ダイバーシティを活かすデジタル・ネットワーク

■「ダイバーシティ」を増幅する新天地・神田

 今日は、「3つのD」のうち、“Diversity(多様性)”について、すこし詳しくお話しします。(→“SMART” とは 「 3つのD 」

ダンクソフトは「ダイバーシティ」を大切にしています。ダイバーシティとは、多様性、ちがい、さまざまであること。ダンクソフトには、いろんな人がいます。性別、国籍、年齢、住む地域といった属性だけでなく、個性、スキル、得意分野などなど、とにかく多様です。外部環境が多様化しているいま、会社内の多様性を確保しなければ、変化する時代に有効にかかわっていくことはできません。そこで、かねてより、内部環境を意図的に多様化してきました。できるだけいろんな人間がいるほうが、新しいことが起こりやすいし、速いし、なんといってもおもしろいですから。

 2019年5月、ダンクソフト東京オフィスは、千代田区の日本橋から、中央区の神田鍛冶町に移転しました。日本橋は老舗が多く、年齢層が高い街でした。一方、神田は若い人たちも多く、下町のエネルギーにあふれる街。二面開口のフロアは光がよく入ってかなり明るく、天井が高いこともあって、とても開放感があります。このオフィスに移ってから、スタッフ同士の距離がぐっと近くなった印象があります。あきらかに会話が増えているし、コミュニケーションが活発になっていると感じます。

 JR・東京メトロ神田駅から徒歩5分以内という立地も助け、より「人が来やすい」新オフィスになりました。屋上からは、スカイツリー・東京・丸の内・大手町などのビル群が一望でき、ちょっとした屋外パーティができそうです。機会あるごとにいろんな方々が集まり、これまで以上に多様な人たちのよい出会いが増えていくことを、楽しみにしています。

 

■「デジタル・ネットワーク」で、より多様に、より自由に

 実は、今回、また新しい実験的試みを行っています。この神田オフィスに毎日常駐している人は、全体の半分弱ほどです。あとの半分以上の人たちは、在宅や地方のサテライト拠点で仕事をしますので、オフィスには固定デスクがありません。必要に応じて出社してオープン・スペースを使用するスタイルにしました。日本橋オフィスの時よりも、さらに在宅比率をあげています。なかには、子育て中だったり、介護や介助をしながら、という人もいます。男女比は3:1くらいでしょうか。国籍も多様です。ダンクソフトは、これからの「来たるべき働き方」を、先行して自分たちで試し、常に実証していますが、こうした試みができるのは、やはり「デジタル・ネットワーク」があるからです。

 おかげで、どこにいても仕事ができるし、いろんなところに行きやすい。すでにあちこちで変化が起きていて、ものづくりにせよメディアにせよ、ビジネスはおおよそ一極集中ではなくなってきています。「離れていながら、つながっている」という状態を可能にするデジタル・ネットワークによって、「“古き良き日本”の新たな形」が実現できるんじゃないかと期待しています。

 いま、地元に残りたい若者が増えています。徳島では、大学生の7割が残りたいと希望しているそうです。「こういう働き方ができるんだ」ということを、地方・地域の若者にこそ知ってほしいです。人にフォーカスをあてて、新しい具体的なロール・モデルをつくっていくことが大事です。多様な働き方や選択肢があると知っていれば、チャンスを広げることができます。現代の都市構造自体にメンテナンスが必要な時期になっているにもかかわらず、いまだに東京にこだわり、都市圏ばかりに人が増えつづけていることには、危機感を覚えます。

 

■デジタルがなければ、多様な人材は地方で活躍できない

 地域ならではの魅力を活かすしくみも増えています。たとえばある地域では、山の再生を通じてプロダクトが生まれ、海外でデザイン賞を受賞したことをきっかけに大きく注目され、期待されています。

