「インターネット」にあらゆるものを乗せていく

もくじ

■ビジネスで、「インターネット」をもっともっと活用しよう

■デジタルによる劇的な「コミュニケーション」の進化

■効率化の先にある大事なこと

■需要創造のメディアとしての「ウェブサイト」

■「信頼」が最大の資本になる時代

■信頼と安心のコミュニティが活性化する未来

 

■ビジネスで、「インターネット」をもっともっと活用しよう

  皆さんは、すでに日常生活で当たり前にインターネットを使っています。電車やバスに乗るときはICカード、コンビニでもスマホでキャッシュレス、LINE通話にZoom会議、ネット通販、チケット購入、ネット・バンキング。全部インターネットの恩恵です。もうインターネットなしに生活が成立しない日常になっています。

 つまり、インターネットは、もう社会の前提になっている。いまや「インターネットが社会である」という状態です。そういう認識のもと、ダンクソフトがご提供する製品やサービスはすべて、「インターネットをビジネスに活かす」ということを大前提としています。

 日常生活では、これだけインターネットがベースにあり、便利に楽になっているのに、ビジネスのシーンになると、それがまだまだできていません。ビジネスでも、インターネットをもっともっと有効活用していけば、仕事が便利に楽になっていきます。そして、軽減できた時間や力を、新しいことをはじめることに振りわけ、「リ・クリエイション」(再創造)することに使っていくことができます。

  ダンクソフトが、製品やサービスを通じて提供するのは、効率化にとどまらない、「リ・クリエイション」(再創造)という価値なのです。「クラウド化」とか、「ペーパーレス」というと、難しくて、大げさに聞こえるかもしれませんが、要は「インターネットにあらゆるものを乗せていくだけ」のことです。これによって、ビジネスも働き方も、もっと快適に、便利になり、活性化していきます。私たちの日常生活が、現在のように快適で便利になったのと同じように。

 テレワークがいい例です。インターネットのおかげでできるようになった、より自由で柔軟な働き方です。場所にとらわれず、どこにいても仕事ができます。ダンクソフトでは、テレワークを2008年から実践していますが、離れた場所でも仕事ができるようにするにも、インターネットに情報を乗せておかないと不便が生じてきます。今回のコロナウィルス感染対策として、急にテレワークに切り替えても、データや書類が会社にあるので仕事ができない、という不便を感じた方も、多かったのではないでしょうか。「インターネットにあらゆるものを乗せていく」。これを機に、情報の置き方、扱い方を見直してみてはどうでしょうか。

■デジタルによる劇的な「コミュニケーション」の進化

 デジタル・テクノロジーは、この40年間で1億倍に進化したと言われています。その流れの中で、直近20年ほどの進展は、実はほぼ「コミュニケーション」の進化でした。計算機能の開発はもう早くに終わっています。インフラのソフトウェア開発も、20世紀にあらかたのものは済んでいて、あとは組み合わせや使い勝手の次元になっています。

 ところが、Googleが検索エンジンを出したあたりから、話が変わってきました。この10年で変わったのは、ほぼ「ソーシャル」の話です。つまり、インターネットがもたらす恩恵として、業務の効率化よりも、「コミュニケーションの活性化」にかんする開発が活発になってきた。わかりやすい例がLINEやFacebookです。そうしたSNSがあるおかげで、離れていてもつながっていられたり、相性の合う人がわかったりします。生活者はそこを使いこなしているわけです。

 もう社会は「インターネットありき」と定義し直さないと、いろんなところで話がおかしくなる時代になっているということです。「紙」もあっていいのですが、これまでのように「紙ありき」の発想では立ち行かない。そうではなくて、インターネットでいろんな仕事をする前提で仕組みを作る。もう一度言いますが、インターネットでいろんな仕事をする前提で仕組みを作る。その中の端っこに、いくらかは紙が残る。というぐらいの認識でビジネスをしていかないと、あまり便利にはなりません。

■効率化の先にある大事なこと

 しかし、“快適・便利” は、インターネットの恩恵の、ほんの入り口にすぎません。ダンクソフトが見ているのは、その先のイノベーションです。インターネットがもたらす「ビジネス・イノベーション」の事例は、挙げればきりがありません。

