#2024

スマートオフィスは「伝票」のペーパーレス化から:カギは「一元化」

「スマートオフィス」とは、インターネットやデジタル・ツールを積極的に活用して、仕事をラクにし、どこからでも働くことのできる環境を整えたオフィスのこと。

私たちダンクソフトが提唱している、これからの企業の在り方です。

これまで何回かお話をしてきましたが、今日はもう少し踏み込んで、実践に向けてのファースト・ステップを紹介します。 



ペーパーレス化のはじまりは、紙類の分類から 

「オフィスのスマートオフィス化」をしようと思い立った時、皆さんなら、どこからはじめますか。ダンクソフトは、「ペーパーレス化」からはじることを、おすすめしています。 

 「ペーパーレス」というと、その言葉の響きから、何もかも紙をオフィスからなくすものと考え、たいへんそうに思う人も多いかもしれません。しかし、職場にあふれる紙は、実際にはいくつかのタイプに分類されます。段階的に手をつけていくことで、スムーズにスマートオフィスへと変身します。 

 手始めに、オフィスにある紙類を見渡してみてください。 

オフィスの紙類は、大きく2種類に分けられます。ひとつは「書類」。日々いろいろな文書を作成していますよね。もうひとつは、「伝票類」です。この2つのうち、大事なのは「伝票類」のほうです。 

伝票とは、入金伝票・出金伝票・振替伝票・仕入伝票・売上伝票など、金銭の出入や取引内容などを記入する、一定の様式を備えた紙のことです。取引についての責任を明らかにして、後の証拠ともなる、経営にとって大事な書類です。見積書・納品書・請求書・領収書など、取引先とやり取りする帳票類も含めます。 

これらが、なぜ企業にとって大事な紙類かというと、企業を存続していくために大事な情報だからです。また最終的に税務署に証明するため、トレイサビリティを高めて、わかりやすくしておかないといけないですよね。 

「書類」ももちろん大事で、スマートオフィスにするためには、インターネット上にのせていく必要があります。ですが、今回は、より重要で、スマートオフィス化の入り口に最適な、「伝票類」をどう扱えばいいかについて、お話ししていきます。   

「伝票類の一元化」が、成功の秘訣 

情報理論のなかに、「Integrity(インテグリティ)」という考え方があります。データを正確にそろった状態にしておくことをいいます。 

しばしば完全性と訳されますが、いうならば「一元化」です。情報を扱うときには、「Integrity」(一元化)を最初から念頭において、情報の構造をつくることが大事です。 


どういうことでしょうか? 

21世紀に入って、会社内でも、ひとり1台のパソコンが持てるようになりました。つまり、一人ひとりExcelやAccessなどが使える環境ができました。 

ただ、これによって逆に、データが一元化されず、バラバラになる現象が加速したともいえるんですね。この結果、経理システムはなんとなくあっても、それぞれが手元で作ったデータをまとめる作業に手間がかかることになりました。 

(ちなみに、もし、ファイルが電子化されていないこと、つまり伝票類を「紙だけ」でやり取りをしていて、デスクの周りや棚に積み重ねているとしたら、これは要注意です。)

 ためしに、皆さんが取り扱う伝票を集めて、見てみてください。実は、入力されている情報は、似ている情報ばかりだということに気が付きませんか。 

 お客様の名前、社内担当者の名前、何にお金を使ったのかという情報。

これらには、品目がでてきて、いくつあったのか、それらがいくらだったのか、単価がいくらで、掛け合わせるといくらで…、という情報が複数行あって、日付が添えられます。 

つまり、人・モノ・金・時間に関する情報です。社内の経費精算についても大体同じような表現ですし、見積書や請求書も同様です。  

さらに、伝票そのものが、社内外のあちらこちらに伝わっていきます。たとえば、見積書の内容が、のちに納品書になり、請求書にかかれて、領収書が作られます。 

伝票の名前はそのたびに変わっていきますが、基本的に入力されているデータは、「同じ」データです。最初に入れたデータがのちにも使われることさえわかれば、最初から構造を考えてデータの一元化をしておけば、とても楽になるわけです。  

「ペーパーレス、キャッシュレス、サインレス」の、セットで解決できる 

ところが、インテグリティ(一元化)を意識していない会社は、とても面倒な作業に悩まされています。そのうえ、データの集計を誤る可能性もあります。  

たとえば、期末になると部門ごとにデータを集めて合計しますよね。このとき、合わないデータ・正しいデータを精査する作業に、数週間かかってしまったりもします。

 

最近では、RPAというロボットが登場しています。 Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略で、人間に代わって高度な作業をするものです。 

例えば、RPAを導入すれば、情報を持ってきて転記するようなこともできるという話がありますが、これを企業が導入するには、高度な運用ための人材が必要になるので、まずはどなたでもできる取り組みやすい一元化から着手するほうが賢明でしょう。  

ということで、日ごろの業務のなかで、一人ひとりが、伝票をいかにひとまとめにしていくか、意識することがミソ。もともと一元化されていたら、データは二重化、三重化することはありません。  

