#2025

神田祭2025:江戸三大祭りのひとつに、地域企業としてダンクソフトも参加


今年(2025年)の5月8日から、東京千代田区の神田明神で「神田祭(かんだまつり)」が行われます。江戸三大祭りのひとつに数えられ、毎回30万人を超える人で町中が賑わう大祭礼です。今年はこのお祭りに、地元町内会の一員としてダンクソフトも参加することになりました。代表・星野も半被と帯の講習会に参加してきました。今回のコラムは、地域のお祭りに初参加するダンクソフトが、神田祭の魅力を紹介します。地元でのリアルな体験と、得意とするデジタル技術の化学反応はおこるのか?ダンクソフトの地域コミュニティにおける取り組みを紹介します。 


┃神田祭は、江戸三大祭りのひとつ、2年に1度行われる大祭礼 

今年(2025年)の5月8日から「神田祭」(かんだまつり)が行われます。山王祭、深川八幡祭と並んで、江戸三大祭りのひとつとされる東京を代表するお祭りです。京都の祇園祭、大阪の天神祭と並んで、日本の三大祭りのひとつにも数えられています。2年に1度、東京・千代田区の神田明神で行われ、毎回30万人を超える人で町中が賑わう大祭礼です。 

 

その起源についてはあまり明かではないようですが、江戸時代には幕府の庇護を受け、城内に祭礼行列が練り込んで、将軍による上覧もありました。庶民から「天下祭」として親しまれたそうです。 

 

お祭りは5月8日、神田祭の始まりを告げる神事、「鳳輦神輿遷座祭 (ほうれんみこしせんざさい)」で幕開けし、9日夕刻に「氏子町会神輿神霊(みたま)入れ」が執り行われます。 

 

この神田祭のハイライトともいえるのが、10日に行われる「神幸祭 (しんこうさい)」です。平安時代の衣装を身につけた絢爛豪華な大行列が神田・日本橋・大手町・丸の内・秋葉原の町を練り歩きます。午後には、趣向を凝らした曳き物を巡行する「附け祭 (つけまつり)」と合流し、数千人規模の大行列に膨らみます。  

そして一番の見どころが、11日に行われる「神輿宮入 (みこしみやいり)」。 

氏子の108町会、大小200を超える神輿が、揃いの半被を着た氏子たちに担がれて町内を練り歩き、朝から晩まで続々と神田明神に宮入りします。  

ちなみに神田祭は、昔は京都の祇園祭と同じように、山車(だし)が中心のお祭りでした。それが明治時代以降の路面電車や電線の普及とともに通行に支障をきたすようになり、現在のような町神輿が主流になったそうです。   

┃町内会の一員として、ダンクソフトが由緒ある祭りに参加 

 

今年は、ダンクソフトも、この神田祭に参加します。 

 

きっかけは、昨年夏に引っ越してきた新オフィスです。神田祭には氏子として108にものぼる町内会が参加するのですが、そのひとつに「神田須田町二丁目町会」があります。新オフィスが入居するビルがこの町内に位置しているんですが、ビルが自治会に参加していたようでした。ある日、ポストに神田祭参加の案内が届いていたんです。興味を持って、万世橋区民会館で行われた説明会に行ってみました。それがはじまりで、今年の2月頃のことです。 

 

私は、以前から「神田藍の会」を運営するなど、企業が地元コミュニティとつながりを持てるように活動してきました。まして伝統ある大祭に関われることは、地元にいるからこそ体験できる貴重なチャンスです。根っからの好奇心もむくむく膨らんできて、ぜひ参加してみることにしました。説明を聞いていると、話の端々に「粋」や「いなせ」といった言葉が交じり、そんな雰囲気にも刺激を受けましたね。   

┃お祭りに向けて開催される地域での講習会 

 

その後は、毎週水曜日にお祭りに向けた講習会が行われています。祭りに関わるしきたりや御神輿の担ぎ方など内容はさまざまです。

さすがに仕事もあるので毎回は参加できませんが、ある回では、半被を着る時に巻く帯の結び方を習いました。これは印象深い機会になりました。  

法被よりも、帯が難しいんです。帯の長さは4メートルくらいあり、それを2つ折にして腰のまわりに巻いていきます。最後に結んだ両端がV字型に上向くのが粋な結び方だそうです。両端が上を向く姿が縁起がよいという話でした。 

 

もちろん、祭りの時に着る半被も「神田須田町二丁目町会」のオリジナルです。町内会では約600着もの半被を用意しているそうです。神輿を担ぐのには、20人~30人かかるのだそうです。ただ重いので、しょっちゅう入れ替わりながら担ぐそうで、交代のためにも、多く用意しているのだそうです。 

 

ちなみに、この町内の昼間の人口は6000人弱。それに対して、夜間人口が600人ほどだという話を聞きました。東京都心部ではよく耳にする話ですが、人口減少のため、祭りの時には神輿の担ぎ手が少なくて苦心しています。昼間にそのエリアで働く人たちが参加すれば、若い担ぎ手も増えるかもしれません。また、町内会に関わっていなくても参加できる仕組みがあるようなので、興味のある人は、つてを頼ってどこかの町内会に尋ねてみてはいかがでしょうか。 

 

もう少しだけローカルな話をすると、神田須田町二丁目町会は、近隣にある「柳森(やなぎもり)神社」の氏子でもあります。お祭りの期間中、11日に柳森神社、12日に神田明神に宮入りします。 


神田明神の宮入りでは、各神輿が大鳥居の下を通りますが、なかには大型のために鳥居につっかかってしまい、脇を通らなければならない神輿もあります。その大きな神輿のひとつが、うちの町会の神輿であり、それが町の自慢のようです。「神田藍の会」には、お隣の「神田東松下町」のメンバーが何人かいます。話を聞いていると、うちの神輿のほうが大きいなど、時々、町内会同士のライバル心みたいなものが伝わってきます。そんな雰囲気が味わえることも、地域に参加する楽しみのひとつになっています。  

┃地域のコミュニティ活動「神田藍の会」から縁が深まり、神田祭へ 

 

私が、神田という地域とこのような関わりを持つようになったのは、「神田藍の会」が始まりです。今から数年前、「インターミディエイター・フォーラム」という集まりで、峯岸由美子さん(一般社団法人「遊心」代表理事)と出会い、意気投合してプロジェクトに参加しました。その頃、峯岸さんは、神田地域にあるビルの屋上を使って、子どもたちと一緒に野菜を育てる活動をしていました。詳しい話は省きますが、その野菜に代わって、神田にもゆかりの深い「藍」を地元の人たちと一緒に育てようと、「神田藍の会」を立ち上げました。2021年のことです。 

 

もともと神田は、ダンクソフトにとっては創業の地です。40年を超える活動のうち、半分ちかい歳月を、神田がある千代田区を拠点にしてきました。地域といえば、ダンクソフトはこれまで、全国各地で地域コミュニティと一緒にスマートオフィスや新しい働き方を推進するプロジェクトを実施してきた企業です。ですが、なぜか東京本社のある地域とは、なかなかそういう関係にはなりませんでした。そんな状況が、「神田藍の会」をきっかけに少しずつ変わってきて、今回の神田祭への関わりで、またステップアップしたように感じています。  