 またある地域には、地産地消のフレンチ・ビストロができました。その土地で採れる有機野菜も大変な評判を呼んで、都市部や少し離れた町々から多くのお客さんがわざわざ訪れる人気店になりました。野菜をはじめとして、素材が地域内で循環するので過剰な物流もいりませんし、地域の人たちがそこで働くことで、サービスや課題解決のノウハウが地域にたまっいきます。とてもいい循環が生まれています。

 様々な地域の好事例を見ていて気が付くのは、やはり「デジテル・ネットワーク」があって、そこに「持続可能なコミュニティ」をつくりあげていくからこそなんです。地域の中でデジタル化をすすめることで、ほんとうに必要な人たちと情報を共有できるようになるので、コミュニケーションの厚み、コミュニティの魅力が増していきます。

 いまもっとも大事なデジタルの役割は「コミュニケーション」です。非同期で、一対多。あるいは、いまでは、多対多のコミュニケーションも可能です。小さなお店や個人でも、直接人びとにアプローチでき、双方性もある。そんなツールはかつてありませんでしたから。

 

■デジタル・コミュニケーションの次なる課題

 ただ、デジタル・コミュニケーションには課題もあります。次なる課題は、情報セキュリティと、フェイク(偽情報)の問題でしょう。ウェブ世界のなかで、安心・安全と信頼性を担保するには、ネットワークにも、やはりある程度の枠や信頼の輪が必要です。

 つまり、大事なのは、「情報セキュリティが確保された場所で、そこに誰がいるのかわかっていて、情報が信頼できる」ことです。これらを担保した生きたデジタル・ネットワークとして、ダンクソフトは新しいコミュニティ・ツールを開発しました。クラウド型Re-Creationサービス「ダンクソフト・バザールバザール」といいます。登録したメンバー同士がつどう、情報共有や情報収集の場としてだけでなく、ビジネス・マッチングやイノベーティブな学び合いの場としての役割をもっています。無料のSNS上ではセキュリティに懸念があり、コミュニティ運営が心配だという方は、ぜひ30日間の無料お試し版を一度トライしてみてください。きっと安心・安全なデジタル環境を体感いただけます。

 

■ポリバレント人材は「一人十色」

 もうひとつ、「ポリバレント」ということも、ダンクソフトが大切にしている考え方です。ポリバレントは、状況や場面に応じて、いろんなことができる人のことで、スポーツから学んだことのひとつです。いわば「一人十色」ですね。かつてサッカーでは、選手の役割は固定しているのが普通でした。役割が変わることはなかったんですね。それが、オランダがトータル・フットボールというチームの在り方を編みだし、世界に衝撃を与えました。選手の役割が流動的で、みんな攻めるし、みんな守るという、それまでの常識を覆すものでした。一人の選手がいろんな役割をできる。野球のイチロー選手や大谷選手もそうです。誤りたくないのは、ポリバレントは副業・複業とは異なるということ。大谷選手やイチロー選手は、複数のチームに所属しているわけではありません。大谷選手なら、エンゼルスというひとつのチームのなかで、さまざまな役割を担っています。これが、ポリバレントの意味するところです。

 ビジネスの場面でも、ポリバレントは可能性を広げてくれます。いろんな場面や状況に応じて、ちがうスキルを活かせたり、ちがう個性を発揮できたりするのがポリバレントな人です。

 ポリバレントな人が増えることは、ダイバーシティ(多様性)にもつながります。あと、みんながいろんな仕事をできると、休みやすくなるのは効用のひとつです。そのために日頃から情報共有をできるだけしようとするので、オープンな組織になります。何より、変化する環境の中でいろんなことができるのは、本人にとっておもしろいですよね。場所が変われば、同じ人間でも出る色が変わって、個人の多様性が磨かれます。適応できる場所も増えますから、居場所も増えます。もう、ひとつの仕事だけで一生を終えられる時代ではありませんから、居場所が増えるというのは大事で、素敵なことだと思います。