このように、伝票を一元化すると、保管する紙類が大幅に減って、オフィスが見違えるようにすっきりしてきます。 

それだけではありません。社員たちがこれまで手間暇かけてやっていた大量の作業が減り、クリエイティビティを発揮する仕事により多くの時間を使うことができます。 

これが、「スマートオフィスは伝票のペーパーレス化から始めよう」と日頃からお話ししている1番の理由です。  

また、デジタルによってできることは、ペーパーレスだけではありません。キャッシュレス、サインレスも同時に実現できます。 

私は、この3つ「ペーパーレス、キャッシュレス、サインレス」は、スマートオフィスを実現する上では、ワンセットだと考えています。 

仕事のなかの手間やムダをとりのぞき、その分の時間を、もっと必要なこと、もっと創造的なことに使えるようになるからです。もちろん、仕事を早く終え、その分、休暇や自由な時間も楽しむというメリットもあります。 

日本でよくある光景(1):データのばらつき(マイナンバー・カードを例に) 

 

ただ、実際には「一元化」が阻まれるケースもあります。ここには、日本特有の事情がいくつか見られます。  

ひとつは、日本語表記です。文字データを扱う人やモノのデータは、慎重な配慮が必要です。これには、日本のコンピュータ環境ならではの問題があります。 

もしも、「田中一郎」という同姓同名の社員がいる場合、各人を明確に分けられるようにする必要がありますよね。  

また、「タナカイチロウ」「タナカイチロウ」といったように、全角・半角の両方で表記できてしまうので、これも統一する必要があります。  

特に「人」についての情報は、データの根幹となるものですから、徹底した管理が求められます。  

わかりやすいやり方が番号を用いるもの。政府が進めているマイナンバー・カードがよい例ですね。もっともマイナンバー・カードについては、その番号と情報の紐付けをめぐって、いろいろなトラブルが起こっていますが……。  

日本特有のコンピュータ環境を理解して、データのばらつきを抑え、一元化されたデータ基盤をしっかりつくっておかないと、デジタル化を進めたつもりでもすぐに頓挫したり、思わぬトラブルに直面してしまうことがあります。   

日本でよくある光景(2):Accessの光と影 

Excelよりも大量のデータを扱える、かつて爆発的に流行ったデータベースソフトがあります。それが、マイクロソフトのデータベース管理ソフト「Access」(アクセス)です。  

実は、世界的に見ると、Accessは、日本ばかりでもてはやされたソフトウェアだったんです。 

日本語環境で使い勝手がよかったですし、素人さんでもデータベースのアプリを自分のパソコンでつくることができました。そのためか、今でも利用している会社が日本では多いのではないでしょうか。  

最近、ある中小規模の会社から相談をうけました。 

スタッフの中ではITにたけた人が、かつて十数年前に、Accessによる顧客管理データベースをつくったそうです。 

その後、その担当者が退職してからは、別の人が、わからないながらも機能を拡張してしまい、今では詳しく構造を把握する人がおらず、とても重くて使いづらいデータベースになってしまったとのことでした。要するに、簡単なデータ抽出をするにも時間がかかる事態になっているのだそうです。 

しかし、今もそのAccessベースのデータベースを使い続けていて、大事なお客様情報が何万件も保存されています。 

さらに、別の部門ではまた別の顧客データベースを使っていて、会社として、「一元化」ができていない状況とのことでした。うちも同じような状況だ、という会社さんも、多くいらっしゃるのではないかと思います。  

また、これはExcelでもいえることですが、こういうビジネス・ソフトで大切なデータを保管していると、セキュリティ面で重大な問題が起こる可能性があります。 

インターネットで社内システムと社外が簡単につながるような現代では、個人情報が盗まれたり情報が漏えいしたりするリスクが、あちこちに潜んでいます。 

これでは業務の合理化どころか、会社として社会的な信頼を失ってしまう、深刻な事態になりかねません。  

ダンクソフトは実際、どんな風に一元化しているか 

かくいうダンクソフトは、1998年に日本で初めてAccessが登場した時に、マイクロソフトと組んで、「義理かんり」という顧客データベースのソフトをつくりました。 

これが爆発的に広がったんですね。ソースコードを公開したこともあり、当社の「義理かんり」をベースに、自社でデータベースをつくった方々も多かったんです。  

Accessムーブメントの一端をつくったのは、ダンクソフトかもしれません。 

当時はそれが最先端でしたが、今では、時代にあわせて、企業の社会的信頼を守れるようなシステムの在り方を、皆さんに提案しています。  

実際、世の中では、プライバシーマークの取得などもすすみ、プライバシーマークがないと取引ができない案件も出てきています。 

ただ、特に小さな企業や団体は、こうした大事な分野に予算を使うことを渋ります。 

デジタル化は、目になかなか見えづらい部分なので、後回しになりがちです。事故が起こってからでは遅いため、早めに対策することがよいでしょう。  

ダンクソフトの「未来かんり」というソリューションでは、人・モノ・金・時間を安全に「一元管理」ができます。 

仕掛・見積から受注、納品、請求、入金回収までの流れを、ビジネス案件ごとに一気通貫に見える化できます。 

伝票に含まれる情報をどれだけ再利用できるか。またそうすることで、これまで当たり前だと思っていた作業時間をどれだけ短縮できるか、ということを考慮して、開発されています。 