  たとえばJR東日本の「Suica」を考えてみると、ピッとワンタッチして、ペーパーレス、キャッシュレスで改札機を通れ、買い物もできる。ユーザーの利便性は言うまでもありません。たまにうっかり忘れて外出するとよくわかるように、都度都度きっぷを買う暮らしにはもう戻れませんよね。

 ですが、「Suica」がもたらした成果はそれだけではないと思います。まず、わかりやすいところとして、改札の自動化・無人化がさらに進み、人件費が減りました。スピードも上がって、効率化・高速化しています。この「Suica事業」は、2000年にJR東日本が打ちだした中期構想のひとつの柱でした。このとき、Suicaで鉄道以外のビジネス・チャンスを広げることも、視野に入っていました。

suica.jpg

 では、それによって何が起こったのか。ひとつに、駅務機器の削減によって、新しいスペースが生まれました。当所、駅ナカ商業施設の充実も、中期構想のもうひとつの柱でしたが、カフェ、レストラン、コンビニ、ショッピングセンター、本屋さんにスーパーマーケットまで。キヨスクの売店しかなかった頃からは想像もつかない進化がありました。JRは、余剰になったスペースや人材などのリソースを活用して、ビジネスを大きく転換した。私はこれを、インターネット活用による効率化のおかげで、新しい領域への展開に成功した、イノベーションの好例として見ています。

  ダンクソフトが関わったケースでは、徳島合同証券様の成功例が代表的です。ペーパーレス・ストレッチを導入し、紙の削減からスタートして、業務効率化と大幅な経費削減を実現しました。その結果、空いた場所・予算・時間を活かして、人々が集まれる場所をつくりました。また、同社の泊社長みずからが、エシカルやSDGsに積極的に取り組むようになりました。今や地元で、「とくしまSDGs未来会議」発足メンバーのおひとりになるなど、企業の価値を高めておられます。インターネットを上手に使ってイノベーションを遂げた典型といえるでしょう。

事例:徳島合同証券 様

■需要創造のメディアとしての「ウェブサイト」

 「ウェブサイト」の可能性を考えていない方が圧倒的に多いのは、もったいないことです。実際、ダンクソフトも、当社ウェブサイトをご覧になってのお問い合わせが増えています。

 ここまでは、インターネットを活かして業務を効率化することが、その先の「ビジネス・イノベーション」につながる、という話をしてきました。ここからは、「ウェブサイト」についてです。これは、あらたな需要づくりの装置です。小さな単位の企業や団体こそ、ぜひとも上手に活用していただきたいです。どういうことでしょうか。 

 インターネットは世界中とつながります。東京などの大都市にいなくても、世界全部がマーケットになります。

 たとえば、以前に経済産業省のセミナーで聞いた事例では、ある小さな企業がインターネットに英語で掲載していた情報が注目されて依頼が相次ぎ、最終的にはNASAがお得意さんになって、アメリカに支社をつくったという話がありました。

  また、ダンクソフトもゆかりが深い徳島県神山町では、地域づくりを担うNPO法人グリーンバレーが、ウェブサイトを英語化した時期が早かったことから、海外からの移住者が多いことで知られています。今も、政治的・経済的な事件やできごとが引き金になって、海外からのアクセスが激増する現象が起きることがあるそうです。

 要するに、地域にある小さな町や村から、直接世界につながれます。ウェブサイトは、その窓口です。ウェブにしかるべき情報をしっかり出しておくことで、外部から新しい需要が流れ込んでくるわけです。さらに、一方向に情報発信するウェブにとどまってはなりません。ウェブで、訪れる人たちとの「関係づくり」をしっかり心掛けることで、ビジネスは格段に飛躍します。

