、もやもやしたこの気持ちはずっと続いていた」と峯岸氏は振り返る。そこで考えたのが、ITやデジタルを取り入れて、イベント後に参加者と対話し、学びを実践するサポートを組み込んでいくことだという。

■じっくり観察する仕掛けをARで提供

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 2018年、峯岸氏は何か変化をもたらしたいと考え、ダンクソフトが共催する「インターミディエイター講座」に参加した。この講座で、峯岸氏はダンクソフトの板林淳哉と出会う。ダンクソフトも、子どもたちの未来のためにデジタルを活用したいと考えていたことから、両者は意気投合。そして峯岸氏は、ダンクソフトで開発が進んでいた「WeARee!(ウィアリー)」のことを知る。これは、現実の空間の中にマーキングした場所に、情報を登録し、ARコードやGPSなどを用いてスマートフォン内に呼び出すことができるという、拡張現実(AR)の仕組みだ。抱えていた課題を解決できるかもしれないと、WeARee!を使ったコラボレーションが実現することとなった。実証の舞台は、遊心が企画していた上野動物園での体験観察イベントに決まった。

 だが、峯岸氏によれば、動物園を対象にしたプログラムは、作るのが難しいという。プログラムの焦点をどこに当てるか悩んだ末に、今回は過去に実施したことのある動物園学習プログラムと内容は大きく変えず、そこにデジタルを組み込むことにした。

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 遊心が提供する動物園学習プログラムの特徴は、ひとつの動物を30分ほどかけて観察することだ。動物園では多種多様な動物を足早に見てまわることもできるが、「目の前の動物をじっくり見ることができるという要素も、野生の動物にはない魅力です。」

 じっくりと観察するには、観察する箇所を絞ることがポイントだという。今回の企画では「動物の口」にフォーカスした。口の形が違う生き物は、食べる時の動きも、餌も違う。観察のポイントが分かると、動物の動きや変化、心情なども見えてくるという。

 観察する楽しみ方を体験してもらう遊心の動物園学習プログラムに、AR技術を組み合わせる上で、特に注意を払ったのは、ARを利用しながら、目の前のリアルな動物を見てもらえるコンテンツにすることだ。スマートフォンに動画が映し出されれば、子どもたちはそちらの方が楽しくて見てしまう。動画を見つつも、目の前にいるキリンやサイに目が向くように、見るポイントやクイズ、家族と話してみてほしい項目などを盛り込んだ。一方で、通常の動物紹介サイトに掲載されているような「奇蹄目サイ科」といった一般的な情報は、一切省いた。

 また、動物の口にフォーカスした動画を10種類も用意した。撮影したのは峯岸氏で、「こんなに動物園に通ったのは久しぶり」と笑う。イベント中に、動物の口の動きを観察してまわるには、餌を食べている時間にその動物の前にいなくてはならない。そのため、従来は餌の時間を事前に確認し、それに基づいてイベントの動線を組んでいた。しかし今回は事前に用意した動画があるため、時間的な制約から解放され、動線を柔軟に組み立てることができたという。

■イベント後も参加者とのコミュニケーションが深められるARツール

 これまでは、プログラムに参加する親子が何に興味を持って会話しているのかは、至近距離でぴったり寄り添って聞いていなければ分からなかった。声を拾おうとすれば、参加している家族の数だけスタッフが張り付く必要があり、負担が大きい。メモを取るのも、難しいことだ。特に全体を統括することが多い峯岸氏は、生の声を聞く機会が少ないと感じていた。

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  アンケートは毎回実施してきたが、書かれているのは現場でのリアルタイムな感想ではなく、終わった後にまとめられた回答だ。読み返しても「リアル感の乏しい反省会になってしまいがちだった」と振り返る。

 そこで、コメントを投稿できるコーナーをWeARee!サイトの各ページに設けた。参加者は動物園内をまわりながら、気付いたことや感想を簡単に投稿できる。イベント実施中に、親子の興味・関心をリアルタイムで知ることができるというのは、大きな手ごたえだった。

 さらに、WeARee!には、当日の気づきや学びを、家に持ち帰ることができるという特徴がある。実際、多くの参加者がイベント終了後に、WeARee!を使って、家で振り返りを行ったようだ。「もう一度動画を見た」といった声が寄せられ、それをきっかけにやりとりが生まれ、フォローアップへとつながった。「今までは、参加者は、終わってしまったイベントを頭の中で振り返ることしかできませんでした。でもまたWeARee!を開けば、動画を繰り返し見ることができて、コメントしあうことができる。これで、気づきを積み重ねていくことができますよね」

 中には「子どもが図鑑を読むようになった」「他の動物の食べる様子も意識するようになった」といった声もあったという。イベントをその場限りの体験にしたくないと常々考えてきた峯岸氏にとって、これはとても嬉しい反応だった。