目に見えないところで、みなさんの作業を肩代わりしてくれる縁の下の力持ちです。 

「未来かんり」の大きな特徴は、未来の予定を入れられるということです。お客様のなかに、2年先、3年先の予約をとるビジネスをされている企業様があるため、単年度のみならず、未来のデータを入れられる仕組みとして開発しました。 

1998年にお客様の社内システムとして開発したものをベースに、何段階かの開発フェーズを経て、2008年から「未来かんり」として製品化しました。  

小さな企業や団体こそ「スマートオフィス化」でクリエイティブな経営を 

スマートオフィスが目指すのは、日々のムダを省き、働き方を新しくし、社員たちの意識を新しくし、誰もが快適に、やりがいを持って仕事に取り組める「環境づくり」にあります。 

確かに、ペーパーレス化によって、大量の紙がなくなり、オフィスの景観が一変しますが、スマートオフィスづくりは、そうした景観や空間デザインの話にとどまりません。  

どこから手を付けていいか、あきらめている方も多いかもしれませんが、ご関心のある方は、ぜひダンクソフトにご相談ください。 

今後は、今よりもっと採用難・人手不足になっていくことが予想されますね。そんななかでも、デジタル化された、これからの働き方ができるスマートオフィスに変身しておけば、若いマインドを持った方々に興味をもってもらえる機会が増えると考えています。 

少ない人数でも、効率よく仕事にあたり、一人ひとりがクリエイティビティを発揮できる余地が生まれます。 

規模が小さい企業や団体こそ、これからますますクリエイティブな経営が求めると考えています。自分たちの現在と未来のために、ダンクソフトと一緒に、スマートオフィス化の流れをつくっていきましょう。 


CROSS TALK:ポリバレントで、学び続ける人に出会う場 ─ダンクソフトの人材ポリシー

ダンクソフトでは現在、Web開発に携わるメンバーを募集しています。そこで今回のコラムでは、Webチームの若手スタッフをはじめとするダンクソフト・メンバーがクロストークします。ダンクソフトならではの働き方や、やりがい、求める人材像など、ダンクソフトの考える採用について、語り合いました。 


<プロフィール>  

▎星野 晃一郎    

代表取締役 

星野晃一郎の未来の物語   
『SmartOffice Adventure ─ ぼくらは人がやらないことをやる ─ 』
https://www.dunksoft.com/40th-story-hoshino

▎竹内 祐介

開発チーム マネジャー  / 2012年入社 

徳島県出身。地元のソフトウェア会社に10年間勤務した後、ダンクソフトに入社。地元・徳島に拠点を置きながら、開発チームを統括する。 

竹内祐介の未来の物語
『ふるさとの未来を創る』 
https://www.dunksoft.com/40th-story-takeuchi 

▎尾形 祐哉 

Webチーム /2021年入社 

アパレル系企業に勤務した後、ダンクソフトに入社。以来Webエンジニアとして経験を積む。  


 ▎ダンクソフトの「多様性」を尊重するマインドに共感した 

 

星野 尾形さんはダンクソフトに入社して何年になりますか? 

尾形 2021年に入社したので、今は3年目です。 

2023年11月 神山まるごと高専の皆さんとダイアログ

星野 ダンクソフトの中では一番ファッショナブルだと評判です。昨年、徳島の神山まるごと高専の学生さんたちとダイアログした際に、ファッションをほめられていましたよね(笑) 

竹内 前職はアパレル系の会社だったのですよね。そもそもどのような理由でダンクソフトに入社したのですか。 

尾形 前職はファッション・ブランドの店舗で、店長を任されていました。業務の中で、販売管理のアプリケーションを使う機会があり、それがきかっけでWebサイト制作に興味を抱くようになりました。これから大きく伸びる分野で、自分の可能性を試してみたいなと。 

でも、ITについてはまったく経験がなかったので、前職を辞めてから自分なりにWeb制作を勉強し、フリーランスのような形で少しずつ仕事を始めました。その際に、自分で首都圏にあるWeb制作ができる企業をリストアップしたんです。そのリストにダンクソフトも入れていて、採用ページを見てコンタクトしました。いま思うと、運命的な出会いでしたね(笑)。 

星野 ダンクソフトのどんなところがよかったですか? 

尾形 前職を辞めたタイミングで実は体を壊してしまい、体力に少し自信がなかったんです。自宅で働けるような仕事を望んでいて、その点、ダンクソフトは、リモートワークについては、それこそ日本でも先駆け的な会社ですから。 

また、働き方も含め「多様性」を尊重する文化にも共感しました。採用サイトにかかれていたスタッフ・ダイアログのなかに、「プログラミングのスキルはもちろん大切だけど、自分たちは“人となり”を重視したい」という言葉があって、印象的でしたね。 

 

 ▎各人のスキルや特性、将来目指すことに合わせて、学びの場をつくっていく 

 

星野 尾形さんは入社以来Webチームにいて、短期間にめざましく成長している印象がありますね。どのようなステップで技術を学んできたのですか? 

