A NEW HOPE(2024年 年頭所感):若い人たちとワークプレイスをデジタル化する未来


2024年の年頭にあたり、
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。


このたびの能登半島地震により被災された方々、そのご家族のみなさまに心よりお見舞い申し上げます。

▎ワークプレイスのデジタル化を 

2021年9月、日本にようやくようやくデジタル庁がつくられました。同時期にオリンピックが行われ、コロナ禍を経て、日本企業にもデジタル化の大波がやってきたかのように見えました。 

 

しかし、総務省調査によれば、中小企業の約半数は、まだテレワークを導入していない状況です。また別の調査では、いまでもビジネス・パーソンの約半数が、日常的にFAXを使っているというデータがあります。その上、ポスト・コロナになって、テレワークをやめる企業も増えていると聞きます。 

 

昨今、DX、つまり、デジタル・テクノロジーを導入して、ビジネスや働き方を変革しようとする掛け声は大きくなる一方です。しかし実態は、思ったよりもデジタル活用が進んでいないようです。 

 

また、DXについて誤った考え方も散見されます。たとえば、コンピュータを使えばデジタル化が進んだといえるでしょうか。そうではありません。DXのためには、「アナログをやめること」がポイントです。複合機、プリンター、電話、FAXなどのアナログ機器をあいかわらず使い続けている限り、デジタル化したとは到底いいがたいのです。  

  

『理想的で機能するテレワーク環境づくり:発想転換のポイント』
https://www.dunksoft.com/message/2021-05 

私は2021年3月にあるシンポジウムで、当時は行政改革担当大臣だった河野太郎さんに、「もうFAXをやめませんか」と直接申し上げたことがあります。そのあと4月に国から、霞が関でのFAX廃止に向けて号令がかかりました。ただ、いまだに省庁の一部や地方自治体などで、根強くFAXが使われているようです。  

▎若い人たちの可能性をつんでしまわないよう、ご注意を 

大人たちがデジタル化に積極的に着手しないことが、これからを担う若者たちの入社やその後の定着を妨げる要因になっている。このことを認識できていない経営者も多いのではないでしょうか。 

 

若い人たちの声をきくと、デジタルを使わない大人と仕事をすることは「手間が増える」と感じているそうです。このため、思い描いていた仕事内容とのギャップから、入社してもすぐ退職してしまう人も多いようです。 

 

これから彼らが働いていく環境が、旧態依然としたものではいけないと、若い方々と話していると思えてきます。これからを担う若者たちはデジタル・ネイティブです。生まれたときからデジタルに親しんできた彼らが大人になったときに、企業に入社して、FAXを送る業務をされられている状況は、見たくないものだと思いませんか。海外では、もはやFAXは骨董品です。 

 

少子高齢化が進む中で、これからの若い人たちに選んでもらえる会社になるためにはどうしたらよいか。それには、いち早くデジタル化を進めることが必要です。若者たちの可能性の芽を摘んでしまうわけにはいきません。 

▎ “オフィス”を、“スマートオフィス”へと変身させる 

では、どうしたらいいのでしょうか。 

 

もし現在の職場環境が、紙にあふれていたり、印鑑で決済や回覧板を回していたり、FAXで連絡を取っていたりする従来型の“オフィス”だとすれば、“スマートオフィス”に変身させることで、解決できます。ダンクソフトは、2024年、“スマート・オフィス化”にとりくむ中小企業や団体をサポートしていきます。 

 

ダンクソフトの受賞歴はこちらをご覧ください。
https://www.dunksoft.com/award 

私たちダンクソフト自身が、2008年からテレワーク実証実験を始めている企業です。多くの企業に先んじて、様々な実験を重ね、成果をあげてきました。(総務省「テレワーク先駆者百選」、経済産業省「攻めのIT経営中小企業百選」、テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰など受賞歴多数) 

 

それらの取り組みから生まれたものが、「スマートオフィス構想」です。インターネットやデジタルを積極的に活用して、どこからでも働ける環境を備えたオフィスを「スマートオフィス」と名付けています。これまでにも、こうしたスマートオフィスを企業、自治体、学校、地域団体などとつくってきました。 

