新年あけましておめでとうございます。
2025年の年頭にあたり、ご挨拶申し上げます。
2025年 年頭所感:
Go Innovation(イノベーションしよう)
もくじ
▎2025年:よりよいものをインターネットにのせていく
2025年。インターネットが一般的に使われるようになって、30年がたちます。新しい年を迎えて感じているのは、ようやくデジタルによるパラダイム・シフトが本格化するだろうということです。最近の音声認識や生成AIの進歩は、目に見える変化のひとつです。そのほかにも、スマートフォン対応はもちろんのこと、グラスなどのウェラブルなデバイスなど、デジタルや通信の進歩によって、人が持ち歩ける情報の量が格段に増えました。この先、ホログラムのような技術も出てきます。こうした細かい技術の積み重ねの先に、おそらくここ何年かのうちには、人と人をつなぐコミュニケーションのあり方が劇的に変わっていくはずです。それに先駆けて、私たちダンクソフトも、ビジネスを先へと進めていくフェーズに来ていると考えています。
世界に目を向けると、各地で紛争が続いています。これらの紛争でもドローンやAIといった最新のデジタル技術が利用され、私にとって心苦しいニュースでもありました。その様子がソーシャル・メディアで、簡単にリアルな映像として私たちに届けられるようになったことが、戦争・紛争をより身近な問題に感じるようになった理由のひとつです。インターネットに偽情報や誤情報をのせて、情報戦も同時に行われています。AIが核兵器のように使用されることを視野に入れ、世界では抑止力となる政策が検討されています。だからこそ、ダンクソフトは、よりよいものをインターネットにのせていく。社会のために、デジタルをよりよい方向に活用していきたいと思っています。
▎デジタルの魅力を、人間とコミュニティの活性化に
ダンクソフトにとって、昨年はメンバーが入れ替わり、新陳代謝が進んだ年となりました。私は、この変化をとてもポジティブにとらえています。デジタル・リテラシーの高い中堅層が一段と成長してマネージャーを担うことになり、各チーム間の連携が今までになくスムーズになってきました。それにつられるように、スタッフ一人ひとりの成長がそこここでみられ、Co-learning(共同学習)が進みました。スタッフたちが活性化し、成長したとても嬉しい1年でした。(人間の活性化)
もうひとつの変化としては、オフィスの在り方が変わりました。昨年6月に本社が移転しましたが、これは創業41年のなかで、12回目の引っ越しとなります。2024年はこの新しいオフィスを、コミュニケーションの場として活かして、さまざまなイベントを開催できるようになりました。
オフィスは、もはや集って仕事だけをする空間ではなく、相互にコミュニケーションをするための空間になっています。ここにきて、ダンクソフトの特色でもあるコミュニティとのつながりや多様な人たちとの交流が、いっそう活発になっています。
例えば、年2回の全社会議は、全国から神田の新オフィスに集まって実施し、チーム力の向上に寄与しています。
夏には、以前から関係の深い徳島県から、阿南工業高等専門学校の学生たちがインターンシップの一環として本社にやってきました。こうした若い人たちとの出会いも、ダンクソフトにとっては大切な経験です。
また、2011年の震災後から継続しているコミュニティ・ラジオの活動では、ダンクソフトが協働する「神田藍の会」の取り組みを通じて出会った人たちとともに、神田界隈の情報を発信し始めることができました。神田のある千代田区にはコミュニティFMがないことから、防災のテーマも視野に入れ、地域コミュニティづくりに寄与しているのではないかと考えています。
デジタルの力をコミュニティの活性化に結びつけていくことは、私たちダンクソフトが取り組むテーマのひとつです。2025年は、東京や徳島だけでなく、新たな地域や、コロナ禍で控えめになった全国の地域の皆様との関係を、いまいちど結んでいきたいと考えています。デジタルが地域づくりや人づくりを支えるプロジェクトを、もっと増やしていきたいですね。(コミュニティの活性化)
▎「褒めあう」文化を育む
2025年は、新たな開発にも積極的に取り組んでいきます。そこで一つのヒントになったのが、昨年11月の全社会議で行った社内ピッチ・コンテストです。新しいビジネスのアイディアを募ったところ、メンバーたちからたくさんの提案が寄せられました。なかでも印象的だったものが、優秀賞を獲得した「褒める」という考え方を取り入れたサービスでした。ふだん仕事をしていると、業務やメンバーに対して不満を持ち出したり、あるいは批判するといったことはよくあります。そんな文化とは反対に、褒め合う文化を育むことが、世の中で求められるのではないかという提案でした。
