「ペーパーレス化」で 6期連続の赤字からV字回復

ダンクソフト「ペーパーレス・ストレッチ」の導入をきっかけに、6期連続の赤字からV字回復をとげ、その後、5期連続の黒字化を達成した企業がある。徳島県に本社をおく、徳島合同証券株式会社様だ。オフィスのペーパーレス化をきっかけに、社員の意識と働き方を変革し、環境への取り組みを通じて、“新たなはじまり”をつくり続けている。今回は、この取り組みと、その後の効果について特集する。

徳島合同証券株式会社 泊健一社長

徳島合同証券株式会社 泊健一社長

7トンの紙で溢れていたオフィスを社員の力でスマートに

 徳島合同証券の泊社長とダンクソフトが出会ったのは、6年前の2013年だった。 

「ダンクソフトの星野社長と私が出会った当時、当社は6期連続赤字で業績は伸び悩んでいました。各社員が、お客様の個人情報を紙で保管しており、オフィスを見渡すと、机、キャビネットなどあらゆるところに紙が溢れていました。必要なものなのかさえもわからない状況でした」と、泊社長は6年前の状況を振り返る。

 デジタル・テクノロジーを活用することで、オフィスのペーパーレス化が実現でき、それが社員の意識改革につながることを、星野から聞き知った泊社長は、ダンクソフトの「ペーパーレス・ストレッチ」を導入することを決意した。ダンクソフトの徳島サテライトオフィスから、竹内など数名のスタッフが支援に入り、徳島合同証券とのプロジェクトがはじまった。

まずは、社員個人デスクの書類を断捨離することからスタートした。机や引き出しの中のモノを全て出し、必要だと思うモノだけ自席へ持ち帰る。これを繰り返し行い、続いて、同じプロセスを社内の共有物にも適用していった。 

しかし、ある時点まで来ると、必ず常識が邪魔をして捨てられずに残るものがある。その山を前に、徳島合同証券の社員は、竹内のディレクションのもと、改めて「本当に必要なものはどれか?」の検討を続けた。

このように、社外からの「ダンクソフトという第3者の目」が入ることが功を奏した。社員ひとりひとりが今まで当たり前と思いこんでいた業務を見直し、改めて考えるきっかけができたのだ。

「最初は、捨ててしまったらどうなるのだろうと心配していましたが、ダンクソフトさんが実践していらっしゃる通り、書類を捨ててみると何も困りませんでした。心配するだけ無駄でした」と、泊社長は笑いながら回想する。

業務を見直し、社内に温存されていた3.5トンの紙を廃棄

 結果として、3週間という驚異的なスピードで、社内に温存されていた7トンの紙を半分の3.5トンにまで減らすことができた。また、社員それぞれが別々に管理していた個人情報を一元化し、コピー機やFAXを利用する頻度を下げることで、紙の量を劇的に削減することに成功した。PCを利用する際に2つのモニターを用意し同時に使う“ダブルモニター”にすることで、紙に出力することが不要になった。各自が持っていた備品を減らし共有利用することで、オフィスのモノが減った。最終的には、嬉しいことに、700万円ものコスト削減になり、これを他の事業活動に割り当てることができるようになった。

「ダンクソフトさんに教えていただいたペーパーレスを実践したおかげで、オフィスがすっきりと整頓されました。また、それだけにとどまらず、連動して、社員ひとりひとりの頭の中がスッキリと整理され、働く意識が変わったのです。さらに、いつかはやってくる地震などの災害に備え、BCP(事業継続計画)にも対応することができました。ひとつの真理は、あらゆることに応用できるのですね」

 泊社長が実感したのは、ペーパーレスの取り組みが、同時に複数の課題を解決することにつながるということだった。

 オンライン朝礼を実現したデジタルによる業務改革

 ペーパーレス化と同時に6年前に導入したのが、サイボウズ社のクラウド型業務用アプリケーションであるkintoneだ。それまでオフィスでは、長年、当たり前のようにホワイトボードを使って手書きでスケジュールを共有していた。kintoneの導入により、重要な情報や各社員のスケジュールがクラウド上で共有され、一目でわかるようになった。

「スケジュールや情報共有が楽にできるので、ストレスのない働き方ができるようになりました。例えば、社員が同じ方面へ移動する場合、共に車で移動するなど、環境負荷も減らすことにつながっています。オンライン上で重要なことも共有できるので、BCP対策としても活用できています」

 さらに、もうひとつ、ダンクソフトからのアドバイスではじめたことがあるという。それは、マイクロソフト社のSkype for Businessを活用した“オンライン朝礼”だ。今までは、支社で働く社員が本社へ移動し、朝礼に参加していた。Skype導入により、支社の社員は本社への移動が不要になり、オンラインで朝礼へ参加できるようになった。 