尾形 Webについては、入社前にそれなりに自分で勉強してきたつもりでしたが、やはり最初はわからないことばかりでした。そんな自分のレベルに合わせて、入社後しばらくは通常の業務とは別枠で、業務時間内に新しいことを学ぶ時間を用意してもらえました。これはすごく心強かったですね。また、業務の方も私のレベルアップに合わせて、少しずつ難易度の高い開発を任されていく感じで、気を配ってもらっていたように思います。このように学びと実践の相乗で成長できたと感じています。 

竹内 ダンクソフトの場合、大きな企業と違って、画一化された研修制度はありません。むしろ、もっと柔軟な学習環境があります。入社してきた各人のスキルや特性、将来伸ばしていきたい方向性などに合わせて、学びの場をつくっています。それもダンクソフトのよいところだと思いますね。 

尾形 私の場合、先輩スタッフがぜんぶを伝授するのではなく、ヒントをもとに自分で考える機会をつくってくださったんです。自分は考えることが好きなので、このやり方がマッチして、それがまたレベルアップにつながったと感じています。 

竹内 「考えることが好き」というのは大事なポイントですね。ここでの業務は、ただ言われたことを考えずにやるだけということだと、物足りないと思います。プロジェクトを進めるうえで、自分から積極的に自律的に考えられる人はいいですね。 

尾形 入社して以来、楽しく学ばせていただいています。というのも、自分にとって、この学びのプロセスは何かゲームと似ている感覚があるんです。次のステージに行くためには、こんなスキルや能力が必要となる、ならば学ぼう。そしてステップ・アップして達成感を得て、さらに次のステージへ……。そんな感覚です(笑)。 

竹内 その感じ、私もわかります。仕事そのものが楽しければ、学ぶことも苦にならないですよね。例えば、趣味でも同じかなと。私はマラソンに、星野さんはテニスにずっと熱中していますが、上手になりたいと思って新しい道具の情報を集めたりすることは、“たいへん”というよりも“面白い”ですよね。ダンクソフトの仕事には、そんな感覚があるように思いますね。 

 

 ▎デジタルを活用して互いに支え合い、協働していく文化がある 

 

星野 先ほど尾形さんはダンクソフトの魅力として「多様性」をあげていましたね。 

尾形 ダンクソフトの多様性については入社してみて、また改めて驚かされました。想像以上でした。子育てをしながら仕事をしている人もいるし、それこそ星野さんや竹内さんのように趣味にも熱中していて、ワーク・ライフ・バランスよく働いている人たちもいます。 

星野 そもそも働いている場所も国籍も多様ですし。竹内さんは徳島ですし、実家に戻って香川から仕事をしているメンバーや、いまはフランス人のスタッフが日本で暮らしながらダンクソフトで仕事をしていますね。 

尾形 ダンクソフトでは、こうした多様な働き方をサポートする制度も整っているんですよね。これは自分にとって想定外なことだったのですが、入社してしばらく経ってから、家族の介助のために仕事を休まなければならない状況になりました。この時も、介護休暇制度を活用して上手く家庭と仕事を両立することができ、助かりました。 

竹内 このような福利厚生制度についてもダンクソフトはいち早く取り入れてきましたよね。 

星野 デジタルを活用して仕事を効率よく進め、その分で生まれた時間を充実させていこうというのは、そもそもダンクソフトの根本的な考え方なんですよ。生まれた時間を新しいものを見たり学んだりする時間に充てていただきたいと、いつも話しています。好きなことを追求する時間が増えれば、感受性が豊かになって、クリエイティビティがあがり、仕事にもよりよい影響を及ぼすと考えています。 

このようなダンクソフトのポリシーは、2010年に東京都から「ワーク・ライフ・バランス認定企業」に選出されるなど、社会からも注目されてきました。 

竹内 さらにスタッフ自らが検討して、就業規則を自律的にアップデートさせています。例えば、これまでは「育児介護休暇」といった枠組みでしたが、もっと適用範囲を広げようと、2024年4月から「家族支援休暇」という形に改善しました。今までは家族の病気や介護では休めましたが、お子さんの入学式や卒業式などは入りませんでした。これを見直して、家族にまつわるほぼすべての支援については、休暇が取れるようになりました。 

星野 制度もさることながら、ダンクソフトには、デジタル技術を上手く活用してお互いに支え合い、協働のもとに仕事を進めていこうという文化があります。これもダンクソフトならではの特徴だと思いますね。 

 

 ▎自らの可能性に挑んでいく「ポリバレントな人材」に出会いたい 

 

星野 今回、ダンクソフトでは、WebデザイナーやWebエンジニアを採用したいと考えていますが、Webチームにいる尾形さんとしては、どんな人と一緒に働いていきたいと思っていますか?  

