▎もう「教える」時代ではない
ダンクソフトは7月から新年度に入りました。40周年という節目に向けて、ダンクソフトは、この新年度を「コ・ラーニング元年」と位置づけます。
「コ・ラーニング(Co-learning)」とは、共に学びあう、共同学習のこと。対話と協働を重視するダンクソフトがここ数年目指してきた姿であり、チャレンジと実践を重ねてきたことでもあります。
もう「教える」時代ではありません。知識のある人がない人に一方的に教える教育から、共同学習へ。今年度は、この「コ・ラーニング」をより一層重視し、社内外に広げていく年にしていきます。
▎スタッフ全員がバージョンアップしていく
現在のダンクソフトは、全体としていい流れにあり、おかげさまでビジネスも好調に推移しています。
2021年4月に行われたオンライン入社式。徳島と全国をつないで実施。
とりわけよいのは「人」です。この半年で4人の経験者を採用しました。4人とも素晴らしい人ばかりで、大いに期待しています。また、5年ぶりに新卒採用を行い、今年4月に1名、来年4月に2名がメンバーに加わります。新卒スタッフは、ダンクソフトがオフィスをもつ徳島での採用です。かねてから連携してプロジェクトを実施してきた阿南工業高等専門学校の卒業生たちです。テクノロジーに強い人たちです。都会に出てくるのではなく、地元にいながらにして、もっとクリエイティブに才能をいかした働き方ができるよう、これまで提唱してきました。これが、今年、実現しました。
新スタッフが加わることで、既存スタッフを含め、ダンクソフト全体の意識が高まり、成長します。よく言われる、「人を育てることで、教える側が育つ」というようなことではありません。
最初に触れたとおり、これからは、もう「教える」時代ではなくて、共に学びあう「コ・ラーニング」の時代です。新スタッフの存在は、既存スタッフに刺激を与え、私たちに新しい学びをもたらしてくれます。それによって、私たちはこれまでつちかった知識や考え方を、さらにバージョンアップしていくことができるのです。
もちろん、実践の場で学びあうことで、新しく入ったスタッフにとっても、ダンクソフトが新たな発見と成長の機会になることは、言うまでもありません。
▎「対話の風土」ができてきた
社内の対話文化もいよいよ醸成されてきました。ダンクソフトでは、2年前から、私と社内スタッフとの「対話の時間」を設けています。年2〜3回のペースで、チームごとに、定期的にグループ対話を重ねてきました。
もっとも、最初は「対話」と言えるようなものにはなりませんでした。十数人のチームなのに参加者が1人しかいなかったこともありました。業務面談かヒアリングのようなものと誤解されたのかもしれません。「対話」というもの自体になじみが少なかったのでしょうね。
それが今では、それぞれが自分の声で、自分の考えを言えるようになってきました。たいていのメンバーは、もう当てられなくても自発的に発言します。人と異なる考えでも口にします。チームを超えたコミュニケーションも生まれています。
「コ・ラーニング」にとって大切な「対話の風土」が、社内にできてきたのです。とても素晴らしい、誇らしいことだと嬉しく思っています。
数年来、星野とスタッフたちとの対話を意識的に増やしてきたダンクソフト。
▎多様性こそがパワーになる
こうした「コ・ラーニング」の環境は、メンバーが多様であればあるほどよいものです。住む地域、年齢、性別、国籍、考え方や趣味や生活スタイル……。もちろん働き方もそうです。いろんな人がいることで、相乗効果が高まります。そして、対話的に学びあうことで、イノベーションが起こってきます。
ダンクソフトにはトルコ人スタッフが働いています。また、現在、フランス在住の学生をインターン生として受け入れています。言葉も文化も風土も異なる人がいることはやはりよいですね。日本の中にばかりいるとどうしても視野が狭くなりますが、異なる文化を知ることで、仕事にフィードバックがかかります。
