40周年 年頭所感:「インターネットに よりよいものをのせていく」


新年あけましておめでとうございます。

2023年の年頭にあたり、ご挨拶申し上げます。


 ▎「インターネットに よりよいものをのせていく」 ─ 明日の”ethics”

 

2023年、ダンクソフトは40周年を迎えます。

ここからの40年を考えると、インターネットを前提としながら、さらに目覚ましい速度でテクノロジーが進化していきます。だからこそ、ダンクソフトが大事にしているテーマが、ますます重要になってきます。

 

それは、

「インターネットによりよいものをのせていく」こと。

 

世界が動乱するいま、2023年は、よりよい社会をつくる方向に転じていかないと意味がないと思っています。そのための鍵が「ethics(エシクス、倫理)」です。よりよい社会に向かうためのethicsについて、ダンクソフトだけでなく、デジタルを使う多くの方たちと共に、このことを考えていく。今年はその “はじまりの年” にしていきます。

 

手始めに、ダンクソフトが重視するethicsは何か。さしあたり3つあげるなら、対話、協働、コ・ラーニング(共同学習)です。 

▎「コ・ラーニング」型のワークチームとコミュニティへ

 

社内に目を転じれば、2022年は40周年に向かう記念の年ということで、数々の部門横断プロジェクトを実施しました。これらを通じて、スタッフたちがめざましく成長したことは、ダンクソフトにとって大きなトピックでした。

 

長らく日本企業は人材育成への投資を行ってきませんでした。そんな中、ダンクソフトでは、2006年に初開催した、年に2回の社内プログラム「DNAセミナー」や、これからの考え方を学びあう講義やワークショップなどを実施。スタッフたちは、そこで得た学びを業務やプロジェクトで実践します。こうして、継続してスタッフたちが自然と育つための環境をつくってきました。

 

また、私たち技術者の特性として、常にあたらしい技術の習得を止めるわけにいかない、ということがあります。

 

ただ、学びつづけなければならないのは、デジタルの分野に限ったことではありません。誰もが、よりよい学びに出会って、自らの行動を変えていく習慣がついていれば、複雑・多様なこの時代でも、先を見透して成果が出せるようになっていきます。

  

しかも、これから直面する課題は、一人では十分に対応しがたい複合的なものになっていきます。ですからチームやコミュニティなど、ネットワーク的に解決していくことになります。その際、日本は資源が限られていますので、あらためて一人ひとりの知識的レベルを上げていかないといけない。要するに重要なのは、学びつづけ、それを活かせる人。もっとみんなで分かったことをシェアして、お互いにレベルアップしていくことが大事です。

 

これからは、年齢も関係ないし、住んでいる場所も関係ない。その意味で、対等に問題解決の場に参加する時代になりました。デジタル・ネイティブとも呼ばれる若い方々のクリエイティビティも存分に活かしながら、コ・ラーニング型のワークチームとコミュニティをつくっていきたいものです。

 

ここで重要なのが、「リバース・メンタリング」の考え方です。年長者が若い人たちに上から知識を教え込む時代は終わりました。これからは、それが逆転して、若い世代から学びとる時代です。彼らを教育するのでありません。むしろ、コ・ラーニングを通じて、お互いに変化していくことを目指していきたいです。それが互いの可能性を引き出し、イノベーションへとつながるからです。 

 ▎「スマートオフィス構想」の目的は、人々を幸せにすること

 

そこで、「スマートオフィス構想」です。日本は課題先進国といわれますが、ということは、日本だけでなく、いずれは世界中が似たような生活課題を抱える状況になっていきます。そのとき若い人たちとともに、そしてデジタルを使って身近な課題を解決していく場が、「スマートオフィス」です。あまり移動しなくても世界中をマーケットにして、高いレベルでビジネスができる流れを生みだせる時代に必要な場です。

 

こうした次代をつくる動きとは対極にあるのが、ロシア・ウクライナ戦争でしょう。2022年は、ロシアのウクライナ侵攻に象徴される、社会的分断と辛らつな戦いの1年でした。2022年の「今年の漢字」に「戦」の字が選ばれたことも記憶に新しいところです。

 

