ミス・パリ・グループ 様

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ミス・パリ・グループのペーパーレスプロジェクトについて代表取締役 下村朱美氏(写真中央)、プロジェクトを統括された社長室室長 山中敏郎氏(写真右)、プロジェクトリーダーの事業推進課課長 井ノ上幸人氏(写真左)に伺う。

 

■導入の背景・課題

◯ 赤坂のオフィスから銀座に建設した新社屋へ2015年9月に移転が決定していた。
◯ 本社業務では紙を多用し壁一面にはファイルが詰まった書棚がある。また各社員も袖机やデスク上に多くの書類を置いて業務を行っている。
◯ 社内システムを導入はしているものの、作業効率や運用面で課題を感じていた。

 

いつでも顔を合わせられるように全社員が同じフロアで働きたい

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社屋移転にあたり、下村氏には新社屋では全社員が同じフロアで働きたいという強い希望があった。それまでは4フロアに分かれて業務を行っていたため、2か月も顔を合わせずにいたこともよくあったという。社員を一つのフロアに集めるための障害は10トンもあった書類。

そのため10トンあった書類から8トンを減らそうという目標を持ちミス・パリ・グループのペーパーレスプロジェクトを開始した。

 

■導入経緯

新社屋の内装・社内IT改善のために、まずはペーパーレス

ミス・パリ・グループ様では新社屋の社内内装を検討しておりイトーキ社の内覧を行った。イトーキ社はペーパーレスを行っており「こんな風にさっぱりとなるんだな」と下村氏自身も驚かれたという。内装の参考に見学に行った先が偶然ペーパーレスを実施していたことから、新社屋でのペーパーレス構想が生まれた。

また、同時期に社内ITの改善も検討していた。下村氏は一般社団法人東京ニュービジネス協議会の会長も務めており、同協議会理事のダンクソフト星野社長に社内IT改善の相談を行った。その際、イトーキ社の様子を話したところ星野から「ウチはペーパーレスの実績がありますよ」と返答。また、内装の話もあるが社内ITの改善についてもまずはペーパーレスから始める必要があると星野から下村氏、山中氏へ提案があった。

ミス・パリ・グループ様もペーパーレス実績があった。グループ内で一番紙を使うのは学校法人で、試験用紙や教材など大量の印刷を行っていた。そこで2年ほど前から教材などをデータ化しiPadを用いて授業や試験を実施。それにより教科書や大量の試験用紙を削減できた。

学校全体の一部だが、すでにペーパーレス実績のある企業のため「社内のペーパーレス化についても自然のことだった」と下村氏は語る。すでにグループ内の学校法人ではペーパーレス実績はあったものの、実際に業務を行う社内のペーパーレス化は未経験。そのため、実績のあるダンクソフトからペーパーレス・ストレッチの採用を決定した。

 

計画的なプロジェクトにより短時間でペーパーレス推進

ペーパーレスプロジェクト発足から新社屋移転までは約4か月の期間があった。しかしペーパーレス活動のために各部門が実際に費やした時間はわずかだという。まずはプロジェクトチームを編成。プロジェクト全般統括は山中氏、実際の推進リーダーを井ノ上氏が担当し、各部門から部門リーダーを選出して社内推進を行った。

そしてペーパーレスプロジェクト達成までを一気に行うのではなく、期間を2週間ごとに区切りプロジェクトを進めていた。2週間ごとに行われる会議では、次回までの達成目標の決定や部門リーダーから進捗の報告を行う。このようにプロジェクトチームを作り計画的にペーパーレス化を行ったため、実際に必要とした日数は少なくすんだという。

 

セミナーや内覧会でペーパーレスに対する社内理解を深める

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井ノ上氏は「ペーパーレスと聞いて社内の人はあまりピンときていないようだった」と当時を振り返る。そこでダンクソフトがペーパーレスセミナーを開催。

すでにペーパーレス化している日本マイクロソフト社をセミナー会場とし、プロジェクトの各部門リーダーに参加いただいた。ペーパーレス化したオフィスを実際に見学したことで部門リーダーもペーパーレスを実感したという。

「今思えば、井ノ上がなんとかしてくれるだろうという他力本願で始まったペーパーレスプロジェクトだった」と語る井ノ上氏だが、それを打開するため日本マイクロソフト社やイトーキ社、不動産業のシービーアールイー社のペーパーレス化したオフィスを二回・三回とメンバーを変え内覧会を実施する。

内覧会ごとに社員のイメージが沸き、ペーパーレスをやらなくてはと理解が深まったという。

 

ダンクソフトの助言も活用したペーパーレス推進活動

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下村氏と山中氏によると、ダンクソフトの助言も要所要所で効果があったという。

なかでも「各部門から選出する部門リーダーは、部門で一番若い社員を選出する」という助言が印象的だったと山中氏が語る。

トップダウンではなくボトムアップでプロジェクトを推進していくためのアドバイスだ。

部門リーダーを若手にすることで「若いモノがやっているんだから私たち上の人間もやらなくては」と、モチベーションアップやスムーズな意識改革が行われた。

 

プロジェクト中も内覧会でモチベーションを維持

ペーパーレスへの意識改革もでき順調に立ち上がったプロジェクトだったが推進中も苦労があった。部門リーダーを中心に各部門でプロジェクト活動を行うものの、部門ごとの温度差が大きかったという。

外出が多い部門では文書を選別するための時間が取れないという原因でプロジェクトに対する意識の温度差が生じていた。その温度差を埋めるため、山中氏や井ノ上氏が行ったのは日本マイクロソフト社の再度の内覧会や当時建設中だった銀座の新社屋の内覧会を行い、プロジェクトに対するモチベーション維持を図った。

