Cross Talk:課題を課題として感じていないという課題 


[参加者] 

ウェブチーム 大村美紗 

開発チーム 澤口泰丞 

企画チーム Umut Karakulak 

代表取締役 星野晃一郎 


 ▎はじまりをつくり続けて 40 年 

 

星野 ダンクソフトは 7 月から新年度を迎え、40 期目に入りました。今回は、これからのダンクソフトをつくっていくスタッフ3名とのクロス・トークです。 

 

最初に、「ダンクソフトが 40 周年を迎える」と聞いて、どうですか。 

 

澤口 40 年というと、今の自分の年齢を上回ります。僕が生まれる前からこの会社があった。しかもその頃から IT に関する事業をしていたのだと思うと、それはすごいことだなと、素直に感心してしまいます。自分が 5 歳のとき、未来がこんなにデジタル社会になるなんて、想像もできませんでした。 

 

ウムト たしかに、40 年前にITの仕事をするって、とても大変だっただろうなと思いますね。5 年前でさえ、今使っているツールもなかったですし。技術も 5 年あれば相当変わっています。今思えばとても大変だったのに。 40 年前だとインターネットもなかったですよね? 

 

星野 そうですね。ダンクソフトの創業は 1983 年。日本でインターネットが一般に運用されはじめるのは 1990 年代以降ですから。 

 

大村 会社としてすごいことですよね。そして、それだけ続いているということは、続けるために業務内容もどんどん変化してきただろうし。でもデジタルという軸はずっとぶれていない。そこもすごいなと思います。 

 

星野 変化については、意識的に変えていることもあれば、状況が変わって変化したこともあります。世の中がすごいスピードで動いていますから。振り返れば、初期の頃は何もありませんでした。ウィンドウシステムもデータベースも何もないから、何でも自分たちでつくるしかなかったんですね。 

 

技術も社会も高速に進んで、ウムトも言ったように 5 年前と比べても想像もつかないくらい進みました。そう考えると、5 年後はさらに変化が加速しているかもしれません。たとえばデバイスも、今はスマホが主流ですが、これが指輪やメガネになったり、身体の中に入ったりするのかもしれない。いずれにせよ、デジタルはもっと身近になっていくでしょう。  

▎誰のどんな課題を解決していくのか 
─クライメイト・チェンジ、ペーパーレス、セキュリティ、フェイク・ニュース 

 

星野 これまでも、ダンクソフトは誰かの課題や、社会の課題を解決するためのソフトウェアを開発してきました。皆さんには、いま気になっている社会の課題がありますか?  

 

ウムト クライメイト・チェンジ。気候変動です。状況はとても深刻で、今、最優先すべき課題だと思います。 

 

この課題解決のために、デジタルに何ができるか。先日仲間と話しあったときには、使用した電気量を可視化するアプリを作成するアイディアが出ました。 

 

生活のなかで、どこでどれだけの電気を消費しているか、みんなはあまり気にせず暮らしていると思います。状況をデジタルで見えるようにします。そうすれば、節電しようとする行動を促せるのではないかと考えたんですね。実状を知るだけでも、人の行動は影響を受けますから。 

 

澤口 それにも通じますが、課題を課題と感じていないことも課題だと思います。現状に疑問を持たず、それでいいと思ってしまい、気づかない。 

 

たとえばペーパーレスが進まない企業もそうです。ずっと紙でやってきた。社内は相変わらず紙を使っている。だから、それでいいと思ってしまうんですね。別に課題だと思っていない。でも、もっと便利なツールや効率のよい方法があって、活用すれば色々な効果が期待できる。でも、なかなかそうした認識に至らない企業が多いのではないでしょうか。ですが、テクノロジーが進化したことで、敷居が低くなり、実は今はかえって導入のチャンスとも言えます。 

 

ダンクソフトが、よりよいソリューションを展開していくために、まだ課題を課題として気づいていない人に気づいてもらえたらと思います。そのための働きかけをするのも、僕たちの役割だと思います。 

 

大村 IT は便利です。同時に、メリットの背後に、デメリットや危険性も伴っているものです。ですが、どんなデメリットや危険性があるか、認識にはばらつきがあります。詳しい人はわかっているけれど、そうでない人は知らない。知らないまま、便利さを取り入れるつもりで、リスクにさらされてしまいます。 

 

星野 メリットを享受する裏側のデメリットの問題、大事ですね。その筆頭が、やはり、セキュリティとフェイクの問題でしょう。タダほど高いものはないのです。無料のサービスをかしこく使っているつもりが、実は自分のプライバシーを売り渡していた、ということになってしまいます。インターネット上には残念ながらフェイク・ニュースが横行しています。適切な自衛が必要であるにもかかわらず、そこはあまり語られていませんね。 

 

そういう意味でも、これからは「インターネットに よりよいもの をのせていく」ことがますます大切になります。インターネットとデジタルの未来のためにも。ダンクソフトは、そこを大切にしています。  

▎将来は、世界各地から参加者が集まる場に 

 

星野 みなさんは将来、どんなダンクソフトにしていきたいですか? 