尾形 そうですね。プログラミングのスキルといったものはあるに越したことはないですが、ダンクソフトの場合、しっかり学ばせてもらえます。ですので、入社してからいくらでも学ぶチャンスがありますから、それほど気にする必要はないかもしません。それよりも、先ほどから話題に出ている「学び続けること」や、「自分から積極的にコミュニケーションがとれる」前向きな人が向いている会社だと感じています。 

星野 仲間と仕事をするにしても、お客様とやりとりするにしても、コミュニケーションは基本となる能力ですからね。一方で、コミュニケーションのためのデジタル・ツールもどんどん進化しています。デジタルに興味を持って積極的に取り込んでいくことも、これから必要となるコミュニケーション能力の一環だと考えています。 

マネージャーという立場にある竹内さんはどんなダンクの人材像を思い描いていますか。 

竹内 私は、ダンクソフトの魅力のひとつに、「ポリバレントな働き方」ができる環境があると思っています。「ポリバレント」というのは、状況や場面に応じて、フレキシブルに多様な役割を果たせる人のこと。ダンクソフトにはWeb以外にも、システム開発のプロジェクトもあります。これからは、Webとデータベースがもっと融合したようなプロジェクトも増えていくでしょう。2つのチームの枠組みにとらわれない業務もたくさんあります。新しく入ってきたメンバーの意欲やスキルに応じて、新しいチームが誕生する可能性だってあるわけです。 

星野 そうですね、これまでチャレンジし続けてきたように、これからも、社会の動きに先んじて、またメンバーたちの成長をみながら、会社も働き方もさらにどんどん進化させていこうと考えています。 

竹内 むしろ、先にダンクソフトが好きで、気に入って入社して、あとから仕事の内容を相談して考え、対話しながら決めていくような入社の仕方があってもいいと思っていますし、そういう方に参加してもらえたらいいなと。 

尾形 いま「ポリバレント」という言葉が出ましたが、自分自身が目指しているのがまさにそんなキャリアアップです。現在はWebチームにいますが、もっと全社的な業務に携わるのも面白そうですし、将来はマネジメントにも関心があります。 

星野 それは頼もしいですね(笑) 。 

竹内 ダンクソフトは会社そのものが柔軟ですし、規模もさほど大きくありません。大きな企業にいると、部分だけ担当して定年まで過ごすこともあると思います。ここでは、経営者に近いような視点で会社運営を知ることができるんですよね。エンジニアとしてばかりでなく、全社的な仕事やプロジェクトに挑めるチャンスもあります。尾形さんにはぜひチャレンジしてほしいですね。 

星野 40周年を経て、さらに50周年に向けて、メンバーそれぞれが、さらにアップデートしていく局面にいます。ですのでダンクソフトに、多様な働き方をしながら、もっと各人の能力を存分に発揮できる環境をつくろうとしています。そうすることで、一人ひとりの集合態であるダンクソフトがより善くなっていくと考えています。私たちと一緒に新しい変化を生みだしてみたい意欲あふれる人との出会いを、楽しみにしています。 


Web開発に携わるメンバーを募集しています。
ダンクソフトの採用情報は
こちらをご覧ください。

スマートオフィス化を妨げる2、3の思い込み:スマホができれば誰でも実現できる

スマートオフィス化を妨げる2、3の思い込み:スマホができれば誰でも実現できる

デジタルに苦手意識を持つご年配の方の中には、スマートオフィスと聞くだけで敬遠しがちの人も多いのではないでしょうか。ですが、実は、日々使っているスマホを操作できるくらいの知識さえあれば、実現できるものなのです。 

なぜ、今、「スマートオフィス」なのか? 若い人たちを惹きつける未来のオフィス

私たちダンクソフトは、「スマートオフィスづくり」に先駆的に取り組んできた企業です。最近では、この言葉をだいぶ耳にするようになりました。2008年から実証実験をはじめた私たちの、豊富な経験や知見をもとに、スマートオフィスのつくり方を何回かのコラムにわけて紹介していこうと思います。 

 

第1回目は、なぜ今スマートオフィスなのか?という背景と、最初のステップとなる「ペーパーレス化」についてです。どの企業にとっても深刻な課題である若いスタッフの採用・定着においても、実はスマートオフィスはとても有効なチャレンジです。 



▎先駆者であるダンクソフトが考える「スマートオフィス」とは? 

 

「スマートオフィス」とは、インターネットやデジタル・ツールを積極的に活用して、どこからでも働くことのできる環境を整えたオフィスのことです。 

働く人がどこに住んでいても、たとえ子育てや介護で通勤が難しくても、まるで隣り合わせの机に座っているようにスムーズにコミュニケーションをとり、効率よく仕事をすることができます。 

 

この「スマートオフィス」の概念を、私が意識するようになったのは、今から20年近く前、2000年代の初めだったと思います。あの頃、私は中小企業の経営者が集まった勉強会に加わり、今でいう「サテライト・オフィス」のような試みを各地で行っていました。 

 

それがひとつの形になったのが2008年です。静岡県の伊豆高原に、若い人たちが自然の遊びを体験できるような拠点を設け、そこに私たちダンクソフトの社員が常駐して、テレワークの実証実験を始めました。 

しかし、当時はまだWeb回線が不十分で、ファイル送信すらじれったいような状況だったため、なかなか実用段階には届きませんでした。 

 

当時のサテライト・オフィス実証実験の様子

その後の歩みについては、他のコラムなどでも紹介しているので詳しくは触れませんが、2011年、徳島県神山町に本格的なサテライト・オフィスを開設するなど、ダンクソフトは「スマートオフィス構想」を実現するために、常に先頭を切って取り組んできました。 

創業から40年が過ぎた2024年現在、ダンクソフトは東京・神田にオフィスを持っていますが、ふだんここにいるのは私ひとりです。残り20名強のスタッフは、全員がリモートワークをコロナ後も継続しています。ときおり、リフレッシュのためにオフィスに来て仕事をするメンバーもいます。外国人スタッフも2人います。多様な個性と能力を持つメンバーたちが、さまざまな街で暮らしながら、一緒に働いています。 

