明るく楽しいデジタルの未来をつくる ─ ダンクソフトのグランド・ナラティブ─

7月から、ダンクソフトの新しい年度(42期)がスタートしました。42期を迎えるにあたり、ダンクソフトは12回目の本社移転を行いました。神田と秋葉原の丁度あいだに完成した新築の複合ビルへ。この新しいオフィスを起点に、デジタルによって、明るく楽しい未来をつくっていこうと考えています。 

 

そこで今回は、ダンクソフトの5年後の姿をまとめた「グランド・ナラティブ(大きな物語)」をご紹介します。この物語は、私たちが目指す4つの「未来」から構成されています。  



┃未来像1:Project と Tech School の融合 ─オフィスと働き方の未来─ 

 

まずお話ししたいのは、オフィスの未来、働き方の未来です。 

 

今回、新しい場所への本社移転を決めたことも、未来のイメージに近づくためのひとつといえます。その未来イメージのひとつめが、“「Tech School」と「Project」が融合するオフィス、働き方の未来”です。 

 

一人ひとりが「学ぶこと」は、ダンクソフトにとって生命線です。 

 

テクノロジーの進歩はますます加速します。テクノロジーのみならず、私たちを取りまくビジネス環境も、創業時の40年前とは様変わりしているように、これからますます変化していくでしょう。 

 

こうした未来環境に対応するため、また、未来に先んじて innovative な動きをつくっていくためには、スタッフ一人ひとりが、自らのスキルや知識を深め、広げていくための時間が大切になります。常に“先駆者の精神で、学び続ける”ことが大事です。そこで、「Tech School」というイメージを、みんなで具現化していきたいと考えています。 

 

昨年度を振り返ると、社内では、労働基準法をより意識したため、業務内の「学びの時間」を確保することが難しいチームもありました。今年度からは、スタッフたちの学びの場や時間を改めて確保できるようにしていきます。その結果、個人として、またチームとしてのさらなるレベルアップを目指します。 

 

このとき、社員のみならず、社内外のメンバーたちが関わりあいながら、学びあっていくような、ダイナミックな学びの機能をイメージしています。この新しいオフィスや、オンラインを介して、人々が集い、交流しながら、「Tech School」のイメージをつくりたいものです。 

 

その表れのひとつは、数年前から行っている阿南工業高等専門学校との協働プログラムです。高専の教員や学生とプロジェクトを実施し、開発チーム マネージャーの竹内は、阿南高専で授業を担当しています。こうした高専とのつながりを有機的に発展させていくことも、「Tech School」という未来イメージのひとつです。 

 

 「Tech School」が会社全体の活動の3分の1を占めるとするなら、残る3分の2で、「Project」を推進します。「Tech School」で得られた技術力や提案力を、「Project」に活かしていきます。 

 

今までを振り返ると、ダンクソフトの場合、お客様とともに新しいビジネスにチャレンジしていく案件が多いのが特徴です。これまでにも、建設会社の工程設計、弁護士事務所向けの銀行業務にまつわるペーパーレス化など、その業界での仕事の進め方を劇的に変革するようなProject を数多く手がけてきました。 

 

ダンクソフトの社名は、バスケットボールの「ダンクシュート」に由来しているのですが、これはゲームの流れを変える劇的なショットを意味します。ダンクソフトは設立から 41 年の間におよそ 3 万件を超える案件を手がけてきました。これらの大半が、社名を反映した新しい価値を提供し、それまでの流れを変えるような Project です。 

 

テクノロジーとビジネスを、ともに学びあい(Co-Learning)ながら、新たなサービスを構築し、お客様や、さらにその先のお客様に喜んでいただく。そこからまた、次のProject が生まれることで、社会に新たな価値のさざ波を広げていくことができると考えています。   

┃未来像2:スタッフが成長する未来 ─採用と成長、そしてコミュニティとともに─ 

 

2つ目の未来は、「スタッフが成長する未来」です。スタッフたちの成長は、いつでも現在進行形ですから、「スタッフが成長している未来」と表現するのが、より正確なのかもしれません。 

 

ダンクソフトの採用情報はこちらをご覧ください。

まず、今もこれからも、ダンクソフトでは採用に力を入れていきます。人口減少が進むなか、質の高いスタッフを確保していくことは、企業にとって重要課題です。 

 