┃コミュニティFMというメディアから、新しい地域のつながりを 


ダンクソフトが携わっているもうひとつの地元コミュニティ活動があります。それが、「中央エフエム」です。 

 

これは、中央区を拠点とするコミュニティFMです。2010年に中央区が初めて始めたワークライフバランス推進認定企業にダンクソフトが認定されたことが縁で、翌2011年から、当時中央区にあったオフィスを使って、生放送の番組を始めました。以来、継続して番組をお届けしてきましたが、この千代田区須田町二丁目の現オフィスに移転した今も、オフィスをスタジオにして生放送の番組をやっています。 

 

名前は「中央エフエム」でありながら、現在は隣の「千代田区」を拠点に番組をやっているわけですが、私はこれをきっかけに中央区と千代田区を結ぶようなコミュニティづくりに貢献できたらと考えています。実際、地元の須田町二丁目にゆかりのある人物に登場してもらう企画も進行中です。 

 

コミュニティFMは、災害時には災害情報を伝える放送に切り替わるなど、地域コミュニティにとって重要な情報インフラでもあります。そんなメディアの可能性を探りながら、また新しい取り組みへと広げることができたら楽しいですし、地域貢献の輪を広げられるかと、実証実験を続けています。  

┃地域づくりと関係づくりの未来に向けて 

 

ダンクソフトでは、2024年7月、創業50周年に向けての「グランド・ナラティブ(大きな物語、未来構想)」をつくりました。その中の大きな柱のひとつとして「地域づくりと関係づくりの未来」をあげています。 

 

地域コミュニティとの協働については、これまでも私たちなりに経験を積んできましたし、ダンクソフトには「WeARee!(ウィアリー)」をはじめ、地域での取り組みを支援するユニークな製品が多くあります。そんなデジタルの力と、今年の神田祭のようなリアルなつながりをかけ合わせながら、グランド・ナラティブで掲げている「明るく楽しいデジタルの未来」に一歩ずつ近づいていきたいと考えています。 

 

「神田藍の会」の活動も年々多くの人たちが関わるようになり、地域コミュニティにしっかり根を落としつつあります。今年の2月には、地元の保育園の子どもたちも参加して、神田明神に藍の種を奉納しました。この子どもたちが大人になったとき、デジタルと社会の関係はさらに大きく進化しているはずです。将来、デジタルで便利に楽になった暮らしを享受しながら、自分たちで育てた藍で染めた手ぬぐいを頭に巻いて、神田祭の御神輿を担いでくれたら嬉しいと思っています。 

 

今年の神田祭では、私も町内会の半被をまとい、参加してみます。御神輿は相当腰にくるようなので、担ぐかどうかは迷いますね。地域の祭りに地元企業として関われるのは、貴重な経験です。ダンクソフトは、神田祭とちょうど同じタイミングに、年に2回の全社会議を開催することにしましたので、ダンクソフトのメンバーたちにも声をかけています。お祭りに参加しなくても、東京の町中を絢爛豪華な行列が練り歩く様子を目の当たりにするだけでも、忘れられない体験となるはず。皆さんも、ぜひ、季節の風物詩、神田祭を楽しみにしていてくださいね。 

 

事例:大塔中学校が取り組んだ「田辺市の魅力発見プロジェクト」

~「WeARee!」スタンプラリー開発が生徒のデジタル力をひらく~

パートナー:田辺市立大塔中学校 様


左から、ID学園高等学校 宮坂修平氏、大塔中学校 田代滉実氏、ダンクソフト 酒井啓之

和歌山県田辺市にある大塔中学校は、市内に流れる富田川の中流付近にある。そこは山や川に囲まれた自然豊かな地域だ。その大塔中学1年生の総合学習の授業で、「WeARee!」のデジタル・スタンプラリー機能を使ったプロジェクトが行われた。17名の生徒たちが協力し、地域の魅力的な場所や情報を調べて、「WeARee!」上に掲載して、デジタル・スタンプラリーを完成させた。昨年12月には、プロジェクトの集大成として、田辺市市長や観光協会会長にプレゼンテーションを披露した。

プロジェクトの企画・推進を行った大塔中学校1年生を担当する教諭である田代滉実氏、ダンクソフトと田代氏を結んだ、ID学園高等学校の教諭である宮坂修平氏にお話を伺った。

生徒たちに広がった、大塔地域の人口減少問題への危機感

2000年から全国の中学校に、「総合的な学習の時間」の段階的な導入が始まった。「総合的な学習の時間」とは、文部科学省によると、変化の激しい社会に対応した新しい学習を指す。探究的な見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行う。これらを通して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成することを目指すものだ。大塔中学校でも授業として導入され、1年生はふるさと・地域学習、2年生ではキャリア教育を行っている。

「もっとおもしろいことがしたいと感じた」と語る、田代氏

これまで、1年生では自分たちの住む地域を調べて、新聞形式などでまとめることが多かった。しかし、田代氏は「自由のきく授業だからこそ、せっかくだからもっとおもしろいことがしたい」と感じていた。そこで、入学したての4月に、生徒たちと一緒に和歌山大学へ、教授の話を聞きに行った。その際、人口減少がこれからの和歌山の大きな課題だという話を伺った。生徒たちからは、「大塔はどうなるのだろう?」という不安の声があがり、人口減少への危機感が広がったのだった。

調べてみると、大塔地区の人口は、10年後には1000人台になってしまうことが分かった。「本当に大塔がなくなってしまうのではないか」「どうにかしなくては…」。生徒たちからの疑問や想いを聞き、田代氏は、今年の総合学習の進め方を決めた。それは、「この大好きな地元のことをなにか発信したい」という、生徒たちの願いをもとに、それを形にすることだった。

地域の魅力を伝えたい。そして、「WeARee!」との出会い

ID学園高等学校様事例

高校生が地域に飛びだし、デジタル・スタンプラリーをつくる実践的な共同学習プログラムを開発

そこで、まずはKJ法を用いて、地域の魅力と課題を洗い出すことから始めた。同時に、この魅力をどうしたら広く発信できるかという方法を検討した。田代氏が前校長に相談すると、東京のID学園高等学校で、「WeARee!」というツールを使ったデジタル・スタンプラリーを作る取り組みをしているという事例を耳にした。田代氏は「これだ!」と感じて、すぐにID学園高等学校の宮坂修平氏に連絡をいれることになった。ID学園高等学校とダンクソフトは、2023年に、最新のIT技術を搭載する「WeARee!」を使った、実践型の共同学習プログラムを実施していたのだ。

事情を聞いた宮坂氏は、喜んで田代氏にダンクソフトを紹介した。最初に連絡を受けたのは、ダンクソフトで「WeARee!」を担当する酒井だった。大塔中学校からのリクエストを代表の星野に相談すると、「ぜひ、やりましょう!」と承認が下り、とんとん拍子に話が進んだ。酒井は「学校で使われると聞いた時、まず環境のことを考えました。プロジェクトは面白そうだけれど、どんな使われ方をするのか。パソコンなのかタブレットなのか。ネットワークはどんな環境か。学校のデジタル環境が分からなかったので、最初は少し不安でした」と、スタート当初を思い出す。