 

このように先駆者として歩んできた私たちが感じていること。それは、今こそスマートオフィスを、全国の企業で実現すべきだということです。それが働き方を変え、企業を変え、さらには地域社会や日本の社会を前進させていくきっかけになると考えています。 

2024年は、その大きな転換点となるはずです。  

▎若い人たちの感覚とオフィスの実態とのギャップは深まるばかり 

 

では、なぜ今こそスマートオフィスなのか? その理由は、現在の若い人たちの感覚と、日本のオフィスの実態がかけ離れ、その乖離が限界近くにまで達してしまっていることにあります。 

そのギャップは、中小規模、あるいは地方の企業ほど深刻ではないのでしょうか。 

 

今の若い人たちは、デジタル・ネイティブと呼ばれるように、幼い頃からインターネットやスマートフォンを当たり前に利用してきた世代です。一方、今のオフィスはどうでしょうか? パソコンの利用が進んできたとはいえ、そのほとんどは個々の業務に限定され、デジタル化というには、ほど遠い状況です。管理職の人たちのリテラシーも高いとはいえません。 

 

そんな企業に、期待に胸膨らませて入社してきた若いスタッフの気持ちを想像してみてください。彼らは自分たちの能力が発揮できない環境を目の当たりにしてがっかりしてしまいます。ヤル気をなくすだけならまだよい方で、辞めてしまうこともよくあります。 

 

これは企業にとって大きな痛手です。デジタルに慣れ親しんだ若い世代からこそ多くを学ぶこと(「リバース・メンタリング」)、のみならず、お互いに学びあうことが、イノベーションへとつながります。そしてこれが、会社の成長の原動力となっていくわけです。 

 

私は現在、徳島県の阿南高等専門学校の生徒たちと、スマートオフィスをテーマとした勉強会をリモートで月に数回行っています。彼らと話していると、新しい働き方への期待をひしひしと感じます。特に地域の若者のなかには、地域にそのまま残って仕事をすることを希望している人たちもいます。 

 

少子高齢化が進む今、若いスタッフの採用や定着は、どの企業にとっても最優先で取り組まなければならない経営課題です。その課題を解決し、スタッフと事業の成長につなげていくために鍵を握るのが「スマートオフィス」です。   

▎スマートオフィスへの第一歩はペーパーレス化にあり 

 

スマートオフィスといっても、どこから手をつけてよいのかわからない……。そう悩んでいる経営者の方も多いかもしれません。しかし、第一歩を踏み出すことはけっして難しいことではありません。 

私は、このような相談に対して、まずはオフィスから紙をなくすこと、つまり「ペーパーレス化」から始めましょうと提案しています。なぜなら、紙が少なくなれば、オフィスの見た目が変わります。そこから働き方が変わり、社員の意識まで変化していくからです。 

 

あらためて目の前のオフィスの様子を見渡してみてください。 

デスクの上にはたくさんの書類が積み重なり、そのデスクを取り巻くように置かれた棚にも、さまざまな書類や資料であふれかえっている——。 

このような環境では、仕事の効率も高まりません。採用面接でオフィスを訪れた若い人たちが、その光景を垣間見て、果たして自分の将来を託せる会社だと思うでしょうか。 

 

『事例:「ペーパーレス化」で 6期連続の赤字からV字回復』はこちらをご覧ください。
 https://www.dunksoft.com/message/2019/7/22/-6v 

これもダンクソフトとゆかりの深い徳島県での事例ですが、デジタル化による業務改善を支援したことがあります。その会社は証券関係ということもあって、まさにオフィスは紙であふれかえるような状況でした。そこでまずペーパーレス化から始めたところ、最終的には自社ビルの1フロア丸ごとスペースを空けることができました。ペーパーレス化が業務改善にもつながり、業績も上向きになりました。 

 

「デジタル化は、エコノミーとエコロジーの両立を生みだす」と、私は機会あるごとに、そうお伝えしています。まさにそれを証明する事例だと思います。 

 

徳島合同証券株式会社 泊健一社長 のインタビューもご覧いただけます。

▎伝票や帳簿のデジタル化は、想像するよりもずっとカンタン 

 

ペーパーレス化について、もう少しだけ具体的な話をしたいと思います。なかでもまっ先に取り組むべきは、業務に関わる伝票や帳簿のデジタル化です。 

たとえば、経費の精算にしても、領収書を整理して申請書類に書き込み、上司の承認を得て、さらに経理担当者へ……というように、そのプロセスはたくさんの手間と紙を必要とします。これらを電子化することによって、業務は画期的に効率化し、オフィスの姿も変わっていきます。ペーパーレスばかりでなく、判子がいらなくなって、「サインレス」、さらには「キャッシュレス」も推進できるんですね。 

 

しかも、このようなデジタル・システムの導入は、想像するよりもずっと簡単です。最近では、使い勝手がよく、安価なクラウド・サービスが数多く提供されています。 

ダンクソフトでは、そのひとつである「kintone(キントーン)」を利用しています。その結果、20名強のメンバーがいる会社であるにもかかわらず、総務・経理の専任者は不要という仕組みをつくり出しています。  

