ダンクソフトでは2024年8月、今年第1回目となるインターシップ・プログラムを実施。徳島県の阿南工業高等専門学校の学生2人が参加しました。そこでダンクソフト代表の星野と学生たちのダイアログを行いました。今回のコラムでは、20歳前の若い人たちが考える理想の働き方など、リアルな声をご紹介します。
┃5日間のプログラム、そのメニューは?
星野 おふたりはどのような理由でダンクソフトのインターンシップに参加しようと思ったのですか?
堀江 私たち2人とも阿南高専で情報コースを専攻しています。実際に企業ではどのようにソフトウェア開発が行われているのか、自分が学校で学んでいる知識がどの程度通用するのか、興味を感じて参加しました。
北村 ダンクソフトの社員である竹内さんが、私たちの情報コースで講師をされています。そのため、ダンクソフトの名前は以前から知っていました。IT企業はたくさんありますが、ダンクソフトには知っている人がいる安心感と親しみがありました。そこでインターンシップ先に選びました。
星野 今回のダンクソフト・インターンシップでは、色々な働き方を体験していただけるようプログラムを組んでいます。1日目~3日目は徳島オフィスを中心に実施して、オフィス勤務と在宅でのリモート勤務を経験していただきました。4、5日目は東京本社での実施です。今日は4日目、東京初日ですね。ここまでどんなことを体験しましたか?
堀江 ASP.NETというフレームワークを使ったWebアプリケーション開発とVisual Studio環境でのプログラミングに取り組みました。ASP.NETは思った以上にたくさんの機能があって、「なるほど、こういう感じでWeb開発が行われているんだ」と感じることができました。
北村 僕が印象に残っているのは、Visual Studioでのプログラミングです。チャレンジングな課題に取り組むときに、予想しなかったことが起こってどうなるかと心配したのですが、プログラミング上で起こった競合なども、意外と簡単に解決できた経験ができました。
星野 東京では、ダンクソフトが開発している「WeARee!」を使って、新オフィスである12KANDA内の魅力を伝えるスタンプラリーを作成いただく予定ですね。
┃初めての在宅勤務を実際に体験
星野 さて、まだインターシップ期間の最中ですが、これまでのところでは、ダンクソフトについてどんな印象を抱いていますか?
阿南高専の堀江さん(左)と北村さん(右)
堀江 働きやすい環境が整っているな、という印象を受けました。最近、企業で在宅勤務が増えているというニュースを耳にしていましが、実際にはどうなんだろう?と思っていました。ところが、ダンクソフトではふつうに行われています。どこでも仕事ができる環境を整えるためにすごく努力しているようにも感じました。
星野 なるほど。僕らはあらかじめ目標を決めて、それを達成するために努力しているわけではないんですね。むしろこれまで、いろいろな働き方をしたい人たちが集まってきて、みんなで理想型を考えているうちに、徐々に形ができてきて、自然といまのスタイルになってきました。これはダンクソフトの特徴かもしれないですね。ただ、全員が自宅勤務で、物理的に離れたところでプロジェクトを連携して行うので、理想の働き方を実現するために、確かに、一人ひとり工夫や努力をしていると思います。今までにない新しいことを形にするわけですからね。
北村 僕も在宅勤務についてはちょっと心配していました。けれども、実際に体験してみて、意外に自分に向いている働き方だなと思いました。パソコン上で1対1で話し合った方が、自分的には落ち着いて話ができました。まわりにたくさんの人がいるとついつい緊張してしまって……(笑)。
星野 それは面白いですね(笑)。逆にオンラインで話す方が緊張してしまうという話はよく聞きますが。ところで、ダンクソフトには阿南高専のOBが何人かいるのですが、話を聞いてみましたか?
北村 徳島オフィスで、プログラミングを一緒に行ってくださった港さんも、僕らの先輩ですよね。親しみがあって話しやすく安心でした。
┃若者は、本当に地域に残りたいのか?
星野 毎年マイナビが、地元就職を希望する学生の割合を調査しています。だいたい6割の学生が、卒業後に地元での就職を希望しているそうです。私の感覚としても、そういう人たちが増えてきているのではないかと思っています。ですので、ダンクソフトでは、10年ほど前から地元に残りたい若者たちが地元に居ながらにして仕事ができる働き方を提唱してきました。おふたりは徳島県の出身ですよね。実際にはどうですか、皆さんは、卒業後も地元で働きたいですか?
堀江 僕は、将来を考えると、子育てがしやすい町に住みたいので、その点では徳島はいいと思います。徳島では地域の人が優しかったりするので、そういう環境で働けるのだとすると、自分的にはだいぶありがたいかなと考えています。ですが、職住が近ければ、徳島に限らず、どの地域でもよいかなとも思います。
星野 なぜ職住接近がよいのですか?