ID学園で「WeARee!」のプロジェクトを担当した宮坂氏は、「神田や飯能でスタンプラリーを作って、ある程度「WeARee!」のこともわかっていたので、田代先生の大塔中学校でも、絶対に大丈夫、うまくいくという自信がありました」と、振り返る。宮坂氏は、ダンクソフトと実施した共同学習プログラムを通じて、「WeARee!」が生徒たちの得意なことで関われるツールであることを魅力に感じていたという。デザインが得意な生徒、文章を書くのが得意な生徒、フィールドワークなど外に出て活動するのが好きな生徒などがいても、それぞれの個性を活かして、色々なかかわり方ができる。宮坂氏が授業で実現したいことが、満たせるツールだったのだ。「生徒たちならではの遠回りや回り道を許容できて、それが面白味を増すんです。酒井さんのサポートと「WeARee!」があれば、間違いなく面白い取り組みになる確信がありました」と、当初から成功を予感していたと語った。

大人たちの想像を超えて、中学生たちは「WeARee!」を自由自在に使いこなした

「WeARee!」は、デジタル・スタンプラリー、バーチャル・ツアー、​3DモデルによるAR機能などを備え、リアルな場を活かしたデジタル・イベントや交流コンテンツがつくれるプラットフォームだ。これまでも、地域の観光協会や、地域活動団体、アート展覧会など、様々な場面で使われてきた。

大塔中学1年生のみんながプロジェクトをはじめるにあたり、まずは、田代氏が代表して、酒井から「WeARee!」の説明を受けた。「ワクワクしかなかったです。好きなように写真をはめ込んだり、字体を変えられたりと、個性も発揮できる。私が使えたら、みんなも使えるという自信はありました」と、第一印象を楽しそうに田代氏は語った。

オンライン・レクチャーの様子

実際、生徒たちは、酒井からたった1回のオンライン・レクチャーを受けただけで、あとはゲームを触る感覚で「WeARee!」を使いこなすことができた。「ダンクソフトさんは、いちから全部教えてくださるし、連絡するとすぐに対応してくださるので、本当にありがたかったです」と、デジタル面での苦労はほとんどなかったと、田代氏は振り返る。

酒井は進める中で、タイトル画像の入れ込みなどをサポートしようかと提案したが、「生徒たちがやりますので大丈夫です」と、田代氏が生徒主体で進めたそのプロセスにも感心したと、酒井はコメントする。

「見てもらうとわかるとおり、生徒たちのコンテンツはとても個性的です。きれいに形を整えることもできましたが、表現方法も、字体も大きさもフォーマットも、子供たちにすべて任せました」。田代氏は、あくまでも生徒の主体性を尊重する。「タイトル画像も、子供たちにどうしたいかをまず問いかけました。そうしたら、これまでも自分たちで話し合って決めてきたから、タイトル画像も自分達で作りたいと。この取り組みを通じて、話し合う機会が増えて、子供たちに対話力が備わったと感じています」。

生徒たちの個性豊かなコンテンツ
https://oto2024.wearee.jp/tes/rally/npftv6 

大塔中学校を訪れ、生徒たちと交流のある宮坂氏も、田代氏による総合学習の進め方に着目していた。「自分の伝えたいことを文章で表現する生徒さんもいれば、紙芝居を自分で作っている生徒さんもいて、本当に生徒たちが主体的に取り組んでいるなぁと感じました」。ID学園の場合は、一般に公開することを意識し、ある程度の体裁を整えてきれいに見えるよう、生徒たちと努力したという。「自由に表現することもできれば、きっちりしたい場合にも対応できて、「WeARee!」の懐の深さを感じます。」と、ツールを評価した。

酒井は、「生徒たちは、本当に好きに思ったままを表現していました。そして、製品の使い方も本当に自由で新鮮でした。これからはそういった自由に表現したいという思いを受けとめられるような開発もしていきたい」と語る。今までは、使い方をある程度想定して製品を提供してきた。しかし、今回の生徒たちの使い方を見て、新しい発見があった。手取り足取り説明する必要もないのだと気が付き、ユーザーの自由な表現にゆだねる面白さを取り入れたいと、新たな開発姿勢を考えられたと言う。

田辺市市長、観光協会会長へのプレゼンテーションへの道

「WeARee!」でスタンプラリーが完成すると、「あれ?スタンプラリーが出来上がったけど次は?」「作って終わったら意味がない」「どこかで紹介したい」と、子供たちから新たな声が寄せられた。YouTubeやSNSなどを使って発信することも考えたが、地域の人たちの力があっての学校だ。せっかくなら地域の人に喜んでもらいたい。地域の人にも使って欲しい。そして地域の人から応援されるような人になって欲しいという思いから、地元の新聞社を呼んで発表しようということになった。さらに、田代氏のネットワークで、田辺市市長や観光協会会長、地元企業の方々や議員さんたちにも、発表会に参加してもらうことが実現した。

プレゼンテーションの様子

いよいよ開催された12月の発表会では、生徒たちが主体となり、ひとりひとり発表の担当を設けて、全員が必ずプレゼンテーションするスタイルで進めた。

観光協会会長は、「14個つくられたポイントをめぐって、スタンプを全部ゲットしたいですね」と、スタンプラリーをとても気に入ってくださった。市長からは、「魅力があるからこそ課題もあるし、課題があるからこそ魅力もある。それをきちんと理解して調べていることに感心しました。スタンプラリーもよくできていて、おもしろいですね」と、生徒たちの活躍を評価していただいた。「WeARee!」でスタンプラリーをつくりこむ努力に加えて、プレゼンテーションを猛特訓したことが、功を奏した。

多種多様な人たちとの関わりのなかで、生徒の可能性がひらく

大塔中学校の今回の取り組みについて、宮坂氏は、「実際にスタンプラリーを作るのは生徒たちですが、困ったことを助ける田代先生、東京からリモートで支援する民間企業の酒井さん、そしてなんだか楽しそうな他校の教員である私。色々な大人が楽しそうに関わっていることが、今回の取り組みの特徴であり、生徒たちの刺激にもなったのではないか」と、田代氏のプロジェクトを評価する。

実際に、田代氏や、宮坂氏、酒井のほかにも、多くの人たちが関わった今回の取り組みだった。マナーや礼儀、お茶出しの仕方、身だしなみ、プレゼンテーションの特訓も受けた。ダンクソフトの星野、徳島オフィスのメンバー、そして「WeARee!」チームのジョーダンが、発表直前の最後の仕上げとしてオンラインで行った、模擬発表を聞いて、フィードバックした。

■大塔中学校1年生は全員、「学校は楽しい!」

学期の途中で集めたアンケートでは、プロジェクトに参加した1年生全員が、「学校が楽しい」と答えたそうだ。小さいころから同じメンバーで育ってきた生徒たちは、仲良くもあるが、変化のないメンバーのため、どこか割り切った付き合いがあったという。それが一転、今回の取り組みを通じて、生徒たちは学び合い、お互いの新しいところを発見し、団結が深まった。生徒たちは、田代氏からの指摘も受け入れて、十分に考えて次のステップに活かすよう、思考を働かせることができるようになっていった。