他にも、ダンクソフトで長く働いている人、新しく入った人。都市に住む人、地方に住む人。50代、60代もいれば、新卒採用の若者もいる。多様なメンバーが関わることで、互いに学びあい、より高め合うことができるのです。その結果、さまざまな新結合がおこり、イノベーション、つまり、新たな「はじまり」が生まれるのだと考えています。
▎「コ・ラーニング」がビジネスの追い風に
社内で対話が浸透するにつれ、お客様との関係も、さらに良好になってきました。受注する・発注するだけの間柄を超えた、対話関係を築いて、一緒に次を創れるお客様がいらっしゃるのは、ありがたいことです。
現在ダンクソフトのビジネスが良好なのも、このようにしてお客様との対話関係が育ち、現場でも「コ・ラーニング」がすでに生まれ始めていることと無関係ではないでしょう。むしろ大きな一因として、プラス効果をもたらしていると見ています。
▎効率化で生まれたリソースで、コミュニケーションに注力
ダンクソフトは、今年度も引き続き「デジタル・デバイドの解消」、そして 「コミュニティの活性化」 を、色々な方々との連携・協働で実現していきたいと考えています。さまざまなサービスや製品を、そのためのツールとして活かしていきます。
しくみは小さく、シンプルにして、まず効率化します。そして、余った時間やリソースで、コミュニケーションに注力する。未来への準備は、できるだけ早くするべきです。今はまさにその好機なのです。
たとえば、新しいお客様を取り入れたければ、窓口はインターネットやアプリの中にあるべきです。電車や車にのってわざわざ窓口に行かなくても、インターネット上に窓口があれば、シンプルにコミュニケーションがはじめられます。
情報を囲い込んで複層化させるよりも、クラウドにのせ、お客さんも含めた外に開いていく必要があります。基本の情報基盤もシームレスにインターネット上にあることは、BCP対策にも有効です。
「インターネットにあらゆるものをのせていく」ことがビジネスを加速させる、これがこれからの時代です。
▎しくみは小さく、シンプルに
なぜ今、好機なのか? シンプル化が必要なのか? それは、ITのとらえ方そのものが変わるタイミングに来ているからです。サービスが変わっていく時だからです。
ダンクソフトのお客様の中にも、シンプルで使いやすいシステムを導入して、デジタル・デバイドの解消に成功されたケースが多々あります。
たとえばNPO法人 大田・花とみどりのまちづくり様は、クラウド型のシステムを導入し、手書きとエクセルが混在する煩雑な情報管理を卒業していこうとされています。
また、石垣はなまる学童クラブ様では、子育て経験のあるダンクソフトのスタッフが、その知見を生かして、学童保育運営のさまざまなアプリをクラウド型システムで構築しました。タブレットやスマホだけで使える、現場に即した情報環境を実現し、快適にお使いいただいています。
石垣はなまる学童くらぶから定期的によせられるKintone通信。
▎知らないうちに「デジタル・デバイド」になっている基幹システム
また、今の時代、組織内にある身動きのとれない古い基幹システムが、逆にデジタル・デバイドになってしまっているケースもあります。導入当時の技術と環境では良かったインフラも、今となっては、刷新が必要になっています。
最近は、こうした基幹システムの見直し・刷新のご相談が多くありますが、これも次の動きをいち早くつくるためには、企業・団体にとって急務です。
▎対話と学びあいがコミュニティを活性化する
できるだけシンプルに、簡便に、効率的に「デジタル・デバイドの解消」をしていきましょう。そして より注力すべき「コミュニティの活性化」に向けたしくみづくり、対話、運用にこそ、リソースをつかっていきましょう。
ビジネスはやはり「人」です。企業の枠にしばられず、お客様、その先にいるお客様、ノンユーザーも含めて、多様なメンバーが出会い、実践の場で対話を通して互いに学びあう「コ・ラーニング」が、ますます重要になっていきます。今年度も、皆様とともに停滞を打ち破り、次を拓く「はじまり」をつくっていきたいと考えています。