事例:楽しさの「背景」までも伝え共感を生むWebサイトで、閲覧数も売上も120%増

お客様:ケニーズ・ファミリー・ビレッジ / オートキャンプ場

(鳥居観光株式会社)

 ケニーズ・ファミリー・ビレッジは2018年秋、Webサイトの大幅なリニューアルを決意した。事業の根底に流れる理念や、そこに働くスタッフの思い入れなどをサイト上でていねいに伝えることで、閲覧数や取材申し込み件数が大きく伸びたという。今回はリニューアルの経緯や効果について、お話を伺った。

鳥居観光株式会社 ケニーズ・ファミリー・ビレッジ / オートキャンプ場統括マネージャー 川口泰斗氏

鳥居観光株式会社 ケニーズ・ファミリー・ビレッジ / オートキャンプ場

統括マネージャー 川口泰斗氏

 

多忙さを理由に、躊躇したWebサイト・リニューアル 

 都心から1時間ほどとアクセスが良い埼玉県飯能市にあるケニーズ・ファミリー・ビレッジ(以下、ケニーズ)は、ファミリー向けの使いやすい施設や、四季折々のイベントが人気を集めるキャンプ場だ。予約方法は電話とオンラインで、9割以上がオンライン予約だという。

 そんな同社が2019年秋、Webサイトを大幅にリニューアルした。スマートフォンでも快適に閲覧できるようにすることと、度重なるアップデートを繰り返すうちにつぎはぎ状態になってしまったサイトを整理することが目標だった。

「実は2017年ごろからサイト刷新を考えていた」とマネージャーの川口泰斗氏は打ち明ける。だが、ちょうど忙しい時期でもあったため、「これは結構大変なことになるぞ」と身構えてしまい、なかなか踏み込めなかったという。

 本腰を入れたのは、それから1年ほど経った2018年秋。前回のリニューアル(2011年)以来、継続してWebサイトを手掛けてきたダンクソフトからの後押しがあり、全面リニューアルに踏み切った。「それまでのサイトには載っていないような新しい価値をお届けしたいとは考えていましたが、それを具体的にどこにどう配置するか、今までのサイトをどのように統合するかがイメージできていませんでした」と川口氏は振り返る。

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■   思いの丈を、余すところなく言語化

前回のリニューアル以降もさまざまなやりとりを重ねてきた実績から、ケニーズが伝えたいことや雰囲気はダンクソフト側にも共通認識として蓄積されていた。そこで担当者が大まかなフレームワークを作成し提案したところ、川口氏のイメージと一致したという。「ずっと私たちを見ていただいていたので、事業の方向性や顧客層などを十分理解された上での提案でした。デザインに関しても、あまり大きな変更は発生しませんでした」

 フレームワークのフォーマットをダンクソフトから受け取った川口氏は、頭の中にあるものを余すところなく書き出していった。だが、「思いの丈をすべて吐き出す作業に、結構時間がかかってしまって」と苦笑する。本当は夏前にリニューアルを完了させる予定が、10月上旬にまでずれ込んでしまった。「きちんと的確に届けたいという気持ちが強かったので、ここにはだいぶ時間をかけましたね」

 写真も、そこから伝わる情報量が多いため重要視して、選定に膨大な時間を割いた。夢の中にまで出てくるほどの情熱を注いだ川口氏は完全燃焼し、「終わったら、すっからかんになってしまった」と笑う。

■ケニーズらしさの根底にある、自然や環境への想い

  川口氏の熱がこもった文章や写真をもとに、ダンクソフトはそれらの分類方法や文脈の流れ、統合の仕方について助言をしつつ、組み立てていった。

 ネット上にはウェブ・デザインに関するさまざまな情報があふれている。研究熱心な川口氏がこれらを目にし、斬新な事例に目を奪われることもあったという。だが、ケニーズに合うデザインは何か、なぜそう考えるのかを、ダンクソフトは一つひとつ丁寧に理由を述べた。「理由を、納得がいくように語っていただけたので、相談しながら決めていくことができて安心感がありました」。もし自分たちだけで考えていたならば、まだリニューアルできていない――こう川口氏は断言する。

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 今回のリニューアルで最も重視したのは、ケニーズの事業が提供する「楽しさ」の根底に流れる理念も的確に伝えることだ。キャンプを楽しみにいらっしゃるお客様はもちろんのこと、取引先や、ここで働きたいと考える人たちも視野に入れ、企業理念や事業に対する考え方、社会への貢献、スタッフの思い入れといった情報も充実させた。さまざまな方向で、信頼関係を構築する必要性を感じていたためである。

 特に、自然の中で活動をすることが人間形成にどのような影響を与えるのか、自然を大事にする気持ちや、豊かな社会づくりのためにどのような効果があるのかという部分は、しっかりと表現したかった。もともと他業界でサラリーマンだったという川口氏が、当時と今とのギャップを日々実感していることや、来てくださるお客様の顔を見ていてその効果を強く感じることも理由だ。「良いことを事業にしているという気持ちで、スタッフは皆働いています。このことを伝えなくてはならないと思いました」