ですが、こうした時代の風潮や雰囲気に引っぱられてはいけない時だと考えています。

 

ビジネスを語るとき、よく戦争のメタファーが好んで使われます。例えば、戦略、戦術、ターゲット(標的)、ロジスティクス、そして領土の奪い合いであるシェア争いなどは、もともと軍事用語からの転用です。勝ち負け2分法を前提とした競争戦略論ではなく、お客様と対話を重ねながら、互いの足りないところを補完しあい、協働型で未来を描ければ、ビジネスはもっと創造的で豊かになるでしょう。「スマートオフィス構想」は、そうした考え方のうえに成り立つものです。

 

ダンクソフトが学童システムで関わっている石垣島からは台湾が見えたり、その先には中国があったりして、色々な船が行き来していますから防衛も大事です。しかし、コミュニケーションを通じて、社会をよりよい方向に向けていくことを誰もが考えないといけない。そのために“Building a Better Internet”、つまり、「インターネットの善用」がとても重要です。 

▎未来を果敢に描きだす企業に

 

今年は、課題をより解決するためのプロダクトやサービスへと、レベルアップしていく年になります。

 

例えば、ウェブARツール「WeARee!(ウィアリー)」や、会員組織運営を助ける「ダンクソフト・バザールバザール」などは、いずれもコミュニティのためのツールです。つまり、新しい関係を結び、既存の関係を豊かにし、相互信頼を深めるためのツールです。

 

2022年後半に開催した、地元・神田藍プロジェクトの感謝祭では、WeARee!(ウィアリー)のスタンプラリー機能を活用してイベントを盛りあげました。今年も、さらに使い勝手がよくなり、コミュニティを支える方向で、開発が進むでしょう。

 

バザールバザールは、今よりもっと参加者同士が対話できるツールとなるよう、開発チームで新機能を検討し、開発を進めています。ここでもお話したことのある、徳島県にある阿南高専と「ACT倶楽部」という連携プロジェクトに取り組んでいますが、バザールバザールを通じて、ずいぶんと活性化しています。2022年には、いよいよ内容が展開して、地域課題の解決事例が成果として出はじめました。



ここでも、参加する学生たち・教員たち・地域企業・その他の関係者たちを結ぶコミュニティ・ツールとして、バザールバザールを採用いただいています。

 

 事例:地域イノベーションを次々と創出する「ACT倶楽部」

 

学童保育の取り組みをサポートする「kintone学童保育サポートシステム」も、昨年「Cybozu Days2022」に出展した際、大盛況でした。開発メンバーたちが、学童システムを必要とする来場者の方々とじっくり話ができたようで、それらがこの後、ソリューションとして反映されるのが楽しみです。

“学童運営が楽になる” ダンクソフトの学童支援システム
https://www.dunksoft.com/kintone/gakudo/ 


また、ウェブチームは、金融機関を長年ご支援しています。近年、「貯蓄から投資へ」という流れが出てくる中、新たに投資を始めてみる生活者が増えたそうです。口座数はコロナ前後で300万件増となっています。

 

デジタル・デバイドの方々や、金融知識が必ずしも豊富ではない生活者も、今後こうした投資関連のサービスを利用することになります。だからこそ、こうしたデジタル分野にこそ、これからは機能する「ethics」が不可欠です。

 

私自身は、今年も総務省の地域情報化アドバイザーを継続します。その関係で、四国、松江をはじめ、全国各地に点在する先見性のある方々と「スマートオフィス構想」の取り組みを進めていきたいと考えています。

 

この他にも、プロダクトごとに、ユーザーの方々と一緒になって「感謝祭(イベント)」を開催する運びです。オンラインや動画もフル活用しながら、ダンクソフトの外の方々とのコミュニケーションを増やすこと、そして、より様々な場面で私たちのプロダクトが活用される1年にしていきます。

 

40周年を迎える2023年は、いま生まれているよい流れを、さらに盛りあげていく1年です。みなさまとの丁寧かつ的確な対話を通じて、ぜひ協働型でプロジェクトを進めていきましょう。10年先、50年先、100年先のよりよい未来を描きながら。

 

ダンクソフト40周年記念特設サイト
https://www.dunksoft.com/40th