ポスト・コロナ社会で“次を創るテレワーク”を

▎テレワークを、次を創るために活かすには

 

今月は改めて「テレワーク」についてお話しします。

これからの社会インフラは「インターネット」です。年頭所感でもそこを強調しました。ビジネスも、働き方も、暮らし方も、根本的に変わりました。

インターネットに“あらゆるもの”をのせていく」流れは、ますます加速していきます。再度、緊急事態が宣言され、再びテレワークが注目されています。ですが、非常時だけでなく、今後はつねに、テレワークを前提とした、よりクリエイティブな働き方がデフォルトになっていきます。

今月はテレワークの課題をまとめました。この1年、ダンクソフトで実践して見えてきた実際の話です。テレワークの効果や見落とされがちなこと、そして、ダンクソフトならではの“次を創る”ためのテレワーク導入支援について。

 テレワークのさらなる活用のために、このコラムを参考にしていただければと思います。 

▎ポスト・コロナ社会をみすえた環境整備

 

2020年3月25日、東京都知事が自粛宣言を出しました。その日のうちに、ダンクソフトでは、全社テレワーク化を即断します。翌日から、出向スタッフも出向先に行くことなく、全員が在宅でのテレワークに切り替えました。それから約1年。この期間の本社オフィスへの出社人数は、のべ10人未満です。それくらい徹底してテレワークで円滑に仕事を続けています。

●参考情報:

2020年8月に一度、その時点でのリアルタイム情報をお届けしました。

 https://www.dunksoft.com/message/2020-08

 

その後、ポスト・コロナ社会をみすえて、さらに環境整備を続けています。たとえば、テレワーク環境向上のため、スタッフが日々使用する一部のPCを刷新し、ストレスなく在宅ワークできるように整備しました。また、神田オフィスを、ポスト・コロナ時代の「イノベーション装置」として再定義し、オフィスの一部をリデザインしています。さらに、次の需要創造に向けて、新スタッフの募集もはじめています。

▎改めて、テレワークの効能

ダンクソフトはもともと2008年からテレワークを推進してはいました。それを、昨年は約半数のスタッフがオフィスに出社して仕事をしている状態から、全社完全テレワーク化しました。

スタッフは、この1年、通勤による時間的・精神的・体力的消耗から解放されています。子育て中の方は特に、家族のそばにいられる安心感が得られるようです。生まれた余裕は、それぞれスキルアップや家族との時間にあてることができています。この結果、実際、徹底して全社的なテレワークを実践してみると、チームの集中力、生産性はやはり上がっています。

また、クライアントへの波及効果も大きなものでした。ダンクソフトが「テレワーク先駆企業」(中央区ワーク・ライフ・バランス推進企業(2009年)、テレワーク推進賞 優秀賞(2014年)、テレワーク先駆者百選(2016年)、テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰(輝くテレワーク賞)(2016年)、平成29年度東京ライフ・ワーク・バランス認定企業 (2017年))として提唱しつづけてきたワーク・スタイルが、いまや、皆さんの現実となりました。今までは、そうはいっても在宅勤務なんて、と思われていた方もいらっしゃいました。が、この1年で、やはり大事なことだったと認識していただいたようです。ダンクソフトと関わりをもつ企業や団体が、その価値に気づき、デジタル化へのシフトがはじまっています。 

▎1年の経験から、見えてきた課題

全社的なテレワークを進めていく中で、いくつかの課題も見えてきました。

自分のペースで仕事ができる環境は集中力を高めます。ただ当初は、逆に集中しすぎて、息抜きがうまくできないという問題が生じました。やがて慣れてくると、自分なりのペースができ、皆、息抜きのしかたもうまくなっているようです。休憩時間に好きなピアノを弾いて過ごしているスタッフもいます。

また、通勤をはじめとする運動量や生活パターンが変わるため、太ったり痩せたりした人もありました。体型・体力・健康の維持にも自律的な工夫が必要です。

実験的に、2020年12月には、スタッフが林野庁事業に参加しました。森林の中で働くことをモニターするツアーでした。ストレス軽減のために自然に触れ、自然の中でデジタルを活かして仕事をする機会も、これから重視されていくでしょう。 

ここにきて、状況を見ながらですが、輪番制でオフィスに通って仕事をすることを望む声が出ています。通勤時間をうまく有効活用していたスタッフや、家庭の事情でオフィスにいるほうが集中できるスタッフからの声です。ポスト・コロナ社会のオフィスの使い方を、スタッフとともに、さらに検討する時期に来ています。 

スタッフが参加した林野庁事業「森林×SDGs ポスト・コロナ時代のNew Standard探求モニターツアー」。森林の中でテレワークする機会も増えていくでしょう。

スタッフが参加した林野庁事業「森林×SDGs ポスト・コロナ時代のNew Standard探求モニターツアー」。森林の中でテレワークする機会も増えていくでしょう。

