2020年 年頭所感

新年あけましておめでとうございます。

 昨年、ダンクソフトは神田鍛冶町3丁目の新オフィスに移転し、心機一転、新たなチャレンジを続けてきました。新オフィスは、明るくオープンな空間をもつ新築物件です。メンバーどうしの対話も広がり、多様な意見が交換されて、チーム力が上がってきている手応えがあります。新規プロジェクト、新規事業、新規クライアントをはじめ、多様な新しい動きが生まれた年でした。デジタルもアナログも生かした新しい“出会い”と“結び目”がイノベーションの力になることを、ますます実感しています。 

 2020年は、いよいよオリンピック・パラリンピックです。1964年10月10日。当時は小学校3年生でしたが、大雨がやんで、広がった青空に、ブルーインパルスが五輪を描いたことを、覚えています。この夏、東京には国内外から1000万人もの人が押し寄せます。さまざまな障害も予想されます。都心のすべての企業、団体、個人が、テレワークをフル活用して、通勤せずに働ける環境を整備しなければなりません。ホスト国の一員として、できるだけのことをしたい。ダンクソフトの知見や経験が生かせるタイミングが来ています。

もくじ

■人間・自然・機械が協働する社会へ

■デジタル領域の 「インターミディエイター」 として

■人類初体験の技術進歩のなかで

■「デジタル・デバイドの解消」、そして 「コミュニティの活性化」 へ

■お客様とともに、デジタルで「実績」をつくる年に 

■人間・自然・機械が協働する社会へ

 2020年は、オリンピック・パラリンピックに向けて、地球規模で変化が加速していくでしょう。なかでも私が注目しているのは、パラリンピックです。ツールが進化し、人のポテンシャルに新たな用具やチームの力が合わさって、障がい者アスリートの記録が健常者の記録を超えていくときが来ました。それもおそらく圧倒的に超えていくでしょう。 

 パラリンピックは、テクノロジーと人間が協働することで、何より、人間のポテンシャルのすばらしさを再確認させてくれます。またそれによって、多様な違いを認めあい、吸収し、助けあえる素地が生み出されます。さまざまな課題解決を、誰もが参加しておこなっていく。そんな時代の先駆けとなる、変わり目の年になる。そういう意味では、人びとの意識を変えていく年に、きっとなるだろうという期待があります。

■デジタル領域の 「インターミディエイター」として

 ご存知でしょうか? これからのビジネスの新潮流として重要なのは、「人間・自然・機械の協働関係」を重視することです。ここでいう「機械」とは、人工知能や人工生命、AR、VR、量子コンピューティングなども含まれます。人間が自然や機械と対立するのではなく、人間と自然と機械がより相互に協働していく関係が大事になります。そういう大きなスコープのなかで、私たちはビジネスを推進していくことが求められています。

 ダンクソフトは従来から、人間と情報と技術のあいだに立つ「インターミディエイター」として、デジタル・テクノロジーで日々の業務にインクリメンタル・イノベーション(漸進的イノベーション)をもたらす事業を展開してきました。そして、お客様や社会が、デジタルを取り入れて、あたらしい“はじまり”をつくることができるよう、「Digital Re-Creation」を推進しています。

 2020年は、さらに、「人間・自然・機械の協働関係」というより大きなスコープのなかでも、あいだを取り持ち、つねに大小さまざまなイノベーションをおこし続ける「インターミディエイター」の役割を、発揮していきたいと考えています。

■人類初体験の技術進歩のなかで

 さきほどのパラリンピックの進歩にも通じますが、デジタル・テクノロジーはこの40年で、約1億倍に進化しました。パソコンなどのデジタル機器は、最新鋭モデルも2か月後には旧型になっているというくらいのスピードで進化しています。こんなことは他の機械ではありえません。自動車やテレビを考えてもそうですが、他の機械では起こらないことがデジタルには起こっている。技術の進歩のスピードが人類初体験なのです。

 「そうはいっても、あまりの速さについていけないよ」、という状況にいる方こそ、2020年は、私たちダンクソフトと一緒に、この変化の波に乗っていただきたいと思っています。というのも、逆に高速な進歩のおかげで、ちょっと出遅れた人がかえって簡単に追いつけたりもするのです。最初はむずかしい操作ができないと扱えなかったようなものが、インターフェースがどんどんやさしくなって、子どもでも誰でも使えるようになっています。もはやデバイス自体が収れんされて、インターネットに吸収されているのだと思います。

■「デジタル・デバイドの解消」、そして 「コミュニティの活性化」 へ

 技術や知識のハードルがなくなり、デジタルを上手に使えるようになると、仕事も暮らしも、らくに楽しくなっていきます。「デジタル・デバイド(情報格差)」 が解消された状態では、人のポテンシャルがどんどん引き出されるようになります。人間のポテンシャルは素晴らしい。こういう状態を、企業や団体がつくるご支援を、私たちダンクソフトは30年近く、行ってきました。

 しかし、デジタルの効果は、それだけにとどまりません。たとえばペーパーレス化のプロジェクトを推進する場合、まずデジタルが使えるようになり、効率アップや経費削減という成果が得られます。そして、その先には、チーム・ビルディングに結びついたり、BCP(事業継続計画)に有効だったりと、より広く効果の見えやすい実績が出てきます。自社チーム内、あるいは、チームとチームの連携・他社との連携プロジェクトのなかで、また地域社会のなかで、「コミュニティを活性化」するために、デジタルが果たす役割は大きいのです。

■お客様とともに、デジタルで 「実績」 をつくる年に

 21世紀の情報処理技術の進化は、計算ではなく、通信、つまり「コミュニケーション」に見られます。インターネットを中心に、SNS、スマホ、タブレット、動画サイトと、人と人のつながりを補完し、刺激するサービスが劇的に展開しています。これらは、人びとの生活、なかでも特に「コミュニケーション」を一変させてきました。

  ダンクソフトが取り組む“デジタル”は、「コミュニケーション」に寄与するものです。私たちがご提供するのは、お客様が、その先にいるお客様とのコミュニケーションを増やし、関係を深めるためのサービスです。こうした、「カスタマー・インティマシー(顧客親密性)」向上のためには、どうしていけばいいのか。引き続き、お客様とともに考え、形にしていきたいと思います。例えば、関係づくりの観点から、今の多くのウェブには「物語」が足りないと感じています。これからのウェブには、ますます物語が必要です。若い方や女性たちが積極的に物語を語り、参加するようになると、企業・団体にとっては、お客様や地域社会との親密度も変わってくるでしょう。

 今年はオリンピック・パラリンピックもあり、日々、新たなチャレンジをしていく1年になります。新しいビジネス・モデルやサービスも展開します。さらに多様な皆さんとの相互信頼を豊かに深め、多くの実績をともにつくる2020年にしていきます。皆さんとの対話の機会を、今年も楽しみにしています。

 本年が日本と世界の皆さんにとって、さらなる 「Re-Creation」 の一年となることを祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。

 

株式会社ダンクソフト 

代表取締役 星野 晃一郎