新しいソリューションとして提供するのか、既存のサービスに機能を追加するのかといった方針は、これからみんなで対話し、具現化していくフェーズにあります。いずれにしても面白いし、ユニークなチャレンジだと思います。企業内も、社会も、「ペナルティ」という考え方をベースにルール作りされることが多いですね。そこに「褒める」ことを取り入れたら、これはイノベーションです。「承認」は時代のテーマですから、推進する意義もあります。ですが、日本人は褒めることも褒められることにも慣れていないところがあります。まずはダンクソフトの社内で「褒め合う」ことを実践しつつ、そこからダンクソフトならではのプロダクトを生み出し、「文化的イノベーション」にまで広げていけたら楽しいですね。
▎未来を先どりする「スマートオフィス構想」の展開
さて、ダンクソフトが提唱し実践している「スマートオフィス構想」の推進にも、引き続き力を注いでいきます。
コロナ禍を機に、遅ればせながら日本でもリモートワークが一気に拡大しました。しかし、最近、その反動もあってか、米国も日本でも、社員たちに出社を求める企業が再び増えているようです。けれども、私は長い目でみるなら、リモートワークをはじめとする「スマートオフィス」の動きは、これからも強まっていくと考えています。なかでも少子高齢化や地方創生、東京への一極集中といった課題に直面する日本にとって、分散型のワークスタイルは、重要な社会課題への解決策となるでしょう。
実際、徳島の若い学生たちと話していても、地元に居ながらにして働けることや、リモートワークすることに、とても高い関心を持っていることを実感しています。これも、先ほど話した阿南高専に関連した話題ですが、昨年同校で学生向けの採用イベントが開催され、ダンクソフトも出展しました。大盛況だったと、担当したスタッフから嬉しいニュースが届いています。このような反響を通じて、柔軟な働き方ができること、好きな場所から参加できること、こうしたダンクソフトの提唱する「スマートオフィス構想」の話は、若い人たちを魅了するものだと手ごたえを感じています。
▎Go Innovation(イノベーションしよう)
北欧の小国エストニアは、世界に先駆けて電子国家に取り組む国として知られています。同国では、行政手続きのほとんどが電子化され、お金の流れもデジタル化した結果、企業ではわずらわしい決算業務が不要になっています。
一方、日本に目を向けると、未だに旧態依然の仕組みのままです。企業間でのお金のやり取りは、「締め日」といった古くからのルールに縛られ、デジタル上では瞬時に済むようなお金のトレーサビリティのために、多大な労力と時間が投じられています。お金は、“経済の血液”といわれます。その血流が滞っているようでは、企業も、そして社会も暮らしも前へと進んでいきません。ダンクソフトのソリューションを活かせば、自社の環境をエストニアのようにすることができるでしょう。「スマートオフィス構想」をはじめ、ペーパーレスやテレワークを早くから推進してきたダンクソフトならではの知見と取り組み、つまりデジタル・イノベーションを通じて、社会の未来に一石を投じていけたらと思っています。
▎Digital、Dialogue、Diversityで、明るく楽しい未来へ
今回の話を考えるにあたって、昨年の出来事をいろいろ振り返り、とても嬉しかったことをひとつ思い出しました。全社会議で、各メンバーの健康づくり(ウェルネス)が話題になり、大いに盛り上がったことでした。仕事だけでなく、余暇時間にもみんながユニークなことに熱中していて、それらを楽しく共有できる環境がある。ダンクソフトが目指しているチームの在り方に、着実に近づきつつあると実感しています。
この春には、新卒の新入社員が2名加わる予定です。採用活動には今後もさらに力を入れていきます。メンバーたちの多様性を活かし、対話を継続することで、さらにインクリメンタル・イノベーション(漸進的イノベーション)を起こせるような環境づくりを目指します。
ダンクソフトは、2025年も、ユニークで楽しいさまざまな取り組みを展開していきます。当社だけでなく、お客様、パートナー、連携団体の皆様とともに、じっくり対話し、協働していきたいと考えています。そして、「明るく楽しいデジタル」を、みなさんとさらに実現する年にしていきます。
株式会社ダンクソフト
代表取締役 星野 晃一郎