■価値観を共有できるパートナーとの出会い

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 峯岸氏も遊心のスタッフも、もともとデジタル関連の話題には苦手意識を持っていた。「やってみたいな、という思いはありましたが、分からないから後手にまわっていたというのが、正直なところですね」

 IT企業との協働を模索したことは、これまでに幾度かあったものの、やりとりを重ねるうちに互いに違和感をおぼえるなど、結実したことがなかった。「自然体験」は目に見えるが、「自然体験」によって得られる「何か」は目に見えない価値があると思う。その効果が出てくるのが来週なのか、1年後なのか、10年後なのかも分からない。「10年くらいかけて変えていけばいいかな」と考える遊心と、IT企業とでは時間軸が異なる。価値観を共有し、大切にしてくれるパートナーと、なかなか出会えてこなかった。

 これまで相談してきたIT企業からはなかなか理解が得られないこともあった。動物園学習プログラムに実際に参加した人以外には、見てもよく分からないサイトであるため、「そんなサイトは面白くない」「それでは人様に出せない」と言われてきた。だが遊心としては、伝えたいメッセージも学んでほしいポイントも明確であり、そこは譲れない。「理解してもらえないのなら、自分たちでソフトを買ってきて、素人なりにサイトを作ってしまった方がいいのでは」と考えたこともあった。

 このような経緯があったため、ダンクソフトとの打ち合わせも、最初のころは不安を抱えていたという。遊心が大切にしてきた理念や目的を受け止め、違う方向に持っていくことなく制作してくれるのか? ARを使うと、一体どのようなものが出来上がるのか?

 遊心から聞いた話をダンクソフトが形にしたプロトタイプも、「へぇ~、と言いながらも、よくわからずに眺めている感じが続いていました」と振り返る。

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 転機となったのは、何度目かの打ち合わせの際だった。「ダンクソフトの板林さんから、遊心さんが伝えたいことをやりましょう、という言葉をかけていただいたんです。ダンクソフトがやりたいWeARee!ではなく、遊心のWeARee!を作ろうとして、一生懸命話を聞いてくれていることが分かりました。それならば私たちも、できるかできないかに関係なく、遊心がやりたいことや大切にしていることを共有しよう、そうすればダンクソフトが形にしてくれるんだと気付いたんです。それからは楽でしたね」

 

 ■たとえ失敗しても、新しいことに挑戦したい

 遊心は2019年に設立10年を迎えた。次の10年を見据えていろいろと変えていきたいと考えていたタイミングで、ダンクソフトと出会ったという。「遊心にとっては、切り口をひとつ開けてもらった」と、峯岸氏は話す。「親子の自然体験という現場と、デジタルの融合は、今では次の10年の柱のひとつです。前進するきっかけをダンクソフトは与えてくれました」 

 なにより、「もう一歩前に進んでみようと思わせてくれたのはダンクソフトだからだろうなと思います」と峯岸氏。プロジェクトが行き詰まれば、「やっぱりデジタルなんて嫌」と懲りてしまっていたかもしれない。「でも、目に見えないものを扱っている私たちのような団体を、ダンクソフトは理解して、見える形に落とし込んでくれた。こういうドンピシャなことって、あまりないんですよ。お付き合いする中で、単なる効率化だけではなく、その先の“関係づくり”に寄与するデジタルが大事なのだと、分かってきました。ダンクソフトには、新しい扉を開く存在として期待しています」 

 今は「何でもできそうな感じがしていて!」と声が弾む。それだけに動物園学習プログラムの終了後には、あんなことも、こんなこともできたかもしれないという意見が、遊心とダンクソフトの両方から数多く出てきた。イベント終了後も、もっと参加者とよりよい関係を維持できるように、楽しい学び合いのコミュニティをつくっていくことも、目指したい。

 デジタルへの苦手意識も少なくなったという。「今は、たとえ失敗したとしても、挑戦してみた方が面白いという気持ちになっていますね」。遊心の中では今、リアルとデジタルを組み合わせた自然体験のアイデアが次々と湧き出している。4月には新型コロナウイルス感染拡大に伴い外出を控える中で、自宅周辺でどのように楽しめるかを紹介するYouTubeチャンネル「コロナに負けない外遊び」を初めて立ち上げ、動画を次々に公開した。

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 それでも「イメージがまだ湧き出しきっていないように感じる」と話す峯岸氏は、WeARee!の可能性はもっと大きいと期待を寄せる。「やったことのないもの、できそうもないものの方が楽しい」と、さらなる挑戦を楽しみにしている。

 

導入テクノロジー

WeARee!(ウィアリー!)

 

遊心とは

人と自然が、共存していることを身近な場所で体験する機会を創ることを目指し、2010年に設立。子どもたちが、家族と自然に触れ、面白さや親しみやすさを分かち合う、自然遊びプログラムを提供する。プログラムを通じて、子どもたちが自然や家族を大切に思う気持ちを育んでいる。http://www.yushin.or.jp