 

スマートオフィスでは、ペーパーレス化が進んでいて、インターネットで情報を共有できる職場環境が整っています。このため、働く人がどこに住んでいても、子育てや介護などで通勤が難しくても、仕事を続けることができるようになります。 

 

こうした場が増えていけば、若者たちが仕事をするために仕方なく都会へ出ていかなくても済み、地域に残れるようになります。 

 

そこでは、年齢を超えた「コ・ラーニング」や、逆に若い人たちの側から大人たちが学ぶ「リバース・メンタリング」が行われるようになります。結果として、職場や地域は多様性にあふれ、参加する人同士の活発な対話から、さまざまなアイディアやイノベーションがうまれる場になることでしょう。   

▎大事なのは、“モラル”を、より現代的にアップデートすること 

アナログからデジタルへ、ツールや環境を整えるときに、同時に見直していきたいものがあります。それは私たちの「モラル」です。 

 

これまで、日本の企業では、年功序列や男尊女卑といった儒教的な考え方がベースになっていました。若い人たちが活躍する文化をつくるには、こうした儒教的発想をそろそろ捨てたほうがいいでしょう。きつい上下関係は、しばしばイマジネーションを邪魔します。強いリーダーや教えたがりが集まる組織では、イノベーションが起こりにくくなります。それよりも、多様なメンバーたちが等しく発言しあえる柔軟なグループの集合体こそが、次をつくります。 

 

また、企業に求められることも、40年前とは大きく変化しています。環境問題、BCP、障がい者雇用、LGBTQ、SDGsなど、私たちを取り巻く環境も課題も、新しくなっています。変化する環境の中で、ダンクソフト自身が、自らの態度や慣行を常に見直し、モラルからアップデートしていく必要があります。同時に、お客様やパートナーや地域社会とともに、モラルをアップデートしていく役割があると考えています。 

 

デジタルは、40年で1億倍の成長を遂げました。これからも同じ勢いで成長していき、ツールはますます使いやすくなるでしょう。だからこそ、人間サイドの変化、それを使う人たちのモラルも、現代化していくことが重要です。    

▎デジタルと人が協働できれば、人の可能性がもっと拡がる 

ダンクソフトのスタッフは、デジタルを使って、効率的に、またクリエイティブに、日々の成果を出すことに慣れています。全社テレワークの体制や、新しい学びを重ねることで、チーム力も、ここ数年で格段にレベルアップしました。おそらく、一般的なビジネス・パーソンに比べたら、2倍、3倍はよりよい協働作業ができるメンバーたちでしょう。現に、ダンクソフトの「日報かんり」を活用した結果、スタッフが業務報告書を作成する時間が格段に減りました。全員にアンケートを取った平均で1ヶ月で8時間もの時間を効率化でき、その分を他の仕事・学習・連携のために活かしています。 

 

「デジタルをうまくいかして、デジタルと人が協働する」。この発想を持てば、人の可能性がおのずと開いてきます。行政系の財団法人では、ダンクソフトが開発したツールを使うことで、プログラミングを学び、自分でもプログラミングができるようになりました。 

  

企業に、デジタルを使いこなし、部門を超え、地域を超えて人々と連携・協働できる若者が1人いれば、これまでの10人分、100人分の力になるでしょう。若い人たちが集えるスマートオフィスが増えていきさえすれば、そんな明るい未来が期待できます。少子高齢化だといって暗くなる必要はないかもしれません。 

 

ダンクソフトの大事な仕事のひとつは、デジタルのよりよい使い方や未来のオフィス環境を、わかりやすく提案していくことです。従来型オフィスを、“スマートオフィスへ”。この考え方に賛同いただけるみなさんとともに学びあい、自分たちもレベルアップしながら、これからの若い方々が活躍できる地域社会をつくっていきたいと考えています。 

 

明るい未来はダンクソフトとともに。 

本年もどうぞよろしくお願いいたします。 

 

40周年特設サイト https://www.dunksoft.com/40th