キントーンを活用したプロジェクト事例『受注者・発注者という枠を超え、アイディアを出しあい実現した「働き方改革」』はこちらをご覧ください。

ある財団法人では、「キントーン」を活用してデジタル化を進めたところ、それまで煩雑だった、出張の申請・承認や経費の精算といった業務を大幅に効率化することができました。そればかりでなく、稟議の階層を減らすなど、組織のあり方とワークフローが変わることで、次第に個々人の意識まで変化していきました。これも、ダンクソフトが支援したスマートオフィスの事例のひとつです。  

▎ペーパーレス化が進めば、組織も意識も自ずと変化していく 

 

経費の精算をはじめ「社内稟議に関わる決済の仕組み」は、人・お金・情報という、企業の根幹に深く関わります。その根幹のところをデジタル化していくことで、まずは、「ペーパーレス」や「業務の効率化」がおこります。これにとどまらず、組織の構造も、オフィスの形も、そして風景も、働く人たちの意識に変化をもたらすことができます。実はこれら一連の変革こそが、スマートオフィスが目指す大きな目的でもあります。 

 

いくぶん改善されてきたとはいえ、日本企業の組織は、まだまだ階層の多いピラミッド型が主流です。一方、デジタルの世界はインターネットに象徴されるように、タテ構造や上下序列ではなく、ウェブ状、つまり多数多様なグループがつながりあう、柔軟な「アミの目の関係」が基本となります。社内でデジタル化に取り込んでいくことで、これをきかっけに、組織は自律・分散・協働型に、そしてコミュニケーションも自ずとフラットになっていくはずです。 

 

ダンクソフトのペーパーレス・ストレッチについては、こちらをご覧ください。
https://www.dunksoft.com/papaerless 

こうしたデジタル化の取り組みは、インターネットを介して社外と連携し、新しいビジネスを生み出していくためにも、もはや待ったなしの、とても重要なチャレンジとなります。その第一歩が、ワークプレイスのペーパーレス化です。 

 

とはいえ、長年慣れ親しんだ組織の形を変えていくことは簡単ではないと考える人も多いのではないでしょうか。そこで次回のコラムでは、スマートオフィスという変革に向き合うためのマインドについてお話したいと思います。 

 

 

A NEW HOPE(2024年 年頭所感):若い人たちとワークプレイスをデジタル化する未来


2024年の年頭にあたり、
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。


このたびの能登半島地震により被災された方々、そのご家族のみなさまに心よりお見舞い申し上げます。

▎ワークプレイスのデジタル化を 

2021年9月、日本にようやくようやくデジタル庁がつくられました。同時期にオリンピックが行われ、コロナ禍を経て、日本企業にもデジタル化の大波がやってきたかのように見えました。 

 

しかし、総務省調査によれば、中小企業の約半数は、まだテレワークを導入していない状況です。また別の調査では、いまでもビジネス・パーソンの約半数が、日常的にFAXを使っているというデータがあります。その上、ポスト・コロナになって、テレワークをやめる企業も増えていると聞きます。 

 

昨今、DX、つまり、デジタル・テクノロジーを導入して、ビジネスや働き方を変革しようとする掛け声は大きくなる一方です。しかし実態は、思ったよりもデジタル活用が進んでいないようです。 

 

また、DXについて誤った考え方も散見されます。たとえば、コンピュータを使えばデジタル化が進んだといえるでしょうか。そうではありません。DXのためには、「アナログをやめること」がポイントです。複合機、プリンター、電話、FAXなどのアナログ機器をあいかわらず使い続けている限り、デジタル化したとは到底いいがたいのです。  

  

『理想的で機能するテレワーク環境づくり:発想転換のポイント』
https://www.dunksoft.com/message/2021-05 

私は2021年3月にあるシンポジウムで、当時は行政改革担当大臣だった河野太郎さんに、「もうFAXをやめませんか」と直接申し上げたことがあります。そのあと4月に国から、霞が関でのFAX廃止に向けて号令がかかりました。ただ、いまだに省庁の一部や地方自治体などで、根強くFAXが使われているようです。  

▎若い人たちの可能性をつんでしまわないよう、ご注意を 

大人たちがデジタル化に積極的に着手しないことが、これからを担う若者たちの入社やその後の定着を妨げる要因になっている。このことを認識できていない経営者も多いのではないでしょうか。 

 

若い人たちの声をきくと、デジタルを使わない大人と仕事をすることは「手間が増える」と感じているそうです。このため、思い描いていた仕事内容とのギャップから、入社してもすぐ退職してしまう人も多いようです。 

 

これから彼らが働いていく環境が、旧態依然としたものではいけないと、若い方々と話していると思えてきます。これからを担う若者たちはデジタル・ネイティブです。生まれたときからデジタルに親しんできた彼らが大人になったときに、企業に入社して、FAXを送る業務をされられている状況は、見たくないものだと思いませんか。海外では、もはやFAXは骨董品です。 

 

少子高齢化が進む中で、これからの若い人たちに選んでもらえる会社になるためにはどうしたらよいか。それには、いち早くデジタル化を進めることが必要です。若者たちの可能性の芽を摘んでしまうわけにはいきません。 