「学習は、多様な人と人が関わることが大事なんですよね」と、酒井が言う。ダンクソフトでは、多様性を重視して、お互いに対話することで、ともに学びあう関係を重視している。その考え方は、田代氏と宮坂氏も賛同するものだった。関わるメンバーの考え方に共通項があったことが、プロジェクトの順調な進展に大きく寄与した。

地域への思いを育む、継続的な共同学習プログラムを

田代氏いわく、今回スタンプラリーを作った経験から、生徒たちの中には、地域のために何かしたいという思いが確実に芽生えたそうだ。そこで、2年生では、キャリア教育を通じて地域から学び、3年生になった時には、2年間の学びを何らかの成果として地域にお返しできればと考えているとのことだ。田代氏自身が音楽の教員であることから、3年時には、地域の魅力が詰まった歌詞を作り、AIを使って作曲し、地元に流れる5時のチャイム音にしたいのだと、今後のイメージを共有した。

今度の展開イメージを語る、宮坂氏

「田代先生や私のように、楽しいことを情熱を持って推進していこうとする先生方はたくさんではないと思いますが、まだまだ全国にはいらっしゃると思うんです。そうした方々と出会って、横に斜めに連携していけるといいですね。先日はフランスで教育の国際サミットに参加してきましたが、このモデルを、国内だけでなく、世界にも事例として持っていけたらと考えています」と、宮坂氏も、今後の展開イメージを頼もしく語った。

「ぜひデジタル・スタンプラリーも、地域住民の皆さんが使えるものになり、また新しい1年生が魅力的な地域の場所を来年には追加していくなど、育てていただけたらいいですね」と、酒井は「WeARee!」を継続して地域のツールとすることを提案する。

今回の取り組みを通じて、生徒たちは、人間力の形成に大事な、主体性、対話力、探求心、協働する力などを、総合的に学んだことになる。田代氏も、宮坂氏も、ダンクソフトも、今回の取り組みだけに終わらせず、次年度のキャリア教育でも、引き続き連携することを検討している。

今回、3者で対話するなかで、田代氏・宮坂氏の価値観が、ダンクソフトが大切にしている価値観と近しいことが見受けられた。多様性、対話、協働、チャレンジし続けること、未知のことほどおもしろがってチャレンジすること、リバース・メンタリング、あいだを結ぶ力など、これらの重要性をともに再確認する機会となった。学校とIT企業という異なる領域ではあるが、深層の物語を共有しているからこそ、協働が成功裏に進んだ。3者による今後の展開に、ますます期待がかかる。


■導入テクノロジー

■関連情報:

ダンクソフトが、学生との共同学習プログラムを実施し続ける理由とその効果


「生涯学習」という考え方を知った、2003年のプロジェクト 

 

学生という存在を意識するようになったのは、おそらく2000年代の最初の頃です。ダンクソフトのプロジェクトとして、法政大学系のキャリア・マネジメント支援団体向けに、ウェブサイトを開発したことがありました。大学1年生用の講座で、早いうちから将来のキャリア・プランを考えていこうというものでした。文部科学省がキャリア教育を初めて審議したのが1999年ですから、早いタイミングでプロジェクトに参加したことになります。これが、若い人たちの可能性に関心を持ちはじめたきっかけとなりました。 

 

その監修者に、今では著名な労働分野の研究者になられた方がいました。その方から、色々と学ぶ機会を得たんです。特に、ポール・フルキエの書いた『哲学講義』という本に出会いました。フランスのリセ(高等学校)で、哲学の代表的な教科書になっている分厚いテキストです。これを読んで、「生涯学習」ということや、「余暇時間」の考え方について知り、気づきを得て実践をはじめました。 

2010年。テレワーカー第1号スタッフと、1歳半の息子とのオンライン会議 

 

もうひとつ、思い出深いエピソードがあります。 

ダンクソフトは、テレワーク先駆企業です。もともと2008年から、テレワークの実証実験を始めています。スタッフの働く環境を整備していたら、いつのまにか誰よりも先んじて、テレワークを実践していたのでした。Facebookができたのが2004年、YouTube日本語版が2007年、Twitter日本語版が2008年、iPhoneが日本に登場したのが2008年。背景としてはそんな時代です。

さて、このエピソードは2010年のことなんですが、産休明けのスタッフが、保育園が見つからず復職できない状況に陥りました。そこで、在宅ワークを基調にしたテレワーク勤務を提案し、初めてのテレワーカーがダンクソフトに生まれました。自宅とテレビ電話(ビデオ通話)をつないだとき、当時まだ1歳数ヶ月だったお子さんが、画面ごしに笑顔で手を振ってくれました。小さいお子さんとでも、あんな風にコミュニケーションできることが印象的でした。お子さんのデジタル面での可能性を感じ、子供たちが早いうちからデジタルに親しむ環境づくりに、さらに関心を持ちました。  

山口県萩市で行った中学・高校でのリモート授業 

大きな進展となったのは、2014年、2015年のプロジェクトです。当時、山口県萩市で、官公庁関連の実証実験に取り組んでいました。古民家を改修して、サテライトオフィスで仕事をする実験です。その流れから、同市の萩商工高等学校から声がかかり、情報デザイン科の教員とともに授業を行うことになりました。 

 

今から10年前のことですが、離れた地域をつないで中継しながら交流することが、まだまだ珍しい頃だったんです。高校生に、萩と東京など、多拠点を結んでコミュニケーションし、働くことができる環境をお見せしました。このこと自体が、萩の高校生たちにとって、未来をイメージできる価値ある取り組みでした。(萩での実証実験レポートP.21-22) 

 

これが呼び水となり、翌年には同市の明木中学校で、中学生への課外授業を行っています。高校での取り組みをご覧になった中学の校長先生から、熱心に直接依頼をいただきました。同じようなリモートの授業ではありましたが、実際に手を動かしてウェブをつくるという工夫を取り入れました。持参したパソコンと、東京にあるダンクソフトの本社を結んで、エンジニアと中学生たち15人程度が交流しながら、ダンクソフトのホームページの中に1ページ分の記事をつくるという授業でした。 

 

参加した生徒は大変楽しんで、大喜びでした。いまダンクソフトが「WeARee!(ウィアリー)」を使って支援している共同学習プログラムと同じような、インターネットによる町の紹介などの活動を行っていたのですが、中学生たちは、まさかウェブサイトを自分で作ることができるとは思ってもみなかったようです。そのデジタル体験は、彼らにとって大きいものでした。 

 

一方で、見ていた大人の先生たちは、遠巻きに見てあまり関心がない様子ではありましたが、生徒たちの活気のある姿を見て、こういうことが価値あることなのだと気が付いたはずです。これが、本プロジェクトを実施した意味だったと考えています。このときの写真は、私にとっても思い出深い貴重なものです。よかったら、こちらの萩実証実験レポートで、中学生と楽しそうな私の笑顔を見てみてください。 

インターネットと意欲さえあれば、国境を越えて学べる時代 

 

当時はスマホもタブレットも今ほど普及してなくて、リモートワークなどもほとんど知られていなかった時代です。デジタルに関わるリテラシーは、現在と明らかに違いましたね。 

 

ですが、いまの若い人たちは、インターネットを通じてあらゆる情報に上手にアクセスしています。インターネットがあれば、どこにいても、学び続けることができるようになりました。 