堀江 眠ることが大好きで(笑)。少しでも多く睡眠時間を確保したくて(笑)。
星野 (笑)確かに通勤時間は、ある意味、注目すべき時間ですよ。というのも、たとえば往復3時間かけて通勤するとしても、その3時間は勤務時間にはカウントされません。会社のために使っている時間ですが、そこに対価は発生しないんですよね。ダンクソフトでは、在宅ワークですから、自分の貴重な時間を通勤時間にかけることなく、その分の時間を、自分自身をアップデートするために使うことができるという利点がありますね。
北村 僕はできれば徳島で働きたいと思っています。東京などと比べても物価が安いですし、将来家庭を持って家を建てるにしても実現しやそうですし。でも、徳島にも不満なところがあります。
星野 それはどのような?
北村 1つは南海トラフ地震への不安。2つめは、もうちょっと都会的だといいなと思っています(笑)。徳島には、オシャレで便利なお店が少ない。今はサイゼリヤに行ってみたくても、兵庫まで行かないと徳島にはないんです。
星野 いま聞いた竹内さんからの情報によると、もうすぐ徳島にもサイゼリヤがオープンするらしいですよ。
北村 ならば問題解決で、徳島で働きたいです(笑)。
星野 いいですね。徳島オフィスの竹内さんもそうだし、港さんもそうですが、徳島に残りたい人が残ることによって、地域との関わりができますよね。少し前まではテレワークというコンセプトもなく、地元にいながらにして仕事ができるという選択肢が、そもそもありませんでした。働きたい若い人たちが地域に残って働くことによって、地域の未来が変わるんじゃないかという期待があります。
┃ペーパーレス化への不安と興味
星野 ところで、ダンクソフトでは、ペーパーレス化をして、データをインターネット上にのせて共有し、離れていても連携して働ける「スマート・オフィス」を提唱して、実践しています。「スマート・オフィス」のように、ペーパーレス化され、デジタルの能力を生かした職場環境だときくと、どう思いますか?
堀江 ペーパーレス化ということですが、職場からすべての紙がなくなってしまうことには、僕は正直言って不安があります。書類をぜんぶデジタル化してクラウドで保管すると、不具合が起こってサーバーがダウンした場合、復旧作業が難航し、仕事が麻痺してしまう恐れがあるのではないでしょうか。それを考えると、重要なものは書類として保管し、日々の仕事で使うようなものはデジタル化するといった、アナログとデジタルの中間くらいのイメージがちょうどよいような気がします。
星野 なるほど。しかし、実際は逆ですね。最近のクラウド・サービスは、データを複製していろいろな地域にあるサーバーに分散して保管しています。また、今回堀江さんが感激したウェブ開発ツールもそうですが、バックアップが自動でとられていて、復元ができるサービスが今はほとんどです。ですので、もしもトラブルが発生しても、バックアップがしっかりしていますから、むしろ安全です。データが消えるリスクは相当低いし、復旧もスムーズなはずです。一方、紙の書類で保管していると、紛失してしまうかもしれないし、万が一、火事や災害で被害にあえば、もう復元できないのですよね。デジタル化されているオフィス環境のほうが、アナログな環境よりも盤石なのですね。
北村 僕も、どちらかというと、実物があった方が安心です。お金の使い方も最近はキャッシュレスが主流ですが、自分はやはり現金派。1000円あったとして、そのうちどれくらい使ったか実感がないと不安です。それは書類でも同じだと思っていて、手元に実物としてある方が忘れないし安心できます。ぜんぶがパソコンの中に入っていると、ついつい見落としたり忘れたりするんじゃないかと思うので、大事なものは紙で確かめたいです。
星野 確かにクラウドは目に見えないものです。その不安は、企業人のなかでも、デジタル化した時に比較的多くの人が最初に感じるものだと思います。しかし、デジタル化するとメリットがたくさんありますよ。ほしい情報を検索するのも、紙の束から探すよりも、ファイルを検索するほうがはるかに速いです。1万枚の書類から、探し出すのは本当に大変です。また、単に保管するだけでなく、情報をアップデートでき、その履歴を管理できることも、ペーパーレス化の大きな特長です。在宅ワークで離れているメンバーたちがチームで連携し、仕事の質を高めていけるのは、デジタル化されているからこそ。
堀江 確かに、在宅勤務が主流になってきたという最近のニュースでも、紙でやり取りする必要性があって、結局は会社に行かなければいけないと聞きます。ですが、ダンクソフトさんだとその可能性がだいぶ少ないのだということは実感できました。
星野 それはよかったです。そしてさらに、なによりもペーパーレス化はエコですよね。この地球の温暖化についても、もうちょっと全体で考えなくてはいけない局面にきていますしね。
要するに、デジタル化には、次の3つの期待をしているんですよ。1つは、地球温暖化というマクロな課題の解消にとって重要だということ。2つ目は、これまでになかった選択肢として、残りたければ新しい世代が地元に残って仕事することができること。これは、いまなおつづいている一極集中を解消して、全国各地の地域を活性化するという日本の問題の解決にもつながっていますよね。このほうが地元の商店街も企業も活性化するしね。
3つ目は、デジタルと人間のよい関係が、かえって新しい安心を創り出すということ。多重バックアップとか、何度でも柔軟にアップデートできるとかね。印刷文化だと、一度公表したら、直すだけでも大変でした。それに、今後もっとそうなると思いますが、どんなに離れた場所にいても、良質な協働作業ができるのもいいですね。この中で一人ひとりもしっかり成長できますから。
このように大きな問題から、身のまわりの問題まで、デジタルが計り知れない大きな役割を果たすと期待しています。
┃仕事もプライベートも充実して働けることが理想。ダンクソフトは?