ダンクソフトでは、採用時に大事にしていることがいくつかあり、なかでも、「Polyvalent(ポリバレント)であること」を、重視しています。 

 

これは、これからの人材に求める大事な条件です。もともとサッカー用語で、さまざまなポジションを担える人材を言います。ダンクソフトの場合、たとえば、ウェブ・デザイナーがプログラミングを覚えてプログラマーとなることもありましたし、プログラマーが全社イベントを運営・実施したり、会計業務にも携わったりすることもあります。 

 

ひとつのポジションに固定されずに、興味・関心を広げていければ、一人ひとりがさらに成長する機会を得られます。 

 

また、採用して終わりではなく、その先に大事なフェーズがあります。それが、スタッフが「成長しつづける」環境を用意することです。 

これが「採用と成長」と明記する理由です。 

 

最近、日本のスポーツ界でもチームのあり方が変わってきましたよね。以前は、監督が主役で、選手はその指示どおりに動くことが常識でした。そうではなく最近では、選手たちがお互いに話しあい、意思疎通して、局面ごとに動くようになってきています。 

 

ダンクソフトは、このような「クリエイティブ・ワークチーム」という考え方で仕事を進めることを奨励しています。つまり、①スタッフたちが「対話」と「協働」を中心に Project を進め、②Co-Learning しながら互いに成長し、そして③みんなで創造的なアイディアを出しあいながら、柔軟性の高いチームとして、Project を展開していくことを目指しています。 

 

最近では、企業に求められる事柄が多くなりました。たとえば、SDGs といった社会課題への寄与、ワークライフバランスなど働き方改革、防災の観点では災害発生時に地域と共助することなどが期待されています。これからの企業は、地域社会と連携し、コミュニティの一員として関わることになります。 

 

このことは、スタッフたちが成長していくうえでの機会だと考えています。私たちはこれからも地域や社会に参加し、互いに支えあう姿勢を大事にしていきます。  

┃未来像3:地域づくりと関係づくり ─パートナー、若者とともに─ 

 

3つ目の未来は、「地域づくりと関係づくりの未来」です。ダンクソフトは、これまでも地域とのつながりを大切にして、一緒になってさまざまな協働関係を生み出してきました。このような取り組みを、さらにさらに広げていきたいと考えています。 

 

初回は、当時のダンクソフトのオフィスから公開生中継。動画はこちらからご覧いただけます。

2011 年 2月 1 日から、ダンクソフトは、コミュニティ・ラジオでの番組放送を始めました。

もともと、中央区からワークライフバランスに関する受賞をうけたことがきっかけで、中央区のコミュニティ・ラジオ「中央エフエム」で、子育て支援番組をスポンサーすることになりました。

その経験から、地域に情報がいきわたること、地域をデジタルで結ぶことが不可欠だと考え、番組をスタートすることになりました。

「バザールバザールライブ」という生番組は、それ以来、月 1 回くらいのペースで、ゲストを招きながら、放送を重ねています。 

 

今後は、この新しいオフィスをスタジオにして、ここから放送することを計画しています。千代田区はコミュニティ・ラジオを持っていないため、中央エフエムの番組に情報を載せることで、千代田区のお役にも立てると考えています。番組収録時には、リスナーの皆さんを招くことも可能です。番組を通じてつながりができた人たちと、さまざまなタイプの活動を進め、「地域づくりと関係づくり」を広げていきます。 

 

また、地元との関わりということでは「神田藍の会」をはじめて、今年で3年が経ちました。神田を中心とするエリアの有志メンバーが集まり、日本の伝統的な植物である「藍(あい)」を育てています。藍が結ぶ、地域住民や企業のネットワークです。神田明神も参加していますし、今年は、武道館の目の前にある千代田区旧庁舎のベランダでも、藍を育てています。地域にどんどん顔見知りが増えて、安全・安心な街づくりにも貢献してきた実感があります。布を藍の葉で染める生葉染めイベントも、ダンクソフトのオフィスで行っています。先日は、千代田区のまちづくり協議会から、2 年連続で表彰されました。 

 

