“Smart” とは 「 3つのD 」

■ ダンクソフトは「Smart(スマート)」を提供する

 ダンクソフトでは、人びとの「Smart(スマート)」な働き方をエンパワーする製品やサービスを展開しています。また、東京本社オフィスのほかに、全国に7か所の拠点があり、これらを「スマート・オフィス」と名付けています。

では、「Smart(スマート)」とは何か。ダンクソフトが推進する「Smart(スマート)」は、「 3つのD 」で構成されています。

 「 3つのD 」とは、「Digital(デジタル)」、「Dialogue(対話)」、「 Diversity(多様性)」、のことです。日本のオフィスを、ビジネスを、人々の働き方を、もっとSmart(スマート)にするためには、これら「 3つのD 」が揃うことが大切なのです。

 まず、「Digital(デジタル)」は、私たちダンクソフトが創業以来ずっと取り組んできたことです。今年の年頭所感でも、ダンクソフトが「デジタル・テクノロジー」を重視していることをお話ししました。アナログに替わり、デジタル・テクノロジーを駆使して、働く環境を効率化する。そして、効率化によって生まれた時間を有効につかい、創造的なコト・モノ・サービスを考えだす。さらに、実験しながら精度をあげて提供しつづけることで、自ら未来を自在に創り出していく。Digitalを取り入れるのは、単なる効率化を超え、未来を「創造」していくことが真の目的です。「創造」とは、新たな はじまり をつくることです。

 そのために重要なのが、「Diversity(多様性)」と「Dialogue(対話)」です。たとえば日本、日本人といっても土地や地方や地域によって、じつにさまざまな個性があり、特長があり、ちがいがあります。多様です。ダンクソフトは徳島にサテライト・オフィスがありますが、徳島県には24種類もの方言があるのだそうです。ちょっと離れただけでニュアンスや言い回しがちがう。そして興味深いことに、言葉がちがうと、考え方や発想も少しちがう。川を隔てるとそれぞれ文化がちがうんですね。ちがいがあること自体がイノベーションの可能性です。多様であることは、とても刺激的で、新鮮です。

 ただし、ちがうもの同士が出会ってイノベーションが生まれるためには、対話が不可欠です。多様なものをそのままにしておくと、ただ単にばらばらになってしまうだけ。そこをきちんと対話でむすびます。それぞれが自分を開き、異なる価値観や他者をよく知り、多様性が混じり合って初めて、創発が起こります。それを、デジタル・テクノロジーが支え、イノベーションを加速させます。まとめると、こうなります。

  Digital(デジタル)  ×  Dialogue(対話)  ×  Diversity(多様性)  → Smart(スマート)

 これがダンクソフトの考える「Smart(スマート)」のあり方です。

■ Dialogue(対話)がチームを動かす

 ダンクソフトが提供するサービスのなかで、ウェブデザイン・運用コンサルティングなどを担っているのが、「ウェブ・チーム」です。最近はお客様のオフィスに常駐するサービスへのご依頼も増えていて、クライアント先にいるスタッフもいます。

 ウェブサイトの構築や運用は、クライアントとの長期にわたる協働プロジェクトになります。そこで大事になるのがお客様との「Dialogue(対話)」です。20年、25年と長きにわたりサポートし続けているクライアントがいることも、対話を重視していることの表れだと感じています。私たちは、依頼内容自体をよく吟味して、お客様の本当の願いはどこにあるのか、困りごとは何なのかを、「対話」を通して見極めていきます。

先日、まさに対話効果が表れた、よいエピソードがありました。オンサイトでご支援しているクライアントの部門内で、あるプロジェクト管理ツールの使用が始まりました。もともとダンクソフト社内では、そのツールを使っていました。進捗管理、やりとりの履歴、トラブル・シューティングなどをスタッフ間で共有しており、活用経験があったのです。そこで、クライアントとダンクソフトのやり取りにも、そのツールを導入することになりました。

その際に、先行して使っていた経験を活かし、対話しながら、そのツールのよりよい使い方などをクライアントにガイドしてさしあげることができました。今では個別のメールではなく、そのツールが情報共有の標準手段となっています。両社が共有できる形で履歴が残るので、情報がオープンになり、また属人的にならずにすむため、他の方がフォローもしやすい。人事異動のサイクルが早いクライアントにとっても、引き継ぎの負担も減りますし、先達のノウハウがきちんと蓄積されていきます。バックアップやリスクヘッジにもなります。

 紙で分散したり、個々に分断されたりしていた情報を、デジタルで共有してオープンにする。新しいツールや環境は、人や組織にも自然な変化を促してくれます。ダンクソフトの「ウェブ・チーム」は、クライアントとの対話を通じて、デジタル・コミュニケーションやスマート文化の橋渡しもしています。