 

例えば、入社3年目となる当社の新卒スタッフは、中学生の頃、家ではスマホを持たせてもらえなかったそうです。そこで、親には内緒でスマホを入手。それが、「初めて文明に触れた感覚」を持てた経験となったというんですね。徳島で、家と学校の往復だけだったなかに、初めて都会の人と同じ情報に触れられて、世界が一気に広がった感覚を持ったと聞かせてくれました。彼は今も、徳島オフィスのスタッフとして、たくさんの情報に触れながら、自分を成長させる上で必要なラーニングを自発的に続けています。 

 

また、余談ですが、たまに観るおもしろいテレビ番組があります。『博士ちゃん』というのですが、毎回、大人顔負けの知識を身につけた子どもが登場します。たとえ若い人でも、意欲さえあれば、どこまでも学びを広げていける時代ですね。阿南高専の学生たちと話をすると、オンラインゲームの人気も、リテラシーの向上に一役買っている印象を持ちます。  

各地の生徒たちと関わり合って実感する、彼らの能力 

 

ID学園高等学校様 事例:
『高校生が地域に飛びだし、デジタル・スタンプラリーをつくる実践的な共同学習プログラムを開発 』https://www.dunksoft.com/message/case-idgakuen-wearee

最近も、ダンクソフトでは、若い人たちの支援に力を注いでいます。広域通信制高等学校であるID学園高等学校や、和歌山県田辺市の大塔中学校をはじめ、「WeARee!」を使ったさまざまな取り組みを進めています。このような活動を通じて、生徒さんたちと触れあう機会が私自身よくありますが、彼らからも、先にあげたリテラシーの高さをしばしば感じます。 

 

大塔中学校では、中学1年生でしたが、動画編集には慣れていて、簡単に動画編集をする様子を見せてくれました。一方で、情報を組み合わせてウェブをつくることは難しくて自分にはできないと、思い込んでいたようです。実際には、まちの魅力的な拠点を得意の動画で紹介するなど、「WeARee!」のデジタル・スタンプラリー機能を使って、ウェブ上にすてきなデジタル・スタンプラリーをつくってくれました。 

 

それに加えて印象的なのが、人前で発表するというプレゼンテーション能力に長けていることですね。おそらく練習をしているとは思うのですが、大人数の前で物怖じすることなく、しっかり自分の意見を伝えることができて驚きます。昨年12月には大塔中学校1年生のみんなが、田辺市の市長、観光協会会長の前でプレゼンテーションを行い、大成功だったそうです。 

 

※ この写真は保育園から承諾を得て掲載しています。

ぐっと年齢が若くなりますが、先日、ダンクソフトが関わっている「神田藍の会」の関連で、保育園の子どもたちに話をする機会がありました。2~3歳ぐらいの子供たちとの時間はまた、とても楽しいものでした。保育園の子供たちが大きくなって、地域をデジタルで支える人たちになってもらえる日が来るかもしれません。  

なぜダンクソフトはボランタリーに取り組むのか? 

 

これらの学生たちとの取り組みを、ダンクソフトではボランタリーに行っています。それは、これらの活動は、ダンクソフトの「グランド・ナラティブ(ビジョン)」を実現していくための、貴重な機会になると考えているからです。また、取り組みに関わっているメンバーたちも、実際にさまざまな刺激を得ているようです。 

 

メンバーたちは、学生たちの習得スピードの速さ、成果物の品質の高さに驚いています。一方、「WeARee!」のスタンプラリーに関わる機能について、「このような機能はあまり使わない」など思わぬ提案を受けることがあります。ランキングが分かるようにしたらおもしろいのではないかという大人からの提案に対して、競いあう必要はないので、なくてよい、とコメントがあったそうですよ。このように気づかされることも多く、アプリケーションの改善や、次の製品開発に向けていろいろなヒントを得る機会にもなっています。 

 

学生たちから寄せられる改善ポイントを、その場ですぐに再度プログラミングして修正する様子を目の前で見せることもあります。そうやってリアルタイムでやってみせると、学生にとってはその姿が驚きでかっこよく見えるようで、「おー、すごい!」という反応が返ってきます。これにはスタッフもうれしいようです。自分のプログラミング・スキルを人に見せることも通常あまりないため、若い人たちからの純粋なフィードバックに励まされています。このように学生と触れ合うことで、自分の仕事の価値を再認識する効果もあります。 

 

話題はプログラミングなど技術的なことばかりではありません。たとえば、スタンプラリーをつくるために、飯能(埼玉県)の街を歩きながら、将来の進路などの相談を受けることもありました。それが刺激になって、ダンクソフトのメンバーにとってのやりがいにつながったようでした。ダンクソフトでは、徳島県の阿南高等専門学校をはじめ、高専の学生たちとの連携を、以前から進めています。メンバーたちからは、「阿南高専との取り組みをモデルに、もっと全国に広げていきたい」と意欲的な提案も聞かれるようになってきました。  

未来を構想し、対話し、学生たちから大いに学ぼう 

 

昨年のノーベル賞でAI分野の研究が席巻したように、未来社会でデジタルが果たす役割は、今後ますます高まっていきます。インターネットの広がりとともに、新たな知識をどこまでも貪欲に学べる環境がありますから、少し手を伸ばせばノーベル賞を目指せるような時代です。私たちをとり巻く環境は、多様性が認められ、一人一人の可能性が活かされて、上下構造中心ではなくフラットになってきています。そんななかで、デジタルの進化は、年齢や性差などに関係なく、平等にやってきます。そうなると、頭が柔らかく、たくさんの時間を持っている中学・高校の学生さんたちは、優位です。デジタルの進化からよい面を積極的に取り入れて、もっとクリエイティビティをあげていけると考えています。 

 

さらに、リモートワークなどの拡大によって、私たちは地域に暮らしながら活躍できる環境も整い始めています。地域企業と学生たちがつながれば、旧来のビジネスをリノベーションでき、事業継承といった課題も解決できる可能性があります。ダンクソフトは、「スマートオフィス構想」を通じて、若い人たちと地域企業の連携にも積極的に取り組んでいます。 

 

『事例:「学童保育サポートシステム」が運営を楽に便利に、石垣島の子供たちを笑顔に』https://www.dunksoft.com/message/case-hanamaru-kintone

数年前、当社のシステムを活用している沖縄・石垣島の学童クラブを訪れて交流する機会がありました。そのとき、私たちが学童をサポートするシステム開発を行っていることを知ると、小学生の子どもたちから、笑顔で握手を求められたんです(笑)。びっくりするとともに、すごく嬉しい気持ちになりました。島の子供たちと触れ合って、子供には未来があると痛感しました。 

 

日々ビジネスに携わっていると、視線がついつい大人に向きがちです。けれども、新しい変化は、若い人たちのあいだから始まります。私たちが彼らから学べることが、たくさんあります。学生たちと、今のうちから一緒になって関わっていることで、互いに刺激し、これからの時代感覚を持つことができます。どの企業・団体にとっても課題となっている人材採用の活性化を考えるなら、「まず彼らと語り合ってみること」からだと思います。将来の方向性を見誤らないためにも、彼らと出会い、対話すること。これは、これからをつくる経営者として実践したい、大切なことだと考えています。 