「直接金融を通じて人々の生活の向上を支える企業を応援する」を経営理念に掲げている徳島合同証券では、長期投資の意義を、10-20年以上かけて社会に浸透させていくことが求められる。そのため、社員一人ひとりと理念を共有することがとても重要になる。朝礼にどこからでも参加できるようにしておくことは、会社の未来をつくることにつながるのだ。今後は、長期投資に関する成功事例の社員間の共有や遠隔地のお客様とのコミュニケーションに、Skypeの活用を検討している。」

徳島合同証券株式会社 泊健一社長

徳島合同証券株式会社 泊健一社長

「環境保護」や「SDGs」への取り組みを重点分野に

 泊社長は、このペーパーレス・プロジェクトをきっかけに、業績を大きく伸ばし、その後も5期連続の黒字化を達成している。星野から聞いた「環境にいいことは、経済的合理性がある」というコメントを、身をもって実感した泊社長は、さらに環境へ関心を寄せるようになっていった。実際に、金融と環境保護を融合していく試みを展開していくうちに、さまざまな方面から声がかかるようになっていた。徳島県の環境系委託事業、太陽光ファンドを活用した地域活性化活動などもその一部である。

 しかし、今もなお、環境に配慮することが事業への負担を大きくすると考える企業はまだまだ多い。だからこそ、泊社長は、ペーパーレス化を通じた自らの経験から「環境への負荷を減らすことで、経済的な利潤も生まれる」との確信を、徳島県の多くの企業に拡げていきたいと考えている。

 そのような中で出会ったのが、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の考え方だ。これに共感し活動しているうちに、気がついたら、周囲からの後押しで「とくしまSDGs未来会議」の副会長に選ばれていた。徳島県内の経営者や大学教授、民間団体の代表ら16人が発起人となり、2019年6月15日に設立された組織だ。泊社長は、副会長として、徳島県内の企業や大学、団体などさまざまな立場の方々を結び、徳島においてSDGsを推進していく。

「SDGsを推進することで、今まで株式投資に無縁だったお客様が、持続的な発展に貢献する企業への投資を考えるきっかけをつくることができます」

 泊社長は今、SDGsと金融の親和性について、大変注目しているそうだ。大切な資産を、環境分野の企業に投資するお客様が増えるよう、媒介となる徳島合同証券自体がさらに信頼される企業となることを目指している。秋までに、生物多様性の保全に取り組むNGOから、企業で初めて認証を受けられるよう、準備も進めている。 

一歩先の新たな視点を取り入れ、次の展開をつくる

 ペーパーレス化とBCPの次の一手として、泊社長はいま、サイバー・セキュリティに取り組んでいる。クラウドファンディングのプラットフォーム事業に力を入れていくためには、お客様にとって安全な環境をつくることが大切となるからだ。同時に、社員のセキュリティ・リテラシーをあげていくことも必須だ。そして、理念や取り組みを社外にも共感され、より信頼される企業となるように、ウェブサイトのリニューアルも計画中である。次の一手を考えるとき、いつもそこにはダンクソフトの存在がある。

「ただIT導入をしているだけでなく、物事の真理を教えてもらったように思います。自分でもまだ見えていない、思わぬ新しい視点をいただけるのが、ダンクソフトとの関わりではないでしょうか。特に星野さんからは、目から鱗が落ちるようなことを教えていただいていて、それならやってみよう、という気になります。今日も、いつかオンライン・セミナーをやりたいとお話をしたら、いつかじゃなくて今すぐにでも簡単にできますよ、と、思いがけないアドバイスをいただいたばかりです。」

 実は、昨年、星野が松江商工会議所でテレワークセミナーを実施した際に、泊社長はSkypeで登壇し、ペーパーレスの事例紹介をすでにしていたのだ。

  インクリメンタル・イノベーション(漸進的イノベーション)を実践し続けているダンクソフトだからこそ、プロジェクトを通じて、対話をしながら、徳島合同証券にも少しずつ持続的にイノベーションを起こしていくきっかけや気づきをご提供できるのだろう。泊社長は、「長期投資は、10年から20年ほどの長い時間をかけて繰り返しやっていくことなので、大手証券会社が取り組むのは、なかなか難しいことです。我々は、それが可能で、確実に実績を出しています。kintoneやSkypeは、長期投資をやっていく上でとても役立っているツールです。これからも、長期投資を通じて、環境に取り組む企業を応援し、持続可能な未来をつくるために、まだどこもやっていないことにチャレンジしていきたい」と、今後への想いを力強く語った。

 

業務改善ソリューション

 

導入テクノロジー

  • Office 365

  • Skype for business

  • Microsoft Intune

  • kintone

 

徳島合同証券株式会社

「直接金融を通じ人々の生活の向上を支える企業を応援する」の経営理念のもと、日本株式のスペシャリストを目指す、徳島を元気にする金融商品を創る、全社員の雇用と徳島の森林を守るという3つの経営方針により、徳島になくてはならない証券会社を目指します。

http://www.tg-sec.co.jp/