▎テレワーク中の「雑談」をどう起こすか

全員がテレワークという状態でうまくいくかどうかは、やはり「コミュニケーション」にかかっています。目的と場面に応じたツールの選択と使い方が大事です。

たとえば、ダンクソフトでは、こんなケースがありました。

全員テレワークになって「雑談」がしづらくなっていたのですが、「あった方がいい」「多少の雑談もしたい」と感じる人が出てきました。「雑談・会話・対話」のことです。この3つのモードを適宜切り替えながら、あらゆるプロジェクトは展開し、新しい発想やイノベーションの芽が生まれます。ですから、テレワーク中に雑談の機会をどうつくるかは、プロジェクトを活性化する上で大事なテーマです。

ちょっとした雑談の場になっています「日報かんり」

ちょっとした雑談の場になっています「日報かんり」

私たちの場合、意外なところから雑談が生まれています。日々の業務内容を集約し、共有するために使用している「日報かんり」というソフトがあるのですが、その報告欄が、ちょっとした雑談の場になっているのです。“かんり”と言いながら、その日のBGMを必ず記載する人、サッカーの話題を欠かさない人、ブームの鬼滅トークで盛りあがる面々。中には「昼食を簡易にしすぎて栄養不足」とこぼした人がいて、他のメンバーからアドバイスが届いたこともありました。「日報かんり」に書きこんだ内容が自動でMicrosoft Teamsへ共有されるので、いいねや、絵文字を付けたり、チャット欄は日々にぎわっています。

 ●参考情報:

在宅勤務をサポートする日報かんり

http://service.dunksoft.com/nippoukanri/

 

こうしてみるとツールの力のように見えますが、実はもうひとつ大事なのは、メンバー間の「互恵的関係」(助けあう関係)を日ごろから培っておくことです。どんなよいシステムも、効果を発揮するには、前提として社内にソーシャル・キャピタルが醸成されている必要があることを、改めて実感しています。

 

▎日本の会社は、オフィシャルとプライベートを分けすぎている

メンバー間の「互恵的関係」をつくるには、あるていど情報をオープンにしておくことが不可欠です。そこが、日本の会社風土の中で大きく欠けていると思う点です。多くの場合、会社はオフィシャルな場であり続けているので、実は会社では建前で過ごしている人が多いと思います。

そこがダンクソフトは違っていて、ある程度の情報をそれぞれがオープンにしている。建前ではない風土があります。そうしておかないと、子育てや介護をしながらのメンバーもいるため、チームで連携・協働がしづらくなります。必要に応じてプライベートの状況を提示することは、「おたがいさま」の助けあいのためにも欠かせません。この10年でその風土がじわじわとできてきました。

他社の状況を見ていると、個々人の事情を共有するところまで、まだできていなかったり、抵抗があったりするようです。でも、これから在宅勤務をうまく続けようとするなら、オフィシャルとプライベートという考え方ではなくなっていきます。もっとブレンドされて、交ざりあっていくでしょう。

今は、夜でも休日でも、スマホに刻々とビジネスの話が飛び込んでくる時代です。また、逆に、日中の業務中に、子供の用事で少し抜ける分を、夜にカバーすることもあるでしょう。昭和・平成時代の働き方には、もう戻らない。これからは業務時間とプライベートと呼ばれる領域を切り離しすぎないことが必要です。

▎Zoom会議ができただけで終わらずに、その先のテレワークへ

テレワーク化のための助成金制度も多くなっています。ただ難点は、範囲が限定的で、大事な部分が抜け落ちている場合が多いことです。本来、E-learning、セキュリティ対策、BCP(事業継続計画)、ペーパレスによる環境配慮などを合わせて考えることで、テレワークの真価が発揮されます。これらが含められない助成金があることは、大変残念なことです。

テレワークをはじめることで、デジタル・デバイド(情報格差)を、まずは解消できます。ただ、Zoomでオンライン会議ができるだけにとどまるなら、まだまだです。デジタルをもっと活用していくために、情報をインターネット上にのせていきましょう。そして、社内であれ、お客様との関係であれ、地域であれ、コミュニティを活性化していくことに、目を向けたいものです。こうすることで、自社の次なる展開が生まれていきます。

ダンクソフトは、クライアントの状況に応じたテレワーク導入をお手伝いしています。助成金の申請にあわせた短期間での支援実績もあります。アドバイザーとしてご支援したある団体では、1ヶ月半で導入から報告書の完成までをスピード実施。見事、令和2年度の総務省「テレワーク先駆者百選」に選定されました。

“次を創るテレワーク”の輪を、引き続き広げていきたいと思っています。


●いつでもご相談ください。

テレワークの円滑な導入・定着・さらなる展開に向けて、丁寧にサポートしていきます。

 

参考情報:

・テレワーク検定 https://www.wnw-academy.com/ 

・テレワーク導入支援 https://www.dunksoft.com/129573523721 

・日報かんり http://service.dunksoft.com/nippoukanri/