 

 

「地域企業再生チーム」を創る:心あるパートナーとともに

「地域企業」とは、地域に根差して地域に貢献する企業を言います。日本の場合は、中小企業であることがほとんどです。彼らは今、さまざまな課題に直面しています。解決するうえで、「デジタル」が欠かせないキイワードだと考えています。  



企業の店じまいが過去最大を記録 

 

ダンクソフトでは、2011年の東日本大震災以降、全国さまざまな地域で、地元の自治体や企業・団体と連携し、デジタルを活かした地域活性に取り組んできました。また、私自身が2代目の経営者で、創業社長からダンクソフトを事業継承し、40年の経営経験を積んできました。  

ダンクソフトの歴史はこちら
https://www.dunksoft.com/40th-history

ところが、データの示す日本の現状は逆で、いま地域から企業は姿を消し、事業継承もうまく進んでいません。  

帝国データバンクがこの1月に発表した、2024年の企業倒産の状況を見ると、全国どの地域でも、前年よりも件数が増加する傾向にあります。人手不足によるものが過去最大の件数、後継者がいないため会社を閉じるケースが、過去から2番目の水準の高さとのことです。こうした状況を見るにつけ、考えることがあります。  

それは、企業を閉じてしまうのではなく、企業を再生して存続させることについてです。  

参考情報:2024年の企業倒産は9901件、年間件数3年連続で大幅増 1万件に迫る ― 全国企業倒産集計2024年報(帝国データバンク プレスリリース) 

  

デジタルによる地域企業の再生へ 

 

地域の方々や、周りの経営者たちを見ていると、事業継承がうまくいっていないケースがありますよね。この現象は、地方になるほど多く、帝国データバンクのデータでも、事業継承ができずに会社を閉じるケースが増加しているのがわかります。中には、後継者不在を理由に、黒字でも、清算して片づけてしまう会社も出てきています。  

地域企業の再生について、地場の金融機関なども含めて、さまざまな方策を考えているようです。例えば、銀行が早期退職プログラムを作って、退職した銀行員の方たちが地域企業の再生に関与するケースが増えています。彼らはお金まわりのことには詳しく、会計には長けているかもしれません。とはいえ、必ずしも経営そのものや、ビジネス・スキームの見直しや刷新が得意なわけではありません。  

しかし、今日もっとも必要とされているのが、ビジネス・スキームの見直しや刷新であり、これをデジタル・トランスフォーメーション(DX)と呼んでいるわけです。

  

デジタル企業のダンクソフトからすると、現代に即した企業再生でいちばん有効なのは、「まずはデジタル化する」ことです。大幅なコストダウン効果があるからです。

 

そして、コストダウンによってできたお金を、これからをつくる活動、つまりもっとクリエイティブな領域に再投資することができるようになります。 

2019年にご支援した徳島合同証券様のケースで、まずペーパーレスからデジタル化に取り組みました。3週間という短期間で、社内に温存されていた7トンの紙を、半分の3.5トンにまで減らすことができました。この結果、700万円ものコスト削減になり、これを他の事業活動に割り当てることができるようになったんですね。 

また、地域企業の再生ではかならずといっていいほど人手不足の話が出てきます。これも、デジタルをうまく使うことで、バックオフィスやウェブ制作や経理業務を、かなり省力化することができます。すべて自分たちで持つ必要はなく、外と連携するのがこれからですから、少ない人数でも会社は運営できます。さらに、オフィスをデジタル化することで新しい世代の採用にもつながります。これは「スマートオフィス」の話なので、後ほどとりあげます。  

 

地域づくりのデジタル・パートナーに 

 

地域から企業がなくなれば、地域から活気がなくなっていきます。雇用される人の数も減少していきます。ところが、地域にいながら仕事を続けたい若者が、一定数、存在します。若い人たちが地域で活躍するために、受け皿となる、価値ある地域企業があることは、とても重要です。 

そこで、ダンクソフトは、「地域企業の再生」に取り組んでいきたいと考えています。  

地方の企業やコミュニティが抱える課題として、少子高齢化や、若い人たちが地域外に流出していることは広く知られています。この結果、慢性的な人手不足となっています。これは後継者問題にも影響します。くわえて、地域経済じたいが縮小傾向にあり、地域内でビジネスがうまく回らないことも、指摘されています。これからの地域課題をていねいに解消していくために、「デジタル化」は重要な手段です。  

しかし、活用してみたいけれど知識がない、どこから手をつけてよいのかわからない、という方が多いのではないでしょうか。  

これは地域の中小企業ばかりでなく、地域コミュニティを支援する団体にとっても、似た状況だと思います。地域の支援団体が、自分たちのメニューのひとつに、「デジタル化」を組み込むことによって、活動の幅が大きく広がります。ダンクソフトでは、地域のために活動する団体、企業、個人の方たちのデジタル・パートナーとなることで、中小企業を支援し、地域社会を活性化することに積極的に関わっていこうと考えています。  

 

企業と地域を再生する、ダンクソフトの「スマートオフィス構想」 

 

私たちは、世に先駆けて、2011年以降、地域企業の働き方改革をお手伝いしてきました。今日、「改革とは、デジタルを積極的に導入し活用することですが、私たちが提供する企業再生のカギ、それが「スマートオフィス」です。私たちがパートナーの皆さんと協働するにあたっても、この考え方を重視しています。  

「スマートオフィス」とは、インターネットやデジタル・ツールを積極的に活用して、どこからでも働くことのできる環境を整えたオフィスのことです。メリットとして、ペーパーレス・キャッシュレス・サインレスの3つをあげています。この3つを入口としてスタートすれば、企業にコスト削減だけでなく、新たな可能性が生まれます。  


たとえば、感度が高い地域の若者たちを惹きつけることは、そのひとつです。 

ダンクソフトでは、徳島県の阿南高等専門学校(阿南高専)の学生たちと、スマートオフィス構想をテーマとした勉強会を、リモートで数回行っています。昨年夏には、数名の学生たちがダンクソフトのインターンシップに参加してくれました。彼らと話をしていると、リモートワークをはじめ、新しい働き方への関心の高さがひしひしと伝わってきます。地元を離れずに働けることも、新しい働き方ですよね。いままでは大都市で就職するのが当たり前でしたから。  

実際、ダンクソフトでは同校の卒業生たちがインターン後に入社して、徳島のサテライト・オフィスで働いています。彼らは地元・徳島を離れずに働くことを希望しているメンバーたちでした。非常に意欲的で、未来志向で、すでに社内で重要な役割を担っています。 

デジタル・ツールを上手に取り入れて、快適で効率的な職場環境を実現し、リモートワークといった柔軟な働き方を提供する。地域企業は、オフィスをスマートオフィス化することで、地域の優秀な若者を惹きつけ採用し、彼らが力を発揮できる環境を整えることができます。これは既存のメンバーにも刺激を与えることになります。デジタル化は、地域企業の再生にとって最優先の経営課題、つまり、次世代の採用と既存メンバーの活性化につながっています。  

 

ネットで、対面で。対話と協働のための場づくりを 

 

「スマートオフィス」って、どんなイメージか? デジタル以外をあげると、それは地域のさまざまな担い手をつなぐ対話の場なんですね。これはインターネットだけでなく、リアルな場づくりも含みます。  