星野 ところで、2人は社会に出てからの働き方について、何か具体的にイメージしているものはありますか?
堀江 僕はゲームが好きで、自分でも3Dオブジェクトをつくることに挑戦しています。ですので、以前まではゲーム開発といった仕事にチャレンジしたいと思っていました。けれども最近は、ゲームは趣味だけにしておいた方がよいかなと感じています。職種的には、学校でも勉強していますし、ITの仕事に興味があります。一つ条件をあげるなら、プライベートの時間も大切にできるような働き方をしたいです。
北村 僕も同じです。まだ仕事について、はっきりしたイメージは持っていませんが、プライベートも仕事も充実できるようなバランスのよい働き方をしたいと思っています。体力にはあまり自信がないし接客も苦手。それも考えると、ITは自分にとって向いている仕事ではないかと感じています。
星野 体験してみて、ダンクソフトはどんな会社だと感じていますか?
堀江 僕的には、かなり理想に近い職場じゃないかなと感じています。自宅でもカフェでもどこでも働くことができて、仕事ばかりでなく趣味にも熱中できる。こういう会社はなかなか巡り会えないではないかと思っています。
星野 基本的にはダンクソフトでは、プライベートの時間を大切にしていますね。先ほどの睡眠の話もそうですが、自分の健康や家族が整っていて初めて仕事に集中ができます。余暇時間をご自身のクリエイティビティを高めたり、新しいことを学んだりする時間に使ってほしいと考えている会社です。
北村 高専の講師でもある竹内さんの話を聞いていると、とてもたくさん趣味があってプライベートも充実しているように思います。最近では、メンサの会に入られたり、マラソンもされていたり、仕事もしながら学びもされていて、すごいなと。インターンシップに参加してみてそんな印象が強まり、仕事もプライベートも楽しんで働ける会社だと感じました。
星野 今回はインターンシップへの参加、ありがとうございました。一人の人間のなかには、たくさんの多様性があると考えていて、ダンクソフトでは「ポリバレント」という考え方を大事にしています。もともとはサッカー用語で、一人が、ひとつの固定したポジションではなくて、状況に応じて色々な役割ができることをいいます。ぜひ、おふたりが好奇心や探求心をもって学びつづけ、これからますます活躍されることを期待しています。
◆ インターンを経て、ダンクソフトのスタッフとして活躍するメンバーの声
ダンクソフトに入社して、想像以上の成長を実感しています。
開発チーム プログラマー 港 左匡
私が阿南高専の学生としてダンクソフトのインターンシップに参加したのは2020年のこと。徳島オフィスと在宅勤務の両方を体験して、こんな働き方ができるのだと驚きました。入社してみて感じているのは、よい意味でのギャップです。入社当時はソフトウェア開発ばかりするものかと思っていましたが、お客様とのやりとりやプレゼンテーションをしたり、社内業務を担当したり、仕事の幅が広がって、色々な経験をしています。さらに阿南高専をはじめ地域の人たちとの活動などさまざまな仕事に携わり、想像以上の成長を実感しています。今回のインターンシップでは、そんな自分の経験も活かしてプログラムを企画しました。
インターン当時のインタビュー
https://www.dunksoft.com/message/2020-11?rq=%E6%B8%AF#2011%E2%80%903
【関連コラム】
『ダンクソフトの“さきがけ文化”を体験するインターンシップ』
https://www.dunksoft.com/message/2021-10『事例:高校生が地域に飛びだし、デジタル・スタンプラリーをつくる実践的な共同学習プログラムを開発』
https://www.dunksoft.com/message/case-idgakuen-wearee