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■魅力を的確に伝えるサイトで、メディア露出が1.5倍に

 Webサイト・リニューアルからまだ2カ月ほどしか経っていない(2019年12月現在)が、効果は既にさまざまな部分に出ている。

  まず、今年9~12月の閲覧数は120%増(昨年同時期比)、そのうち新規の閲覧数は130%増(同)であった。また10月の台風で甚大な被害を受け、キャンプサイトの一部閉鎖を余儀なくされたが、それでも売上が120%増(同)と、結果が数字に表れた。

 イメージのミスマッチによるクレームも減った。例えばケニーズは都心からの利便性が良い反面、手つかずの広大な自然をイメージしてきた人からは「自然感が足りない」と言われることもあった。そこで里山らしさを感じる写真を使い、「人と自然が調和した、里山の環境下にあります」という文言を添えて、ケニーズとしての個性を打ち出した。結果として、イメージのミスマッチが発生しにくくなった。営業時間や予約方法、設備やレンタルについても、問い合わせがありそうな内容はあらかじめQ&Aサイトに詳しく記しているため、「サービスを理解していただいた上で、予約をしていただけるようになった」という。

リニューアル後に強く実感するのは、メディアからの新たな取材依頼が増えたことだ。キャンプ場の特徴がウェブからわかりやすいことが功を奏し、取材を実施する価値があるとメディアが判断しやすいのだろう。毎日1件は問い合わせが来るようになっている。その上、口頭で説明できなかった詳細な情報も、Webサイトで確認し、追加して掲載されるようになった。「メディア露出は、1.5倍に増えたというのが、私の体感です」

 アウトドア・ショップの店頭で配布しているケニーズのパンフレットや、メディアが取材した記事を見たお客様は、最終的にケニーズのWebサイトを訪れる。関心を持ってもらい、その関心をアクションにつなげるため、Webサイトは欠かせない場だ。

 2010年から2018年の間にWebサイトの閲覧数も、売上の伸長率も、どちらも約6倍に伸長した。「Webサイトはお客様との接点の最前線であり、情報が集約されている集積地。これが無くては事業ができない、成長ができないくらいの、とても大切なものです」と強調する。

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■さらなる成長を、温かみのある「仲間」と共に

  そもそも、Webサイトを制作できる会社が非常に数多く存在する中で、2011年から一貫してダンクソフトに依頼し続けている理由は何だろうか。

  最初のきっかけは、社長同士のつながりというご縁だった。そこからWebサイトをリニューアルし、閲覧数が上がり、会社が成長していく中で、サービスが増え、それに伴いコンテンツも増えていった。相談を重ねながら更新していく中で、信頼と実績が少しずつ積み重なっていったのだという。だがダンクソフトの最大の特徴は、「デジタルの会社なのに、心がとても温かいこと」だと川口氏は語る。

「こちらの思いに、とても寄り添ってくれるのです。具体的な計画や手法が分からないまま、『こうしたい!』という望みだけを伝えても、いつも的確な提案が返ってきました。その繰り返しが信頼になり、ずっとお付き合いできる安心感につながっています」

 さらに「誤解を恐れずに言えば、同僚や仲間のよう」とも表現する。「良いパートナーであり、良い相談相手でもある。でもビジネス・パートナーというよりは、同じ目的を共有して一緒に働く、同じ船に乗ったクルーのイメージですね」

 川口氏はダンクソフトに、今後もコミュニケーションのインターフェースを整えるサポートを頼みたいと考えている。ケニーズでは自然と触れ合える貴重な場として、2015年から古民家を活用した事業を開始した。今後は、子どもたちが環境について学べる機会も増やしていきたいという。そのためにはNGOや地域に向けても情報を共有し、共感しあえる「仲間」を募っていく必要がある。

 Webサイト以外の部分でも、ダンクソフトに期待を寄せる。「ビジネスを拡張するにあたり、さまざまな部分で物足りなさを感じるようになってきました。今までの方法では達成し得ないので、テレワークや、新しい仕組みづくりについてもサポートいただきながら、一緒に成長できれば」と、川口氏は意気込みを熱く語った。

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■業務改善ソリューション

WEBサイトの制作・構築、運用コンサルティング

ケニーズ・ファミリー・ビレッジ / オートキャンプ場

(鳥居観光株式会社)

人と自然の架け橋になることを目指し、都心からわずか1時間の里山でファミリー向けのオートキャンプ場を運営しています。2015年には、古民家をリノベーションしたキャンプやバーベキュー場もオープンしました。私たちは、安全・清潔であることを第一に施設を運営し、お客様の視点を忘れず、プロ集団として、人と自然をつなぐ心地よいアウトドア空間を提供していきます。

http://www.kfv.co.jp/