■ Diversity(多様性)が豊かさをもたらす

 Diversity、人の多様性は「ウェブ・チーム」だけでなく、ダンクソフトの特長です。個性、特徴、スキル、地域、いずれも多様です。サテライト・オフィスのメンバーもいれば、エンジニア出身の人もおり、また他部門との行き来もあり、多彩多芸です。ポリバレントな人材を重視しているゆえんでもあります。

 ダンクソフトでは、約15年前に就業規則を刷新した際に、統括や総務や経理といった専属部門をなくしました。クラウド化が進めば、本務以外はアウトソーシングできるとわかっていたので、あとは相互連携でカバーできるからです。実際、専属部門をなくしたことでみんなが意識的になり、かえって全体に目が届くようになりました。

 「ウェブ・チーム」のメンバーは目配りがこまやかで、人が気づかないことに気づいて、いち早く行動するんですね。黙ってオフィスを整えてくれていたり、お互いの仕事をカバーしあう風土があったり。それぞれ異なる目線で周囲をよく見ていて、気配りに敏感です。

 こうした多様な視点の、対話を通したコミュニケーションがあるので、お客様から求められた通りのものを提供するだけでなく、お客様のさらに先にいるお客様や社会を見すえて、より広く深くご提案していくことができます。これがダンクソフトのサービスの特長を生みだしています。

 ウェブは便利な一方、自分で自分を守らなければならない世界です。国であれば政府や警察がありますが、ウェブにはありません。個人情報もフェイクニュースも、つまり、出ていく情報も入ってくる情報も、自分で守る必要があります。

 ダンクソフトはお客様にデジタル・サービスを提供しながら、まず自社をスマートにするべく、15年前からペーパーレス化、デジタル化に取り組み、オープン・コミュニケーションやサテライト・オフィスを進めてきました。デジタルの先をいっているささやかな自負があります。

こうして培ったデジタルの知見をもとに、ウェブ上での安全管理や、安心して使えるプラットフォームのしくみなどをお客様にご提案していくことも、ダンクソフトの役割だと捉えています。この流れでうみだしたのが「バザールバザール」という新しいコミュニティ・ツールです。このお話は、またいつかしたいと思います。

■ Digital(デジタル)だからできることがある

 ウェブには膨大な情報がありますが、いまやスマホで見られないコンテンツは存在しないも同然です。再生できないメディアは、メディアとして機能しない。その情報は死んでしまうのです。

 また「ネット・サーフィン」と言い「ブラウザ」と言うように、ウェブで見る情報は、表面上を流れていってしまいがちです。ブラウザの元になるブラウズ(browse)は、本に漫然と目を通す、店や棚をざっと見る、冷やかして回るというような意味ですね。ですが私は、見るべき情報をちゃんと残すことも、デジタルの使命だと思うのです。大事な情報を埋もれさせてしまってはいけないと。

 もともとそう考えるようになったきっかけは、実は書籍でした。デジタルの黎明期、まだITという言葉もなくプログラミングの本なども少なかった頃は、書店の棚には骨太な情報理論の本が並んでいました。ですが、技術書やハウツー本の新刊がどんどん出るにつれ、新刊におされて古典は書棚から消え、絶版になっていきました。時代を超えて必要な、古典や良書が読めなくなってしまう。大事なことが書かれているのですから、それではいけない、残さなくちゃ、と思うんですね。

 古典や良書といえば、50歳をすぎて『論語』(孔子BC6〜5世紀)を初めて読み、大きな学びを得ました。その後、同じ中国の春秋戦国時代の思想家である莊子(孔子BC4〜3世紀)に惹かれ、最近はスピノザ(1632〜1677)を興味深く読んでいます。なんとおもしろい偉大な人が古今東西にたくさんいるものです。こうして数百年、千年、二千年を隔てて私が先達の思想に出会えるのも、本という形で情報が残っていたからです。

 さて、冒頭でも触れたとおり、「デジタル・テクノロジー」はダンクソフトの事業・サービスの柱です。デジタルなら簡単に複製でき、その瞬間にシェアできると同時にバックアップがとれる。証拠も残る。圧縮して保管することもできます。翻訳も可能。誰かが入力した情報を死蔵することなく、とことん生かすことができる。人類にとって画期的な時間の節約のしかた、物理的空間の超え方でもあるのです。

 デジタルを有効活用できれば、未来を自分の手元に引き寄せられるという手応えがあります。未来は向こうからやってくるのではない。得たものを吸収していくと、それが未来になる。これからも製品やサービスを通して、ダンクソフトの考える「スマートな未来」を実現していきたいと思っています。