 

澤口 僕には将来したいことがあるんです。全国各地を訪れ、いろんな地域の人たちをダンクのメンバーにしたいんです。 

 

ダンクソフトは働きやすい会社です。長く働くことができます。でも、それが同質化にならず、新陳代謝を起こしつづけていたい。そのためにも、日本中のあちこちから、クリエイティブな人たちが参加し続けるダンクソフトであってほしいと思います。 

 

異なる文化圏の人どうしが刺激を受けあえる風通しのよい環境は、イノベーションをもっと促進するでしょうから。 

 

星野 まさに「スマートオフィス構想」の発想ですね。それぞれの居場所や愛着のある土地がスマートオフィスになっていく。僕たちが理想とする未来です。 

 

▼スマートオフィス構想とは  
https://www.dunksoft.com/message/2021-04

 

 

澤口 その土地でしか知られていない、外の人にとって魅力的なモノやコトなどの情報が、各地にたくさんあるはずです。地元の人には当たり前だけど、違う地域や外国の人にはとても貴重で価値があるとか。ささいな情報も、インターネットにのせることで世界に開かれ、世界中に知ってもらうことができる。そこから始まるものがきっとあると思います。 

 

星野 インターネットがこれだけ進んだ今、距離は問題ではなくなりました。ウムトは出身地のトルコと、日本にいても変わらずコミュニケーションがとれていますし。コロナ禍がおさまらない中で、フランスの学生がフランスに居ながらにしてダンクソフトでインターンを経験しましたね。 

 

ロシアとウクライナ問題のなかでも、例えば、イーロン・マスクがいちはやく衛星インターネット回線を開放しました。世界中のホワイト・ハッカーたちが、遠隔からウクライナに手を差し伸べました。かつてないインターネットと情報の動きが、支援の輪を広げています。 

 

インターネットがあれば、物理的な地域の壁を軽々超えて協働できる時代です。世界中からダンクソフトに参加者が集まる未来は、案外近いかもしれませんよ。 

▎時代と対話しながら、次のプロジェクトを生みだし続けるダンクソフトへ 

 

ウムト ダンクにはフレキシビリティがあって、まだまだ新しいワークススタイルに挑戦できる会社だと思います。一人ひとりがオーナーシップを発揮して、もっと面白いプロジェクトを進めていける可能性を感じています。 

 

大村 そうですね。ダンクソフトは、メンバーを自由にさせてくれます。良くも悪くも、“放し飼い”というか(笑)。だからみんないろんなことを考えて、それぞれに行動に移していくことができます。いまはコロナ禍を経験し、メンバー同士がなかなか直接会えなかったこともあり、ちょっとばらつきを感じています。ですから、ダンクソフトの長所である開放感を保ちつつ、これからは、スタッフ同士のコミュニケーションがもっと活性化される環境にしていければと思っています。 

 

こうして他のチーム・メンバーと話すのもいいですね。澤口さんとは同期ですが、今日初めて知った新たな面がありました。ウムトにも「え、そうだったの?」という意外な発見がありました。 

 

ウムト たしかに、ダンクはいろんなスキル持ったポリバレント(※1)な人たちが集まっていて、とても個性豊かです。ダンクソフトのメンバーそれぞれの特長や魅力が混ざりあえば、すごく面白いことが起こりそうです。 

 

星野 それぞれのメンバーが未来を考えて、次をつくっていく集合体が、ダンクソフトなのだと思っています。今回、皆さんの話を聞いていても、やっぱりそう思いました。ひとつのプラットフォームというか、もっと信頼感のあるコミュニティのイメージですね。 

 

年代も住む地域も多様ないろんな人たちが関わって、コ・ラーニングできる場所。みんなで社会課題を解決していく場所。時代と対話しながら、次のプロジェクトを生みだし続ける場所。ダンクソフトはそういう場所になっていってほしいと、あらためて思いました。 

 

みなさん、今日はありがとうございました。 

 

※1 ポリバレントとは?https://www.dunksoft.com/recruit#philosophy    


参加者プロフィール 

大村美紗 ウェブチーム 

2009年に新卒採用で入社。ウェブデザインを担当。コロナ禍でデジタル化やクラウド化が進むなか、デジタルの苦手な人が取り残されることが心配。デジタルに苦手意識を持つ人にも使いやすいものを提供したいと考えている。 

 

澤口泰丞 開発チーム 

2009年に新卒採用で入社。ダンクソフト・バザールバザールの開発、顧客へのシステム導入などを担当。対面に比べてリモートでのコミュニケーションに物足りなさを感じており、そこをデジタルで解消する有効な方法を探索している。 

 

UMUT KARAKULAK 企画チーム 

インターンシップを経て、2016年に新卒採用で入社。 ARシステムWeARee!の開発に携わる。いま注目しているのはAI。技術的にも環境的にもいよいよ準備が整い、イノベーションが期待できるとみている。 

 

ダンクソフト40周年特設サイトをぜひご覧ください→ https://www.dunksoft.com/40th