▎ “オフィス”を、“スマートオフィス”へと変身させる 

では、どうしたらいいのでしょうか。 

 

もし現在の職場環境が、紙にあふれていたり、印鑑で決済や回覧板を回していたり、FAXで連絡を取っていたりする従来型の“オフィス”だとすれば、“スマートオフィス”に変身させることで、解決できます。ダンクソフトは、2024年、“スマート・オフィス化”にとりくむ中小企業や団体をサポートしていきます。 

 

ダンクソフトの受賞歴はこちらをご覧ください。
https://www.dunksoft.com/award 

私たちダンクソフト自身が、2008年からテレワーク実証実験を始めている企業です。多くの企業に先んじて、様々な実験を重ね、成果をあげてきました。(総務省「テレワーク先駆者百選」、経済産業省「攻めのIT経営中小企業百選」、テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰など受賞歴多数) 

 

それらの取り組みから生まれたものが、「スマートオフィス構想」です。インターネットやデジタルを積極的に活用して、どこからでも働ける環境を備えたオフィスを「スマートオフィス」と名付けています。これまでにも、こうしたスマートオフィスを企業、自治体、学校、地域団体などとつくってきました。 

 

スマートオフィスでは、ペーパーレス化が進んでいて、インターネットで情報を共有できる職場環境が整っています。このため、働く人がどこに住んでいても、子育てや介護などで通勤が難しくても、仕事を続けることができるようになります。 

 

こうした場が増えていけば、若者たちが仕事をするために仕方なく都会へ出ていかなくても済み、地域に残れるようになります。 

 

そこでは、年齢を超えた「コ・ラーニング」や、逆に若い人たちの側から大人たちが学ぶ「リバース・メンタリング」が行われるようになります。結果として、職場や地域は多様性にあふれ、参加する人同士の活発な対話から、さまざまなアイディアやイノベーションがうまれる場になることでしょう。   

▎大事なのは、“モラル”を、より現代的にアップデートすること 

アナログからデジタルへ、ツールや環境を整えるときに、同時に見直していきたいものがあります。それは私たちの「モラル」です。 

 

これまで、日本の企業では、年功序列や男尊女卑といった儒教的な考え方がベースになっていました。若い人たちが活躍する文化をつくるには、こうした儒教的発想をそろそろ捨てたほうがいいでしょう。きつい上下関係は、しばしばイマジネーションを邪魔します。強いリーダーや教えたがりが集まる組織では、イノベーションが起こりにくくなります。それよりも、多様なメンバーたちが等しく発言しあえる柔軟なグループの集合体こそが、次をつくります。 

 

また、企業に求められることも、40年前とは大きく変化しています。環境問題、BCP、障がい者雇用、LGBTQ、SDGsなど、私たちを取り巻く環境も課題も、新しくなっています。変化する環境の中で、ダンクソフト自身が、自らの態度や慣行を常に見直し、モラルからアップデートしていく必要があります。同時に、お客様やパートナーや地域社会とともに、モラルをアップデートしていく役割があると考えています。 

 

デジタルは、40年で1億倍の成長を遂げました。これからも同じ勢いで成長していき、ツールはますます使いやすくなるでしょう。だからこそ、人間サイドの変化、それを使う人たちのモラルも、現代化していくことが重要です。    

▎デジタルと人が協働できれば、人の可能性がもっと拡がる 

ダンクソフトのスタッフは、デジタルを使って、効率的に、またクリエイティブに、日々の成果を出すことに慣れています。全社テレワークの体制や、新しい学びを重ねることで、チーム力も、ここ数年で格段にレベルアップしました。おそらく、一般的なビジネス・パーソンに比べたら、2倍、3倍はよりよい協働作業ができるメンバーたちでしょう。現に、ダンクソフトの「日報かんり」を活用した結果、スタッフが業務報告書を作成する時間が格段に減りました。全員にアンケートを取った平均で1ヶ月で8時間もの時間を効率化でき、その分を他の仕事・学習・連携のために活かしています。 

 

「デジタルをうまくいかして、デジタルと人が協働する」。この発想を持てば、人の可能性がおのずと開いてきます。行政系の財団法人では、ダンクソフトが開発したツールを使うことで、プログラミングを学び、自分でもプログラミングができるようになりました。 

  

企業に、デジタルを使いこなし、部門を超え、地域を超えて人々と連携・協働できる若者が1人いれば、これまでの10人分、100人分の力になるでしょう。若い人たちが集えるスマートオフィスが増えていきさえすれば、そんな明るい未来が期待できます。少子高齢化だといって暗くなる必要はないかもしれません。 

 

ダンクソフトの大事な仕事のひとつは、デジタルのよりよい使い方や未来のオフィス環境を、わかりやすく提案していくことです。従来型オフィスを、“スマートオフィスへ”。この考え方に賛同いただけるみなさんとともに学びあい、自分たちもレベルアップしながら、これからの若い方々が活躍できる地域社会をつくっていきたいと考えています。 

 

明るい未来はダンクソフトとともに。 

本年もどうぞよろしくお願いいたします。 

 

40周年特設サイト https://www.dunksoft.com/40th