先ほど例に挙げた徳島合同証券会社様のケースでは、ペーパーレス化を入口にデジタル化を推進した結果、ワンフロア丸ごとスペースを空けることができました。現在、その空いた空間を活用して、地域の企業やクリエイターなどが交流できるサロンづくりを進めているようです。ただし、交流が機能するには、ただ空間があればいいのではなくて、異なる人々を結んでプロジェクトを展開する「インターミディエイター」が必要でしょうね。ダンクソフトはデジタル支援とともに、こうした場づくり支援にも力を入れています。  

ダンクソフトでは、昨年6月に本社を移転しまして、この新オフィスが、まさにそうした場づくりのショーケースとなっています。

 

ここは、ペーパーレス・キャッシュレス・サインレスをすべて実現しているのはもちろん、オフィスに外部の方が出入りしても問題ないセキュリティ環境になっているのですが、ここで、地元 東京・神田エリアの有志と一緒に、「神田藍の会」という活動を行っています。神田は、江戸慶長年間に紺屋町がうまれ、染物屋があり、明治期には、手拭いや浴衣の一大産地だったそうです。その神田で「藍(あい)」を育てることを通じてつながる、地域住民や地域企業のネットワークが次第に広がってきました。私たちの新オフィスでは、この「神田藍の会」に関連するさまざまなイベント開催を通じて、地域にどんどん顔見知りが増えています。そもそも人的なつながりが希薄な東京で、ベッタリした間柄ではないが、声がけのできる“顔見知り”が増えるのはよいことですね。 

また、オフィスをスタジオにして、「バザールバザールライブ」というコミュニティ・ラジオの生番組を、月1回くらいのペースで配信しています。このラジオも、地域の企業や住民の方々の集いの場になっています。  

このように、オフィスに地域関係者が集うような場づくりが進み、ダンクソフトという企業のまわりに、賑わいが生まれています。意図したわけではありませんが、ダンクソフトを応援して、好きになってくださる方々も、増えてきたように思います。ですが、こうした温かい関係はとても励みになるものですね。情緒的な意味だけでなく、創造的な意味でも、「関係づくり」は、地域企業再生のキイワードです。関係づくりがあって、持続可能性も、共進化も実現するわけですから。要するに、スマートオフィスが重要なのはそれが“関係づくりの拠点”だからです。徳島合同証券様やダンクソフトは、その一例です。  

 

「地域づくり」と「スマートオフィス」を支えるデジタル・ツール 

 

ここでは、「地域づくり」や「スマートオフィス」を支えるデジタル・ツールをいくつか手短にご紹介します。  

「未来かんり」や「日報かんり」は、実際にダンクソフト社内でも使用しているツールです。「未来かんり」はクラウド上に、経営に欠かせない情報を一元管理するので、無駄や手間を省き、少ない人数での運営や、離れたメンバー同士の連携をサポートします。「日報かんり」は、Outlookに予定を入れるだけで、勤務状況がデータベースに入り、勤怠管理ができます。スタッフ同士で日報をシェアする機能で、離れたところで仕事をするメンバーがいても、チーム力をあげられます。 

この他、「WeARee!(ウィアリー)」は、バーチャルツアーやARカメラを使ったコミュニティ・イベントを誰でも簡単につくれるサービスです。今、「WeARee!(ウィアリー)」をデジタル・スタンプラリーとして使う方が増えています。   身近なところでは、ダンクソフト本社の近くにある五十(ごとう)稲荷神社では、WeARee!の順番待ち管理機能が、御朱印受付からお渡しまでスムーズに行うために活用されています。  

これらは、観光地のような地域の「場所」を地図にプロットする事例ですが、ほかにも地域の「人」にフォーカスするのもいいですね。地域の人々を通じて、土地土地の魅力を再発見できるような仕掛けとしても活用できます。  

「ダンクソフト バザールバザール」は、様々なグループや会員組織を運営する人のためのクラウド・サービスです。自治会や、地域づくりの団体などにも、気軽に簡単に使っていただけます。コミュニティ運営の効率化やコスト削減はもちろん、団体・コミュニティをまたいで会員同士のマッチングができるんですね。なお、Googleのようにデータを収集することはありません。先にあげた「神田藍の会」をはじめ、さまざまな地域コミュニティで活用されています。  

 

デジタルは、人と地域の自由のために 

 

いくつかのデジタル・ツールを紹介しましたが、地域づくりのカギはやはり「ひと」ですね。これからの場合、とりわけ「対話と協働ができる人たち」と「若いひと」が重要だと思います。 

 

まず、「若いひと」のほうですが、これは単に年齢の若さを意味するのではありません。若い方の中にも古い考えをする方たちがいますし、逆に年齢が高い方で、思考が新しい方もいます。マインドが若々しく、学ぶことをやめず、たえず新しいことに挑戦している方々のことです。人口減少が言われますが、「考え方の若いひと」は、あらゆる世代にいるはずです。そうした地域の“若者たち”を結び、いつでもどこでも楽しく働ける自由人のネットワークから、地域づくりを広げていきたいですね。人と地域の自由のために、本来、デジタルがあるわけですから。 

 

もうひとつ、対話と協働ですが、ダンクソフトには「インターミディエイター」と呼ばれる有資格者が3人在籍しています。立場の異なる人々を結び、新たなプロジェクトを展開する、新しいタイプの媒介者です。多様性・複雑性の許容度を高めることや、対話と協働の作法を学んでおり、未来志向の場づくりを実践できるメンバーたちです。これからは彼らが中心となって、「地域企業再生チーム」ができることを期待しています。  

2025年 年頭所感:Go Innovation(イノベーションしよう)

新年あけましておめでとうございます。
2025年の年頭にあたり、ご挨拶申し上げます



▎2025年:よりよいものをインターネットにのせていく 

 

2025年。インターネットが一般的に使われるようになって、30年がたちます。新しい年を迎えて感じているのは、ようやくデジタルによるパラダイム・シフトが本格化するだろうということです。最近の音声認識や生成AIの進歩は、目に見える変化のひとつです。そのほかにも、スマートフォン対応はもちろんのこと、グラスなどのウェラブルなデバイスなど、デジタルや通信の進歩によって、人が持ち歩ける情報の量が格段に増えました。この先、ホログラムのような技術も出てきます。こうした細かい技術の積み重ねの先に、おそらくここ何年かのうちには、人と人をつなぐコミュニケーションのあり方が劇的に変わっていくはずです。それに先駆けて、私たちダンクソフトも、ビジネスを先へと進めていくフェーズに来ていると考えています。 

 

世界に目を向けると、各地で紛争が続いています。これらの紛争でもドローンやAIといった最新のデジタル技術が利用され、私にとって心苦しいニュースでもありました。その様子がソーシャル・メディアで、簡単にリアルな映像として私たちに届けられるようになったことが、戦争・紛争をより身近な問題に感じるようになった理由のひとつです。インターネットに偽情報や誤情報をのせて、情報戦も同時に行われています。AIが核兵器のように使用されることを視野に入れ、世界では抑止力となる政策が検討されています。だからこそ、ダンクソフトは、よりよいものをインターネットにのせていく。社会のために、デジタルをよりよい方向に活用していきたいと思っています。  