AST倶楽部(旧ACT倶楽部)については、こちらをご覧ください。

東京・神田だけではありません。ダンクソフトがサテライト・オフィスを構える徳島県との関わりが年々深まっています。阿南市にある阿南高専の学生や先生、OBなどと一緒に「AST倶楽部(旧ACT倶楽部)」を運営するなど、地域の皆さんと一緒にいろいろな活動を進めています。地域を離れることなく、地元に居ながらにしての働き方を支援しています。これはダンクソフトが提唱する「スマートオフィス構想」の実践の場でもあります。 

 

このように、地域づくりを通じて得られた知見やネットワークもまた、ダンクソフトの新しいProjectを生み出す大切な基盤になっていきます。   

┃未来像4:需要づくりの未来 ─スマートオフィス構想で人々を幸せに─ 

 

最後にお話しする未来は、「需要づくりの未来」です。50 周年に向けてダンクソフトが成長し続けていくため、そして、さらにお客様や社会に貢献していくために、考えていることです。 

 

まず、オフィスのイメージを、ProjectとTech Schoolの融合に近づけていくことで、着実な成長を目指します。 

 

これに加えて、新しいオフィスを「SmartOffice Labo」のショーケースにし、「ペーパーレス」・「キャッシュレス」・「サインレス」を訴求して、新しい需要をつくっていきます。実際、新しいオフィスに引っ越してから、SmartOffice としての姿がより鮮明になったと感じています。このオフィスで出る1年間の紙の書類は、わずか段ボール箱半分くらいのものです。すべて数えても、総量は6箱分ぐらいと、少ないですよね。 

 

そして、ダンクソフトでは、「デジタル・デバイドの解消」から「コミュニティの活性化」へ、というストラテジーを掲げています。これらを推進すれば、デジタルが生活の中にとけこむとともに、私たちはもっと幸せを実感して暮らせるようになるでしょう。 

 

そのために、ダンクソフトは、製品の組み合わせや連動を進めて、もっと製品やサービスを使っていただきやすくすることをプランしています。 

 

近い将来、ウェブ・サービスやインターネットをベースにして、既存のサービスを組み合わせることを視野に入れています。「ダンクソフト・バザールバザール」や「WeARee!(ウィアリー)」など、ダンクソフトのサービスが、さらにさまざまなシーンで利用できるようにしていきます。 

 

さらには Microsoft Partner Network や kintone Cafe といったテクノロジー・コミュニティを活用して、ビジネスの輪をさらに大きく広げていきます。 

 

新しい需要をつくっていくために、これまで以上にパートナーたちとの協働にも力を入れていきます。なかでも私がフォーカスしたいと思っているのが、「若者」との協働です。ここでいう若者とは、単に年齢が若い人という意味ではなく、いくつになっても考え方が若く、遊び心を持ち続けている人たちのことです。 

 

これまでも、さまざまな地域で、多様な人たちと一緒にコミュニティづくりに取り組んできました。さらに多種多様なパートナーたちとのネットワークを構築し、デジタル・デバイドのないコミュニティづくりを進めていきたいと考えています。   

┃明るく楽しい、デジタルの未来に向けて 

 

私は、この「需要づくりの未来」について、「明るく楽しいデジタルの未来」というサブテーマをつけています。 

 

これからはデジタル・テクノロジーがもっと身近になり、私たちはオフィスばかりでなく、家庭でも、デジタルの持つさまざまな便利さや楽しさを実感していくでしょうね。 

 

たとえば、いま私は新しいオフィスに引っ越してきたばかりで、旧オフィスのベランダに、育てている藍やバラの植木鉢をまだ置いたままにしてあります。そこで、IoTのデバイスを使って、遠隔にある植物たちをリアルタイムで見守れる仕組みをつくりました。 

 

また、家庭内でも、ちょっとしたテクノロジーを使って、カーテンの開け閉めや、照明のオン・オフが、フリーハンドで行えるようにしてあります。 

 

ひと昔前なら最先端といわれるようなデジタル・システムも、誰もが安価に、簡単に実現できる時代になっているのですね。 

 

こんな明るく楽しいデジタルの未来を、皆さんと一緒につくっていこうとしています。 

 

デジタル社会はまだ始まったばかりです。設立 50 周年を迎える 2032 年に、ダンクソフトはどのように成長し変化して、皆さんとどんな協働をしているのか。いまから本当に楽しみです。