特に新社屋の内覧をしたことで「新しいオフィスで新しい働き方」というイメージを実感できたことが、モチベーション維持に大きな役割を果たしたという。

 

■効果

◯ 10トンあった紙の6トン削減に成功。
◯ 最大の希望であった、全社員が同じフロアで働く職場環境を実現。
◯ 紙を使用しないようにするため、業務方法を自ら工夫する社員が増えた。
◯ 書棚の大幅削減、袖机も廃止できオフィスの美化も実現。
◯ 業務への意識改革と、必要書類の判別ができるようになった。

 

社員の自発的な業務方法改善にペーパーレスが一役買う

最大の希望であった全社員が同じフロアで働くことが実現できただけでなく、社員自らが業務方法を改善する動きが出たと山中氏は語る。システムに頼らず個々の社員が自発的に業務を工夫するきっかけにペーパーレスがなったというのだ。

例えば、紙で受け取っていた請求書をデータで受け取る。納品書など手元に置く必要のない書類は全てデータ化する。また一部で導入しているダブルモニターを活用し、文書を確認する際は画面上で作業を行う。

このような社内に紙が増えない工夫した結果、各自持っていたゴミ箱と袖机がなくなった。「紙やモノを持たない・減らすという志向が定着した」と井ノ上氏も語る。

 

紙が無くても仕事ができるという意識改革と効果的な書類判別で美しいオフィス環境を実現

ペーパーレスを行ったことにより、思い切って紙を捨てても仕事はできるという意識改革があった。いつか必要になるかもしれないと保管していた書類も、実は必要ないと判別できるようになったことは大きいという。

紙を減らしたいがために、いきなり全てを捨てるということはしていない。捨てる決め手は「この数か月で、この書類を一回でも見たか。見ていないのならば捨てても問題ない」という方針だった。まずは明らかに不要な書類を捨て、次に迷っている書類を捨てた。残す必要があると思っている書類も見直すと実は捨てることができたという。

このように三段階を経て紙で残す書類を最小限にした。このような整理整頓が部門や個人で行われたことで美しいオフィス環境も実現した。

 

■今後の展望

継続したペーパーレス推進活動、その先にある新しい働き方を目指す

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山中氏、井ノ上氏は、ペーパーレスを導入してはいるものの、紙を印刷する習慣を捨てられない、ファイルサーバーでデータを共有できていない、データ保存のルールができていないなどという課題を感じている。

そのため再キックオフを2015年12月に行いペーパーレスプロジェクトを継続している。「ペーパーレスにするのなら、サーバー容量を増やせという話題も出るが、一番は地道な意識改革と仕事のやり方を変えることが重要。できない志向をできる志向に変えていく。これを言い続ける必要は感じている」と井ノ上氏は語る。

ペーパーレスにより業務改善・業務効率化ができ仕事がしやすく、早くなるが、IT環境も合わせて改善しないとそのメリットも感じにくいと語るのは山中氏。今は働き方を変える道半ば、社内のクラウド化はこれからで、それが実現できたらもっと働き方を変えられるだろうと話す。

山中氏は「紙というアナログの整理ができてきたので、次はデジタルな部分。情報の精査や格納ルールも合わせて整理し、クラウドを活用した社内システムを構築したい」と展望を語る。

 

本社だけではなくグループ全体を改善、お客様のためになる業務改善を目指す

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下村氏は本社のペーパーレスだけではなく、全国のエステティックサロンのペーパーレス化も視野に入れている。

全国151店舗あるサロンには、お客様カルテや業務報告書類が多くあり、それらは一定期間が過ぎると箱詰めされ本社内で保管している。

全国のサロンから本社に送られた大量の書類保管スペースも課題の一つだ。これらの情報をシステム化することでサロンや本社のスペース有効活用も目指したいと語る。

またミス・パリ・グループ様では早い段階から社内システムを導入している。しかし、運用するとうまくかみ合わないことが多いという。システムを活用すれば人が楽になると思い導入しているが、まだそこに至っていないというのだ。

「もっと便利に、もっと早く、もっと楽に仕事ができるような環境を作りたい」と下村氏は今後を見据えている。「今は本社の業務を楽にするためにペーパーレスやシステム構築を行っているが、それだけではない。(サロンの社員は)椅子に座っているのが嫌だからエステティシャンになっているのでパソコン作業は楽しくない。むしろストレスを感じてしまう業務。お客様と接することが好きな社員のため、ストレスを感じる入力作業を軽減させたい」と社員のためのシステム化を語る。

そしてエステティシャンが持つお客様情報を、自社データとして使用するだけでなく、体質・生活習慣を元にお客様に最適な施術や効率的な通い方をご提供するためのお客様にとって有効なシステム活用も視野に入れている。下村氏は誰にでもわかりやすく誰にでも使える、本当に「頭のいい」システムの導入を目指している。

ダンクソフトにはそのような「頭のいい」システムを提案してくれることを期待していると語った。社員も幸せに働くことができ、お客様が幸せにそして喜んでいただくために自社の強みである人の力にITを活用した効果的な指導や施術を目指すミス・パリ・グループ。今後の取り組みも見逃せない。


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美容の総合商社として「エステティック ミス・パリ」「男のエステ ダンディハウス」など国内151店舗、海外10店舗のエステティックサロンを展開。(2016年1月現在)美容の専門学校の経営やエステティシャンの地位向上・確立を図るNPO法人、ミスインターナショナルを主催する社団法人国際文化協会を運営するなど幅広い事業を行う。

http://www.miss-paris-group.co.jp/index.html