▎デジタルの魅力を、人間とコミュニティの活性化に 

 

ダンクソフトにとって、昨年はメンバーが入れ替わり、新陳代謝が進んだ年となりました。私は、この変化をとてもポジティブにとらえています。デジタル・リテラシーの高い中堅層が一段と成長してマネージャーを担うことになり、各チーム間の連携が今までになくスムーズになってきました。それにつられるように、スタッフ一人ひとりの成長がそこここでみられ、Co-learning(共同学習)が進みました。スタッフたちが活性化し、成長したとても嬉しい1年でした。(人間の活性化) 

 

もうひとつの変化としては、オフィスの在り方が変わりました。昨年6月に本社が移転しましたが、これは創業41年のなかで、12回目の引っ越しとなります。2024年はこの新しいオフィスを、コミュニケーションの場として活かして、さまざまなイベントを開催できるようになりました。 

 

オフィスは、もはや集って仕事だけをする空間ではなく、相互にコミュニケーションをするための空間になっています。ここにきて、ダンクソフトの特色でもあるコミュニティとのつながりや多様な人たちとの交流が、いっそう活発になっています。 

 

例えば、年2回の全社会議は、全国から神田の新オフィスに集まって実施し、チーム力の向上に寄与しています。 

 

夏には、以前から関係の深い徳島県から、阿南工業高等専門学校の学生たちがインターンシップの一環として本社にやってきました。こうした若い人たちとの出会いも、ダンクソフトにとっては大切な経験です。 

 

また、2011年の震災後から継続しているコミュニティ・ラジオの活動では、ダンクソフトが協働する「神田藍の会」の取り組みを通じて出会った人たちとともに、神田界隈の情報を発信し始めることができました。神田のある千代田区にはコミュニティFMがないことから、防災のテーマも視野に入れ、地域コミュニティづくりに寄与しているのではないかと考えています。 

 

デジタルの力をコミュニティの活性化に結びつけていくことは、私たちダンクソフトが取り組むテーマのひとつです。2025年は、東京や徳島だけでなく、新たな地域や、コロナ禍で控えめになった全国の地域の皆様との関係を、いまいちど結んでいきたいと考えています。デジタルが地域づくりや人づくりを支えるプロジェクトを、もっと増やしていきたいですね。(コミュニティの活性化)  

▎「褒めあう」文化を育む 

 

2025年は、新たな開発にも積極的に取り組んでいきます。そこで一つのヒントになったのが、昨年11月の全社会議で行った社内ピッチ・コンテストです。新しいビジネスのアイディアを募ったところ、メンバーたちからたくさんの提案が寄せられました。なかでも印象的だったものが、優秀賞を獲得した「褒める」という考え方を取り入れたサービスでした。ふだん仕事をしていると、業務やメンバーに対して不満を持ち出したり、あるいは批判するといったことはよくあります。そんな文化とは反対に、褒め合う文化を育むことが、世の中で求められるのではないかという提案でした。 

 

新しいソリューションとして提供するのか、既存のサービスに機能を追加するのかといった方針は、これからみんなで対話し、具現化していくフェーズにあります。いずれにしても面白いし、ユニークなチャレンジだと思います。企業内も、社会も、「ペナルティ」という考え方をベースにルール作りされることが多いですね。そこに「褒める」ことを取り入れたら、これはイノベーションです。「承認」は時代のテーマですから、推進する意義もあります。ですが、日本人は褒めることも褒められることにも慣れていないところがあります。まずはダンクソフトの社内で「褒め合う」ことを実践しつつ、そこからダンクソフトならではのプロダクトを生み出し、「文化的イノベーション」にまで広げていけたら楽しいですね。  

▎未来を先どりする「スマートオフィス構想」の展開 

 

さて、ダンクソフトが提唱し実践している「スマートオフィス構想」の推進にも、引き続き力を注いでいきます。 

 

コロナ禍を機に、遅ればせながら日本でもリモートワークが一気に拡大しました。しかし、最近、その反動もあってか、米国も日本でも、社員たちに出社を求める企業が再び増えているようです。けれども、私は長い目でみるなら、リモートワークをはじめとする「スマートオフィス」の動きは、これからも強まっていくと考えています。なかでも少子高齢化や地方創生、東京への一極集中といった課題に直面する日本にとって、分散型のワークスタイルは、重要な社会課題への解決策となるでしょう。 

 

実際、徳島の若い学生たちと話していても、地元に居ながらにして働けることや、リモートワークすることに、とても高い関心を持っていることを実感しています。これも、先ほど話した阿南高専に関連した話題ですが、昨年同校で学生向けの採用イベントが開催され、ダンクソフトも出展しました。大盛況だったと、担当したスタッフから嬉しいニュースが届いています。このような反響を通じて、柔軟な働き方ができること、好きな場所から参加できること、こうしたダンクソフトの提唱する「スマートオフィス構想」の話は、若い人たちを魅了するものだと手ごたえを感じています。 

▎Go Innovation(イノベーションしよう) 

 

北欧の小国エストニアは、世界に先駆けて電子国家に取り組む国として知られています。同国では、行政手続きのほとんどが電子化され、お金の流れもデジタル化した結果、企業ではわずらわしい決算業務が不要になっています。 

 

一方、日本に目を向けると、未だに旧態依然の仕組みのままです。企業間でのお金のやり取りは、「締め日」といった古くからのルールに縛られ、デジタル上では瞬時に済むようなお金のトレーサビリティのために、多大な労力と時間が投じられています。お金は、“経済の血液”といわれます。その血流が滞っているようでは、企業も、そして社会も暮らしも前へと進んでいきません。ダンクソフトのソリューションを活かせば、自社の環境をエストニアのようにすることができるでしょう。「スマートオフィス構想」をはじめ、ペーパーレスやテレワークを早くから推進してきたダンクソフトならではの知見と取り組み、つまりデジタル・イノベーションを通じて、社会の未来に一石を投じていけたらと思っています。  

▎Digital、Dialogue、Diversityで、明るく楽しい未来へ 

 

今回の話を考えるにあたって、昨年の出来事をいろいろ振り返り、とても嬉しかったことをひとつ思い出しました。全社会議で、各メンバーの健康づくり(ウェルネス)が話題になり、大いに盛り上がったことでした。仕事だけでなく、余暇時間にもみんながユニークなことに熱中していて、それらを楽しく共有できる環境がある。ダンクソフトが目指しているチームの在り方に、着実に近づきつつあると実感しています。 

 

この春には、新卒の新入社員が2名加わる予定です。採用活動には今後もさらに力を入れていきます。メンバーたちの多様性を活かし、対話を継続することで、さらにインクリメンタル・イノベーション(漸進的イノベーション)を起こせるような環境づくりを目指します。 

 

ダンクソフトは、2025年も、ユニークで楽しいさまざまな取り組みを展開していきます。当社だけでなく、お客様、パートナー、連携団体の皆様とともに、じっくり対話し、協働していきたいと考えています。そして、「明るく楽しいデジタル」を、みなさんとさらに実現する年にしていきます。 

 

株式会社ダンクソフト  
代表取締役 星野 晃一郎