 たとえば、オートキャンプ場のケニーズ・ファミリー・ビレッジは、その典型例です。ダンクソフトがご支援して、ウェブサイトを大幅リニューアルしました。その結果、お客様との関係づくり、さらにはそれまで必ずしも十分でなかったプレスとの関係づくりにも成功しています。リニューアル後は、閲覧数・売上ともに120%増、メディア掲載も1.5倍と、劇的な伸びを実現しました。ふだんはクローズアップされにくい事業の根底に流れる理念やスタッフの思いを含め、熱のこもった文章や写真で丁寧に紹介し、共感を生むウェブサイトにできたことが、新しい需要を創り出しています。

事例: ケニーズ・ファミリー・ビレッジ

kfv.jpg

 「共感を生む」といっても、大事なのは、従来の「営業」がおちいりがちな、一方向で、しかも物売り的なアプローチとはまったく違う情報の出し方をすることです。対話型で進めること、そしてモノを売ろうとする発想を転換することです。そうすれば、インターネットを味方に、ビジネスが大きく動いていくことになります。このことをもっともっと知っていただきたいですね。

 最近、インターネット広告の費用がテレビのそれを抜いたというニュースもありました。こうしたタイミングを考えても、ウェブサイトを充実させ、意味ある情報を活発に掲載・更新して、共感いただいたお客様と出会い、今後よりよい関係づくりに励んでいただきたいと思います。インターネット社会における「ウェブサイト」とは、外部から需要が流れ込む窓なのです。

■「信頼」が最大の資本になる時代

  インターネット社会で大事になってくるのが、「信頼 (trust)」です。オープンでフラットであることはインターネットの大きな魅力です。すべての情報がインターネットに集約されていきます。

 ただ同時に、インターネットには情報が多すぎる上に、フェイク・ニュースの問題は根深いので、安心して「この情報がいい」と言い切れない場面が増えています。情報がオープンになればなるほど、見る側が深く知らなければなりませんし、違いを見分ける目、情報を見分ける目も必要です。

だからこそ、これからは、信頼のおける相互関係、そして、信頼できるコミュニティをつくっておかないと、ビジネスを進めることがますます難しい世の中になっていきます。いえ、もうなっていますよね。お互いに信頼できる者同士であれば、インターネットはビジネスを加速し、活性化してくれます。びっくりするようなスピードで物事が決まったりもします。「信頼がおける企業」になれるかどうかが大事です。信頼が得られれば、インターネットに上げた情報も信頼され、お客様とのよりよい関係が深まるメディアとして、ウェブはより有効で有益です。

 一方で、個人情報をはじめとする大事な情報をしっかり隠すことも大事です。というより、インターネットが当たり前になった社会だからこそ、「隠せないと使えない」のが実際です。ここについても、また次回以降で、お話したいと思います。

■信頼で結ばれた安心のコミュニティが活性化する未来

 デジタル・コミュニケーションは、この10年で驚くほど発達しました。まだまだもっと進化します。まずデバイスがスマホから時計型、眼鏡型、そしてホログラムへと変化し、コミュニケーションがもっと変わっていくでしょう。

 しかし、ツールがどう変わっても、基本にあるのは、やはり「相互信頼」です。相互信頼がないと情報のやり取りはきちんとできません。逆に相互信頼があると、コミュニケーションは質もスピードも格段に上がります。

 いちばんいいのは、安心して信頼できる人たちのコミュニティで、かつそこに「インターミディエイター」がいて、様々な参加者たちの「あいだ」を結び、コミュニティを構成する部分がそこここで活性化している状態です。企業はもっと、「コミュニティの活性化」を視野に入れたほうがいい。

  また、この考え方で地域を考えれば、それによって東京への一極集中が改善されて、地域に愛着をもって人々が残るようになり、地域社会にもっとイノベーションの可能性が生まれます。これまで手掛けたプロジェクトから、そういう期待感があります。

 ダンクソフトは、デジタル・テクノロジーを使って、人と人、情報と人、情報と情報などを媒介する「インターミディエイター」の役割を担ってきました。ぜひ「インターミディエイター」としてのダンクソフトを頼りにしていただき、皆さんと協力して、信頼で結ばれた安心できるコミュニティを、おおいに活性化する。そんな未来を描いています。それが、インターネット社会の豊かな未来だと思います。そう思っていただける方々と協働しながら、次の “はじまり”をつくっていきたいと思います。

dunksoft.jpg